近畿計量大会開く
11月13日、約270名参加して滋賀県大津で
内川日本計量史学会会長が講演
「基本単位の再定義に関する国際的な動向」
近畿地域の2府4県(大阪府、京都府、兵庫県、滋賀県、奈良県、和歌山県)の計量協会など計量団体が共同して開く2013(平成25)年度近畿計量大会が、(一社)滋賀県計量協会(平野將理事長)の当番主催によって11月13日(水)13時から、滋賀県大津市の大津プリンスホテルコンベンションホール「淡海」で開催され、計量協会会員、来賓など約270名が参加した。
元大蔵大臣武村正義氏が講演「この国はどこへ行くのか」
嘉田由紀子滋賀県知事があいさつ
近畿計量大会は13時開会。平野將(一社)滋賀県計量協会理事長が開催県としてあいさつした。
来賓を代表して、高野芳久経済産業省計量行政室長、嘉田由紀子滋賀県知事、宇賀武滋賀県議会議長、越直美大津市長(代読:茂呂治副市長)、橋川渉草津市長、宮下茂(一社)日本計量振興協会会長、楠輝雄近畿計量協議会会長があいさつした。
平野將理事長はあいさつで次のように述べた。計量に携わる者は、好不況に拘わらず、どのような経済環境下であっても、計量の果たす役割の大きい事を自覚して、適正な計量の実施の確保に努めていかなければならない。そのためには府県の枠を超えて、関係者がより資質の向上をはかり、かつ協力し合うことが不可欠である。
嘉田滋賀県知事は、滋賀県は、古来より東西の物流、文化、情報そして人が活発に交わる要衝として発展してきた歴史的背景や進取の気性に富んだ近江商人のふるさとといった県の特性を活かしながら、新たな計量行政の方向を見極め、時代に応じた施策を展開し、より安全で安心な県民生活の確立に努めていきたいと述べた。
感謝状贈呈
来賓紹介、祝電披露の後、表彰式を挙行し、近畿計量協議会会長感謝状を、楠会長から村瀬文雄(一社)滋賀県計量協会副理事長に贈呈した。
近畿計量大会の構成は講演と交流のふたつである。今回の講演は2つあり、それをつなぎ合わせると計量単位と計測標準そして政治と経済と国民生活となる。
産業などの現場計測には変化なし
内川恵三郎氏による計量単位と計測標準の講演は、基本単位のひとつであるキログラムの定義の変更(再定義)に関係する国際的な動向の見極めと、定義変更が計測現場にどのような変化をもたらすか、という内容であった。
質量標準としてのキログラムの再定義に関係するアボガドロ数による方法とワットバランス法などを示して、キログラムの定義を国際キログラム原器の質量としている、現在の定義からの抜け出すための工夫を説明した。
キログラムの定義が変更されても、産業などの現場計測は現在どおりに各種の分銅などを用いるということで実際上の変化がないことが明らかにされたことで、このことは皆がわかっていることではあっても、安堵感の不思議な空気が会場をつつんだ。
この社会のことがよく分かった
武村正義氏の講演は「この国はどこへ行くのか」という演題であり、自治省キャリア官僚、滋賀県八日市(現在の東近江市)市長、滋賀県知事、内閣官房長官、大蔵大臣と、行政と政治と国民の暮らしとかかわって心をくだいてきた経験をもとに、いまの世の中のようすとこの後の日本の行方とその課題を説明した。この社会のことがよく分かったということで、満足そうな顔をしている聴衆が多かった。
次期開催地は京都府
次期開催地は輪番により京都府と決まり、木村雄太郎に(一社)京都府計量協会理事長が歓迎のあいさつをした。
閉会のあいさつは、村瀬文雄(一社)滋賀県計量協会副理事長。
懇親会で交流深める
懇親会では、甲賀市を中心にLIVE活動をしているバンド『AVENUE(アヴェニュー)』によるミニライブが会場を盛りあげた。
三宅雅博(一社)滋賀県計量協会副理事長があいさつ。乾杯の発声は高野芳久経済産業省計量行政室長。
中締めは西川康宏(一社)滋賀県計量協会専務理事。 |