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日本計量新報 2015年1月1日 (3039号)第2部

   

新日本百景 自然歳時記
長良川鉄道に乗って旅をする

8月16日お盆の日に岐阜県関市から郡上八幡に向かう長良川鉄道で、東京からきた青年と向かい合わせた。郡上八幡の徹夜の盆踊りを見物するのだとといって郡上八幡駅で降りたその青年は朝になったらそのまま帰るのだという。大阪の出身だというが事情を詮索しないのが推理を楽しむためによい。
 お盆の間中、雨に降り込められた休暇の4泊を郡上八幡で過ごした。南にある岐阜県海津市の「おちょぼさん」こと千代保稲荷神社(ちよぼいなりじんじゃ)に足を運ぶと郡上八幡の雨天が嘘のような天気であり、この夏の気象にとまどう。京都の伏見稲荷、愛知の豊川稲荷とともに日本三大稲荷の一つとされる「おちょぼさん」では沿道の食べ物屋の賑わいが珍しく思えたが、ここの老舗の鰻屋に用事があって出かけた。
 郡上地域にはレンタカー営業所がないので関市で借りて行動していた。これを返して長良川鉄道越美南線に乗った。岐阜県美濃加茂市の美濃太田駅から岐阜県郡上市の北濃駅までの営業路線だ。写真は北濃駅で折り返しの時間待ちの電車で、これは古い車両。高校生などが主な乗客である。
 北濃駅は郡上市になった旧白鳥町にあり、美濃白鳥駅前でも徹夜の盆踊りがある。北濃駅での時間待ちの間に、ここで町のおばさんたちが営んでいる食堂で蕎麦を食べ、夜の食事の弁当を買い、それでも時間をもてあまして町の歴史を記した本を読んでいた。そこに載っていた写真はオートバイ屋があってそこに出入りする人や、自転車に乗っておかもちを担ぐ人などであり、何とも懐かしい駅前の繁盛ぶりであった。いまはその賑わいの面影はなく、お盆の最後の日の徹夜踊りの行列が当たり前のように流れていた。(写真と文章は旅行家 甲斐鐵太郎)

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