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日本計量新報 2015年5月31日 (3058号)

   

計量計測関連企業の2015年3月期決算
景気回復に支えられて増収増益の好結果

計量計測関連企業の2015(平成27)年3月期決算がでそろった。欧州における景気低迷の長期化や中国・ロシアなどの新興国の成長鈍化など懸念があるが、米国における景気回復が続き、また日本国内でも経済政策や金融緩和策などで大企業を中心に景気の緩やかな回復となり、それぞれ差はあるものの、おおむね増収増益となった。計量計測関連企業別の詳細は次の通り。


エー・アンド・デイ

エー・アンド・デイグループは、新製品開発、新規市場の開拓に注力し、顧客や社会における多様なニーズやその変化に対応してきた。また、成長分野に対する積極的な開発投資をおこなうことで、他社との差別化を図ってきた。
 当連結会計年度の売上高は395億1百万円(前連結会計年度比4.4%増)、営業利益は16億96百万円(同17.8%増)、経常利益は9億19百万円(同10.2%減)、当期純利益は1億63百万円(同86.5%減)となった。
■計測・計量機器事業=日本では、計測・制御・シミュレーションシステム(DSPシステム)が受注も好調で売上を大きく伸ばしたほか、計測機器でも特に環境計測機器で売上を伸ばした。米州では、計測機器・計量機器ともに現地通貨ベースで売上を伸ばしたことに加え、円安の影響により円換算額の売上高も大きく伸びた。さらに原価率の改善、および販管費の圧縮により、収益が改善した。欧州では計測機器が、アジア・オセアニアでは計量機器が売上を伸ばした。これらの結果、計測・計量機器事業の売上高は242億56百万円(前連結会計年度比11.5%増)、営業利益は14億47百万円(同52.8%増)となった。
■医療・健康機器事業=日本では、健康機器は国外向けを中心に売上を落とした。国内向けについても医療機器・健康機器ともに消費税率引き上げ前の駆け込み需要の反動を受け、売上を落とした。さらに原価率の悪化、販管費の増加によって、減収減益となった。米州では、健康機器は現地通貨ベースの売上が堅調に推移しており、それに円安の影響が加わることで円換算額の売上高が伸びたものの、販管費が増加したことで収益の改善には至らなかった。欧州では、売上高が軒並み不調となり、特にロシアでの売上高は大幅な減少となった。ロシアでは経済情勢の悪化を受け、販売台数が減少したものの、値上げ等によって現地通貨ベースの売上高は堅調に推移したが、露ルーブルの価値が日本円に対して大幅に急落したことで、円換算額での売上高は大きく減少した。これらの結果、医療・健康機器事業の売上高は152億44百万円(前連結会計年度比5.1%減)、営業利益は18億10百万円(同8.0%減)となった。
【次期の見通し】
 次期の連結業績予想は、売上高424億円、営業利益17億80百万円、経常利益15億10百万円、親会社株主に帰属する当期純利益9億80百万円を予定している。

チノー

チノーグループは、2014年を起点とする新たな「中期経営計画」を策定し、新たな事業発展を図るべく進めてきた山形事業所の増床工事が完了、藤岡事業所の機器開発センター棟の建設も終了した。12月には中堅企業のアルバック理工(株)を、100%子会社としてグループに加え、1月には子会社の(株)チノーサービスを吸収合併し、サービス事業のさらなる拡大、販売とサービスの一体化による顧客ニーズの深耕を進めた。海外では、中国、韓国、インドのグループ各社において、各地に適した現地生産品目を拡充し、生産・販売・校正サービスの一貫体制を整備してきた。
 売上高は199億5百万円(前期比16.5%増)、売上高は196億77百万円(同17.2%増)となった。このうち国内売上高は158億60百万円(同15.5%増)、海外売上高は38億17百万円(同25.0%増)となった。
 品目別の売上高は、『計測制御機器』は73億71百万円(前期比5.7%増)、『計装システム』は74億2百万円(同42.8%増)、『センサ』は41億82百万円(同12.1%増)、修理・サービス、付属品等の『その他』は7億21百万円(同19.4%減)となった。
 利益面については、営業利益は5億92百万円(前期比50.9%増)、経常利益は8億96百万円(同57.6%増)、当期純利益は3億95百万円(同18.4%増)となった。
【次期の見通し】
 2016(平成28)年3月期の連結については、売上高210億円、営業利益9億30百万円、経常利益10億30百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は5億40百万円を見込んでいる。
(A面につづく)

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