日本計量新報 2008年9月21日 (2741号)2面掲載
島津天びんの歴史は日本の天びんの歴史
−−島津の天びん事業が今年90周年を迎えますね。(聞き手は高松編集部長)
日本で初めて天びん生産
1875(明治8)年創業の島津製作所が日本で初めて天びんの生産を開始したのは、1918(大正7)年です。したがって、2008年で90周年を迎えました。島津の天びんの歴史は日本の天びんの歴史でもあります。
このころの天びんは物理天びんといわれるもので、さおの両側に皿が吊り下がっている形のものです。
その後、生産機種は拡大され、化学天びんをはじめ、微量天びん、大形天びんなどを次々と開発していきました。
質量測定は手間がかかる作業
初期の化学天びんでは、試料を片側の皿に載せ、もう片側に微量分銅をピンセットで細心の注意を払いながら載せていきます。天びんが左右釣り合ったときに読み取りをおこなうのですが、その際には、数回にわたるさおの左右の揺れ幅を目盛板で確認し、振動法で静止点を算出していました。したがって、一つの試料の測定にはベテランの方でも何分もかかり、質量測定は経験がものをいう大変精密で手間のかかる作業でした。
その後、揺れを抑えるエアダンパーや、微量分銅の載せ降ろし装置(NR形)などが次々と工夫され、より使いやすくなりました。
わが国初の直示天びんを開発
戦後になって画期的な方式の新形天びんが誕生しました。「直示天びん」です。島津が命名したこの名称が計量法のなかでも採用されているほど、この方式の出現は日本の天びんの発展にとって画期的なものでした。1950(昭和25)年4月のことです。
従来の化学天びんは、片側に試料を載せ、もう片側に分銅をピンセットで載せていき質量を測定していましたが、この天びんはダイヤルを操作し、ダイヤルの数字と、投影目盛を読み取るだけで、質量を知ることができます。「測定時間はわずか1分以内」というのが当時のキャッチコピーで、今まで何分もかかっていた測定時間が一挙に約1/3以下に短縮できたのです。
戦前既に、先に述べましたエアダンパー、微量分銅の載せ降ろし装置(NR形)や、揺れ拡大投影読み取り装置などを開発していましたが、これらを一つに結びつけて測定値を直読することに成功したのが直示天びんなのです。
天びんでは初のGマーク選定
直示天びんL形は、分析天びんA2−P形とともに、1962年(昭和37年)に天びんではわが国で初めて通産省グッドデザインに選定されました。 直示天びんは“LIBROR”(てんびん座の意味)という愛称のもと基準天びんとして多くのユーザーに最近まで使われていました。
その後、全桁をディジタル表示できるようにした機種、風袋消去機能を盛り込んだ機種、直示の微量天びん、上皿天びんや、機械式の自動天びんなども開発していきました。
産業用の自動ひょう量機も生産
1953(昭和28)年には火薬用小型自動ひょう量機を製作、翌54(昭和29)年には農薬用および粉石けん用の大型自動ひょう量機なども生産しています。。
電子天びんを開発
島津は1971(昭和46)年に「電子式天びん」の開発に成功します。測定時間が今までの1/3の約1分に短縮され、画期的な新方式であった「直示天びん」が誕生してから約20年、次に天びんの歴史を大きく変えたのが電子式天びんでした。
これにより手間のかかる機械操作をしなければならない質量測定が、電源を入れた後は皿の上に試料を載せるだけという現在の測定スタイルになったのです。
1978(昭和53)年には初めてマイクロコンピュータ(マイコン)を内蔵した電子天びんEDシリーズを開発しました。測定のスピードはさらにアップし、以降、小形化、低価格化が飛躍的に進むようになりました。
使いやすさ向上へ工夫
島津は、天びんをいかに便利で使いやすいものにするかということにも力を入れています。自動校正機能付、時計機能内蔵、簡単にパソコンと接続するためのWindows直結機能など、便利にするための様々な工夫を取り入れています。今後もこの姿勢は変えません。
私は、部門のスタッフにいつもお客様の視点にたってよりよいものを創り出す「イノベーターたれ」と鼓舞し続けています。
画期的な質量センサーである「ユニブロック」については後ほど説明いたします。
島津天びんの歴史は日本の天びんの歴史
−−島津の天びん事業の位置づけは。
私たちがめざす方向性に関してお話したいと思います。私たち天びんビジネスユニットは、分析計測事業部に属しています。分析計測機器を使うにあたっては、はかりたいもののサンプルの質量を天びんできちんとはかる必要があります。そのための、精度が高いラボ用の分析天びんの開発・製造を島津は基本にすえてやっていくということです。
はかりの企業のなかには、産業用はかりを基本に事業を展開されているところもあります。また分析用から産業用のはかりまで広くラインアップされている企業もあります。そのなかで島津は分析計測というカテゴリーへ集中してやっていきます。
「人と地球の健康のために」をめざす
島津製作所は、基盤事業である分析計測機器、医用機器、航空・産業機器事業をベースに、21世紀の成長分野である次世代医療、産業計測、環境処理など[S1]の各分野においてさまざまなソリューションを実現する製品・サービスを提供しています。
分析装置のフロントエンドとして
当社の社是は「科学技術で社会に貢献する」ですし、経営理念は「『人と地球の健康』への願いを実現する」です。これらを真摯に取り組んできた会社であり、実現するための事業を展開しています。われわれの天びんもそのための機器分析の一部門として事業を進めています。広範な分析装置のフロントエンドとしての精密なはかりを提供していきます。
天びんは工場の生産ラインにも使われる
当社の天びんは精度が高いラボ用ですが、堅牢であるため、現在、工場の生産ラインなどの現場にもどんどん使われています。たとえば、出荷品の欠品検査を質量でやる場合などです。そのために上は数キログラムから下は10ミリグラムまではかる天びんが必要になってくる産業もあります。またミリグラム以下の精密な精度で部品の品質管理をしている生産現場もあります。
当社の天びんはラボ用に特化したものですが、求められる分野には、どんどん製品を提供していきます。
価格競争時代の対応に遅れ
−−苦しい時期もあったのでは。
島津は90年という長い歴史のなかで、精密天びんをつくりつづけてきました。先ほども述べましたように30年ほど前から、マイコンの登場やICの進化などにより、天びんの電子化が進みました。そして、昔の機械式天びんが電子式天びんへ置き換えられていきました。
そして20年ほど前からは、ものすごい価格競争の時代になりました。たとえば電子天びん1台が70万円ほどしていたのが、現在は同等製品が半値以下で販売されています。
当時、島津は機械式天びんや高級な電子天びんでかなりのシェアがありましたが、価格競争、価格破壊への対応で若干の後れをとることになってしまいました。
日本計量新報 2008年5月4日 (2722号)2-3面掲載
画期的な質量センサー「ユニブロック」を開発
−−島津は画期的な質量センサーを開発しましたね。
部品点数は70分の1
苦しい時期もありましたが、2004年に画期的な質量センサー「ユニブロック(UniBloc)」を搭載した天びんを市場に投入しました。そしてこれが圧倒的にマーケットの支持を得たわけです。1年後には分析天びんでユニブロック搭載機種をだしました。
ユニブロックは島津が世界に先駆けて開発したアルミ一体型質量センサーです。
ユニブロックはひとかたまりのアルミ合金を精密放電加工し、従来のセンサーブロックを一体化したもので、ネジやバネなどを使用していません。従来のユニットは材質が異なる70点の部品で構成されていました。ユニブロックは均一なアルミブロック1点ですから、部品点数は70分の1に、体積は約10分の1にすることができました。
応答性、温度特性、耐衝撃性が向上
ユニブロックはその均一構造によって、「応答性」と「温度特性」が格段に向上しています。またシンプルかつコンパクト化できたことにより「対衝撃性」がアップしました。ゼロ点のドリフトや四隅誤差(ひょう量皿の四隅に試料を置いた場合に生じる測定誤差)などを抑えて安定性が究極レベルまで高まり、信頼性の高い質量測定を実現しています。
どのくらい安定であるかというと、石製の除振台を使わなくても、普通の机でも充分安定するほどです。ドラフトチャンバーのなかでも割合使えます。
ユニブロックを採用したことにより長期間の使用においても信頼性の高い質量測定が実現しました。
メンテナンスも簡単です。
おかげさまでユニブロックの島津ということが定着してきました。この一体均質構造は今もユニブロックだけですが、他社も似たような構造の製品をだしてきており、我々としてもさらに次世代のユニブロックを開発中です。
島津製作所は長年精密天びんをつくってきています。そのなかで、精密天びんを知り尽くした島津ならではのビジネス展開をしてきていると思います。
似たようなコピーはつくれても中身は違う
今の電子式のはかりはコピーをしようと思えば、比較的簡単にできます。中国などの展示会でわかるように、地元のメーカーが外国製品のコピー品を数多くつくっています。
ただし、上皿天びんの1<CODE NUMTYPE=SG NUM=8475>の目量のクラスになると、正しくはかるためには温度補正が重要になってきますが、これらの多くはそのあたりの対策をしていません。なかには温度補正の必要性をわかっていないメーカーもあります。
はかりの性能の基本はメカ部分
国内でも、メカのはかり部分がきちんとしているかどうかで、やはり性能に差がでます。
はかりの性能は基本的なメカ部分の精度で決まります。電気的な部分は、信号をいかに正確に伝達するかということです。心臓部はメカですから、ここをきちんと押さえておかないといけません。当社は科学機器メーカーの良心として90年の経験に基づいて、はかりはこうでなくては、という部分をきちんと押さえてやっています。
使いやすさ向上へ新技術投入
天びんデータをパソコンへ取り込む「Windows直結機能」
−−ユニブロック以外にも画期的な技術がありますね。
ユニブロックばかりが前面にでがちですが、島津は天びんの使いやすさの向上にも力を入れています。
その一つである「Windows
直結機能」も強力な武器です。特別なソフトを使わなくてもプラグをつなぐだけで、ウィンドウズ上で動くエクセルやワードなどへ、天びんでの測定結果を自動的に取り込む機能です。こんな便利な機能は他にはありません。これも島津が特許をもっています。
測定データのコンピュータへの取り込みに先鞭をつけたのは島津ですし、他社製品は専用ソフトをインストールする必要がありますが、当社製品は専用ソフトが必要ないため、手間がかかりません。
タイマーCAL
便利な機能として「タイマーCAL」という機能があります。これはあらかじめ設定した時刻に天びんが内蔵分銅により校正を開始するものです。大切な測定作業の前(たとえば朝の始業前、昼休み、夕方休み等)に校正時刻を設定しておけば、天びんがその時刻に自動的に校正を開始し、使いたい時に感度校正を気にかけることなく安定した測定ができます。いわば目覚まし時計付きの自動校正機能です。分銅内蔵型のUWシリーズ、AUWシリーズなどにこの機能を搭載しています。
正確な測定のためには校正(キャリブレーション)が欠かせません。この面倒な校正を使用者が意識せずにおこなえるので大変便利です。
常にイノベーターたれ
当社はこのように、常にお客様の目線で、天びんの使い勝手がよくなるように、新しいアイデアをどんどんだしていこうということでやっています。
使い勝手のよい注目の新製品
−−注目の新製品を紹介してください。
操作ラクラクのAmidiaTX/TXBシリーズ
TX/TXBシリーズの特長は、右端の丸いリングです。これも「イノベーターたれ」の方針が発現した部分でして、メニュー操作専用のキーを測定用キーから独立させました。「スマートプラス」と名づけた十字キーにより直感的にメニュー操作がおこなえます。
直感的に設定を変更できる
当社製品を含め、従来は単位とか設定の切り替えはサブメニューへ入っていかないと変更できなかったため、この操作が複雑で難しく、取扱説明書を見ないと変更できませんでした。今回メニューキーを測定用キーから独立させることによって、マニュアルを見ないでも直感的におこなえるようにしたものです。
測定中にワンタッチで応答速度を調整
お客様からの不満のなかに、測定結果の表示の応答が遅いとか、逆に表示がふらふらして安定しない、というものがあります。
表示がふらふらして安定しない、ということで現場へ行ってみると非常に環境の悪いところで使用されていて、設定も工場出荷時のままという場合があります。しかし、お客様にとって、手軽に使える天びんは今や電卓と同じような存在ですから、こういう不満がでるのは無理もありません。
この応答安定の設定もメニューキーを独立させることによって、すぐに変えられるようにしました。メニューキーの右と左を押すことにより、すぐに変えられます。測定途中に、「もう少し表示を安定させたい」または逆に「反応スピードをアップさせたい」と感じたとき、測定を中断することなく、ワンタッチで調整ができるようにしたのです。
測定をいったん中止して設定し直す必要はありません。測定中にリアルタイムで変更ができます。調整状態が目で見てすぐわかる専用インディケータもつけました。「スマートセッティング」と名づけたこの機能は、展示会などでのデモンストレーションでも大きな反響があります。
使いやすさを工夫したTX/TXBシリーズは、おかげさまで生産が追いつかないほど売れています。
使いやすさ実現へソフト系を全部見直した
TX/TXBでは従来のソフトウエアのプラットフォームを全部つくり変えました。今後の商品開発の、電気・ソフト系のベースにしていきます。
愛称は「Amidia (アミディア)」
TX/TXBシリーズに愛称「アミディア」をつけました。これは造語です。親善、友好、親しみやすい、親近感があるという「amity」という言葉と、これにはTX/TXBシリーズの操作性がよいという意味も込めているのですが、媒体という意味の「media」、これにはメーカーとユーザーをつなぐ媒体という意味を込めました、をあわせて「Amidia(アミディア)」としました。
型番ではなく愛称でお客様に親しんでいただければと思います。
日本計量新報 2008年5月11日 (2723号)2-3面掲載
地球に優しいイメージのグリーンカラー
「Amidia(アミディア)」のイメージカラーは操作ボタン中央部のグリーンです。島津の経営理念は「『人と地球の健康』への願いを実現する」です。島津は環境への取り組みを全社的に進めており、新しい事業として、現在土壌の浄化に取り組んでいます。
有害物質による土壌汚染が顕在化し、社会問題となるケースが増加しているなかで、大気・水・土壌に含まれる有害物質をモニタリングする「環境計測機器の開発」を進める一方、土壌汚染が懸念される土地の調査情報をもとに、島津製作所がもっている新しい土壌浄化技術(電気修復法)を使った土壌汚染の解決策などを提案しています。
学校や企業への「環境出前講座」も早くから実施しています。次の世代を担う子供たちにも環境の大切さを学んでもらっています。
科学技術は何のためにあるのか、環境をよくするために何をすればよいのかというのが、島津の環境への取り組みの考え方の根幹です。
静電気除去装置「STABLO−EX」
バランスのよいイオン照射で、試料・容器の静電気をすばやく軽減する静電気除去装置「STABLO−EX」もかなり好調です。
電子天びんによる精密な測定では、試料や容器が帯電している場合、静電気の影響で測定値が不安定になるという問題があります。とりわけ乾燥した環境下では帯電が起こりやすく、静電気防止のための湿度などの雰囲気管理が必要です。
「STABLO−EX」は、試料や容器に帯電した静電気を軽減・除去して、計量の安定化に威力を発揮する電子天びん専用の静電気除去装置です。
交流方式コロナ放電採用で除電範囲が広い
当社の装置の特長は、島津だけの「交流方式コロナ放電」です。放電針に交流電圧をかけて1本の電極からプラスイオンとマイナスイオンを等量取りだして試料や容器に照射し帯電を中和する「交流方式コロナ放電」を、天びん専用除電器としては初めて採用しました。
「交流方式コロナ放電」は、2本の電極に直流電圧をかけて各々のイオンを取りだす直流方式に比べて、噴出口から取りだせるプラスイオンとマイナスイオンのバランスがよいことと、電極の経時的劣化があってもイオンバランスが崩れることがないのが特長です。そのため、本装置は、帯電の中和ができないまま除電後の電位のずれを生じたり、プラスあるいはマイナスへの逆帯電を起こすことがありません。
90周年謝恩キャンペーン
天びん事業90周年の謝恩キャンペーンをやらせていただきます。1月、2月には、分析天びんをお買い上げいただいたお客様には格安で静電気除去装置「STABLO−EX」を販売させていただきました。おかげさまで1、2月には通常月の倍くらいお買い上げいただきました。
将来的には、天びんに静電気除去機能を内蔵できないかと考えています。
ラボ用天びん中心に、生産現場へも力 −天びんの使い勝手向上を追及
−−今後の方針をお聞かせください。
価格競争に巻き込まれない
中国やポーランドのメーカーが台頭してきています。彼らは労働コストのメリットがありますから、低価格製品で攻勢をかけてきています。
私たちは、これに対抗するために、
はかりのメカ的な部分をしっかりつくり、それにプラスして使いやすさ、便利さを追及して訴求力を上げていきたいと考えています。価格競争に巻き込まれないようにします。
この3月で経営3カ年計画の区切りがつきました。2008年度からは新しい3カ年計画で進めています。
海外市場は毎年10%の伸び
この3カ年を振り返ってみますと、海外市場では毎年10%ほど売上が伸びています。ユニブロック搭載、Windows直結、タイマーCALなどよる他社製品との差別化や、販売チャンネルを増やした効果がでていると思います。ヨーロッパの一部の地域では、島津製品が脅威として捉えられるようになってきています。
次の3カ年もTX/TXBシリーズのスマートプラスなどで他社との差別化をはかり、さらにがんばっていきたいと考えています。
一方、国内市場の状況は3年間伸び幅はわずかですが伸びています。TX/TXBシリーズなどの投入で昨秋ぐらいから少し上向いてきています。
世界全体の市場割合としては、欧米が3分の1、中国が3分の1、残りが3分の1というところです。日本は全世界の1割ちょっとぐらいです。
島津の場合は金額ベースでいうと、海外売上のほうが国内より少し多いという感じです。
ラボ用、生産現場用という垣根崩す
海外市場での売上はまだまだ伸ばしていかなければならないですし、国内市場でも競争に勝っていく必要があります。他社も新製品を投入するなど競争は激しくなっています。
当社は分析計測機器総合メーカーのなかの天びん部門ですから、ラボ用途が中心になります。
先ほども申し上げましたが、品質管理などの必要から生産現場でも天びんが使われるようになってきていますので、こちらにも力を入れていきます。ラボ用、生産現場用という垣根を崩していかなければなりませんし、販売チャンネルなどを見ても、実際に垣根が無くなってきています。
使いやすさ向上を追求
天びんの使い勝手の向上を引き続き追求して、他社との差別化をはかり、お客様に島津天びんを数多く導入していただけるようにがんばっていきます。
お客様が「島津と関わってよかった」と思う商売がしたい
−−島津の天びん事業の基本となる考え方は何でしょうか。
天びん事業もビジネスですから、成長を勝ち取っていかなければなりませんし、利益を上げていく必要があります。しかし私たちは、基本はお客様が島津と関わってよかった、島津の天びんを選んでよかったと思ってくださるような、お客様に満足していただく商売をやっていきたいと思っています。
アフターサービスにも力入れる
商品展開だけでなく、サービスの更なる強化も行います。天びんも機械である以上壊れることがあります。しかし、その時にすばやく、ていねいな対応をすることによって他社と差別化できますし、お客様にも満足していただけます。
セミナー・講習会も好評
−−セミナーや講習会も開催されていますね。
計量に関するセミナーや講習会を定期的に開催しています。販売促進の目的もありますが、お客様に天びんについての正しい知識をもっていただくことも目的として開催しています。理系の大学をでられていても、計量や天びんに関する正しい知識をもっておられる方は少ないですから、出席されたお客様からは「来てよかった」と好評をいただいています。
JCSS校正の活用を
計量のトレーサビリティの重要さが増しています。品質システムの正当性・妥当性・透明性が社会一般で受け入れられるには構築したシステムがISO9000シリーズや、GLP、GMP、QS−9000、HACCP、ISO/IEC17025等に適合している必要があり、これらのシステムは多くの企業が活用しています。
そのため、天びん・はかりや使用分銅の校正結果には、不確かさがすべて表記された国家標準とのトレーサビリティが不可欠です。従来天びんやはかりを自社内で校正する場合、多くの企業は不確かさを考慮していませんでした。しかし、今後はきちんとしたトレーサビリティが必要になっています。
JCSS校正登録事業者は認定基準としてISO/IEC17025に適合しています。さらに、国際MRA対応の事業者は相互承認したすべての諸国間においても通用するJCSS校正証明書を発行することができます。
不確かさの値が表記された、島津のはかり・分銅・おもりのJCSS校正はトレーサビリティ確保の面から、品質システムの構築に最適です。当社製の電子天びん、はかりだけでなく、お客様所有のどんなメーカーの天びん・はかりでもJCSS校正を実施いたします。
お手元の天びん・はかりのJCSS校正のご用命は、当社グループ会社である東京島津科学サービス<CODE NUMTYPE=SG NUM=73C2>が東日本を、西日本は<CODE NUMTYPE=SG NUM=73C2>カンサが承ります。両者とも国際MRA対応の事業者です。ぜひご利用ください。
契約件数もだんだん増えてきていますが、まだまだ活用していただけると思っています。もっと普及させていきたいですね。
−−ありがとうございました。
(おわり)
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