チノー

ライフサイエンス事業部を発足 医薬・医療分野の温度管理需要拡大に対応

 

チノー(東京都板橋区熊野町32-8、豊田三喜男社長)は医薬・医療分野の温度管理需要拡大に積極的に対応するため、ライフサイエンス事業部を新たに設立した。

 

ライフサイエンス事業部の概要は次のとおり。

 

現在の医薬分野では、製薬産業でのグローバル化による適用規制の拡大、データインテグリティ(データの完全性)の管理強化、国内のジェネリック医薬品使用推進による温度管理需要の急増という環境にあり、また医療分野は再生医療の拡大、ISO15189(臨床検査室の品質と能力に関する要求事項)やJCI(医療の質と患者の安全性を国際的に審査する機関)の認定取得による温度管理・監視の需要の増加という状況にある。さらに近年、世界各国で医薬品適正流通基準(GDP)への適応が広がりを見せ、国内でもガイドラインの制定の動きがあることから医薬品流通市場での温度管理需要は拡大することが予想されている。

 

これらの需要の高まりのなか、同社では本体に表示機能を有した温湿度計測用監視機能付き無線ロガー「MD8000シリーズ」や多様な機能を有する計測データプロテクト機能付きグラフィックレコーダ「KR20003000シリーズ」、システム構築が容易な収録・監視パッケージシステム「CISAS/V4」、電子記録管理パッケージソフトウェア「CISAS/ER」等の製品で少点数から数千点までのPart11ER/ES指針(電子記録/電子署名の要求事項)規制に対応した集中管理システムを提供してきたが、成長を続ける医薬・医療分野を事業の柱の1つとすることを目標に、ライフサイエンス事業部を発足した。

 

ライフサイエンス事業部では今後、コンピュータ化システムバリデーション等の高度な品質スキルが求められるエンジニアリングスタッフを拡充し、これまでの実績のある製品・サービスの対応力を強化するとともに、来年度はIoTやクラウドに対応し、移動体でも利用可能な新型ロガー製品を投入することで、2020年度に売上高5億円、2025年度には売上高10億円を目指していくとしている。