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エー・アンド・デイとタニタは、健康計測機器分野で業務提携した。


業務提携した谷田千里社長(タニタ)と森島泰信社長(エー・アンド・デイ)

 

 

 

計測・計量機器、医療機器などを手掛けるエー・アンド・デイと健康総合企業のタニタは、健康計測機器分野で業務提携した。

 

今回の業務提携は、エー・アンド・デイの強みである血圧計を主体とした医療領域の技術・商品と、タニタの強みである未病・予防領域の技術・商品を相互に活用することで付加価値の高い新商品・新サービスを創出し、両社のヘルスケア事業の拡大をはかっていく。

 

具体的には、エー・アンド・デイの業務用血圧計をタニタに、タニタの業務用自動身長計付体組成計をエー・アンド・デイにOEM(相手先ブランドによる生産)供給。とくにタニタが保有する体組成計測の中核技術である「タニタアルゴリズム」をエー・アンド・デイに提供し、対象となる両社の機器の相互連携を実現する。新商品の開発スピードを加速させるとともに、両社が強みを持つ領域での品ぞろえの拡大をはかっていく。こうした連携はヘルスケア業界で初の試みとなるだけでなく、体組成計測技術の標準化に向けた第一歩として市場へ大きなインパクトを与えると期待している。

 ヘルスケア業界では、将来の市場拡大を狙い様々な業種が参入し構造改革が進んでいる。今回の業務提携は、こうした構造変革を先取りし市場での競争力を高めるのが狙い。その取り組みの一つがエー・アンド・デイが商品化を進めている家庭用体組成計「UC421BLE」。「タニタアルゴリズム」を初めて搭載し、今夏に発売する。これまで、体組成計はメーカーごとに独自のアルゴリズムを搭載していることから、「体脂肪率」や「筋肉量」などの計測数値がメーカーごとに異なっていたが、こういう状況はユーザーの利便性を低下させるだけでなく、医療・健康データを一元管理するデータヘルスを推進するうえでも障害となる。共通のアルゴリズムを搭載した体組成計を両社で販売していくことでこれらの課題を解決するとともに、体組成計測における日本発の技術標準を確立し、国際競争力を高められると考えている。このほか、相互にOEM供給する新商品として、エー・アンド・デイの自動身長計付き体組成計「AD6551」を3月に、タニタの業務用血圧計「BP910」を7月に発売し、両社の商品ラインナップを拡充していく。


UC421BLE


UC421BLE


自動身長計付き体組成計「AD6551


業務用血圧計「BP910

 

経済産業省は、ヘルスケア産業の市場規模が2016年の約25兆円から、2025年には約33兆円にまで成長すると予測しており、また日本が直面している健康寿命の延伸や社会保障費の抑制といった社会課題の解決に寄与する健康ソリューションは、海外市場へ向けた強力なカードになるとみている。両社では、今回の業務提携により両社の強みを生かした付加価値の高い商品・サービスを展開することで、競争優位性を高めていきたいと考えている。

解説「タニタアルゴリズム」

現在普及している家庭用体組成計の多くは生体インピーダンス(BIA)法という計測技術を用いています。BIA法は、からだに微弱な電流を流し、その電気抵抗値と体重、身長、性別、年齢などから統計学的な回帰分析を行い、体脂肪率や筋肉量などの体組成を推定します。この回帰分析を行う計算式がアルゴリズムです。体組成計の計測精度を司る中核技術といえ、メーカーごとに独自に開発しています。「タニタアルゴリズム」は、タニタが1992年に世界初の乗るだけで計測できる体脂肪計を発売して以来、国内外合わせて1万5000件以上の生体データを収集して開発したアルゴリズムです。体組成計測のゴールドスタンダードと高い相関を実現しています。医療現場でも活用されており、累計で200件を超える学会発表論文でも採用されています。

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