ローマの街角で
−ファッション通り−

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 旅は日常からの脱出だ。家と事務所の往復だけで日を過ごしていると、段々と脳髄のなかに澱のようなものが沈着して元気がなくなる。人間同じことを繰り返していると飽きてしまうのだろう。だから旅は日常からの脱出ということで元気のもとになる。旅行評論家の誰かが「旅は生きるエネルギーだ」といっていた。見慣れない景色を見ること、知らない風俗に接すること、そう「旅はエキゾチズムとの出会いである」。日本人にとってのエキゾチズムを感じさせるのは石の家の文化の国。ローマほど石の家の文化を想像させるところはない。読売巨人軍より永遠なのが石造りの古代都市ローマ。日本のとまやは10年で朽ちるけれど、ローマの遺跡は紀元前からのもの。この旅でローマは2度目。宿泊した5つ星のホテル・エデンは石造りで立派な建物で、内装がまた素晴らしく御伽(おとぎ)の国に迷い込んだようであった。ファッションはミラノであろうか。総じてイタリアンファッション。スペイン広場を起点にグッチやフェラガモが店を出しショッピング街を形成する。写真はこうした街角の夕景。お店も街行くローマっ子も決まっているのだ。おしゃれな通りにはおしゃれな人が集まる。でも、こうしたお店で買い物をするのは観光客と一部の富裕者だろう。大概のローマっ子はジーンズ姿。2泊したローマの夕食はシーフードのサバティーニと浅草・濱清のローマ直営店。東欧が開放されたらパリやローマはこの国々から来る観光バスがうんと増えたという。普段は文化や歴史に縁遠い私もローマにおのぼりさんに出かけたら「おらー、ほんとにぶったまげただー」。(写真・文とも論説員、横田俊英)


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