|野鳥歳時記|

ヒバリの姿が見えない

丘のうえ ヒバリ夢見て 舞い上がる  虚心

 キジが啼きウグイスが啼くが
 春の野に出て新緑の息吹を胸一杯に吸い込むと化学肥料を蒔いた臭いが舞い込むことがあります。畑には夏野菜を植える季節になりました。畑をやっているのはいいのですが、夏場の草むしりは暑いのと蚊におそわれるので閉口です。
 春を象徴する野鳥との巡り逢いを求めているのですが、感動的な出逢いに恵まれていません。
 家の周りにいるキジは2月初めからケン・ケンと啼いて縄張り宣言をしております。ウグイスも4月になるともう十分に訓練した啼き声を発するようになり、谷渡りのケチョ・ケチョを連発しています。
 丘の上の麦畑はすっかり青々としてきたのですが、いつもの年には天空でピリ・ピリないているヒバリの姿が見えません。どうしたのかな。

山女魚がいた
 近くの小川の流れには山女魚(やまめ)が姿を見せて私をほっとさせてくれました。昨年と同じ流れの筋にいて人が近づくとサッと逃げていきます。昨年いた山女魚なのか別の個体なのか分かりませんが、私はうれしいのです。胸の奥では釣り上げてしまおうかという思いがわいてきますので、これを打ち消すのに苦労します。妙な思いがわくのは一瞬のことですから、微笑ましい葛藤ではあります。

忍野の桜
 都内の桜が散って2週間過ぎたころに、いい頃だろうと山梨県の忍野八海に足を運びましたが桜はまだでした。
 忍野は富士山からのわき水が大量に出ます。暖かいわき水は春の早いうちから山女魚のフライフィッシングを楽しませてくれます。 知人の三島市役所の職員が、御殿場を越えて来て釣りをするのです。山中湖も桜はまだでしたが、元気の良い人間がバスフィッシングのボートを出していました。6月になれば山中湖周辺はアオジの啼き声で埋まるのですから季節の移り変わりの妙を感じます。

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