|野鳥歳時記|
ヒヨドリ |
ヒヨドリが 花見の宴に おおはしゃぎ 虚心
ヒヨドリは桜の花が満開になると花をついばんでビャービャーとおおはしゃぎです。春の里山で目立つ野鳥はヒヨドリ、ホオジロなどですが、ずうずうしさにかけてはヒヨドリという野鳥の右にでるものはないでしょう。あえていえばハシブトガラスとカワラバトかな。ムクドリもヒヨドリに迫りますが身体が少し小さいのと道化た姿ですからヒヨドリには及びません。
私の住む里山の桜は4月8日に満開でした。カメラを担いで津久井湖や相模川、道志川などを散策に出かけたのですが、ヒヨドリは5月下旬のポカポカ陽気に浮かれてビャービャーと満開の桜の枝を飛び回っていました。ヒヨドリの声は大きいので、桜にきている他の野鳥がかすんでしまいます。
道志川にも相模川にもカワセミがいます。道志川は相模川の支流ですが、枝分かれした上流部といった方が実体をよく表しています。道志川の上流部から津久井湖に注ぐ下流部までカワセミは生息しています。この日は道志川の満開の桜の木の下から1000の望遠レンズをカメラに付けたバードウオッチャーに出合いました。カワセミの定点観測をしている人ですが、クロカン四駆で河原に乗り入れて川遊びしているグループがいるためカワセミが姿を見せてくれないのだそうです。カワセミは夏が似合う野鳥ですがこの日、日中は半袖で用が足りるほどに気温が上昇しました。カワセミのことは別 の機会にふれたいと思います。
ヒヨドリは何にでも手を出す野鳥です。柿の実はもちろんキャベツもついばみます。冬場に収穫しないで放置された畑のキャベツを見事に食べ尽くしてしまいます。ヒヨドリは冬場でも餌の心配の少ない野鳥といっていいでしょう。現代はこういう鳥がよく繁殖するのです。カワラバトやハシブトガラスなどがそうです。現代の人と鳥との関係は、人が排出する残飯や取り残しの果 樹、野菜が鳥を通じて成立している所もあるのです。野鳥の食物連鎖に現代人が無意識のうちに関わっているのです。三鷹市に家を建てた野鳥の名前も知らない農学士の先生は小さな庭に餌場を作ってヒヨドリを呼んでいます。カラスやハトが悪い奴らであるとは言いませんが、憎らしげな野鳥はヒヨドリも含めて人が育てているように思えてなりません。
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