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コゲラ

山百合の  清さにうたれて  コゲラ啼き 虚心

コゲラ

 山百合の花が盛んです。住まいのある神奈川県相模湖町が定めた町の花が山百合なのですが、山影の土手の山百合の茎が道に向かって伸びたと思ったら、大きな白い花が咲き出しました。山百合の花は単純に白いのではありません。花びらのなかほどに黄色い縞がとおり、そのあたりに赤い粒が転々と刺しています。山百合の花は、この黄色と赤い転々が味わいでもあります。カサブランカの白いだけ、大きなだけというのは人工的にみえて面 白くありません。
 その白い山百合を見ながら、この花に似合う野鳥はなんだろうとこの2週間考えておりました。山百合と一緒にすると味わいの出る夏の野鳥となるとこれが難しいのです。
 そんなことを考えている間にヒグラシが鳴き出しました。最初に聞いたのは7月1日ですが、裏山の杉の木立から声がしたのは7月15日でした。そのとき一緒に声を出したのがコゲラです。低いジュジュという声です。
 コゲラは遠慮がちに啼き、クルミの木をコツンコツントつついています。地味な姿で派手な行動をしないのがコゲラです。姿も白と黒の縞模様でオスは目の後方にわずかに朱をいれています。白と黒の間には茶が混じりますが印象には残りません。スズメよりわずかに小さいかな、というサイズで家の周りにも姿を見せるのです。
 コゲラは留鳥ですから秋にも冬にも春にもいます。郊外の民家の近くにも生息する野鳥ですから目撃することが多いものです。  

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