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ヤマガラ

ヤマガラが  宙返りする  秋の空   虚心

ヤマガラ

 野鳥を探しに野に出るのですが、10月初旬の山里や低山は夏の鳥と冬の鳥の交代期にあたるのでしょうか、空振りがつづきます。その季節にふさわしいこれはという野鳥を見つけると嬉しくなるのですがね。

 ヤマガラは留鳥ですから何時の季節の野鳥と言い切ることはできないのですが、夏の鳥ではなく冬の鳥でもないでしょうから、春と秋の野鳥ということになります。春にふさわしい野鳥は多いですから、私はヤマガラを秋の野鳥にすることに決めました。

 日本野鳥の会東京支部の7月の例会で観察されたヤマガラですが、高尾山では探鳥会が2度行われて参加者は41名、32名で、それぞれ3羽、5羽でした。明治神宮での探鳥会には32名が参加してヤマガラ8羽が確認されました。シジュウカラは順に5羽、3羽、15羽でした。私の住む里山ではヤマガラの姿よりもシジュウカラを見かけることが圧倒的に多いのです。

 シジュウカラと同じくらいの大きさのヤマガラは、シジュウカラを茶色にした野鳥と言えばいいでしょうか。灰色の背、黒い頭、茶色のほほ、茶色の胸という色彩 で雌雄同色です。日本人には籠で飼う鳥として親しまれてきました。それで縦に長いヤマガラ籠ができたのです。おみくじを引かせたりの芸達者な野鳥です。啼き声はツツピーン・ツツピーン・ツツピーンというものですが、このツツピーンを何回連続するかでヤマガラの啼き声を競わせていた地方もあります。ヤマガラは朝鮮半島にも棲んでいます。

 ヤマガラには三宅島などに棲むオーストンヤマガラがあります。南に棲む亜種は、南下するほど色が濃くなるか黒みがちになるという傾向があり、オーストンヤマガラはヤマガラを赤い眼鏡で見ているような体色をしております。

 柿の実が色付き始めましたから、落ち葉の季節はもうすぐです。暑さが去って山での行動が楽になってきていますから、カラ松の林に散策に出てはいかがでしょうか。  

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