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2011年・関係団体の行動の基本

国際整合化に向けた当機構の取り組み

一般財団法人化学物質評価研究機構理事長 細川幹夫

細川幹夫

  2011年の新春を迎え、謹んでお慶びを申し上げます。
 近年、地球環境問題、食品安全、健康、製品の品質管理など、データの信頼性確保がますます重要な問題となってきており、標準物質は、これらのデータの信頼性確保には必要不可欠となっています。現在、当機構は、計量法計量標準供給制度(JCSS制度)に基づく標準物質に係る指定校正機関として標準物質の製造・校正を行っています。これまでにJCSS制度開始当時のおよそ3倍の121種類の標準物質が供給できるようになりました。

 一方、JCSS制度が国内法である計量法に基づき運営されているものの、国際的な整合性の確保が求められるようになってきました。このため当機構では、次のような対策を講じてきました。

 まず、(独)製品評価技術基盤機構(NITE)が運営し、試験所および校正機関の能力に関する一般要求事項(ISO/IEC 17025)および標準物質生産者の能力に関する一般要求事項(ISO Guide 34) に基づき審査を行う製品評価技術基盤機構認定制度(ASNITE)の認定を、標準ガス・標準液の分野で取得したことです。国際的にもISO Guide 34の認定取得を促すものとなっており、このシステムを運用することで、信頼性の高い標準物質を供給できると考えています。

 次に、(独)産業技術総合研究所計量標準総合センター(NMIJ)から、国家計量標準機関としてNMIJを補完する機関に当機構が指名されたことです。これによって、国際度量衡委員会の物質量諮問委員会の基幹比較のうちJCSS制度で供給されている標準ガスに関しては、当機構が参加することになりました。昨年は、2物質の基幹比較に参加しました。これは、当機構にとって重大な責務であるとともに、JCSS制度で供給されている標準ガスの国際化につながるものと期待するところです。

 第三には、2005年にアジア太平洋計量計画(APMP)に加盟したことです。昨年も11月に開催されたAPMPの総会および物質量技術委員会(TCQM)に出席いたしました。今後もAPMPの総会およびTCQMへの参加を通してJCSSの国際化に努めていきます。また、今年のAPMPの総会およびTCQMは、NMIJ主催のもと神戸で開催されることとなり、当機構も共催機関として協力いたします。

 今後ともNMIJ、NITEおよび登録事業者と協力し、高品質なJCSS標準物質の供給に努めていきます。
 本年も変わらぬご指導とご支援をお願い申し上げますとともに、皆様のますますのご繁栄を祈念して頭の挨拶といたします。

 
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