2011年の新春を迎え、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
世界金融危機に続く世界同時不況の中からようやく抜け出して、景気回復への兆しを見せ始めた日本経済ですが、米国の景気減速から円高・ドル安に歯止めがかからず、デフレのさらなる長期化が懸念される一方、依然として続く雇用の悪化や内需の低迷など、国民の景気減速への警戒感は一段と高まっています。本年は、現政権が経済の再生と活発化に向けて策定した新成長戦略に対するきめ細かな取り組みを通して、持続的な安定した成長を実現してゆくことが期待されています。
こうした厳しい懸念要因を抱える中で、今、加速する技術革新や経済のボーダレス化に伴う競争の激化、さらに新興国の発展など、企業を取り巻く環境は急速な変化を続けています。包装分野においても地球環境を維持し、持続可能な社会を実現してゆくため、従来の枠組みを超えた連携やコンプライアンスの確保、さらに低炭素社会を支える各種技術の開発など、これからの新しい社会に向けた産業の構築が緊急の課題であるかと存じます。
協会はこうした情勢のもとに、昨秋、第23回東京国際包装展(東京パック2010)を開催しました。環境問題をはじめ、変化する社会に包装はどのように対応していくべきかを世界中が模索している折、内外から17万人を超える来場者を得て、盛況かつ成功裡に開催することができました。このイベントを通して、持続可能な循環型社会に貢献できる包装を実現してゆくことは、世界中の包装関係者の共通の課題であることがあらためて認識され、これからの包装を考える上での大きな指針となったことと思います。この成功が包装産業のさらなる活性化に貢献することを願ってやみません。
景気の先行きに対する見通しに不透明感が増す中、包装を取り巻く環境もますます厳しくなってゆくものと思われます。協会では、このような時こそ、協会の基本事業であります包装適正化の推進や次代を担う包装人材の育成事業などのさらなる充実と、社会のニーズに応える包装の開発や改善に向けた取り組み強化への啓発など、公益事業の推進と強化を通して包装産業の活性化と豊かな社会の構築を目指して邁進していきたいと存じます。
本年もまた、会員の皆様方をはじめ、関係各位のますますのご支援とご鞭撻を賜わりますようお願い申し上げます。
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