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2011年・関係団体の行動の基本

社会の要求により応えられる学会に

品質工学会庶務部会長 浜田和孝

浜田和孝

 新年あけましておめでとうございます。2011(平成23)年を迎え、品質工学会を代表して新年のご挨拶をさせていただきます。

 品質工学会はその前身である「品質工学フォーラム」が1993年に設立され、1998年に品質工学会へと改称して品質工学の研究、普及を進めてきており、今年で設立19年目を迎えます。

 品質工学は田口玄一博士により提唱され、世界的には「タグチメソッド」として知られています。品質工学は評価の技術であり、学問です。製品や技術がお客様の手元に渡った後、使用過程で予期せぬトラブルが起きないかどうかを事前に予測し、問題が起きにくい設計や生産を行うための計測技術、評価技術を研究し、具現化する工学です。品質工学の活用により技術競争力・事業化のスピードアップ・収益力強化などを実現し、品質損失を含めた社会的な損失の最小化を図ることを狙いとしています。

 こうした品質工学の有効性が年々認識され、昨年6月に開催した第18回の研究発表大会では、現在の企業環境の厳しい中でも103テーマの発表がありました。分野は植物・食品・生活系、識別・診断、加工技術、接着技術、複写・印刷・画像形成、成形技術、計測技術、機械系、材料系、電気系、普及・教育、推定・予測など多岐にわたっています。今後まだまだ応用範囲が広がることが期待されています。さらに、2008年からは、6月の大会とは別に11月に、田口玄一博士が「品質工学は技術戦略」と主張したことの意味を深め、具体化する方向を探ることを目的として、技術戦略研究発表大会を開催しています。昨年第3回大会は企業における活用戦略、地域産学官連携における取り組みなどの発表があり、ものづくりと人材育成の観点から活発な議論を行うことができました。これも継続して深めていく必要があります。

また昨年ISOの技術委員会/TC69(統計的方法の適用)において、新技術・新製品開発のための方法論を規格化することが決まりました。その中で、最適化の方法論としてロバストパラメータ設計の規格化が決定し、品質工学会が全面的に協力して原案作成に着手しました。品質工学の規格化は、社会的な損失の最小化を図るという狙いに合致しています。

 品質工学会は本年も、ものづくりと人づくりを通してさらなる発展、社会貢献に努めていきます。来年、学会創設20周年という大きな節目を迎えます。そういう意味で本年は、これまでの活動を振り返り、学会として社会への要求に応えるために何ができるのか改めて問い直し、今後の学会活動の方向性を具体的に示すことが大きな課題です。そのために、学会の役員一人ひとりの一層の自覚と実践が必要であると思っています。

 最後に、関係各位のますますのご健勝とご発展を祈念して、年頭のご挨拶といたします。

 
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