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2015年 計量関係団体 年頭所感

日科協創立70周年の節目を迎えて-新たな連携の時代にどう対処していくか-

(一社)日本科学機器協会会長 矢澤英人

矢澤英人 新年明けましておめでとうございます。年頭にあたり一言ごあいさつを申し上げます。
 昨年12月の第47回衆議院選挙は予想通りに与党の圧勝に終わりましたが、アベノミクスが評価されたというより、国内では前政権が露呈した東日本大震災への対応の拙さや経済対策・外交面での無策ぶりなど、施政の危うさに国民が辟易したことの方が大きかったのかもしれません。
 また、外交面では近隣の日・中・韓の相互不信という問題も与党の政策を後押しした部分が大きかったと思われます。
 それでも、経済的にはアベノミクス継続を国民が容認したと解釈するべきで、事実、デフレ脱却に向けてアベノミクスを加速させることを政権は表明しています。昨年初めにはアベノミクスの第3の矢が放たれており、いよいよ年半ばにも民間投資を喚起する成長戦略が功を奏しての経済効果が期待されましたが、なかなか、そう上手くはことが運びません。デフレ経済から日本が立ち直ったと言うには、まだ景気回復の実感がつかめていない状況が続いております。
 これは、以前と違って短期間での効果を期待できるほど昨今の国際経済および外交問題を巡る環境は単純ではなく、同様に、マーケットの構造も複雑に様変わってきていることを示しています。つまり、品質の高い、安い製品をユーザーに供給しようとしても、現在のマーケットはなかなか競合製品も多様で、販売戦略に長けていないとユーザーに認めてもらえないということになるのです。
 理由として、IT社会の急速な発展でほとんどの情報が無料で入手できるようになったことが一因にあげられます。一時代前に本会が開催していた「全日本科学機器展」も、当時は“情報は有料”が当たり前のように言われておりましたが、現在では、誰でも、いつでも好きなときに情報を無料で入手できるようになった結果、ユーザーは事前に様々な情報を比較検討できるようになったのです。
 つまり、選択権を幅広く所有するようになったユーザーに製品を供給するには、その前にユーザーのニーズを先取りして、ニーズに見合ったオリジナルの製品を供給できるかどうかが重要となるのです。
 今年は、9月2日(水)から4日(金)までの3日間、幕張メッセにおいて「JASIS 2015」を(一社) 日本分析機器工業会と共同で開催いたします。
「JASIS 2015」の技術・製品情報は、期間中に会場にお越しいただいた方々への情報提供を旨としておりますので、ぜひのご来場をお待ちしております。
 科学機器産業は、幸いにも国家の科学技術基本計画の施策に沿って成長してきた経緯があります。つまり、科学機器業界は産学官連携が早くから芽生えて、そして育まれてきた経験があります。この経験を原点に戻って見つめ直し、今後に活かしていくことが業界のさらなる発展につながるものと確信しております。
 本年も良い年でありますよう心から祈念いたします。

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