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2015年 計量関係団体 年頭所感

計量器への水銀使用にご理解を

日本圧力計温度計工業会会長 楠輝雄

楠輝雄 新年明けましておめでとうございます。
 平素は、日本圧力計温度計工業会の活動に、ご理解とご指導を賜り厚く御礼申しあげます。
 市況はアベノミクス効果による株価上昇、企業収益の改善、雇用の回復等がみられ、企業の設備投資も2014(平成26)年7月〜9月期は前年同時期と比較し5.5%増と報じられております。
 一方、円安による原材料およびエネルギーコストの上昇等があり、ここ数年貿易赤字も継続しております。
 対外的には米国の景気はやや持ち直しつつあり、中国、韓国との関係悪化を修復する動きがみられますが、今ひとつ不透明な状況であります。
 国内では少子高齢化がいっきに進み年金・医療費等社会保障費の増大、よって国家予算の膨大化による借金まみれの状態となっており問題・課題が山積しています。いかにこれらの問題を改善していく方向にもっていくか、まさに政治家・官僚の皆さんの手腕が問われているところです。
 2013(平成25)年10月に水俣条約が採択されています。当工業会では水銀添加製品を生産・販売している会員が存在し、また圧力計を生産するにあたり圧力計の校正・検査をおこなう「基準液柱型圧力計」を使用しています。
 そして水銀の特性を最大限生かし、過酷な使用環境条件(高温・高圧・高粘度な測定体の圧力を測定)において計測器としての精度を保持する圧力伝達媒体として水銀以外の液体金属は見あたらないのが現状です。
 昨年は水銀に関する水俣条約対応検討小委員会において水銀添加製品に対するヒアリングが実施され、当工業会として水銀添加製品についての概要、生産・輸出入の実態、代替可能性と代替品の状況、代替困難用途とその根拠、原料水銀の調達と保管の実態、業界としての要望等説明をおこないました。
 水銀削減については2010(平成22)年秋からスタートし計測器に使用されている水銀に関しての使用事例、水銀を使用しなければならない理由、過去・現在の使用量等各種資料の提出および説明をおこなってまいりました。
 当業界においても以前から水銀は極力使用しないよう努力しておりますが、どうしても水銀でないと計測器として成り立たない部分があります。
 ここのところを関係各位にご理解いただき継続生産できるよう強くアピールしており、本年もさらに詰めてまいりたいと考えております。
 アネロイド型圧力計JISB7505-1改正は当工業会技術委員会、JIS原案作成委員会・分科会を経て、2014(平成26)年11月に基盤技術専門委員会が開催され改正の必要な理由・主な改正点を説明、改正が了承されました。
 また本年は金属製温度計JISB7528、JISB7529の見直しの年であり当工業会技術委員会温度計部会にて意見交換、改正すべき内容を詰めてまいります。
 圧力計・金属製温度計は地味な製品ではありますが、産業界になくてはならない製品であり、安全・安心・信頼性の高い製品をお客様にご提供し、お役に立てていることを自負し、今後とも不断の努力をしてまいります。
 本年も当工業会の会員企業にとって魅力ある団体として、有益な情報をよりスピーディに共有し健全な活動が図れるよう注力してまいりたいと考えております。
 関係各位におかれましては、私ども工業会と業界の発展にご指導、ご鞭撻を賜りますようお願い申しあげるとともに、皆々様のますますのご発展を祈念いたしましてごあいさつ申しあげます。

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