新年あけましておめでとうございます。2015年の年頭にあたり、ごあいさつ申し上げます。旧年中は、産総研計量標準総合センターの業務にご理解とご支援を頂き、誠にありがとうございました。本年も何卒よろしくお願い申し上げます。
さて、産総研は独立行政法人として第3期の中期目標期間を本年3月で終了し、4月から第4期に入ります。現在、その準備を進めておりますが、次期の産総研計量標準総合センターの活動と関連の深い会議が最近いくつか開催されましたので、簡単に紹介させて頂きます。
まず、昨年11月初めに国際標準を作成する団体の1つであるIEC(International Electrotechnical Commission、国際電気標準会議)の年次大会が東京で開催されました。世界各国から2500人を超える参加者があり、電気に関する標準化活動の活発さと、重要さを示す大会でした。国際標準というと計量標準との関係が解りづらいのですが、標準化に基づく基準適合性評価が多くの産業においてはますます重要になっており、製品の評価や評価技術において計量標準の役割が重要になっています。産総研では、積極的な標準化活動を継続するとともに、計量標準の側から基準認証の技術的支援をおこなっていきたいと考えています。
次いで、11月中旬には3年ぶりにメートル条約に基づくCGPM(Conférence Générale des Poids et Mesaures、国際度量衡総会)がパリで開催されました。詳細は別の記事(編集部注:本紙第3039号第1部第B面)で報告させて頂きますが、決議の1つはSI単位系の定義改訂に向けて、研究を継続するとともに、計量標準の重要性を喚起していこうというものでした。今後計量標準をとりまく話題が身近なところでも増えてくるよう広報・普及活動を活発化させていくことが重要だと考えております。
そして、12月初めには経済産業省の諮問委員会である知的基盤整備特別小委員会が開催されました。これも、詳細は別途報告されると思いますが、計量標準整備の方針について議論し、特に中小企業の方々に計量標準の情報を共有する活動を強化することになりました。
いずれの会議も計量標準の裾野の広さと、科学としての計量標準が重要な時期にあることを示すものでした。
本年4月に始まる産業技術総合研究所の第4期中期計画期間においては、産総研あるいは大学等で生み出された技術シーズを産業界での実用化につなげる「橋渡し」機能を果たすことが産総研には強く求められています。一方で計量標準は、こういった活動を支える基盤として着実に整備することになっています。計量標準総合センターでは、第4期においては産総研を取り巻く環境を十分理解しそれに対応すると共に、ユーザーのニーズに基づいた計量標準の整備を継続し、普及活動に積極的に取り組んでいく所存です。
最後に、皆様の今年のご健勝とご繁栄を祈念しまして、新年のごあいさつといたします。 |