新年明けましておめでとうございます。これまで同様に本年もよろしくお願い申し上げます。
昨年中は、計量行政室、全国の検定所や検査所、計量協会、日本計量振興協会、日本品質保証機構、民間企業各社、産業技術総合研究所、そして個人OBの方々から講師を派遣していただき大変感謝しております。講師の確保が年々難しくなるなか、皆さんのボランティア的なご協力なしには当センターは成り立ちえません。昨年同様、重ねて感謝申し上げるしだいです。
さて、計量行政は困難な状況に置かれているとよく聞きます。さまざまな人と意見交換すると、業務形態や人材の多様化、担当者や専門職員の減少にともなう組織的弱体化などの状況をよく聞きます。計量研修センターも例外ではなく、状況やニーズに応じた教習を提供していくことがますます求められていると感じています。
さて、いま研修で求められていることの第一は「多様化」ではないでしょうか。それは、自治体がおこなう計量行政がまさに多様化しており、アンケートなどを実施しても従来の教習をもっと強化すべきだという「硬派」から、教習期間をもっと短く易しくしてほしいという「軟派」までさまざまだからです。一方で、センターの提供する教習はほぼ同じままで推移しており、多様なニーズに応えきれていない状況にあります。当センターは産総研の一組織なのでリソースが限られているとしても、許す範囲で多様な教習サービスをおこなうべきだと思っています。そういう意味で現在、短期計量教習をさらに短くした短期計量特定教習(仮称)を検討中であり、なかなか教習に参加できない特定市の皆さんに的を絞った教習を提供できればと考えています。
次に求められているのは「効率化」です。限られたリソースに対応するために、重複した講義・実習の見直しをすることが必要です。また、費用対効果をある程度考慮して、受講人数が極端に少ない教習は隔年にするなどの対策をとることも必要かもしれません。このような整理統合や効率化を進めれば、教習の地方開催やスポット的な教習などニーズの高い教習も可能となるはずです。その第一歩として、来年度は従来の「新任所長教習」と「幹部職員教習」とを統合する予定です。
このように、限られたリソースの中で効果的で実りある教習を提供できるよう当センター全員で頑張っていく所存です。また、関東圏で講師をしていただける方が減少していくなか、講師の派遣を通じて全国的に当センターを支えていただき、若い世代に教育を提供できるよう今年もご協力のほどよろしくお願い申し上げます。一般計量教習の受講生は3カ月もの長い間泊まり込みで教習を受けます。まじめに教習を修了していく若い人たちを見るにつけ、「よりよい教習を提供し続けなければ」と心新たにしつつ、今年も良い年であるよう祈念して私からのごあいさつといたします。 |