2005年11月6日から8日間ネパールへ旅行をした。もう自分の足ではトレッキングは無理であるので、せめて飛行機でエヴェレストを見ること。首都カトマンドゥ盆地の古都の観光とアンナプルナ連峰を目の前にしたリゾート地ポカラの観光と軽いハイキングを目的に出かけたのである。ネパールへ行くというと皆さんエヴェレストとかヒマラヤ山脈を連想して寒いでしょうとか、地球温暖化の影響で氷河が溶け出して危険ではないかとおっしゃるが、普通の観光客の行くカトマンドゥやポカラは、標高が約800mから1100mくらい、緯度が奄美大島とほぼ同じであるので東京とほとんど変わらないか暖かいくらいであった。11月を選んだのはこの時期が最も天候が安定するといわれているからで、ネパール滞在6日間は快晴続きで快適な旅であった。

　前置きが長くなったが、エヴェレストの遊覧飛行は首都のカトマンドゥ空港から空気の澄んだ早朝出発する。ところがカトマンドゥは周りを山に囲まれた盆地であるので、上空は天気が良くても滑走路が霧に覆われることが多く、晴れるまでは飛行機は飛び立てない。幸いにして9時半頃出発できた。飛行機はプロペラ機で、座席は1×1もしくは1×2であるが、乗客が必ず窓際に一人ずつ座れるように乗員制限（20人）をしている。飛行機は東へエヴェレストの少し先まで行ってUターンするが、往きに右側の座席に座った客はヒマラヤ連峰が見えないので、交代でコックピットを見せ説明するサービスをしてくれる。左側の客にはスチュワーデスがあらかじめ渡された山の名前をパノラマにしたパンフレットで説明してくれる。往き右側に座った私が順番でコックピットへ行ったその時、丁度真正面に世界最高峰のエヴェレストとローツェの姿があった。雲一つない青空におごそかに立ちはだかる姿にしばし我を忘れて見入っていたが、後ろから替われと突かれ我に返った。この素晴らしい光景は一生記憶に残ると思う。Uターンした帰路はヒマラヤ連峰を見ながら夢中でシャッターを切り続けた。雪を戴き青空に聳えるヒマラヤの峰々はいつまで見ていても飽きない。約1時間の遊覧飛行は22,000円と一寸高いが素晴らしいヒマラヤの光景には替えられない価値のある飛行であった。

（以上）