計量新報記事計量計測データバンク今日の計量計測情報ニュース会社概要
計量計測データバンク「日本計量新報」特集記事寄稿・エッセー(2021年一覧)
リモートでの詩吟教室
兵庫県計量協会・計量士 松本幸三


松本幸三氏 新年明けましておめでとうございます。

 昨年は新型コロナウイルスの蔓延で一年が暮れ、人の移動や集まりも制限され寂しい一年でした。

 一昨年、このコーナーに「70の手習い」として詩吟を習い始めたことを寄稿させていただきました。一年余り詩吟教室に通い、自分なりに詩吟とはこういうものなのかなあと理解し始めた矢先、昨年の春先からの新型コロナウイルスにより、詩吟教室が休校になりました。

 私が授業を受けている詩吟教室の先生は、NHK紅白歌合戦にも出場された歌手の石原詢子さんで、東京に住んでおられます。揖水流家元として月に1〜2回大阪に来られて詩吟を指導されているのですが、口を大きく開けて吟じる詩吟教室は感染を避ける意味からも、また先生や生徒が大阪へ移動しなければならない等のことから、休校はやむ得ないものでした。

 詩吟教室が休校になり寂しく思っていたところ、昨年11月から、リモート詩吟教室が開催されることになったのです。東京在住の石原詢子先生と生徒がパソコン画面でつながり、指導が受けられるのです。私にとって、リモートは初めての体験で、先ずパソコンについているカメラを確認し、自分の顔がどのようにパソコンに映るのか、そしてバックに映るものは何がいいのか、服装はどれにしようか等、詩吟に関係ないことをいろいろ悩み考えてしまいました。

 リモートを始めるにあたり、会話ができるようZoomというアプリをダウンロードします。次に先生、生徒が画面に映るかどうか、お互いの声が聞こえるかどうかのテストがあるのですが、最初、相手の声は聞こえるのですが、こちらの声が相手に届かず、こちらの言いたいことを紙に書いてカメラにかざして伝えるなど四苦八苦の末、相手に声が届いたときにはホッとしました。

 リモート詩吟教室では、先生のお顔はじめ、去年の春以来会っていない生徒の顔がパソコン画面に映し出され、なつかしい気持ちでいっぱいになりました。遠く離れた場所からでも対面で話しているかのように先生から指導していただくことが出来、インターネット社会の有難さをあらためて実感しました。

 また、リモート教室が始まるまでの間に生徒同士でも会話ができ、すぐそばにいるような感覚で話がはずみ、気にしていた自分の映りやら、バックの映像のこと等すっかり忘れて、楽しいひと時を過ごしました。

 テレビでリモート会議等が行われているのを見ても、自分には関係がない世界だと思っていましたが、リモート詩吟教室に参加し、リモートで行う世界が急に身近なものになりました。

↑トップへ

計量計測データバンク「日本計量新報」特集記事寄稿・エッセー(2021年一覧)


Copyright (C)2021 株式会社日本計量新報社. All rights reserved.