計量計測データバンク計量士になるには(計量士国家試験受験対策)INDEX

計量士になるための2つの方法


計量士(国家資格)になるための2つの方法
@国家試験に合格する方法
A産総研計量教習センターに入所し所定の過程を修了する方法

 計量士国家試験は例年三月の第一日曜日に実施されており、今年(97年)は三月二日(日)に札幌市、仙台市、東京都、名古屋市、大阪府、広島市、高松市、福岡市および那覇市の全国九都市で執り行われる。

 資格ブームと環境問題に対する意識の高揚などもあって、環境計量士部門の受験者の増加が目立っている。本紙への「計量士になるには」という問い合わせが増えているので、以下これを説明する。

  1.  「計量士になる」方法の一つは、計量士国家試験を受験してこれに合格することである。
  2.  もう一つの方法は産総研計量教習センターに入所し、所定の課程を修了することである。
    計量研修センターの課程は、三カ月間の一般計量教習とこれにつづく特別教習で、特別教習の期間は一般計量士二カ月、環境計量士のうち濃度関係七週間、騒音・振動関係二週間(ただし薬剤師など一定の資格要件を満たす者は特別教習は受講しなくてもよい)である。

 

実務経験

 計量士として登録するには実務経験を要する。実務経験は計量士国家試験に合格している者と計量 研修センターの課程を修了した者とでは異なる。

 国家試験に合格している者は、

  1. 一般計量士は計量に関する実務に一年以上従事していること、
  2. 環境計量士のうち濃度関係は濃度に係る計量の実務に一年以上従事していること又は環境計量教習(濃度関係)を修了していること又は薬剤師の免許をうけていること又は技術士の登録を受けていることのいずれかを満足していること、
  3. 環境計量士のうち騒音・振動関係は音圧レベルおよび振動加速度レベルに係る計量の実務に一年以上従事していること又は環境計量講習(騒音・振動関係)を修了していること又は技術士の登録を受けていることのいずれかを満足させていることである。

 計量研修センターの課程を修了した者は、

  1. 一般計量士の場合は計量に関する実務に五年以上従事してること、ただし質量の計量に関する実務に二年以上従事していることを含む、
  2. 環境計量士のうち濃度関係は国家試験合格者と同じだが実務経験は二年以上であること、
  3. 環境計量士のうち騒音・振動関係も同様で実務経験は二年以上であること。

 実務経験その他の条件として環境計量士の場合には職業訓練指導員免許者、職業訓練校関係科目の修了者、関係の技能検定合格者が含まれる。

計量士国家試験

 計量士国家試験の受験資格については、学歴、年齢その他一切の制限がない。

 試験科目

  1. 計量関係法規(出題範囲は計量法の体系全般にわたる知識)、
  2. 計量管理概論(出題範囲は計量計画、計量システム設計、計量機器管理、計量作業管理、工程管理、品質管理、サンプリング方法、データ管理、その他計量管理一般に関する知識、ただし、ここでは計量管理に関する法令の知識は含まない)の二科目。
  1. 計量に関する基礎知識(出題範囲は数学、物理)、
  2. 計量管理概論および質量の計量(出題範囲はイ 計量器一般に関する知識、ロ 質量の計量単位、ハ 質量の計量に係る基礎原理、取り扱い、保守管理、その他質量の計量に一般に関する知識)。
  1. 環境計量に関する基礎知識(環境関係法規および化学に関する基礎知識)(出題範囲はイ 環境関係法規(環境基本法、大気汚染防止法、水質汚濁防止法)、ロ 化学)、
  2. 化学分析概論および濃度の計量(出題範囲はイ 化学分析の応用一般、ロ 濃度の計量単位、ハ 濃度計に係る基礎原理、取り扱い、保守管理、その他濃度の計量一般に関する知識)。
  1. 環境計量に関する基礎知識(環境関係法規および物理に関する基礎知識)(出題範囲はイ 環境関係法規(環境基本法、騒音規制法、振動規制法)、ロ 物理 )、
  2. 音響・振動概論ならびに音圧レベルおよび振動加速度レベルの計量(出題範囲はイ 音響・振動の性質等に関する知識、ロ 音圧レベルの計量一般に関する知識)。

計量教習所の一般計量教習の入所試験

 計量研修センターの修了期間三カ月間の一般計量教習(教習内容は計量公務員ならびに計量士になろうとする者に必要な技術および実務)の入所試験は一般に一月と七月の年に二度行われており、その試験概要は次の通りである。

入所試験概要 

  1.  受験資格は高等学校を卒業した者、大学受験検定合格者。
  2.  試験科目は一般常識、数学および物理学。試験は二日間で第一日目は学科試験、第二日目は身体検査。
  3.  定員は約四十から六十名程度。
  4.  試験場所は(独)産業技術総合研究所つくばセンター(茨城県つくば市東1丁目1番地1)および (独)産業技術総合研究所関西センター扇町サイト(大阪市北区扇町2丁目6番20号)
  5.  受験願書提出先は(独)産業技術総合研究所成果普及部門計量研修センター(〒305‐8561 、茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第1 外周 さくら館)。

 計量教習所の三カ月間一般計量教習では計量士国家試験に合格するに十分なカリキュラムを組んでいる。この教習の課程を修了して、すぐに国家試験を受けてこれに合格している者もいる。またその後の特別教習の課程を修了後に国家試験を受けて合格する例もある。計量教習所の教習は全寮制で行われているので、教習の間に関係者が計量の仲間として同族意識を育む結果となっている。

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