第69回計量士国家試験実施
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第69回計量士国家試験が、2018年12月16日、全国9地区で実施された。今回の受験者(出席者)は3区分合計で4967名(速報値)。受験率(出席率)は69・5%だった。12月17日、経済産業省計量行政室は正解番号を経済産業省webサイトで公表した(別項)。合格者の発表は2月中旬頃を予定している。次回、第70回計量士国家試験は、2019年12月中旬の実施を予定している。
写真は、試験会場を確認し入場する受験者(東京電機大学)。
第69回計量士国家試験の出願者数は、4967名で前回比69・7%。内訳は、環境計量士(濃度関係)が3068名(試験科目の一部免除あり117名、なし2951名)、前回比69・4%。環境計量士(騒音振動関係)990名(免除あり463名、なし527名)、同74・7%。一般計量士909名(免除あり70名、なし839名)、同65・7%。
実際の受験者数(出席者数)は3453名(免除ありは2限目、なしは4限目で集計、速報値)、前回比は69・7%。受験者数はこのところ連続で減少している。受験率(出席率)の速報値は69・5%。ここ数年の受検率は65〜67%程度。今回の受験率は前回比で2・3%増加した。試験終了後、試験問題は持ち帰りできる。準備不足の受験生のなかには、1時限目を受験しただけで退席する人もいる。
試験区分別では以下の通り(出願者数/受験者数(速報値)/受験率(速報値)、カッコ内は免除のありなしでの内訳)。
▽環境計量士(濃度関係)=3068名/2117名/69・0%(免除あり117名/94名/80・3%、なし2951名/2023名/68・6%)
▽環境計量士(騒音・振動関係)=990名/647名/65・4%(免除あり463名/345名/74・5%、なし527名/302名/57・3%)
▽一般計量士=909名/689名/75・8%(免除あり70名/55名/78・6%、なし839名/634名/75・6%)
出願者総数は、2009(平成21)年度には1万1003名であったが、2010(平成22)年度1万87名、2011(平成23)年度9519名、2012(平成24)年度8897名、2013(平成25)年度8381名、2014(平成26)年度8056名、2015(平成27)年度7662名、2016(平成28)年度7492名、2017(平成29)年度7130名、2018(平成30)年度4967名と減少傾向が続いている。今回の出願者数減少は、前回の試験が2018年3月に実施され、今回は同年12月実施で従前に比べ試験の間隔が短かったことも影響しているとみられる。
計量士国家試験の実施事務は、民間競争入札により民間事業者(日本通運〔日通〕)が実施している。
日通は他の試験業務も実施しており、豊富な経験があるため、第69回計量士国家試験も円滑に実施された。
今回の試験の遅刻者は9試験地併せて10名程度。試験開始後30分間の9時45分までは遅刻を認め、正規受験者として受験させている。遅刻者に試験時間の延長はない。
受験票を忘れた受験生は、9試験地併せて15名程度だった。身分証明書を提示してもらい、受験者名簿と照合、願書を提出済であることを確認した上で、受験票を再発行した。受験優先で対処している。
合格者の発表は、2月中旬頃を予定している。
次回、第70回計量士国家試験は、2019年12月中旬の実施を予定している。
計量士国家試験は、適正な計量実施の確保を推進するため、計量に関する専門知識・技能を有する者の養成を目的として、毎年1回実施されている。前回、第68回の合格率は、全体で16・9%。実施年によって増減はあるが、難しい資格試験の1つである。
合格基準は毎年合格者発表時に示されているが、実施年によって増減はあるものの、各科目とも約6割以上得点していれば合格できる。
計量士制度は、「経済取引の発達、産業技術の進歩等これらに関して要求される計量技術が高度化・専門化するようになったことを踏まえ、計量に関する専門の知識・技能を有する者に対して一定の資格を与え、一定分野の職務を分担させることにより、計量器の自主的管理を推進し、適正な計量の実施を確保することを目的」としている。
出願者数が多い環境計量士は1974年に創設されたもので、1992年に「濃度関係」と「騒音振動関係」に区分された。
計量士になるには、国家試験を受験するほかに、産業技術総合研究所計量研修センターに入所して所定の講習を修了する方法がある。
2016年11月1日付の計量行政審議会答申でも「適正計量の中核を担う役割を期待されるのは、まさに計量士である」とされており、2019年からは民間の指定検定機関による検定も開始されることから、出願者増が望まれる。