ホーム・計量計測データバンク2005年度計量法改正情報BOX平成17年度第2回計量行政審議会

 計量行政審議会平成17年度第2回 議事録


1.開会

○籔内計量行政室長 皆様、こんにちは。定刻となりましたので、平成17年度第2回計量行政審議会を開催させていただきます。

私は事務局を務めさせていただきます計量行政室長の籔内でございます。よろしくお願いいたします。

まず審議に入ります前に、任期満了に伴う会長の交代につきまして御報告させていただきます。

川崎重工業株式会社取締役会長でありました田?前計量行政審議会会長に代わりまして、三菱化学株式会社相談役、正野様が新たに計量行政審議会会長として、計量法第156条第3項の規定に基づき大臣より任命されています。

正野新会長、御挨拶をお願いいたします。

○正野会長 ただいま御紹介いただきました三菱化学の正野でございます。

昨年9月に会長を拝命いたしました。どうぞよろしくお願いを申し上げます。

○籔内計量行政室長 ありがとうございました。

次に、委員の交代もございましたので御紹介いたします。

御異動に伴い、矢橋委員の御後任として大野委員でございます。

○大野委員 (起立一礼)

○籔内計量行政室長 どうぞよろしくお願いいたします。

また、本日、御欠席の委員の方を御紹介させていただきます。

今井委員、更に青山委員が御欠席でございます。

それから、竹下委員の代わりに、代理で日本電気計測器工業会の石川専務理事が代理で御出席でございます。

また、中村委員の代わりに、代理として日本工作機械工業会の小林技術部長が御出席でございます。

また、宮下委員の代わりに、日本計量振興協会の印南常務理事が御出席でございます。

また、宮崎委員は少し遅れれますが、後ほど参加いただけることになっております。

また、事務局におきましても人事異動がございましたので、御紹介いたします。

昨年8月8日に審議官が原山から松本となりました。

松本審議官、挨拶をお願いいたします。

○松本審議官 ただいま御紹介いただきました松本でございます。

私、8月の8日に今の職につきまして、くしくもこの審議会のもとに設けられております小委員会のキックオフのときでございました。それから7ヵ月余ということで、きょうこれから御説明いたしますが、ようやくその答申の骨子と言いますか、検討の方向性について御説明できるようになりました。

私どもとすれば、今年の夏に取りまとめというのをお願いしたいというふうに考えておりまして、皆様方の大所高所からの御意見をいただいて検討いただけたらというふうに思っております。

どうぞよろしくお願いいたします。

○籔内計量行政室長 それでは、以降の議事進行は正野会長にお願いいたします。

○正野会長 それでは、始めたいと思います。

本日は第2回目の審議会であります。昨年の7月のキックオフ以降、小委員会、それからWGにおいて精力的に検討が進められております。各々のWGは骨子をまとめ、そして小委員会では小委員会としての検討事項及び各WGの骨子について審議が行われました。

今回は、まず小委員会としての検討事項であります計量単位や情報提供などについて、これまでの検討について御報告いただきまして審議を行う予定といたしております。その後、同様に各WGの骨子について御報告いただき、審議を行う予定としております。

各委員の忌憚のない御意見を賜りますようお願いいたしたいと存じますが、何分内容が大部にわたるため、できるだけ効率的に進めたいと思いますので、各委員の御協力をお願いいたしたいと存じます。

なお、前回同様、審議会の公開にかかわる閣議決定、平成7年9月、審議会等の透明化、見直し等について、それから平成11年4月27日、審議会等の整理合理化に関する基本計画を踏まえまして、本委員会は原則公開ということで運用することといたします。

それでは、議事に入ります前に事務局から配布資料の確認をお願いいたします。

○籔内計量行政室長 それでは、「配布資料一覧」に沿って資料の確認をしたいと思います。

まず議事次第、委員名簿、座席表、「計量行政審議会第1回会合議事録」(案)、これは委員のみの配布となっております。資料2としまして「計量単位について」、資料3として「情報提供について」、資料4として「計量士制度について」、資料5として「特殊容器制度について」、以下、資料6、資料7−1−1、7−1−2、7−2−1、7−2−2、7−3−1、更に7−3−2、資料8、資料9、全部で、委員の皆様は資料1から資料9まででございます。

もし足りない資料がございましたらお手を挙げてお知らせくださいませ。よろしゅうございますね。

○正野会長 それでは、議事に移ります。

 

2.議題

議題1:計量行政審議会第1回会合議事録について

○正野会長 まず、前回会合の議事録についての御確認をお願いいたします。

委員の方々には事前にごらんいただいておりますが、この議事録につきまして、御質問や御意見をお願いいたします。どうぞ。

それでは、この議事録につきましては了承することとし、経済産業省のホ−ムペ−ジ上で公開いたします。

 

議題2:「計量単位」、「情報提供」、「計量士制度」及び「特殊容器制度」について

○正野会長 では、続きまして、議題2に移ります。

議題2は「計量単位」や「情報提供」など、小委員会での検討事項についてです。

小委員会での検討について、中田小委員長及び事務局から御報告をしていただき、その後、15分程度の時間で御議論をいただく予定といたしております。

それでは、中田小委員長及び事務局から御報告をお願いいたします。

○中田小委員長 会長のお話にございましたように、小委員会におきましては各WGにおきます検討結果を踏まえて検討を進めている項目と、それから各WGに横断的な事項につきまして直接検討を進めている事項とがございますけれども、最初に直接検討している項目の方から御報告をさせていただきたいと思います。

これらの項目につきましては、昨年10月と、それから先月と2回にわたり審議をしてまいりました。

まず計量単位でございますが、国際度量衡総会におきまして新たに決定・変更された単位につきまして、我が国として法定計量単位として決定・変更していくことが必要であるという場合には遅滞なく対応していく必要があるということ、計量法で許容される非法定計量単位の表記の事例の公表等につきまして検討していくべきであるといったような議論がございました。

情報提供につきましては、国民の適正な計量に関する関心と知識の向上、計量行政等に住民の考え方を反映していくべきであるといった観点から、消費者の主体的、積極的な参画が必要であるという議論がございました。

計量士制度につきましては、計量士の登録更新制度の導入、計量士の能力を活用した計量法の執行の推進などについて検討を進めてまいりました。

特殊容器制度につきましては、正確計量を担保する制度としての役割は現時点では相当低下しているということから、原則として廃止しても差し支えないといった方向で検討が進められております。

以上が概要でございますが、事務局から資料に沿いまして詳細の御説明をお願いいたします。

○籔内計量行政室長 それでは、皆様お手元に資料2「計量単位について」という資料を御用意くださいますでしょうか。

まず現行制度の問題点としまして、「単位」というのは、新しい単位が国際度量衡総会という場で採択されたとしても、法定計量単位として我が国に位置付けるためには計量法の改正が必要であり、国際的に新たに採択される単位を我が国としても採用すべきか否かの判断基準や手順が必ずしも現在、明確になっておりません。したがいまして、新たな単位を法定計量単位として位置付けることに関しまして、コンセンサスを得ていくためのプロセスを明確化することが必要となります。

2ペ−ジ目の具体的方針のところでございますが、国際的に新たに採択される単位を我が国として採用し、更に計量法の中で位置付けるか否かに関して是非を判断するための基準やガイドラインを策定し、プロセスの明確化を行うことが必要となることと思っております。更に、法定計量単位として採用する可能性がある単位については、計量法に速やかに位置付けることもさることながら、国家計量標準を供給できる体制を速やかに整備することも大事でありますし、また取引及び証明への使用について、更に計量器の目盛りなどへの使用を禁止するためのコンセンサスをつくり、法定計量単位に位置付ける環境を整えることが必要であります。

これが1つの方向であり、次の3ペ−ジ目でございますが、計量単位につきましては、今まさにある計量法については「尺貫法からメ−トル法への転換」、それから「単位のSI化」、SI化と言いますのは国際単位系への移行ということなのですが、これらについては一定の成果を果たしつつあると思っております。しかし、非法定計量単位の併記についての問い合わせや要望が現在も寄せられているのもまた事実でございます。

現行制度は我が国の適正計量の実施を確保し、経済の発展、国際整合化に間違いなく寄与してきていると思っております。仮に計量器に非法定計量単位の併記を認めた場合、様々な問題があるのではないかと思っております。ただ、規制対象となっていない個人または家庭、それから伝統芸能の一部などにおいては、非SI単位の使用は認めてもいいのではないかというような意見もございます。

これらを受けまして、具体的な方針として、現行制度は堅持する方向で検討するものの、計量法で許容される非法定計量単位の表記の事例とか法令違反となるか否か、規制の対象となる計量器か否かの判断基準の公表などについて検討し、明確にしていきたいと思っております。

これが「計量単位について」でございます。

引き続きまして、「情報提供について」でございます。これは資料3をお手元に御用意ください。

「情報提供」と漠としておりますけれども、この情報提供に関しまして、基本的な考え方というのは、不正事業者名の公表などの手続を整備し、それから情報提供を行い、消費者とか国民全般の皆様に計量に関する関心を持ってもらい、市場の監視機能を有効に機能させること、更に効果的な計量行政を行うため、住民の主体的な参画を促し、計量行政に反映させることこそ必要なのではないかというふうに考えております。

2ペ−ジ目をお開きください。具体的な方針につきましては、今まさにやっておりますが、ホ−ムペ−ジの活用だとかパンフレットなどを通じたいろいろなチャンネルを通じての情報提供の更なる充実・強化を図っていきたいと思っております。

そんな中で、c)「計量に関する教育の充実」とありますが、「適正な計量に関する関心及び知識の向上を図る上でも、初等中等教育等から計量に関する教育を積極的に行っていくことが重要であると考えられるため、関係省庁との連携を図りながら、計量教育の更なる充実を図っていくことを検討する」というふうに書いてありますが、これは昨年から、実は11月1日というのは計量記念日になっております。その計量記念日に小学生を対象とした「何でもはかってみようコンテスト」というものを、第1回、昨年の11月に開いた次第でございます。このようなことを通じて、今後とも小学生に計量に関する関心や知識の向上を図っていきたいと考えております。

また、地域における計量に関する住民の意見を反映させるための会議の設置ですとか、クレ−ムの受付窓口の整備、それから計量モニタ−事業の拡充などにより、住民の参画を促すことが最も重要ではないかと考えている次第でございます。

引き続きまして、資料4をお開きください。計量士制度につきましてですが、計量士というのは、その職務は計量法上、適正計量管理事業所や計量証明事業者における特定計量器の検査、自治体が実施する定期検査の代検査となっているわけでございますが、地方自治体においては、今後、計量器の不正使用の摘発や商品量目の立入検査を強化すべく、抜き打ち検査などの事後検査を強化することが期待されております。

その際、例えば計量士を雇用することなどによって、地方自治体のいろいろな事情に沿ってより多く立入検査を実施することについて検討したいと思っておりますが、都道府県が計量士を雇うにしましても、今、計量士の現状というのは平成16年度末において一般計量士、環境計量士、両方合わせまして約2万5000人が登録されております。しかしながら、これはあくまで登録ベ−スの数字であり、現在、計量士として実際に活動している人の数ではありません。したがって、都道府県が各都道府県ごとに実際にフリ−の計量士が何人いるかいうのが今わからない状態になっております。計量士は、経済産業大臣が登録を取り消さない限り計量士であり続け、みずからの意思で計量士でなくなることができません。したがいまして、他界した計量士であっても、計量登録証の返納の手続が定められておらず、計量士登録簿から削除されることがないことから、計量士の実数、まさに今申しました実際にフリ−の計量士さんが何人いるかというような現状の把握も困難となっている次第でございます。

したがいまして、2ペ−ジをお開きください。この計量士制度には登録更新制度というものの導入が必要ではないかと考えております。計量士につきましては、計量管理における専門家として、登録後も資質の維持・向上が図られることが適当であることから、制度的に一定程度の資質の維持を図る観点から更新制を導入するとともに、更新時に研修を義務づけることを検討していきたいと思っております。また、きちんとそうやって実際の計量士の数が把握できるようになりますれば、先ほど言いました都道府県の事後検査への計量士の活用、更に一定の能力を持った民間企業による指定定期検査機関や指定検定機関において計量士を活用することも期待されております。

以上でございます。

次、引き続きまして、資料5をお手元に御準備ください。特殊容器制度についてでございますが、まず特殊容器というのは、はかりなどを使わなくても、液面の高さをはかることにより正しい量が確保されるよう製造されたびんであります。しかしながら、現在、缶とか紙パックなどの他の容器の商品の増加や各種容器の製造技術や品質管理技術の向上、それから自動充填装置といったものの高度化により計量技術が向上したため、特殊容器を用いる必然性が低下してきております。びんの総製造数に占める特殊容器の割合は制度が立ち上がって間もないころ、昭和32年には約27%、おおよそ3割程度がびんの中で特殊容器だったものが、現在は約3%、10分の1に減ってきております。また、特殊容器の中にはしょうゆとかウイスキ−、ブランデ−といったものに使われる特殊容器については、少なくともここ数年は全く製造すらされていない特殊容器もございます。

こういったことに対応して、特殊容器についてはこれまで大きな役割を果たしてきましたが、今後は自主管理・自主確認に委ね、特殊容器制度は廃止の方向で検討してもよいのではないかと考えております。

以上、4つの項目について小委員会では御審議いただいております。

以上です。

○正野会長 どうもありがとうございました。

ただいまの御報告、資料2から5までにつきまして、御意見を賜りたいと思います。

御発言を希望される方は、前にございますこのお名前の札を立ててください。それでは、どうぞお願いいたします。

はい、どうぞお願いいたします。

○中村(栄)委員 資料2について御質問。

○正野会長 はい。

○中村(栄)委員 資料2について御質問したいのですが、国際度量衡で新しい単位が入ったらば、我が国にもどんどんそういうものを位置付けていくというのはいいと思うのですが、その中で、2ペ−ジ目の(2)の(1)で国際度量衡総会とか下部組織に参画するというふうになっているのですが、具体的には我が国のどの組織がこういうところに参加していくのかということをちょっと聞きたいというのが1点です。

それから、情報公開のところなのですが、国とか地方公共団体がホ−ムペ−ジを通じて行うということはいいのですが、それの国と各地方団体との連携とか情報交換とか、その辺はどういうふうな仕組みでやっていくのかという点についてお聞きしたいと思います。

以上でございます。

○正野会長 どうぞ。

○籔内計量行政室長 先ほどの単位、資料2の方の御質問でございますが、2ペ−ジ目にあります「国際度量衡総会及びその下部組織での単位に関する検討」、ちょっと書き方があれなのですが、例えば産業技術総合研究所であるとか、そういったところでございます。

それと2つ目の情報提供なのですが、国及び都道府県との情報交換につきましては、例えば各都道府県に計量モニタ−制度とかやっていただいていたり、全国の都道府県の計量関係者の皆様に集まっていただいて、年に2回、協議会を催して、そこでいろいろな意見交換をさせていただいております。

○正野会長 よろしゅうございますか。

○中村(栄)委員 はい。

○正野会長 それでは、ほかにどうぞお願いいたします。御意見、ございませんでしょうか。

では、飯塚さん、お願いいたします。

○飯塚委員 単位の問題につきまして、第1回の審議会でも迅速な対応をということを希望申し上げましたけれども、それに沿った具体的な方針がこの資料の2の2ペ−ジに書かれておりまして、大変結構だと存じます。

この中で特に新しい単位について、第2条第1項第2号の単位にとりあえず位置付けるというふうなことは迅速性の点では大変好ましいと私も思ったのですけれども、一度ここに入れてしまって、今度は1項の方に変えなければならない、立派なSI単位になった途端に、1項の方に変えなければならないというときに障害がないようにお願いをしたいというふうに思っております。

なぜそんなことを申しますかと言いますと、ここにいらっしゃる国際度量衡委員の田中さんの方が新しい情報に詳しいかと思いますが、現在1つ問題になっているのは触媒活性のカタ−ルという単位でございます。もう一つ、WHOの方から生体活性についても新しいSI単位が欲しいという話が出ているやに聞いておりまして、これがその後どうなっているかわかりませんけれども、恐らくこれから医療、あるいは臨床検査等々の関係でいろいろ、今まで計量法の量として定義されていなかったものが入ってくるのではないか。そうすると、やはりどうしてもこれは第2条第1項の方で処理をしていかなければならなくなるのではないかということをちょっと懸念をしております。恐らく、産業技術総合研究所の方の標準の準備もなかなか時間がかかるから、あるいはある程度法改正も時間がかかってもいいのかもしれませんが、一応それは念頭に置いておいていただければというふうに思います。

以上でございます。

○正野会長 どうもありがとうございました。

ほかにございますでしょうか。ほかにどなたか御意見、御質問、御要望等ございましたらどうぞよろしくお願いいたします。よろしゅうございますか。

それでは、御議論を概観いたしますと、基本的にお手元の資料の2から5までのラインでよろしいものと承りますので、本日御議論いただいた資料を計量行政審議会として了承したいと考えますが、よろしゅうございますでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

○正野会長 よろしいですか、どうもありがとうございました。

 

議題3:計量制度検討小委員会WGの骨子について

○正野会長 それでは、議題3に入らせていただきます。

「計量制度検討小委員会WGの骨子について」に移りたいと思います。冒頭に申し上げましたとおり、これまで各WGにおいて精力的に議論をしていただいております。今回、それぞれのWGで基本的方向性について骨子をまとめていただき、小委員会でも御審議いただいておりますので、これらについて報告、議論していただきたいと思います。

進め方でございますが、各WGごとにまず中田小委員長、WGの座長及び事務局よりWGの骨子について御報告をいただき、その後、10分程度、御議論をいただく時間を予定いたしております。また、3つのWGの報告、審議の後、全体を通して御意見等があるかもしれませんので、そこでも時間を若干取る予定といたしております。

それでは、中田小委員長、どうぞよろしくお願いいたします。

○中田小委員長 それでは、WGの検討内容につきまして、小委員会でどのような議論があったか、概略を御報告させていただきます。

なお、小委員会での議論の様子は資料8というのがございますが、ここに議事要旨が配布されておりますので、詳細につきましてはそちらをごらんいただければ幸いでございます。

まず第1WGでございますけれども、ここでは特定計量器の検査・検定制度の検討を行っております。小委員会での審議の中で、修理品へ自主検定を拡充する仕方、あるいは安全・安心と規制改革が両立するようなバランスのとれた見直しをすべきであるといったような御意見がございました。

小委員会ではこれらの議論を、資料7−1−2というのがございますが、この資料7−1−2のようにとりまとめておりまして、これを踏まえて更に第1WGで御検討いただくようにお願いをしております。

飯塚WG座長から補足がございましたらお願いをしたいと思います。

○飯塚第1WG座長 第1WGの主査を仰せつかっておりました飯塚でございます。

ただいま中田小委員長から御発言がございましたように、私どもの小委員会ではできるだけ今までの国、あるいは地方自治体の関与を少なくするような方向、民間の活力をできだけ活用するような方向でどのような制度が考えられるかというふうなことでいろいろな議論をしたわけでございますが、一方では一般消費者の方々にとっても計量の安心・安全ということに対して強い御関心があり、現在の計量器の範囲、あるいは検査等の方法、あるいは仕組み、そういうものについていろいろな面から御検討いただきまして、ただいま小委員長が資料7−1−2とおっしゃいましたが、7−1−1が私どもの方の骨子かと思いますけれども、そのようにまとめさせていただいたわけでございます。

詳しいことは事務局の方からお願いしたいと思います。

○中田小委員長 失礼しました。7−1−1です。

○飯塚第1WG座長 そうですね、どうも。

○籔内計量行政室長 それでは、「第1WGの方向性(骨子)」について御説明させていただきます。資料7−1−1と書いてある資料をお手元に御用意くださいませ。

第1WGと申しますのは2つの大きな項目について検討する場でございます。1つは計量法で規制の対象としております計量器、これを「特定計量器」と呼んでおりますが、これに関する検討、もう一つは特定計量器の規制方法であります検査・検定制度の検討について議論をしているものでございます。

資料7−1−1の2ペ−ジ目をお開きください。そもそも計量法は昭和26年にスタ−トした法律でございますが、その当時は、法律制定時には51品目の特定計量器が規制対象となっておりました。それが昭和41年の改正において51品目から27品目の計量器に限定したわけでございます。更に、平成4年の大改正におきましても基本的には取引証明の計量に用いられる蓋然性が高い計量器であって、いずれも一般人に広く使用されるものに限定することを徹底し、27品目から18品目と現在の姿になっております。しかしながら、平成4年以降、十数年が経過し、計量器自体のハ−ドウェアの性能は格段に向上してきているわけでございます。そうしました中から、やはり規制対象は必要最小限に見直すことが必要なのではないかと思っております。

3ペ−ジ目の2.「検討の方向性」の(1)「基本的考え方」に書いてございますが、今回の検討に当たっても、基本的には従来からの考え方を踏襲しますが、検査・検定制度における規制改革の流れ、取引証明における当事者同士が計量に関する技術的な知見を有していたり、またJCSSの校正証明書やISO9000認証など、取引相手がどの程度計量に関して正確な計量を行っているか、適正な計量を行っているかということについての確認手段が近年充実してきていることなどを踏まえて、計量器ごとの使用実態を見つつ、国や地方自治体の関与を真に必要なものに限定するなどにより、必要最小限の規制対象としたいと考えております。

(2)の「具体的方針」ですが、基本的考え方に基づき、規制対象計量器の範囲を見直しますが、あくまで個別の計量器ごとにその使用実態を勘案し、適切な適合性評価制度を組み合わせることなどによって、現行の適正計量と同等の水準の確保を図る方向で検討していきたいと思っております。

先ほど言いました個別の計量器ごとの使用実態はメ−カ−やユ−ザ−、それと都道府県等の意見も聞きながら、現在またヒアリングを精力的に行っている最中でございます。

4ペ−ジ目をお開きください。もう一つ「規制方法」なのでございますけれども、現行の検査・検定制度は平成4年の改正で指定製造事業者制度が創設され、平成11年の指定機関の公益法人要件を撤廃するなど民間活力を制度的に活用しながらこれまで社会的要請にこたえてきましたが、(1)にありますように行財政改革の流れの中で、平成11年の改正によって検査・検定業務というのは国の機関委任事務から地方自治体の自治事務というようにされ、自治事務化以降、計量行政を実施する上での体力格差が地方公共団体間で拡大しているのが現状であります。したがって、民間機関の能力を最大限活用することを可能とすることを含め、地方公共団体の執行方法に関して選択肢の拡大や地方計量行政を支える人材の育成が必要となってきているのではないか。それと、これまで比較的ハ−ドウェアの規制に重点が置かれてきましたが、ハ−ドウェアは性能が格段に向上してきている中で、むしろ重要となってきているのは、計量器の使用者の不正を抑制することについては必ずしも十分に対応ができていないのではないかといった点。また更に国際整合化の必要性といったことなどなどを踏まえまして、5ペ−ジに行きますが、規制の新たな方向の基本的考え方といたしまして、上記の問題点を踏まえ、計量器に対する規制方法について民間活力を活用した技術基準への適合性評価に基づく規制や自治体の執行の選択肢の幅を広げた透明性のある事後規制に重点を置いたものに移行していくべきであると考えております。

その際には、計量制度は度量衡法以来100年以上定着した制度であり、急激な変化によって関係者に混乱が生じたりすることのないよう気をつけていかねばならないということ、更に品質管理能力については製造事業者間に格差があるということを踏まえた制度とすること、更に検査・検定業務は平成11年の改正によって自治事務化されており、地方公共団体の自主性が尊重されるべきであるということを踏まえなければいけないと思っております。

具体的方針としましては、(1)の「検査・検定における第三者認証制度の活用」、第三者認証制度を活用するに当たっては新たに制度をつくるのではなく、既存の制度を活用することが適当ではないかと考えております。更に、(2)の「指定検査・指定検定機関制度の更なる活用」ということについてですが、民間能力を更に活用し計量法執行の選択肢を拡大する観点から、指定検定機関制度、指定定期検査機関制度というものが現在ございますが、更に民間機関が参入しやすい制度とすることについて、現在、都道府県なり関係者の方々と議論をしている最中でございます。その際、信頼性確保についての条件として、民間機関が一方で参入しやすくするのですけれども、しかしながら、信頼性を確保するということに関しまして、参入する条件として、現在はないのですが、今後、ISO/IEC17025といったような指定の基準の設定を設けることを現在検討中でございます。

それと、6ペ−ジ目に行っていただいて「検査等による事後規制の充実」ということで、市場において使用者が正確な計量器を使用しているかどうかにつきましては、指定検定機関、指定定期検査機関の能力や計量士を活用しながら、都道府県による検査といった事後のサ−ベイランスを充実することについて、現在、都道府県等々と議論をしている最中でございます。また、都道府県においては、事後のサ−ベイランスを充実するためには、立入検査技術について、職員の実習も含めた研修を積極的に行うことが必要ではないかというふうに我々は考えております。

幾つかありますが、飛ばしていただいて、7ペ−ジをお開きください。7ペ−ジの(11)「その他」というところですが、この第1WGの1つの大きな目玉だと思っておりますが、まず現在、一定の品質管理能力や製品管理能力があると認めた製造事業者については、製品の出荷時の検定を自主検定でよいという指定製造事業者制度という制度があります。こういう制度がありますが、この指定製造事業者制度という制度すら一度市場に出たものが修理としてまた返ってきた場合には、それに関してはもう一度都道府県で検査・検定を受けなければならないというふうになっております。そこを初回検定品に適用が限られている指定製造事業者制度というものを再検定品や修理品まで適用できるように拡充することにより、更なる民間活力の活用を検討したいと思っております。もう一度言いますが、指定製造事業者がみずからつくった製品が一度市場に出て、また同じ品物が同じつくられた工場に戻ってきて修理をした場合、その修理をしてもう一回市場に出すときに、そこは自主検定を認めてもいいのではないかというふうな制度を考えており、そこの「指定製造事業者」というところの概念がどこまで広げられるか、広げられないかということについて、現在、メ−カ−と都道府県なり関係者間で議論している最中でございます。

更に7ペ−ジの一番最後、これはとある自治体からぜひこういうことを盛り込んでいただきたいということを言われまして盛り込んだものですが、「今後の計量制度を維持していく上で、地方自治体が行っている現在の検査・検定制度はすべて民間が担い、地方自治体は市場監視的役割に特化することで、必要最小限の計量行政が行えることが理想ではないかとの指摘もあり、中長期的に検討していく必要がある」ということでございます。

以上が第1WGの骨子でございます。

これを小委員会にかけましたところ、小委員会ではいろいろな委員の方々から様々な御意見をいただきました。それをここに資料7−1−2といたしまして添付させていただいております。

簡単にそれぞれ説明させていただきますと、まず今申しまして指定製造事業者制度を再検定品・修理品まで適用できるようにすることについて、規制緩和を進めていくことに異論はないが、その定義なり修理なり、検査の方法なりについては慎重に議論していただきたいといった意見。

また、計量法の見直しに当たっては、民間負担の軽減や経済の活性化のために、規制の対象は最小限にすべきである。規制する場合にあっても、民間負担の軽減を常に念頭に置いた、合理的かつ効率的なものとすべき。安全・安心ということに対しては、当然、最大の配慮が払われるべきであるが、被害の発生の可能性が小さいものについては、検査・検定業務を事業者自身に委ねるという政府の方針が出されているが、それに沿ってもいいのではないかという意見。

また、今までコストをかけて行政が行ってきたことについて、そのコストを削減するから、当該事項の監視役は消費者が担うという前提はおかしいのではないかといった意見。

また、プロ同士の取引・証明に関しては規制緩和してもよいが、一般消費者の日常生活に関与する部分については、従来どおりきちんと行政が実施していくべきという意見。

次のペ−ジに行きまして、また指定製造事業者制度を再検定品・修理品まで適用できるようにすることに関しては大いに賛成であり、平成5年に導入された指定製造事業者制度はそれまで検定所が行っていた業務を代替しており、まさしく民間活力の活用の成功例と言えるのではないかといった意見。

更に、規制緩和についてでございますが、規制緩和は緩くなるといい加減になるとかいうイメ−ジがあるが、本来は、厳しい基準のまま主体が官から民に移行することであり、これにより不利益がもたらされるというイメ−ジがあるということは、いかに社会が安全と安心を違ってとらえているかということであり、安全と安心は違う、といった意見。

また、自治体におきましては、行財政改革の進展により、今後10年を見据えたときに現状の体制が維持できるか危機感を持っており、検査・検定の実施方法についても変えていかざるを得ない状況が出てくることが想定されているが、その意味で、市場による監視機能を生かしていくという点は中長期的なスパンから見たときの自治体における計量行政の将来像を示唆したもので、時宜を得たものであると考えているという意見。

また、制度設計に当たっては、検査・検定の対象は真に必要なものに絞るとともに、計量器の使用者を含む事業者、民間の検定機関などの責任の明確化・罰則の強化並びに自治体の立入検査の充実・強化といった枠組みで考えていただきたいといった意見、さまざまな意見をいただいております。

以上でございます。

○正野会長 どうもありがとうございました。

それでは、ただいまの御報告につきまして、御意見を賜りたいと思います。

どうぞ、それでは加島さんの方でお願いいたします。

○加島委員 加島と申します。

先ほど籔内室長さんの御説明で骨子の7ペ−ジの(11)番でございますか、指定製造事業者を活用しようということに関しましてちょっと意見と申しましょうか、違う観点から少しお話をしたいと思うのですが、実は消費者保護という形で計量法で規制するということも非常に大事なのですけれども、そのほかに国として非常に大事なことに徴税、税金を徴収するということがございますが、実は計量器で税金の徴収に関わっているものがございまして、例えばアルコ−ル、それからお酒ですね。それから石油、これの税金を取るときに計量器、流量計ではかっているわけです。これはもうはるかの昔に当時の大蔵省の通達で、流量計の製造メ−カ−の計量士が検定してよろしいということになっているのですね。したがいまして、これと同じでございまして、しかもこれはもう品質管理が十分行っているというお墨付きの指定製造事業者でございますので、ぜひこの活力を利用していただきたいということでお願いしたいということでございます。

○正野会長 どうもありがとうございました。

それでは、次に佐野委員、お願いいたします。

○佐野委員 計量は非常に大事であり、私たちの生活の基本であると考えています。その中で申し上げたいところは、資料7−1−1の3ペ−ジの「具体的方針」のところです。そこの(2)「計量法において規制の必要性が低下し、なお他法令によって規制されているものについては対象外とする」というふうにありますけれども、他法令の規制というのは計量法の規制とは内容が違うのではないかと思います。それで、他法令によって規制されているからといって計量法の規制の対象外にするというのは、ちょっと私は納得がいかない、おかしいのではないかと思います。

それから次の(3)のJISマ−クの活用というところも意見を言いたいと思いますが、JISマ−クというのはあくまで任意の規格であります。JISマ−クに適していても、JISマ−クが活用されるか否かというのはわからない。それなのにJISマ−クの活用が適していると考えられる計量器は対象外と書かれていますが、まだ何もわかっていないうちからもうすでに対象外としてしまうのはやはりおかしいのではないか。それから、JISマ−クというのは認知度は高いかもしれませんが、認識度が高いとは決して言えないと思うのですね。ですから、ある日突然JISマ−クがついても、それがどの程度消費者に理解できるか、そこまでもう少し考えていただきたいというふうに思います。

それから、もう一つは規制緩和に伴っての話なのですが、6ペ−ジの事後規制の充実のところです。規制緩和に伴って事前規制から事後規制に移行しているというのは計量だけではなくて、すべてのところで移行していると思います。消費者にとってやはり一番大切なのは事後規制の充実というところにあると思っています。それで、(3)の2.の「不正事業者が恐れるのは」というところなのですが、ここに「行政指導ではなく、消費者等の信頼を失うことである」と書かれているのですが、果たしてそうでしょうか。不正事業者が恐れるのはやはり行政指導とか行政処分、それとともに消費者の信頼を失うことであって、消費者の信頼を失うことだけではないはずだと思います。事業者名の公表だけではなくて、同時にやはり罰則強化であるとか、監視強化であるとかを入れていただきたい。消費者が名前を知っただけでそんなに不正事業者が恐れるものであるとは考えられないと思います。

それからもう一つ、先ほどから出ています(11)の「その他」指定製造等事業者制度を拡充するというところなのですが、信頼性を確保するという観点から、みずからつくったものを再度検定、修理するというのは果たして信頼性が確保できるかというところが非常に疑問ですので、そこはもう一度きちんと検討していただきたいというふうに思います。

以上です。

○正野会長 今、4点ございましたが。

○籔内計量行政室長 そうですね。まず第1点目でございますが、ここにはまさに例として、こういう切り口で見るとどういった計量器が対象になるかというのが書いてございます。これはあくまで例として書いてあるわけですが、これをもうこういうふうに計量法の対象機器から落とすというふうに決めたわけではございません。現在まだ、いろいろとメ−カ−なりいろいろなところからヒアリング等を通して意見を聞いている最中でございます。

そんな中で、JISマ−クについてでございますけれども、先ほど佐野委員のおっしゃったように、JISマ−クというのは認知度が高いのだと思います。ただ、何と言うのですか、認識度ですか、その認識度で言いますと、まずJISマ−クに移行したとすると、それはJISマ−クに移行したので、確かに任意の制度ではございますけれども、必ずJISマ−クをつけるメ−カ−が出てくると我々はそう思っております。これは間違いなくあると思います。したがいまして、仮に計量法から外れたときには、なるべくJISマ−クのついたものを選ぶようにしてくださいというような広報等をするのは当然我々の義務だと思っておりますし、認知度を広めるのは当然我々の努力すべきことです。ただ、認識度で言いますと、佐野委員のおっしゃっている認識度というのは、JISマ−ク自体は認知度は高いとおっしゃったわけですね。だから、「みんな結構それなりに知っていますよね、JISマ−クというのは」ということですね。認識度がそれほどではないというのは、見えにくいとか、そういうことですか。

○佐野委員 JISマ−クというマ−クがあるということは知っている。けれども、そのJISマ−クが一体何を意味しているのかということがよくわからないということです。

○籔内計量行政室長 わかりました。それはまさにJISマ−クがついているものについては、一定の品質管理能力があるところで一定の技術基準に従ってつくられているものだということを宣伝するわけですが、PRするのは当然我々の義務だと思っておりますし、今後、そのようにしていくべきだと考えております。したがって、計量法から外れてJISマ−クへの移行が適していると考えている計量器というのはあるわけですが、それはまさに我々行政側が、まさにおっしゃったようなJISマ−クというのはどういうマ−クなのかということを知らしめることは重要ですし、それを我々がやるとともに、やはり私も一般消費者の一人でありますけれども、消費者の皆さんにおいてもなるべく、JISマ−クがついているものとついていないものがあれば、それはJISマ−クがついているものの方がより正確なのだということを意識していただくようにしていただければと思っている次第でございます。

それと、先ほどの佐野委員からの6ペ−ジの「不正事業者が恐れるのは、行政指導ではなく、消費者等の信頼性を失うことである」と書いたのは、これはなぜかと言いますと、例えば地方の公共団体の計量部門の方々というのは、実際に今でも立入検査とかをしていらっしゃいます。その際に行政側が何回か注意しても、なかなか直らないという業者さんもいらっしゃるということを聞いております。であれば、まさに公表とかしたらどうですか。こういう事業者さんは何回注意しても聞かないので、「公表しますよ」と言ったらどうですかと。それは例えば田舎などで公表してしまうと、一遍にお客さんが来なくなってしまう。来なくなってしまって、しまいにはその事業者がつぶれるということもあり得るので、これは私が都道府県の方々から聞いたことなのですが、やはり事業者というのは我々行政側の指導ではなくて、一番怖いのは消費者という言い方が正しいのかどうか知りませんが、普段、自分のところに買い物に来てくれるお客さん、消費者ですね。まさにその信頼を失うというのが一番怖いのではないかということから、いろいろなところから聞いたものですから、こういうふうに書かせていただいた次第でございます。

それともう一つ、指定製造事業者制度に関しましてなのですが、今まさに指定製造事業者という制度があって、それは一定の品質管理能力や製品管理能力を持った工場でつくられたものは都道府県の検査・検定を受けなくても、自主検定で出荷してよいという制度でございます。その指定製造事業者が一度つくって市場に出したものが、また同じ製品が自分の会社に返ってきた。そこで修理をした。そういうものに関しては、またそこは都道府県に出さなくても、自分のところで、まさに部品から何から氏素性の知れた部品を使ってきちんとした製品管理工程を通ってそれは修理されるのですから、修理に関しても指定製造事業者であれば修理の検定を認めてもいいのではないかということでございます。物によって、計量器によっていろいろ違いますけれども、計量器によっては修理品の方が検定の不合格率が低いといったような計量器もございます。もちろん、修理品の方が不合格品が高いという製品もございます。そこは何とも言えません。したがいまして、修理品だから余計怪しいみたいなことではないのではないかと私は考えております。

以上です。

○正野会長 よろしゅうございますか。

○佐野委員 余り納得していないのですが、1つだけよろしいですか。

○正野会長 はい、どうぞ。

○佐野委員 罰則強化のところを1つだけ。やはり事後規制というのが私たちにとっては一番の最後の砦になるわけです。事業者名公表だけではなくて、やはりきちんと行政処分として罰則強化とか、監視強化とか、何らかの形で入れていただいた方が私たちにとっては信頼確保のためになるし、不正事業者にとっては抑止になるのではないかというふうに考えますので、ぜひお願いしたいと思います。

○籔内計量行政室長 そこにつきましては、まさにおっしゃるとおりかもしれません。例えば監視強化をするといったことについては、我々の方で都道府県なり何なりと決めることはできるかもしれません。罰則も強化できればいいのですけれども、罰則に関しましては、これこそまさに他の法律との罰則の横並びみたいなものがございまして、計量法だけ突出して一罰百戒というふうにできないものですから、そこは法律の並びということで、我々というか、法制局あたりでどうなるかという問題だと思っておりますけれども、いずれにしても罰則強化、計量法だけ特段強化するというのはなかなか難しいということはちょっと御理解ください。ただ、監視機能の強化みたいなところについては、我々の方も内部でいろいろと議論はしている最中でございます。

○正野会長 どうもありがとうございました。

遅くなりました。伊藤委員、どうぞお願いいたします。

○伊藤委員 ありがとうございます。

骨子の方で3点ほどと、御意見について1点ほど述べさせていただきたいと思いますが、まず骨子の方でございますけれども、まず最初が、これは6ペ−ジになるのですけれども、6ペ−ジの(5)に検定の有効期間や定期検査の期間などについて、「より民間の技術開発を促進する可能性という観点から検討する」という、こういう記載がございますけれども、これだけでは具体性がよく見えないので、現時点で何かこういうことを考えていこう、検討していこうというものがありましたらお教えをいただきたい、これが1点目でございます。

それから2点目が、これは5ペ−ジと6ペ−ジ、まず5ペ−ジの方の(2)の(2)のところで「指定検査・指定検定機関制度の更なる活用」、ここで民間機関が参入しやすい制度、こういうことを検討していこうというくだりがございまして、それで6ペ−ジ目の(8)のところで、安価な検査・検定手数料が設定されていることが民間参入の妨げになっている、このようなくだりがございますけれども、実態を見てみますと、計器の検定料なのですが、電気計器の場合ですと家庭用から超精密のものまでございまして、検定料ベ−スで行きますと1台当たり500円から7万円ぐらいの検定料がかかっている。それに対して都道府県さんが行っている水道だとかガスの検定料、これは1台100円から5,000円という、こんなような形で聞いておりますけれども、確かに御指摘のように安価な手数料を設定することが民間参入の妨げになっている、その要因の1つになるという、こういう可能性は考えられると思います。ただ、一方で電気計器の方で行きますと、日電検さん、それなりの利益も上げられていると、こういう状況にもあるかと思いますので、そういう状況にあっても、指定検定機関の新規参入者がいないという現状からすれば、単に手数料だけが参入障壁になっているということだけかなということもございますので、それ以外にもあるのではないかというふうにも思われますので、それらを洗い出して緩和するような検討も必要ではないかと思います。

それと、これは7ペ−ジ目になるのですが、先ほどの話とも少し絡むかもしれませんが、(11)のところに指定製造事業者制度の修理品への自主検査の拡大が記載されておりまして、その4行目から括弧書きで、電気計器については修理品の検定不合格率が新品に比べて高いという、こういう御指摘が書いてございますが、これだけを見ると電気計器だけが非常に高いという、こんな感じでとらえられてしまいますが、平成10年の計量行政室が調査された報告書によると、修理品の検定不合格率が新品より高いという傾向、これは単に電気計器だけではなくて、ほかの計器にも認められている、こういう一般的な傾向だと、こういうふうに認識しておりますので、これから検討されていくとき、これは杞憂かと思いますが、電気計器が高いのだから、そいつだけ除けと、こういうことにならないように、全般的に御検討をしていただければありがたいなと、こういうふうに思います。

それと最後でございますが、資料7−1−2の御発言に対して少し述べさせていただきたいと思いますが、1枚目の3つ目の御発言の下から4行目あたりから、指定製造事業者制度を再検定品・修理品まで適用できるようにすることに関して、電気計器について、その修理事業者がほぼ100%電力会社の子会社だ、だから公平性の観点から問題があると、こういうくだりがございますけれども、先ほど室長からもお話がございましたとおりでございまして、この公平性と言いますか、公正性と言うのか、こういうものを担保するというのは、きちっと品質管理体制が確立されているかどうかという、そういうものが問題にされるべきであって、そういうことがきっちりされているか否かで判断されるべきであって、子会社だから、どうだからと、確かにそういうふうに見られやすいというのはあるかもしれませんけれども、そうではなくて、資本関係にかかわらず公平性が確保されている、そういう仕組みに現在なっていると思いますので、そこのところは御理解を賜りたいと思っております。

以上でございます。

○正野会長 どうもありがとうございました。

よろしいですか。

○籔内計量行政室長 それでは、先ほどの御意見等に対して若干コメントさせていただきたいと思っておりますが、まず指定検定機関とか指定定期検査機関に民間の参入が進まないのは、検査・検定の手数料が安いからだけではないのではないかということで、検査・検定手数料が安いからということだけでは当然なくて、そこももう少し、何とか検査・検定手数料についても考えないといけないのですが、例えば指定検定機関などに関しましては、あくまで電気計器以外のことですけれども、それにつきましては、今ある要件なり何なりが余りきついところがありますので、そこはもう少し緩くして、そのかわり、入りやすくはしますけれども、信頼性の確保ということについては新たなハ−ドルも設けるといったようなことを検討しているということでございます。検査・検定手数料に関しましては、電気計器は日電検さんがいろいろとそれなりのお値段でやられているようですが、民間参入の進まない要因というのは幾つかありますが、指定検定機関であればその指定検定機関になれる要件もそうでしょうし、また要件を緩和しても、検査・検定の手数料のところについてももう少し考えなければいけないのではないか。どれか1つが参入の妨げになっているということではないのだと思います。それは複合的な要因なのだと思っております。

それから、7ペ−ジにあります指定製造事業者のところの「なお、電気計器については」というのは、WGの中で関係の方からこういう意見が出たのでそこに書いたということであって、当然、電気計器以外についての特定計量器でも修理品の方の不合格率が高いものもあれば低いものもある、いろいろなのだと思っております。これはあくまでこういう意見があったのでちゃんとここに記したということでございます。

それと、また小委員会での主な御発言に関しましては、こういう御発言があったということで、確かに「100%電力会社の子会社だと聞いている。公平性の観点から問題があると考える」とおっしゃったのは事実なので、それを記したまでであります。

したがいまして、指定製造事業者の修理に関する自主検定というのをどういう要件にするか、どこまで認めるかというのは、現在いろいろな方々の意見を聞きながらヒアリングを重ねて、今検討している最中でございます。

検定の有効期間とか定期検査の期間についてなのでございますが、例えば個々の特定計量器の検定の有効期間について検討することは大事だと思っておりますが、たとえて言うなら、ガソリンメ−タ−などというのは何年か前の規制緩和のときに、現在、検定の有効期間が2年ぐらいに延びて、まだその検証の最中でございますので、そういうものが幾つかあったりして、ト−タルにここで具体的に取り上げてこの機器について検定の有効期間はどうのということではなくて、全般的に見直しをしていかねばいけないと思います。その際、たとえて言うなら現在の指標、公差の設定というのはこれでいいのか、世界的に見て日本で決められている公差がこれで妥当なのかどうかというのは検討はしておりますが、特段、具体的にこの機器についてこの検定の有効期間を何年から何年にするということは現在検討しておりません。

以上です。

○正野会長 どうもありがとうございました。

それでは、あとお二方、御意見を賜りたいと思います。原田さん、大野さんとお願いいたします。

原田さん、どうぞお願いいたします。

○原田委員 私は今、日本分析機器工業会の副会長をしております原田と申します。

分析機器工業会というのはいわゆる分析機器とか計測器等を生産・販売をしている工業会でございまして、特に計測機器に関して多少、この計量法に関わっていると認識しておりますので、意見を少し述べさせていただきたいというふうに思っております。

この計量行政審議会で今審議している計量制度の見直しについては、いずれにしても、今我が国が目指している小さな政府、すなわち規制改革、あるいは規制緩和など、いわゆる行政改革を進めていく中で、民間でできることは民間でという大きな流れに沿って検討しているというふうに私は認識している次第でございます。そういう意味で、工業会の考え方も含めて、3点について意見を少し述べさせていただきたいと思います。

第1に、民間の負担を軽減して経済を活性化させるためには、計量法による規制は最小限とするようにぜひお願いをしたいと思っておりますし、規制する場合も民間の負担を軽減するように、合理的かつ効率的な規制をするような工夫をしていただきたいと思っております。

それから第2点でございますけれども、当然のことながら、安全・安心への配慮ということは必要でございますし、しかしながら危険発生の可能性が小さなものについては、検査・検定業務を事業者自身に委ねるという政府方針がすでに出されているというふうに理解しておりますし、そういう面で安全・安心と規制改革を両立させるようなバランスのとれた見直しを行っていただきたいというふうに思っております。

第3点でございますけれども、国、あるいは独立行政法人等が独占的に現在担っている検査・検定業務は非効率であったりすることもありますし、ある場合には顧客満足度を低下させたりするようなこともございます。そういう面で民間への開放を積極的に進めるべきであるというふうに思っております。政府方針として、検査・検定制度について国が関与した仕組みとして維持する必要があるかについての抜本的な見直しを行うというふうにされておりますので、安全・安心と官から民への開放を両立させる見直しをぜひ行っていただきたいというふうに思っております。

いずれにしても、このような見直しをする際に大切なことは、官と民が協力をして問題を絶対引き起こさないという、そういう有効な仕組み、あるいはシステムを構築することが重要ではないかというふうに思っている次第でございます。

現在、我が国の民間企業は法令遵守、あるいは顧客満足度、品質などいわゆる企業の社会的責任、CSRを重視する経営を行うようになってきておりまして、消費者の安全・安心に関わる自社製品の品質について自己責任を持つようになってきているというふうに思っている次第でございます。

我が国が目指す大きな流れに沿って、効率的かつ有効な計量制度に向かってぜひWG等を通じて議論をしていただいて、見直しを行っていただければというふうに思っております。

以上でございます。

○正野会長 どうもありがとうございました。

それでは、大野委員、お願いいたします。

○大野委員 1つ、私どもはたまたま電気計器に関わっているものですから、余り各論をここで申し述べるつもりはないのですけれども、一言申し上げたいと思います。

その前に、先ほどの料金が安いので民間参入の障壁になっているというのは、ちょっと聞きますとロジックが逆転しているのではないか。民間の負担を下げるために競争を促進するということであるとしますと、これはどうもちょっと聞いては理解しづらいロジックではないかという気がいたします。地方自治体の財政的苦難というのはもう痛いほどわかっておりますけれども、行政の中の計量行政の重要度ということについて、もう一度地方自治体というのは考え直していただいた方がいいのではないかという気がいたします。重要度の順番に行政を切っていく。そのときに計量行政というのがイの一番とは言いませんけれども、切られていくというのは、行政の重要度の順位から行きますと、ちょっとおかしいのではないかという気がしております。

では、その関連で電気計器についての料金がほかに比べて高いということで、現在、確かに非常に多くの利益が積み上がっておりますけれども、私どもとしてはこれは1日も早く利用者に還元をしたいということを役所の方にも要望しているところでありまして、これは政令で決めるという制度的な制約と言いますか、決まりの結果、そういうことが柔軟に対応できないところがあるということを御理解いただきたいと思います。

それから、このペ−パ−の(11)に関わってですが、実は不良率が修理品について高いということをかねて私どもも申し上げましたけれども、先ほど伊藤さんからも関連のことがございましたが、それと別に、私ども制度全体を考えると、検定というのはユニバ−サルサ−ビスをしなければならないということがございまして、これは電気計器について特有の問題かどうか私はちょっと存じませんけれども、ユニバ−サルサ−ビスを行うというのでなければ、ロ−カルプライスをどんどんつくっていくというようなことを別途考えなければいけない。そういうことが許されるかというと、これは非常に難しい問題が生じてくると思います。

そういう細々したことを余りここで申し上げたくはありませんけれども、全体として制度がうまく回るということを考える必要があるということで、一般的な規制緩和について何の異存もございませんけれども、かねて、慎重な御検討をお願いしたいということを申し上げてきているわけでございます。

以上でございます。

○正野会長 どうもありがとうございました。

多くの貴重な御意見をいただきまして、ありがとうございました。

これらいただきました御意見につきましては小委員会及び第1WGの検討にフィ−ドバックいたしまして、更なる議論を深めていただきます。

中田小委員長、飯塚第1WG座長、よろしくお願いいたします。

それでは、次に第2WGに移りたいと思います。

中田小委員長、よろしくお願いいたします。

○中田小委員長 それでは、第2WGにつきまして御報告申し上げます。

第2WGでは商品量目制度、適正計量管理事業所制度の検討を行っております。小委員会での審議の中で、自治体から現在の制度を担っております団塊の世代が大量退職いたしますと、今の水準での計量行政が確保できるかどうかといった危機感が表明されております。今回の提案にあります市場監視的な役割に特化していくという視点につきましては、自治体における計量行政のあり方の将来像を示唆するものといった御意見をいただいております。

基本的なラインにつきましてはWGの検討の方向を了解しております。本日、お手元の資料にその結果がまとめられている次第でございます。

事務局の方から、資料に沿いましてお願いいたします。

○籔内計量行政室長 それでは、「第2WGの方向性(骨子)」ということでございますが、お手元に資料7−2−1を御用意ください。

第2WGでは、計量法を中心とした計量制度の中で商品量目制度や適正計量管理事業所制度の検討を行っているWGでございます。

商品量目制度は消費生活における商品の正確計量の推進に大きな役割を果たし、消費者利益の確保を図るとともに、公正な経済活動を支えてきたものでございます。しかしながら、最近はいろいろと消費者を中心とした地域住民などが公正な計量を実現するための最も重要なプレ−ヤ−の一人にもかかわらず、必ずしも適正計量に関して積極的に参画できていないのではないかとか、2ペ−ジ目ですが、地方公共団体ごとに事情は異なりますが、全国的に一定水準の計量行政の実施は必要であり、民間能力の活用を含め、自治体ごとの実情を踏まえつつ、適正な行政手法を採用できるような選択肢が必要となってきているのではないかというようなもろもろの問題がございます。

それに関しまして2.の(2)「具体的方針」でございますが、量目取締りの手続の整備等によって、制度執行の実効性を向上させていきたいと考えております。具体的には計量器の不正使用の摘発を強化するべく抜き打ち検査などの事後検査を強化する方向で検討したいと思います。更に、不正事業者名の公表などの手続を整備することにより、不正事例の発生を抑止することを検討してまいりたいと思っております。地方自治体が非常勤、常勤などの自治体ごとの実情に応じた形で計量士の能力を活用しつつ、より多く立入検査を実施することについて検討していきたいと思っております。

それと3ペ−ジ目ですが、もう一つの大きな第2WGでの検討項目でございますが、「適正計量管理事業所制度」というのがございます。適正計量管理事業所制度というのは自主的な計量管理の推進を目的とする制度であり、事業者にとってはかり、その他、特定計量器における定期検査の免除などのメリットがあり、その活用が図られているところではあります。ありますが、適正計量管理事業所の指定を受けるためには計量士を必ず雇わないといけないとか、帳簿をきちんと備えて整備しないといけないとか、計量を行う人にはきちんと指導しないといけないなどといった体制整備や維持にコストがかかる一方で、メリットと言えば定期検査の免除程度であり、適正計量管理事業所となるインセンティブが少ないのではないかという声があります。また、適正計量管理事業所の指定を返上する例も最近は散見されるところでございます。

4ペ−ジに参りますが、したがいまして、具体的な方針として適正計量管理事業所への更なるインセンティブの付与ということで、文字通り適正計量管理事業所は事業所単位なのですが、それを例えば中小企業などが商店街ぐるみで適正計量管理事業所の指定を受けられるよう手続を整備するといったこと、更に新たなマ−ク制度の創設ということで、消費者が一般の適正計量管理事業所とより正確な計量に配慮した適正計量管理事業所との差別化が容易にできるようわかりやすいマ−ク制度の創設について検討したいと思います。また、適正計量が実施されている商品に対してのマ−クについてもあわせて検討していきたいと思っております。

これが骨子の大まかな御説明でございますが、更に資料7−2−2といたしまして、第2WGの座長であります東京経済大学副学長の宮下先生より、審議会にはちょっと出席できないが、自分はこんなふうなことを考えているということについて紙を出していただきましたので、簡単に御説明します。

消費者は、公正な計量を実現するための最も重要なプレ−ヤ−の一人であるという位置付けのもとに、量目制度へ積極的に参画することにより、市場の監視機能を生かすことを実現したい。更に、適正計量管理事業所というのは事業者みずからが計量管理を推進し、適正な計量の実施を確保する制度であり、皆で高く評価すべきことであると思う。このような取り組みを促進していきたい。更に、正確に計量管理された製品についてはマ−クを付すことができるようにして、皆が評価できるようにしたらいいのではないかといったことについて文書で出していただいております。

以上でございます。

○正野会長 どうもありがとうございました。

それでは、ただいまの御報告につきまして御意見を賜りたいと存じます。

どうぞお願いいたします。ございませんでしょうか、よろしゅうございますか。

それでは、どうもありがとうございました。

それでは、お手元の資料のとおりよろしいものと承りますので、審議会として小委員会の検討の内容を支持したいと考えますが、よろしゅうございますか。

(「異議なし」の声あり)

○正野会長 ありがとうございました。

それでは、次に第3WGに移りたいと思います。

中田小委員長、よろしくお願いいたします。

○中田小委員長 それでは、第3WGにつきまして御報告申し上げます。

第3WGにおきましては計量標準の供給、トレ−サビリティの確保、特定計量証明事業を含む環境計量証明事業につきまして検討を行っております。

小委員会での審議の中では、経済産業大臣と産業技術総合研究所との権限、あるいは役割の分担を明確にすることが国全体の計量の進め方として有益ではないか、あるいは準国家計量標準制度につきましては、関係省庁との関係が重要であるといったような御意見をいただいております。

基本的なラインはWGの検討を了解をしております。本日、お手元の資料にございます。第3WGの方向性につきましては流量7−3−1ということでございますけれども、小委員会での議論は資料7−3−2のようにまとめられておりますので、これを踏まえました検討を第3WGにお願いをしている次第でございます。

詳細につきましては、事務局の方からお願いいたします。

○吉田知的基盤課長 それでは、資料7−3−1で説明申し上げます。

「第3WGの方向性(骨子)」の骨子のポイントでございますけれども、3つございまして、1つは「国家計量標準機関の位置付けの明確化」ということでございます。2つ目は「準国家計量標準制度(仮称)」という新しいものをつくるという話でございます。これは海外の標準や民間標準などの最高位の標準を国家計量標準に準じる標準として採用するという考え方でございます。3つ目は、特定計量証明事業者認定制度、これはダイオキシンなど濃度の非常に薄いものをはかるための特別の認定制度でございますけれども、これについて、国際基準との整合ですとか、あるいは計量証明事業に対して罰則の適用を含めた不正行為の防止についての検討をいたしました。

1ペ−ジ目から2ペ−ジ目、3ペ−ジ目にかけまして目次でございますけれども、それぞれの項目につきまして、現行制度をまず解説し、新しい方向性を示しまして、そして具体的にどうするといったようなことをそれぞれ書いていくというような構成になっておりますので、以下、具体的な方針のところを中心に御説明をしたいと思います。

まず最初に、11ペ−ジに「計量標準供給」という項目がございますけれども、この計量標準の供給について現状の問題点を分析した上で、新しいことを12ペ−ジの2の「新たな方向性」というところで書き始めておりますので、ここから説明申し上げます。

まず新しい方向性の1つですけれども、国家計量標準の開発や供給をしなければいけない。これについての役割分担を明確化しましょう。そして国家計量標準を整備する総合調整機能を充実させましょう。この2つがございますけれども、これはいずれも国家計量標準を効率的につくっていくというために考えているものでございます。

13ペ−ジに(4)といたしまして「需要を把握するメカニズムの設置」というのがございますけれども、これは国家計量標準をつくるためには、いかに効率的につくりましてもなかなか難しいことが多いものですから、すぐにはすべてに対応できないということから、どういったところに需要があるのかよく把握しまして、需要が強いところからつくっていくようにしましょうということでございます。

以下、具体的な方針が13ペ−ジの(2)の(1)の4行目でありますけれども、NMIJ及び指定校正機関などや関係府省の研究機関等が連携し、我が国の関係機関が一体となって先進国の同様の機関と同等の機能を果たしていくことを目指す。これが新しい考え方でございまして、これからこうしていきたいということでございます。

次に、14ペ−ジの(3)に2つ目の新しい考え方がございますけれども、「「準国家計量標準制度(仮称)」の創設」というのがございます。これは迅速に標準を供給する枠組みの創設ということでございまして、具体的には真ん中あたりでございますけれども、国際整合性が確保されている計量標準、これはアメリカなどで有名な計量の研究所がつくったものなどが典型的な例ですけれども、そういった外国でつくられたものですばらしいもの、あるいはそのほか現時点では国家計量標準レベルの水準には至っていないが、業界、学会などの関係者間の合意の下で利用される計量標準、これは国際整合性が確保されていないかもしれませんけれども、現時点ではその分野で一番優れているというふうに思われるもの、そういったものについて、あるいはそういったものが暫定的に使用されている計量標準、こういったものを国家計量標準レベルの水準に至るまでの期間、暫定的に国家計量標準の代替となる計量標準とするという考え方はどうか。これは主に標準物質で、非常にたくさんの化学物質の標準が必要とされておりますので、なかなか国家計量標準が提供できていないというような需要から考え出されたものでございます。

それについてWG、小委員会では選択肢を2つ示しながら御議論をいただきました。まず1つ目の選択肢は、計量法の第134条にいわゆるJCSSと呼んでおります計量のトレ−サビリティ制度が規定されておりますけれども、そこに位置付けをしましょうという選択肢。それから、選択肢の2の方は計量法ではなくて、その外で、計量法に位置付けられない産総研の計量部門の独自の指定制度としてやったらどうかというような選択肢を2つ示しまして、そして御議論をいただきました。

そして15ペ−ジでございますけれども、やはりそのような努力をいたしましても、なかなか計量標準というものをすべてのニ−ズに対して供給していくということは大変に時間がかかりますし、すぐできることではないということの認識から、ユ−ザ−の需要がどこにあるのかということを把握する。そのために、例えば「計量標準整備検討委員会(仮称)」といったようなものをつくって、それぞれの分野ごとにどういったニ−ズがあるかということを吸収するような仕組みをつくったらどうかというような議論をいたしました。

16ペ−ジから「JCSS(トレ−サビリティ供給)」という項目がございますけれども、今の話とほぼ重なっておりまして、17ペ−ジの「新たな方向性」、「計量標準の柔軟な整備によるJCSSの拡充」ということで、先ほどの国家計量標準をつくるということと、それをトレ−サビリティのとれるようなことで供給していくということは一体でございますので、2つ目のJCSSについての項目はほぼ重なっております。

次に、19ペ−ジに全く別の話が始まります。19ペ−ジに「環境計量証明事業」というものがございますけれども、これは大気中、あるいは水中、土壌中の物質の濃度といったようなものをはかる民間の事業者の方でございまして、都道府県に届出をするというもの、これが環境計量証明事業でございます。これについてどういう方向性があるのかということについて20ペ−ジに書いてございますけれども、1つの方向性としましては、環境計量証明事業者、これは民間の方なわけですが、その能力・品質の担保がやはり必要であるということで、例えば自治体がこのような環境計量証明事業者の方に発注をして、河川などの水質、水の中にどのような物質が入っているかといったようなことを証明してもらうというようなことがあります。この中で、この計量証明事業者の中に必ずしも質のよくない事業者がある場合があるといったような指摘がございました。これについては、例えば近隣の自治体が能力の見極め方のノウハウの交換をするとか、あるいは不正行為をされた計量証明事業者がいた場合に、その情報を共有化するといったことをしたらいいのではないか。あるいは、この計量証明事業者というのは大体会社のような組織であるわけですけれども、その中で働いている計量士、あるいは従事者の方々の技能の維持・向上が必要ではないかといったような指摘がされております。

それについて、(2)の「具体的な方針」でありますけれども、都道府県と協議しながら対応を考えたり、あるいは民間団体による講習会を支援するといった方向がいいのではないか。更には、不正に対する制裁手段としては、現在、罰則の適用がない部分がございますけれども、そこについて罰則の適用を検討したらどうかといったような方向性が示されてございます。

21ペ−ジも同様に「特定計量証明事業」という制度でございますけれども、これは今申し上げました計量証明事業の届出をされた方の中で、更にダイオキシンなどの非常に微量な物質の測定をするということで、特別に経済産業大臣の認定を受けた方が特定計量証明事業者になるわけでございまして、先ほど申し上げた計量証明事業の一部の方々ということになりますけれども、この特定計量証明事業の方々に対しての新しい方向性として、22ペ−ジ2の「新たな方向性」の(1)の(1)の最初のところに書いてございますように、昨年、実はダイオキシン測定値の改ざんの事案がございまして、これはやはり対応をきちんとしなければいけないというような議論が小委員会、WGでなされました。昨年の改ざん事案におきましては、この22ペ−ジの真ん中のあたりに書いてございますけれども、大臣が特定計量証明事業の認定取り消しをいたしました。そのときの経験でございますけれども、その場合には直ちにこの事業に関わる都道府県の登録も取り消されるような制度にしなければならないという教訓を得ましたので、そういった方向で検討をしたいというふうに考えております。

それから23ペ−ジに(2)「具体的方針」といたしまして、(1)「MLAPの信頼性の確保」、このMLAPというのはこの表題になっております特定の計量証明事業のことでございますけれども、大臣による認定取消と都道府県への登録の関係、これを整理します。それから、認定後のチェック機能を強化をしていく。そして従事する人の研修を強化をしていくといったようなことをやりたいと思っております。

それから2つ目としましては、国際基準との整合性をとりたい。今の認定基準はISO/IEC17025とほぼ同等でありますけれども、多少違いますし、別に書かれておりますので、これを全く一致させるような方向で検討してはどうかということを議論していただいております。

それから、実は23ペ−ジの下から始まりますところは、平成13年の国会の審議におきまして、様々な御指摘をいただいておりまして、それについてきちんと対応するようにという宿題を事務局は受けております。その平成13年の国会におけます指摘についてはそれぞれ対応してきているということが表で整理をしてございますけれども、いずれにしましても、この指摘については安全・安心をきちんと確保することですとか、あるいは手数料の低廉化とか、認定手続の効率化などの規制改革のような内容でありますとかいろいろな内容がございますけれども、真摯に受け止めまして、そして昨年の不正事案も踏まえまして対応していきたいといったようなことで御議論をいただいております。

以上が小委員会にかけました資料ですけれども、この資料に対しまして、資料7−3−2の意見が出ておりますので、申し上げたいと思います。

資料7−3−2でございますけれども、まず国家計量標準の開発・供給の役割分担、これは業務を実施しやすくすることがすなわち国家計量標準を効率よく出していくことにつながるわけですけれども、それについては意義があるという御意見がございました。

それから、準国家計量標準制度(仮称)につきましては、計量標準の整備について、準国家計量標準制度(仮称)を創設することは非常に意味がある。また、関係府省との連携をきちんととってやっていただきたいといったような意見、それから「準国家計量標準」という名前はもう少し工夫をしてほしいといったような御指摘を受けました。

それからユ−ザ−の需要の把握、それに基づいて優先順位付けを行う委員会について非常に大事であるけれども、経済産業省の視点だと産業や経済の効果が重視されると考えられるが、化学の進歩にもこの計量標準というのは大きく寄与しているので、そういった需要も取り入れてほしい。あるいは、産総研の中にすでに国際計量研究連絡委員会が設置されていて、ほとんどの関係府省、研究機関が参画をして検討している。そういったものと、それから計量行政審議会のリンクをとるなど位置付けを明確にして、活用していったらいいのではないかといったような御意見が出ました。

現在、こういった意見を踏まえまして、第3WGで更に検討を続けているところでございます。

以上でございます。

○正野会長 どうもありがとうございました。

それでは、ただいまの御報告につきまして、御意見を賜りたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

では、田中さん、どうぞお願いいたします。

○田中委員 産総研の田中でございます。今、吉田課長から御発表があった内容について意見を申し述べさせていただきます。

私たち、2001年度に産業技術総合研究所として独立行政法人になったわけでございまして、それ以前は経済産業省さんと一緒に計量標準の供給、国際調整等についてお手伝いしてまいったわけでございますが、経営的な視点、あるいは法律的な視点では独立行政法人として袂を分かったわけでございますが、特に計量標準供給という視点ではいろいろな点で十分制度上、整備されていなかったものがあったように思います。その結果、恐らく計量標準を受け取られるユ−ザ−の皆さんにいろいろな意味で誤解を招いたりしてきたことがあったように思います。決してネガティブな問題ではないのですけれども、そういったはっきりしていなかったところがあったということ。それから新たな計量ニ−ズに対する対応、それから国際的な大きな急速な変化、そういったものについていろいろな意味で足りなかったところがあったと思いますが、今、御指摘いただきました13ペ−ジ等にあります具体的方針、つまり国家計量標準の開発供給体制の構築、それから総合調整機能の充実、それから、準国家計量標準の創設というふうな視点は、ここの役割分担が非常に明確になるということと同時に、我が国のJCSS体制というものが国際的な認知を受けやすくなってきた。更に国内的には、ユ−ザ−の人たちがどこへ行けばどういう標準がもらえて、どういう供給サ−ビスを受けられるかということが明確になったという意味では、非常にいい方向であるということでございます。きっとこの方針に沿った新たな制度改革が行われることによって、より使いやすい計量標準が普及していくというふうに思います。

それから1点、14ペ−ジに「選択肢」というところがございまして、1と2というのがございますが、2の方は産総研自身の努力を続けることによってその供給体制というものを認知させていくということでございますけれども、1というのはそこの中にやはり法律的な裏付けを設けていくというところでございます。先ほど来申し上げておりますように、役割分担を明確にするという意味では、選択肢1というのがユ−ザ−にとって非常に明確なチョイスではないかというふうに思う次第でございます。

以上です。

○正野会長 どうもありがとうございました。

そのほかございましたらどうぞお願いいたします。よろしゅうございますか、ほかに何かございましたら、どうぞお願いいたします。

どうぞ、ではお願いいたします。

○森委員 第3WGのことだけではなくて、全体のことを少し意見として申し述べさせていだきたいと思っているのですけれども、よろしゅうございますか。別の機会がよろしゅうございますか。

○正野会長 全体はこの後、伺おうかと思っておりましたが、そのときでよろしゅうございますか。

○森委員 はい。

○正野会長 それでは、ただいまの御報告につきましては、お手元の資料のラインでほぼよろしいかと存じますけれども、審議会として小委員会の検討の内容を支持したいと考えますけれども、それでよろしゅうございますでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

○正野会長 どうもありがとうございました。

それでは、各WGごとの報告・審議は終了いたしましたが、全体を通してここで何か御意見がございましたらばお願いをいたします。

どうぞ、今の、お願いいたします。

○森委員 東京都計量検定所長の森でございます。

全体的なこととしてお願いと言いますか、御要望と言いますか、ちょっと述べさせていただきたいと思うのですけれども、皆さん方は御存じのように計量制度というのは貨幣制度と並んで国の基本をなしている。文化・技術の進展の基礎という認識から世界各国でも統一的な基準を持って運用されているというふうに理解しているのですけれども、最近、自治体間で計量行政の水準がバランスがとれていない、いわゆる跛行性が見られるようになったというふうに言われておりますけれども、その原因の1つには規制の緩和と自治事務化、その結果ではないかというふうに私は認識しているところでございます。

自治事務と言っても、各自治体が計量事務に関して裁量権を持っているのかというふうな話になりますと、これは計量法の枠組みの中でガッチリ決まっていまして、裁量の余地はありません。裁量の余地があるものは唯一、手数料だけでございます。したがいまして、そういうことを考えていきますと、やはり私どもの方で本当に自治事務でいいのかというような感じがいたします。

一方で、各自治体での行財政改革と相まって、前回の計量法の改正の検討の中で、計量行政機関の職員に対します計量講習の受講義務の解除、いわゆる受講義務はありませよというふうになってしまったのが非常に大きな影響を及ぼしているのではないかなというふうに考えています。私ども、各都道府県でございますけれども、47団体に全部アンケ−トをかけております。計量の水準といたしまして、全国同一レベルの水準を確保した方がいい、それが望ましいというのが47団体中37団体、それから適正な計量を確保するために国、自治体、事業者の責務を法文上明示することを望むという団体が30団体、それから計量に関する検査・検定などの事務は自治事務ではなくて、法定受託事務にすることという要望が21団体ございます。自治事務化の推進というのが9団体と、こういうような状況にございます。

したがいまして、私どもの方といたしまして、第1点目は国、自治体及び事業者の役割をこれまで以上に明確にしていただきたいというのが第1点目。

それから、第2点目といたしまして、先ほども述べさせてもらいましたけれども、できれば法定受託事務にしてもらえないかどうかということでございます。できない場合はいろいろな選択肢もあるのだろうと思うのですけれども、例えば計量士の活用ですとか、指定検定機関の活用ですとか、そういうようなものの施策とあわせて、裁量権のあるような形に持っていっていただけないかというのが第2点目でございます。

それから第3点目でございますけれども、これは先ほど来出ておりますけれども、事前規制から事後監視へという大きな流れがございますけれども、先ほど申し上げました講習義務がなくなりましたので、そこの点が非常に悩ましいところでございます。私どもの方といたしましては、計量事務を十分に熟知した職員の育成が非常に重要ではないかなというふうに思っております。この点につきましては、計量研修センタ−での研修が有効なので存続を望むという団体が34団体ございます。そういうようなことで、計量を熟知した職員をどうしても育成していかないと、いわゆる消費者の信頼を得られていかないのではないかなというふうに思っております。私たち東京都の場合でございますけれども、資格取得を奨励しておりまして、今年度、3名卒業しております。来年度、4月から2名、これを派遣する予定になっております。先ほど来申し上げましたけれども、事後規制をやっていくためには素人集団では、これは事業者に太刀打ちできない、そういうようなことが十分考えられるわけでございます。したがいまして、計量行政機関に計量士の有資格者、こういうものの設置を行えるような仕組みを整備していくことが必要なのではないかというふうに私は思っておりますので、どうかよろしくお願いいたします。

以上でございます。

○正野会長 貴重な御意見、どうもありがとうございました。

 

議題4:その他

○正野会長 それでは、最後になりますけれども、事務局より、平成15年度から平成17年度までに開催されました計量標準部会の審議結果について並びに次回の日程等をお願いいたします。

どうぞ。

○吉田知的基盤課長 それでは、まず最初に資料9で、平成15年度から17年度に開催された計量標準部会の審議結果を報告申し上げたいと思いますので、資料9をお手元にお願いいたします。

この計量行政審議会の計量標準部会におきましては、計量法第134条に基づく特定標準器等の指定及び同法第135条に基づく特定標準器による校正等について、以下の議題に対し審議を行い、議決を受けております。これらの議決を持ちまして、計量行政審議会の議決として経済産業大臣に答申をいたしましたので、これを報告申し上げます。

例えば、最初の平成15年の9月のところを見ていただきますと、高周波雑音ですとか湿度とか、さまざまな標準につきまして御審議をいただいて議決を得ておりますので、報告をさせていただきます。

○籔内計量行政室長 次に、次回の日程等につきましてでございますが、今後、小委員会及び各WGでは本日の各委員の方々からいただきました御議論、御意見等を踏まえ、報告書の取りまとめに向けて鋭意検討を進めていただく予定としております。

次回は各WGの報告書をもとに小委員会としての取りまとめが行われる予定ですので、小委員会の審議を得た報告書を計量行政審議会、次回で御審議いただきたいと考えております。

時期につきましては、小委員会、それから第1、第2、第3各WGの検討状況にもよりますが、5月下旬から6月の初めを考えておりますが、具体的な日程は各委員の日程を伺いながら決めたいと考えております。

以上でございます。

○正野会長 どうもありがとうございました。

以上をもちまして、本日の議事をすべて終了いたしました。長時間にわたる熱心な御議論、まことにありがとうございました。

それでは、以上をもちまして、第2回計量行政審議会を終了させていただきます。

どうもありがとうございました。

 

3.閉会

 
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