1.日時:平成18年6月13日(火)10:00〜11:50
2.場所:経済産業省別館9階944会議室
3.出席者:
正野会長、青山委員、飯塚委員、伊藤委員、今井委員、
上田委員、江木委員、大井委員、大野委員、甲斐委員、
加島委員、佐野委員、瀬田委員、
竹下委員(代理出席石川氏)、田中委員、田畑委員、
中村委員、原田委員(代理出席柾谷氏)、
細田委員(代理出席渡部氏)、宮下委員、森委員、宮崎委員、
中田小委員長
4.議題:
議題1:平成17年度第2回計量行政審議会議事録について
議題2:計量制度検討小委員会報告書(案)について
5.議事要旨:
議題1:平成17年度第2回計量行政審議会回議事録について
委員から意見等はなく、了承。
議題2:計量制度検討小委員会報告書(案)について
資料2−1に基づき中田小委員長、事務局より説明を行い、パブリックコメントの結果とともに委員からの意見を報告書に反映することとなった。委員からの主な意見等は、以下のとおり。
<1.計量単位>
無し
<2.計量標準の開発・供給>
・報告書(案)26ページの第5′図の実用標準からの流れにおいて、JCSSマークが付されているがこの形で宜しいか。報告書(案)23ページの第5図の実用標準からの流れにはJCSSマークが付されていない。
・報告書(案)26ページの(ii)a)における連携先の登録事業者については、ISO/IEC17025で言う下請負契約を可能とすると解釈して宜しいか。
・報告書(案)26ページの第5′図において、ユーザーがJCSSのロゴマーク付きでもってユーザーに供給出来ると解釈してよろしいか。
<3.計量器の規制(検査・検定制度)>
・自己が製造した製品について、修理品まで対象とする指定事業者の業務の拡大は、製造業者の立場からは大いに賛成である。平成5年に導入された指定事業者制度は一定の品質管理能力を保有する事業者に自主検定を認める制度であり、現在130を越える事業者が指定されている。事業者はそれまで検定所が行ってきた業務を代行しており、まさしく民間活用の成功例と言える。従って、本制度をさらに維持発展させることが計量行政における規制改革である。この流れは更なる民間活用につながる。
・報告書(案)については業界からも賛同を得ている。計量法の見直しについては、政府が進めている規制改革の流れに沿って進める事が重要である。すなわち、政府方針である「民間でできることは民間で」を尊重し、規制をする場合は民間の負担を軽減するような合理的、効率的な規制となるよう工夫することである。
・検査・検定業務については、消費者への安全・安心に配慮しながら、「官から民への開放」と両立した見直しを行って欲しい。
・国、独立行政法人、行政代行法人等の独占的となっている検査・検定業務は非効率かつ顧客満足度が低くなりがちであることから、民間への開放を進めるべきである。
・民間の力を利用することについては賛成である。地方公共団体の事後サーベイランスが重要であるが、国は地方公共団体のサーベイランスの質を高めるために何を行うのか。
・報告書(案)33ページの計量器の検査・検定等への民間能力の活用及び事後規制への移行の流れは政府方針の流れで致し方ないが、自己のところで製造したものだけでなく修理品も自己認証するというのはしっくりしない。もう1つ担保できるものを加えるべきではないか。全面的には賛成できない。
・地方公共団体の跛行性に関して、地方公共団体の監視は経済省が行うのか。報告書(案)からはどのように行うのか分かりにくい。経済省は自ら探しに行くのか。それとも計量士の組合から話が来るのか。そのような情報が上がってくる仕組みをどのように考えているのか。計量士制度が整備されれば、地方公共団体の計量行政について比較したレポートが上がると思うが。
<4.計量証明の事業>
・報告書(案)41ページの(イ)「具体的方針」の中にある「地方公共団体間による情報共有化」について、最近のエレベーター事故で話題となっているシンドラー社の例にも見られるように、地方公共団体間で大きな事故につながる前に事故情報を共有化することが必要。その旨を報告書(案)に記載して欲しい。
・指定製造事業者における修理品への自主検査については他の委員と同様の懸念を感じており、第3者のチェックを入れて欲しい。
・報告書(案)42ページの(?)に「民間団体等による講習会を支援する」とあるが、計量証明事業の従事者に対する研修について、具体的に何を支援してもらえるのか。お願いをすれば経済産業省から後援等を頂くことは可能か。
<5.商品量目制度の着実な運用及び自主的な計量管理の推進>
・報告書(案)において、国民・消費者の参画の必要性について繰り返し記載があるが、消費者モニター制度の評価については、一体どのようなことを考えて記載しているのか。
・報告書(案)30ページに消費者は計量の正確性よりも形状やコストを重視する旨の記載があるが心外である。むしろ消費者は中身や質を重視している。
・正確な計量についてもニーズがあることを認識しているのならば、はかりが規制対象から外されようとしていることについてどう説明するのか。私としてはきちんとした計量を行うためにもはかりの指定を続けて欲しい。
・計量に対する社会・世間への意識喚起が重要である。報告書(案)58ページに初等中等教育の段階からの計量に関する教育に取り組むことについて盛り込まれているのは画期的であるが、初等中等教育に限らず高等教育における位置付けについても検討する必要がある旨言及して欲しい。先日学会に出席した際に、ある大学が同大学の卒業生の環境計量士試験の合格率の高さを自慢していたが、そのような計量に対する意識を持って人材を育てようとしている高等教育機関を評価し、その中での計量士の位置付けの見直しを行うべき。
・地方公共団体間の体力格差が拡大する中で、消費者による計量制度に関する通報・監視制度によって、消費者を監視プレーヤーと位置付けることには基本的に賛成だが、プレーヤーになるためにはきちんとした情報を伝えることが大前提である。
・摘発業者が少ないということは不正事例が少ないのではなく、自治体が執行を適正に行っていないという場合も考えられる。経済産業省は自治体の体力差がある部分を監視・通報によってどう下支えするかを整備して欲しい。
・報告書(案)の58ページの注釈88において「何でもはかってみようコンテスト」について記載されているが、どこが実施機関か分からない。問題が無ければ実施機関名を書き込んではどうか。
・昨年初めて「何でもはかってみようコンテスト」を開催したが、まだ全国的に広がっていない。本年も11月1日の計量記念日に表彰する予定で準備している。現在は取り組みが熱心な県・特定市をスポット的に当たるようにしている。計量記念日についても、ややマンネリ化していることから、計量の重要性についてPRするような工夫をしたいと考えている。
・報告書(案)中で計量士の役割に期待している旨の記載が随所にあったが、今回の審議では計量士区分の改編についてあまり議論されなかった。計量士に求められる必要な知識も業務内容によって変化することから、是非、課題として記憶に留め、かつ次回の計量行政審議会の時に検討して頂きたい。また、計量士国家試験の内容についても、今後、計量行政審議会の議論になると思うが、教科内容や試験科目の在り方等を含め、時代の要請に合わせて再検討して頂きたい。
・報告書(案)の脚注は大変分かり易く記載されているが、もう少し情報を提供する場として、主要な計量行政関係機関等のホームページのアドレスを載せたらいかがか。アクセスしてみようと思う人は沢山いると思われる。
・先の委員の発言に関連し、ホームページを作成する際に各地方公共団体のホームページとのリンクはどうなっているのか。情報を流す際には、重点的に流すメディアや受信者層を考える必要がある。
<6.全体について>
・各省庁が参加している国際計量研究連絡委員会の実態において、報告書(案)に記載が無いので解説を入れて欲しい。
・報告書(案)33ページにおいて記載されている指定製造事業者における自主検査の拡大について懸念する意見が出ている。これは報告書(案)において、現行は事業者にとって一律に検定を課すために、過剰な負担となっていることから自主検査をやらせたらどうかと記載されていることによると思われる。しかし、現在の指定製造事業者において、検査又は第三者機関のチェックが行われているはずなので、その検査等が適切になされていることを前提として考えていることを報告書(案)に記載した方がよいのではないか。
・イメージの問題だが、報告書(案)の10ページのピラミッドの図において、上に公権力があって上意下達の感がある。報告書(案)には、上から押さえつけるのではなく、これからの計量行政は社会の受け皿としてバックアップする姿勢を読み取ることができるが、そのような趣旨からすると、この図は威圧的なピラミッドに見えてしまう。逆にユーザーを上におき、天秤のはかりで支える様な図になるとイメージが伝わりやすいのではないか。
以上
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