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計量新報 2005年 10月30日発行/2605号 1・2面


第2回計量制度検討小委開く

計量単位、情報提供について討議

委員全員出席、高い関心

 今年度の第2回計量制度検討小委員会が10月24日午前、東京・霞ヶ関の経済産業省別館944号室で開かれた。当日は代理もなく、委員全員が出席した。朝早くから多数の関係者が傍聴に詰めかけ、制度検討の行方に対する関心の高さがうかがえた。議題は計量単位について、情報提供について、その他として同委員会ワーキンググループ(WG)の検討状況について、の3点。予定の2時間をオーバーする活発な意見が飛び交った。次回はWGの進展を踏まえ、年内に開催される予定。

計量単位について

 国際的に定められる新しい計量単位への迅速な対応の必要性にふれた諮問に対し、7月26日開催の今年度第1回計量行政審議会では(1)国際機関の決定により認められた単位を国内に定着させていくことに支障を生じないような、新たな単位の定め方について、(2)非法定計量単位に対する規制のあり方を再検討する必要の有無、という検討課題が打ち出されている。

 現行計量法では法定計量単位として定めるには法改正が必要。制度を弾力的に変更できるよう、法律でなく政令に委任する案が浮上している。また、国際的な新単位の導入にあたり、政令・省令、運用実務についても判断基準や手順を整備する必要性がいわれている。

 これに対し委員は、新単位への速やかな対応にはおおむね肯定的であったが、導入手順や判断基準は意見が分かれた。

 話題が非法定計量単位に移ると、委員からさまざまな意見が挙がった。そもそも単位は統一すべきものである。非法定計量単位を認めると、それまで頑にメートル法準拠を徹底してきた国の方針を転換することになり、国民からの信頼を失う可能性もある。その一方、尺貫法の文化的側面を維持することも大事、とする意見も出た。

 ある委員が実体験を述べた。本来は販売を禁止しているはずの、非法定計量単位が書かれた輸入品の生活雑貨が、一般的に流通している。デザインや使い勝手がよく、愛用している製品の出所が違法である、という矛盾を解消するような法改正を望みたい、とした。

情報提供について

 「事業者の適正計量を促すのは厳しい消費者の目であるという視点」(諮問文より)に立った商品の適正計量を考えるにあたり、消費者への情報提供について検討した。

 情報提供の基本的な考え方は、適正計量の場に消費者の目を向かせること。具体案としては、不正事業者名の公表といった手続きを整備するなど、適正な計量に関する関心と知識を持たせる、消費者の計量行政への主体的、積極的な参画を促す、の2点。

 経産省が発する計量行政に関する情報は、制度の概要が主であり、違反、取締状況、相談事例など、消費者の関心を集めるような内容はほとんどない。地方自治機関も、情報提供の積極性は、地域によって大きく異なる。また、一般消費者が計量行政に対する意見を訴える場や手段も不足している。経産省のPRが弱いとする指摘も出た。

(2面につづく)

(1面のつづき)

 不正事業者名の公表について、ぜひ取り入れるべきという積極派から慎重派まで、議論が噴出した。実際、不適正計量のほとんどは故意ではなく、単純ミスである。しかし、理由はどうあれ、結果をきちんと報告することが、商店など事業者の自覚につながるのではないか、といった意見も出された。

 普及・啓発としては、SI単位なども含め、初等教育からの充実をはかるべきという意見があった。また、消防庁の「適マーク」(現在は廃止)が旅館やホテルの安全基準として広く浸透したように、適正計量管理事業者制度を、適正計量の証しとしてアピールできないか、という提案が出た。

 終わりに事務局から各WGの進展について報告があり、午後4時過ぎに閉会となった。

 

第3WG第4回会合開く

 計量制度検討小委員会第3ワーキンググループ(WG)第4回会合が10月26日、経済産業省で開かれた。

 計量標準・標準物質の供給のあり方等を検討する第3WGは、関係者からのヒアリングを行っている。今回は研究機関などを対象に、(独)国環境研究所柴田康行化学環境研究領域長、日本臨床検査標準協議会藤橋和夫事務局長、国立医薬食品衛生研究所松田りえ子食品部第四室長、(独)食品総合研究所安井明美分析科学部長を招き、各氏が業務の現況を紹介した。

第1WG第2回会合開く

 計量制度検討小委員会第1ワーキンググループ(WG)第2回会合が10月27日、経済産業省で行われた。

 第1WGは検定・検査制度のあり方等を検討する。前回議事録の確認があり、委員は了承した。

 今回は検査・検定制度の現状についてドイツ物理工学研究所(PTB)のDr.Rainer.Kraumerがドイツの法定計量を、同WG委員の中野義幸大阪府計量検定所長が地方自治体の計量行政について紹介した。それを受け、第1WGに関する主要論点を討議した。

(詳細は次号以下)

 
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