2月頃開催の検討小委員会後
各WGで基本的方向決定へ
本紙は、計量法改正に関する特別編集号発行
2005年11月末から12月にかけて、計量制度の見直しを検討している計量行政審議会計量制度検討小委員会の3つのワーキンググループ(WG)の方向性(骨子案)が出された。2月頃開催予定の計量制度検討小委員会での報告、討議を経て、その後開く各ワーキンググループで基本的方向を決めることになっている。昨年7月から正式に開始された計量制度の見直しは重要な局面になっている。本紙は今号を計量法改正に関する特別編集号として、3つのWGの骨子案を再掲載するとともに、計量行政審議会提出資料などを掲載して、計量制度見直しに関する基本資料を一覧できるようにした。有識者による座談会も別刷りとして再掲載した。
2005年度計量法改正情報BOX
−計量制度の見直し−を、ご活用ください
有識者や販売者による座談会を2本掲載
(株)日本計量新報社は、計量制度見直しに関する情報を、迅速に活用してもらうために、インターネット上に「2005年度計量法改正情報BOX」として掲載している。
「2005年度計量法改正情報BOX」には「計量行政審議会本会議」、計量制度検討のための「計量制度検討小委員会」、その傘下に設けられた実質上の審議をする3つのワーキンググループ(WG)での配付資料、議事要旨、議事録などを、電子データとして掲載している。電子データなので、活用の幅が非常に広い。
「2005年度計量法改正情報BOX」には、計量制度見直しに関する、これまでの『日本計量新報』掲載記事や社説をまとめて掲載している。検討の状況の推移等を一度に確認できるので、便利である。
計量制度に詳しい有識者による「計量法改正座談会」=『「計量法の抜本的見直し」の審議動向と私の考え方−国民の計量の安全と計量行政の在り方を考える』(新年号掲載、今号再掲載)や、「計量器販売者による座談会」も全文を掲載。計量制度見直しに必要な視点を提示している。
「計量法に関する意見・感想」も掲載。
PDFファイルが主だが、主要な資料や可能なものは、HTMLファイルでも提供している。HTMLファイルと表示してあるもの、および「計量法情報BOX(計量制度の見直し)2特設ページ」である。
URL:http://www.keiryou-keisoku.co.jp/hou-kaisei2005/hou-kaisei-top.htm
◇
「2005年度計量法改正情報BOX」の更新情報を、電子メールで希望する方に送信しています。更新情報のお知らせメールの配信を希望する方は、mail@keiryou-keisoku.co.jpまで、お申し込みください。(編集部)
計量制度見直し審議
いっそう迅速な情報公開を
インターネットが情報公開を可能に
従来の計量制度の見直しの検討と何が一番変わったか。それは情報公開の進展である。昔は非公開が多かった審議会も原則公開に変わり、省庁によって温度差はありながらも議事録などが公開されるようになった。計量行政審議会でも事情は同じである。これが今回の情報公開を準備した土台の一つである。
もう一つの要素は、インターネットの発達により、ウェブサイト(ホームページ)に情報が掲載されれば、インターネットに接続できる環境であることが必要だが、文字通り誰でもが見ることができるという環境が整ったことである。
インターネットを通じての公開で、情報公開は文字通り本物になったのである。審議会などが公開されてもそれを傍聴できる人は限られている。会議に提出された資料を閲覧できるのは、委員の他は傍聴した人たちだけ、すなわち数十人である。他の人たちは、傍聴者が持ち帰った資料をコピーするなどして情報を得ていたのである。それでも閲覧可能な範囲はごく一部だった。それがインターネットのウェブサイト上での公開を実施することによって、これまでの何千万倍、何億倍という人たちが資料や議事録を見ることができるようになった。情報革命である。
計行審が情報公開の方針決める
2005年7月26日開催の計量行政審議会は、(1)議事要旨については、原則として会議の翌々日までに作成し、公開する、(2)議事録については、原則として会議終了後1ヶ月以内に作成し、公開する、(3)配付資料は原則として公開する、(4)個別の事情に応じて、会議又は資料を非公開とするかどうかについての判断は、会長に一任するものとする、という方針を決めた。多くの人がこの決定を歓迎した。
情報公開方針実行に高い評価
歓迎される決定ではあるが、事務当局にとっては、計量制度の見直しに関する検討に必要な調査や検討のための資料作成などさまざまな作業をしながら、従来は相対的に後回しになっていた作業が加わるのであるから、大変なことである。議事録や資料は、整備されしだい経済産業省のウェブサイトに掲載される。ただ、これにはある程度時間がかかるので、日本計量新報は事務当局から可能な資料の提供を受けて「2005年度計量法改正情報BOX」に全部掲載している。ワーキンググループなどの会議が開かれると、日本計量新報には「資料はいつ掲載されるのか。なるべく早く載せてほしい」という問い合わせが寄せられる。それだけ、情報公開にたいしての期待が大きいということである。また、速やかに情報を提供している事務当局の、情報公開に関する姿勢にたいしては評価が高い。
求められる迅速な公開
速やかな情報公開に努めている事務当局ではあるが、よりいっそう迅速な情報公開を期待したい。計量制度の見直し審議に関する情報公開の目的は、公開情報を多くの人が活用して判断し、意見や要望を出すことによって、よりよい計量制度をつくりあげていくことにある。したがってタイムラグはできるだけ短い方がよい。たとえば、方針がある程度決まってから資料が公開されたとしても、それは情報を公開したというアリバイ以上の価値は持たないからである。全てが決まってから議事録が公開されたとしても、記録性以上の価値は認めがたいからである。
大いに利用してよりよい制度構築へ
事務当局へ求めるばかりではダメである。当然、資料を利用する側にも、公開された情報を大いに活用して、よりよい計量制度の構築へ向けて、積極的に働きかけていくことが求められる。 |