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計量新報 2006年 4月2日発行 /2627号 4面


資料

(2625号12面のつづき)
第3回計量制度検討小委員会
議事要旨(2) 2月21日、経済産業省

◇本日配布された広報用のパンフレットはわかりやすく書かれているが、一般の方々の手には届いていないのが現状ではないか。区役所や市役所に置いてもらうなどの工夫をしていただきたい。また、インターネット上には、必ずしも正しい情報のみでなく、中には間違った情報も流れている。これについてもウォッチしていただき、教育と社会生活とつなげるような普及活動を実施していただきたい。時間はかかるが長い目できちんと情報提供を実施していただきたい。
[計量士制度及び特殊容器制度について]
◇計量士の更新制度について、独立行政法人が主体となるとあるが、社団法人等の民間の全国規模の組織・団体を活用することも、計量士の実態を踏まえた適切な講習等が可能となることも考えられるため、検討していただきたい。

◇計量士が行政代行業務や適正計量管理事業所の業務を行う場合、中小企業診断士のように、全国的組織の加盟を義務付けたらどうか。これにより、計量士の実情を常に把握でき、一元的な活動を推進し活性化を図っていくことが可能となる。
◇一般計量士を2以上の専門領域に分けられないか。計量士に求められる知識としては、法令、技術基準、標準供給制度、品質管理、国際動向、行政動向など多岐にわたる。専門領域毎に必要とする知識を定め、より高度な業務を遂行できるように誘導してはどうか。平成4年には環境計量士が濃度関係と騒音・振動関係の2区分になる等参考となる例はある。
◇資料2の2ページ(2) 8行目「強化するべく」の後に「より多くの商品量目の立入検査を実施すること」という文言を追加していただきたい。
◇計量士の更新年数について、一般は5年、環境は3年とあるが、その理由は何か。一般計量士と環境計量士の両者の業務内容に対する責任や技術進歩に大きな差はないので、環境計量士も一般計量士と同様5年としていただきたい。

◇国家試験事務の民間への委譲について、当該業務が定型業務であるという説明があったが、社会は計量士にどの程度の技術を要求しているのか、どの程度の質を確保しなければならないのかなど、政策的な面もある。国の関与も一定程度必要であり、今後の検討において一つの視点としていただきたい。

◇国家試験事務の民間への委譲について、独立行政法人の活用とあるが、独立行政法人に対しては、事務の効率化、業務の簡素化などが求められている。独立行政法人に決めず、民間活用の観点から幅広く検討をしていただきたい。

◇計量士は社会の中のキーパーソンになりうると考えている。国家試験の民間開放との関係で、社会の中で計量士をどういう位置付けにしていくのか説明して欲しい。司法制度改革では法科大学院を設けるなど国家のプロジェクトとして、それになることを目的として高校生から進んでいく道がある。計量士の在り方について検討している中にあって、キーパーソンとしてもっと中心的な位置づけをしてもよいのではないか。

◇更新制度に伴う研修の実施については、専門性を有しているという観点から実績なども踏まえつつ、民間団体の活用をお願いしたい。
(3)議題4:計量制度検討小委員会WGの骨子について

 第1WG座長の飯塚幸三委員及び事務局より資料7−1に基づき第1WGの方向性について、事務局より資料7−2−1及び資料7−2−2に基づき第2WGの方向性について並びに第3WG座長の今井秀孝委員及び事務局より資料7−3に基づき第3WGの方向性について説明。
 第1WGについて、各委員から出された意見については、当該意見をWGにフィードバックして更に検討をすることとなった。また、それを骨子に対する小委員会の議論として取りまとめ、骨子に当該意見を付して計量行政審議会に報告することとなった。
 第2WG及び第3WGについては、骨子を小委員会として支持し、計量行政審議会に報告することとなった。
 委員からの主な意見等は以下のとおり。
[第1WG]

◇今回提示があったWGの骨子について、まだ関係者の意見を聴取していないところもあると聞いている。今後、修正・議論の余地があるという理解でよいか。

◇指定製造事業者制度を再検定品・修理品まで適用できるようにすることについて、資料中括弧内に特記されている電気計器は例示にすぎず、各種計量器に共通することである。規制緩和を進めていくことに異論はないが、この点については、慎重な議論が必要。計量法の根本的な精神を空洞化してはいけない。修理品の方が新品に比べて不合格率が高く、対象となる事業者や各種の定義、修理・検査の方法等、慎重に議論していただきたい。(次号以下につづく)


資料

(3月26日付2624号5面のつづき)
第3WGの報告書(案)(2)
4月14日開催、経済産業省別館1120会議室

【おことわり】前回は3月10日開催の第8回会合資料を掲載しましたが、今回以降は第9回会合資料を掲載します。それに伴い、項目や枝番を再掲します。(編集部)

計量標準の開発・供給
1 現行制度の問題点
(ア) 国家計量標準機関(Principal NMI)を頂点(中核)とした計量標準供給体制を整備する必要性
(2624号掲載済のため省略)
(イ)新たな計量標準の供給体制の整備の必要性
 現行制度では、国家計量標準の指定には告示の改正や計量行政審議会への諮問等の作業が必要なため、指定までに一定期間を要している。また、通例として、指定には国内で最高水準かつ国際整合性の確保を可能とするものが前提になっており、厳密な審査を要することが、計量標準開発機関の資源不足に加えて、需要の拡大に迅速に対応できない要因となっている。
 このため、需要にいち早く対応するため、海外の計量標準を利用したり、産業界、学会等の関係者間の合意の下で利用されている民間の計量標準を暫定的な計量標準として採用するなど、迅速に供給を可能とする枠組みの創設が求められている。
 計量標準を必要とする分野が拡大していることから、ユーザーの需要を的確に把握する必要があり、知的基盤整備計画に加えて、社会全体の需要を総合的に把握する仕組みが求められている。
(ウ)国家計量標準の国際整合性を確保する必要性
 国際市場における技術基準や規格の適合性を確保するために、計量標準の性質によっては、国際整合性の確保が求められる場合がある。現在その判断は、国家計量標準を供給する機関の個別の判断で行われているが、一部の機関はCIPM/MRAに参加しておらず、国際整合性の確保が不十分な状況となっている。このため、我が国の産業競争力を強化する観点からは、大きな市場である欧米だけではなく、生産拠点であるアジア各国とも国際整合性を確保していくことが求められている。
2 新たな方向性
(ア)基本的考え方
(i)国家計量標準の開発・供給体制の構築と役割分担
 我が国の国家計量標準の開発・供給を総合調整する役割は計量法第134条に基づき経済産業大臣にある。この総合調整機能を効果的・効率的に実施する方策として、経済産業省及びNMIJの「企画」と「実施」の役割分担を再整理する。また、この機能を十分に活用し、我が国の関係機関が一体となった開発・供給体制を構築するとともに、関係機関の役割を明確化する。
(ii)国家計量標準を整備する総合調整機能の充実
 新たな分野で整備すべき計量標準の需要が急速に拡大し、必要な知見が多岐に渡って必要となっている。そのため、中長期的に整備を進める必要があり、国家計量標準整備に係る総合調整機能を充実させる。
(iii)社会的要請に対応できる供給制度の創設
 国家計量標準整備に関する社会的要請が急速に拡大している状況に対応して、海外の計量標準や民間の計量標準等を用い、計量標準の整備・供給を効率的かつ迅速に行う供給制度を創設する。
(iv)需要を把握する仕組みの構築
 校正事業者やユーザーの需要に対応して、国家計量標準等の供給を適切に行うには、需要を的確に汲み取ることが前提となることから、経済産業大臣(経済産業省及びNMIJ)が、産業界、学会、関係府省等の協力を得つつ、様々な分野の情報や需要を円滑かつ十分に収集できる仕組みを構築する。
(次号以下につづく) 

(以上)

 
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