資料
(2627号4面のつづき)
第3回計量制度検討小委員会
議事要旨(3) 2月21日、経済産業省
◇計量法の見直しに当たっては、民間負担の軽減や経済の活性化のために、規制の対象は最小限にすべき。規制する場合にあっても民間負担の軽減を常に念頭においた、合理的かつ効率的なものとすべき。安全・安心ということに対しては、当然、最大の配慮が払われるべきであるが、被害の発生の可能性が小さいものについては、検査・検定業務を事業者自身に委ねるとの政府の方針が出されている。また、現在、国や独立行政法人が独占的に行っている検査・検定業務があるが、これらは、ともすれば非効率となりがちであるため、民間に開放すべき。安全・安心と規制改革がうまく両立するような見直しにしていただきたい。
◇今までコストをかけて行政が行ってきたことについて、そのコストを削減するから、当該事項の監視役は消費者が担うという前提は疑問。適正計量がなされていないものについて、そのチェックを消費者全てができる訳ではないのに、それを
チェックしなかった方が悪いというのはおかしい。ガラス製体温計を例にとると、現状が正しい姿とは決して思わないが、検定所が実施している検定の段階で、製造業者が品質管理を適切に行っていないことが原因の粗悪品を、市場に出回る前に止めていることは事実。民にできることは民にという美しい理念に沿ってさえいれば全て正しいということではなく、その結果により安全・安心が損なわれるのであれば、その理念と少し違っていても安全・安心が確保されるまで行政が実施していくといった、柔軟な考え方をとるべき。体温計について、JISマークの活用という手段もあり得ると聞いているが、今まで何十年とJISマークの対象となっていなかった製品について、ある時からその対象になったとしても、マークが付いていないことをもって品質が劣っているかもしれないと判断することは難しい。指定製造事業者制度を再検定品・修理品まで適用できるようにすることに関して、電気計器について、その修理事業者は、ほぼ100%電力会社の子会社と聞いている。公平性の観点から問題があると考える。
◇プロ同士の取引・証明に関しては規制緩和してもよいが、一般消費者の日常生活に関与する部分ついては従来どおり、きちんと行政が対応していくべき。構造計算書偽装問題では、競争の原理が働かないにも関わらず、検査・検定が民に移管されている。
◇指定製造事業者制度を再検定品・修理品まで適用できるようにすることに関して多いに賛成。平成5年に導入された指定製造事業者制度は、一定の品質管理能力を有する事業所に自主検定を認める制度であって、現在120を越える事業者が指定を受けている。それまで検定所が行っていた業務を代替しており、まさしく民間活力の活用の成功例といえる。本制度を更に維持・発展させることが計量行政に関わる規制改革・行政改革にとって重要と考える。主として初回検定のみならず、再検定品や修理品にまで適用を拡大できれば民間活用にもつながる。
◇規制緩和は、緩くなるとかいい加減になるというイメージがあるが、本来は、厳しい基準のまま主体が官から民に移行することである。これにより不利益がもたらされるイメージがあるということは、如何に社会が安全と安心を違って捉えているかということ。安全と安心は違う。社会が何を求めているのかに応えることも重要。行政機関が実施していた検査・検定について、第三者機関による認証とするときには、当該機関をどのように管理・監督しているのかと併せて説明していかないと、信頼や安心感が得られない。監視強化を明記すべき。
[第2WG]
◇自治体においては、行財政改革の進展により、今後10年を見据えたときに現状の体制が維持できるか危機感を持っており、検査・検定の実施方法についても変えていかざるを得ない状況が出てくるとことが想定される。その意味で、市場による監視機能を生かしていくという点は中長期的なスパンから見たときの自治体における計量行政の将来像を示唆したもので、時宜を得たものであると考えている。
◇検査・検定の対象は真に必要なものに絞っていただきたい。都道府県を対象にアンケートを行っており、その結果を踏まえると、今後は、これまで以上に指定検定機関や指定検査機関等の民間機関を活用することが必要ではないかと考えている。また、制度設計にあたっては、特定計量器の使用者を含む事業者、自治体及び国の責務の明確化、民間の検定機関等の責任の明確化・罰則の強化並びに自治体の立入検査の充実・強化といった枠組みで考えていただきたい。更に、離島などの特殊事情がある地域における検定等については、コストが高く経費的にも厳しいので、このような点についても配慮したような枠組みの検討をお願いしたい。
(次号以下につづく)
(以上)
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