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計量新報 2006年 7月23日発行 /2638号 6面


計量標準の供給開始と校正範囲の拡大(3)
計量行政審議会平成17年度第1回計量標準部会資料より

参考資料1-2

特定標準器の指定及び校正等の実施について(2)
(電力電力量校正装置)

(2635号のつづき)
(2)測定の不確かさ
1)特定標準器による校正等における測定の相対拡張不確かさ(k=2)は、電力においては、40μW/W〜50μW/W、電力量においては、40μWs/Ws〜70μWs/Wsを予定している。
2)登録事業者が行う校正における測定の相対拡張不確かさ(k=2)は、電力においては、50μW/W〜100μW/W、電力量においては、100μWs/Ws〜150μWs/Wsを想定している。
(3)参考
 特定標準器による校正等における現状の相対拡張不確かさ(k=2)は、電力においては、150μW/W、電力量においては150μWs/Ws〜350μWs/Wsである。

参考資料2

特定標準器及び特定副標準器並びに校正等の取り消し並びに特定標準器の指定及び校正等の実施について(電圧(低周波))

 計量法第134条第1項に規定する特定標準器及び同条第2項に規定する特定標準器を用いて計量器の校正をされた計量器であって、その特定標準器に代わり得るものとして計量器の校正に用いることが適当であるとして、日本電気計器検定所が保管する電圧(低周波)の計量器が平成5年11月に特定標準器及び特定副標準器として指定された。現在、電圧(低周波)については、日本電気計器検定所が特定標準器及び特定副標準器を用いて校正を行っている。
 しかしながら、今般、独立行政法人産業技術総合研究所(産総研)による技術開発が進み、安定的な精度維持等が図れるようになったことから、日本電気計器検定所が保管する現在の特定標準器及び特定副標準器については、計量法第134条第3項に基づき取り消しを行い(参考資料2−1参照)、産総研が保管する新しい電圧(低周波)を特定標準器として指定する(参考資料2−2参照)。

参考資料2-1

特定標準器及び特定副標準器の取り消し等について
(自己校正型変成比分圧器)

1.背景

現在、変成比分圧器(誘導分圧器)の分圧比標準については、日本電気計器検定所が保管する「自己校正型変成比分圧器」が特定標準器に指定されている。
 今般、独立行政法人産業技術総合研究所において新たな特定標準器「誘導分圧器校正装置」の開発が進み、現在と同等の標準供給範囲を維持しつつ、不確かさの向上が可能となった。これより、特定標準器を「自己校正型変成比分圧器」から「誘導分圧器校正装置」に変更することとする。

2.新たに指定する特定標準器

 誘導分圧器校正装置(独立行政法人産業技術総合研究所が保管するもの)

3.取り消し予定の特定標準器

 自己校正型変成比分圧器(日本電気計器検定所が保管するもの)

4.取り消し予定の特定副標準器

 変成比分圧器及び計器用変圧器(日本電気計器検定所が保管するもの)

5.計量標準供給体系

参考資料2-2

特定標準器の指定及び校正等の実施について(誘導分圧器)

1.背景

 誘導分圧器は、インピーダンスの精密計測や高電圧計測には不可欠な機器であり、エレクトロニクス産業をはじめとする電気機器産業界、あるいは電力エネルギー産業界において、不確かさの小さな誘導分圧器の標準供給に対するニーズが高まっている。
 誘導分圧器の標準は、現在、日本電気計器検定所が保有する「自己校正型変成比分圧器」が特定標準器に、さらに同検定所が保有する「変成比分圧器」及び「計器用変圧器」が特定副標準器に指定されており、これらを基準に産業界への校正サービスが行なわれている。しかし、これらの標準器は、開発・確立されてから20年以上の時間が経過しており、最近、国際的な技術水準からみてもその測定の不確かさにおいて産業界のニーズを十分満足させることが難しくなってきた。このため、誘導分圧器の測定の不確かさの向上を産業界および日本電気計器検定所から要請されていたところである。
 産業技術総合研究所は、より測定の不確かさの小さな校正が実現できる誘導分圧器標準の研究開発を行い、その結果、特定標準器による校正等の不確かさを約1/10にすることができた。これにより産業界のニーズに十分応えられることが出来ると共に、国際レベルからみても遜色ない標準供給が可能となった。

2.指定予定の特定標準器

 誘導分圧器校正装置

3.特定標準器の概要

(1)特定標準器の構造(図1参照)


 特定標準器は、電圧比較器、校正用仲介トランス、電位調整用トランス、スペシャルコネクタで構成される。校正用仲介トランスの二次側電位を、電位調整用トランスによって変化させながら、被校正器物(特定二次標準器)の出力と仲介トランスの出力を比較測定することで分圧比が求められる。
(2)特定標準器による校正の方法(図1参照)
 特定標準器を用いて特定二次標準器へ直接値付けを行う。

4.計量法135条第1項に基づく校正実施機関

 独立行政法人産業技術総合研究所

5.特定二次標準器

(1)誘導分圧器であって、二段変成比型(Two−Stage型)であるもの。
(2)特定二次標準器の具備条件
(a)分圧比
 マイナス0.1、0.0、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1を含むもの
(b)印加電圧
 周波数1kHzの場合において、10Vの印加ができること
(3)特定標準器による校正等の期間(校正等の周期)
 1年

◇  ◇

6.トレーサビリティの体系図及び測定の不確かさ

(1)トレーサビリティの体系図

(2)測定の不確かさ
1)特定標準器による校正等における測定の相対拡張不確かさ(k=2)は、1×10-9〜5×10-9を予定している。
2)登録事業者が行う校正における測定の相対拡張不確かさ(k=2)は、誘導分圧器においては、1×10-7〜10×10-7、計器用変圧器においては、50×10-6〜150×10-6を想定している。
(3)参考
 特定標準器による校正等における現状の相対拡張不確かさ(k=2)は、変成比分圧器においては1×10-7〜5×10-7、計器用変圧器においては70×10-6〜200×10-6である。

参考資料3

特定標準器の指定及び校正等の実施について(光減衰量)

1.背景

 光減衰量は、光伝送路や光部品の特性を記述する上で最も重要な物理量のひとつであり、光通信や光測定の分野をはじめとする電気機器産業界においてその標準供給に対するニーズが高まっている。
 諸外国の光減衰量標準の整備状況に関しては、光通信産業の盛んな米国や英国で標準が開発され供給が行われている。
 国内の校正事業所においては、外国の標準研究所により校正された標準や、独自に開発された標準に基づいて校正サービスが行われている。
〈編集部注:文中の「予定」はすべて告示済みです〉
(次号以下につづく)

 
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