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計量新報 2006年 9月10日発行 /2644号 6面


 資料

計量標準の供給開始と校正範囲の拡大(6)
計量行政審議会平成17年度第2回計量標準部会資料より

参考資料4-2
校正等の実施について(ビッカース硬さ)

(2643号6面のつづき)

(2)特定二次標準器の具備条件
(a)形状および寸法が以下の条件を満たすこと。
 厚さ:6mm以上
 使用面の平面度:5μm以下
 裏面に対する平行度:10μm以下/50mm
 表面粗さ:使用面0・05μmRa以下、裏面0.8μmRa以下
(b)硬さの均一性が以下の条件を満たすこと。
 硬さ値が225HV以下で、試験力が49.03N未満の場合、6%以下。硬さ値が225HVを越え、試験力が49.03N以上の場合、2%以下。その他の場合、4%以下。
(3)特定標準器による校正等の期間(校正等の周期)
 5年

6.トレーサビリティの体系図及び測定の不確かさ

(1)トレーサビリティの体系図


(2)測定の不確かさ
1)特定標準器による校正等における測定の相対拡張不確かさ( k=2)は、ビッカース硬さ基準機(a)の場合において約2.6%、ビッカース硬さ標準片(b)の場合において約2.0%を予定している(くぼみ対角線長さ200μm以上の場合)。
2)登録事業者が行う校正における測定の相対拡張不確かさ( k=2)は、ビッカース硬さ試験機(c)の場合において約2.7〜3.2%、ビッカース硬さ標準片(d)の場合において約2.2%を想定している(くぼみ対角線長さ200μm以上の場合)。
(3)参考
 登録事業者が行う現状の相対拡張不確かさ(k=2)は、ビッカース硬さ試験機(c)の場合において約3.2%である。



平成17年度第2回
計量標準部会資料より

参考資料1
特定標準器の指定及び校正等の実施について
(流量(石油流量))

1.背景

 石油類の流量測定は石油製品の取引や課税の根拠として、また石油化学プラントの生産管理などの様々な分野で重要である。
 標準となる流量は質量、体積、時間、密度、温度などの他の標準からの組み立てにより決められるが、これまでは石油流量の国家標準として使用できる校正設備がなかったため、流量までの組み立ては流量計のメーカやユーザに委ねられていた。
 しかしながら、経済活動や生産活動の国際化に伴い国家間の流量測定値の整合性を保証することが不可欠となり、国際的なシステムに準拠した計量法に基づくトレーサビリティ制度(JCSS)の運用が求められている。
 産業技術総合研究所は、高精度の石油大流量の研究開発を行い、産業界のニーズに十分応えることができると共に、世界最高レベルの標準供給が可能となった。

2.指定予定の特定標準器

 石油流量校正設備

3.特定標準器の概要

(3)特定標準器の構成(図1参照)

 特定標準器は、灯油用ラインと軽油用ラインの2系統に分かれ、それぞれが貯蔵タンク、ポンプ、熱交換器、転流器、秤量計などで構成される。また、管理用標準器として、サーボ式容積流量計を備える。
(2)特特定標準器による校正の方法(図2参照)

 特定二次標準器への校正は、転流器を用いた通液式静的秤量法により行う。ポンプと十分な長さの直線状の円管を用いて安定した石油の流れを発生させ、接続された被校正流量計を通過した石油を転流器によって一定の時間秤量タンクに導入する。秤量計を用いて秤量タンク内に流入した石油の質量を正確に決定し、この質量と流入に要した時間から被校正流量計を通過した質量流量を求め、さらに得られた質量流量と石油の密度から体積流量を決定する。測定できる流量範囲および拡張不確かさ(k=2)はそれぞれ、質量流量基準で0.67kg/s〜67kg/s、0.02%、体積流量基準で3m3/h〜300m3/h、0.03%である。

4.計量法135条第1項に基づく校正実施機関 

 独立行政法人産業技術総合研究所

5.特定二次標準器

(3)石油用流量計
(2)特定二次標準器の具備条件
(a)石油用体積流量計もしくは石油用質量流量計であって通過流量に比例したパルス信号出力機能を有するもの。
(b)測定できる流量範囲に、質量流量で0.67kg/s〜67kg/sまたは体積流量で3m3/h〜300m3/hの範囲を含むこと。
(c)長期的安定性が評価されていること。
(3)特定標準器による校正等の期間(校正等の周期)
 1年

6.トレーサビリティの体系図及び測定の不確かさ

(3)トレーサビリティの体系図
(次表参照)
(2)測定の不確かさ
1)特定標準器による校正等における測定の相対拡張不確かさ(k=2)は、0.04〜0.1%を予定している。
2)登録事業者が行う校正における測定の相対拡張不確かさ(k=2)は、0.1〜0.2%を想定している。

▲トレーサビリティの体系図

参考資料2
校正等の実施について
(流量(液体流量))

1.背景

 液体(水)の流量計測は、プロセス計測や燃料・工業原料・工業用水の取引等のあらゆる分野で利用されている。
 これまで鉄鋼プラントや発電所等の大型施設で用いられる50m3/h〜3000m3/hの範囲において特定標準器による校正を行なってきた。しかしながら、多数の流量計が使用されている化学プラントや食品工業等では、使用される流量範囲が上記の流量範囲の下限以下であるため、これらの流量範囲をカバーすることが強く求められていた。
 これらの要求に対応すべく産業技術総合研究所では特定標準器の改造を進めてきたが、この度改造が完了したため、流量範囲の下限を引き下げ、特定標準器による校正の範囲を0.3m3/h〜3000m3/hに拡大する。

2.特定標準器

  液体流量校正設備(既存)

3.特定標準器の概要

(3)特定標準器の構成(図1参照)
 特定標準器は、地下貯水槽、ポンプ、オーバーフローヘッドタンク、テストライン、秤量タンクなどで構成される。これまでは容量50tの秤量タンクのみを使用してきたが、これに新規に開発した容量5tおよび容量500kgの秤量タンクを追加することにより、流量範囲の拡大を実現した。
(2)特定標準器による校正の方法(図1参照)

 流体として水を用いて液体用流量計を校正する設備である。揚水ポンプ、オーバーフローヘッドタンクと十分な長さの直線状の円管を用いて安定した水の流れを発生し、こ れに接続された被校正流量計を通過した水を転流器によって一定の時間秤量タンクに 導入する。秤量タンク内に流入した水の質量を、秤量計を用いて正確に測定し、この質 量と流入に要した時間および水の密度から被校正流量計を通過した体積流量を決定する。
 この体積流量を標準として、流量計の出力を校正する。

(次号以下につづく)
 
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