日時:平成18年2月13日
場所:経済産業省別館9階944号会議室
1.開会
○籔内計量行政室長 定刻になりましたので、第4回第1ワーキンググループを開催させていただきます。
事務局を務めさせていただきます計量行政室長の籔内でございます。よろしくお願いいたします。
まず審議に入ります前に本日御欠席の委員の方を御紹介させていただきたいと思います。
本日は、立教大学の橋本先生ですが、ギリギリまで調整はしてみるけれども、だめであろうということでございまして、一応橋本委員は欠席の予定でございます。そのほかの委員は出席になっております。
それでは、以降の議事進行は飯塚座長にお願いいたします。
○飯塚座長 皆さん、こんにちは、御苦労さまでございます。
第1ワーキンググループは御承知のように特定計量器の検査・検定を中心として、安心・安全な社会の構築のための計量の在り方という大変全般的な課題についての検討を進めることになっておりますが、本日は4回目でございます。すでにいろいろと御意見をいただいて、ワーキンググループとしての骨子も取りまとめを終わったところでございますが、本日と次回、計量器の製造事業者、検査機関あるいは計量器のユーザーの方々からそれぞれのお考えについてプレゼンテーションをしていただくということになっております。
それで、本日の議事でございますが、お手元の議題にございますように、最初に前回の議事録を確認させていただいた後、計量器の製造事業者団体でございます日本計量機器工業連合会からのプレゼンテーション、それから電気計器の検査機関の日本電気計器検定所からのプレゼンテーションをいただいて質疑応答をしていただくということでございます。今までと同じように活発な御意見をいただければというふうに思います。
なお、念のために最初に申し上げますけれども、審議会の公開にかかわる閣議決定につきましては前回と同様でございまして、審議会等の整理・合理化に関する基本計画などを踏まえて、原則公開ということで進めさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
議事に入ります前に、最初に事務局から配布資料の説明をお願いいたします。
○籔内計量行政室長 それでは、本日は議事次第、委員名簿、座席表、あと委員のみですが、前回の議事録、それと計工連の方から「計量制度検討小委員会第1WGの方向性(骨子)に対する意見・要望」が資料2、それから資料3として、日電検から「「第1WGの方向性(骨子)」を踏まえた意見について」ということでございます。そのほかに参考資料として、前回の第1WGの骨子案をかけたものを、各委員から多大な意見を賜りまして、それらの意見を反映させて修正したものを「第1WGの方向性(骨子)」として、参考資料として本日おつけさせていただいております。
以上でございます。
2.議題
議題1 計量制度検討小委員会第1WG第3回会合議事録について
○飯塚座長 それでは、記事に移らせていただきます。
議題1、この小委員会第1ワーキンググループでございますが、第3回会合の議事録についてでございます。委員の方々にはすでに事前にそれぞれごらんをいただいているはずでございますが、この議事録につきまして、何か御質問、御意見はございますでしょうか。ございませんようでしたら御了承いただいたということにさせていただきますが、よろしゅうございますか。
〔「異議なし」の声あり〕
○飯塚座長 ありがとうございました。
それでは、これは経済産業省のホームページで公開されますので、よろしくお願いいたします。
議題2 関係者ヒアリング
・社団法人日本計量機器工業連合会 伊藤尚美 専務理事
『計量制度検討小委員会第1WGの方向性(骨子)に対する意見・要望』
○飯塚座長 それでは、続きまして次の議題でございますが、関係者ヒアリングでございます。
計量器の製造事業者から見た検査・検定制度に対するお考えをいただくということで、社団法人日本計量機器工業連合会の伊藤専務理事からプレゼンテーションをいただきます。
なお、全体の進め方でございますが、約30分程度プレゼンテーションをいただきました後、約15分程度質疑応答の時間をとりたいと考えております。
また、その次の日本電気計器検定所のプレゼンテーションと質疑応答の後では、全体を通しての御質問等もある程度時間をとってございますので、よろしくお願いいたします。
それでは、最初に日本計量機器工業連合会の伊藤専務理事、よろしくお願いいたします。
○伊藤専務理事(計工連) ただいま御紹介にあずかりました日本計量機器工業連合会の伊藤でございます。よろしくお願いいたします。
本日はこのようなプレゼンテーションの機会を第1ワーキンググループの方々からいただきまして、この席をかりましてお礼を申し上げます。どうもありがとうございました。
それでは、座って御説明をさせていただきます。
〔 Power Point 1 〕
それでは、プレゼンテーション用につくりました資料を、ご覧になっていただきたいと思います。
『計量制度検討小委員会第1WGの方向性(骨子)に対する意見・要望』という形で、先ほど御承認されました骨子につきまして我々の考えを申し上げるわけでございますが、計工連会員が製造している特定計量器は非常に幅広うございます。したがいまして、私では十分に皆さんの御意見に答えられない場合がございますので、その場合には各専門の者から回答するという形をとらせていただきます。
〔 Power Point 2 〕
まず、御説明する前に目次ですが、日本計量機器工業連合会、これは略して「計工連」と呼びますので、これからもずっと「計工連」という名前が出てくると思いますので、ひとつ御了承のほどをお願いいたします。
まず計工連の概要を御説明させていただきまして、その後、「第1WG方向性(骨子)」に対する意見等々について御説明させていただきます。
目次につきましてはここに書いてあるとおりでございますので、省略をさせていただきます。
〔 Power Point 4 〕
まず計工連の概要でございますが、ここにありますように、設立は1952年の5月でございます。そして通商産業大臣より認可、社団法人化したのは1974年の4月でございまして、約五十数年の歴史を持っている団体でございます。
設立の目的はここに書いてございますように、計量計測機器の高度化を通じまして、業界、産業界の振興発展を図り、経済及び国民生活の向上に寄与するということで発足したと聞いております。
団体の性格でございますけれども、計量計測機器を製造・販売している企業及び関係団体で構成している全国の総合団体であるということでございます。
会員数でございますけれども、正会員は、正会員というのは製造している事業所のことを指すわけですが、110社5団体、それから賛助会員というのは販売をしている事業所のことを示すわけですが、15社。それから拡大部会員が44社とありますが、これは日本はかり工業会という団体がございまして、この団体が発展的解消をいたしまして、計工連のはかり部会に入ったということで、はかりに関する事業を担当するという部会でございます。これが44社ございます。
いずれにいたしましても、このような団体で構成されております。
なお、詳しくは、要覧が皆さんのお手元に配られていると思いますが、そちらで御確認していただければと思います。
〔 Power Point 5 〕
計工連の会員が製造している主な機器につきましては資料5にあるとおりでございまして、総務省の日本標準産業分類の中で31番精密機器器具製造業の分類があり、計量器・測定器・分析機器・試験機製造業という分野の中で、今、計工連が実際に扱っている業種につきましてはここにありますように3111からずっと来まして3119までですが、3116があいているのは分析機器を示し、他の工業会が担当しているということから、当計工連では扱っていないということでございます。
いずれにいたしましても、このような機器を計工連の会員の皆さんは扱っているということでございます。
〔 Power Point 6 〕
業界の状況ですが、これは2004年度の統計で、生産高は約8301億、バブルの以前は1兆2000億というような数字があったわけでございます。バブル崩壊後の皆さん御存じのとおりの状況によりまして、現在では復元はしてきたものの、8300億円ということでございます。それから輸出でございますが、輸出は中国を初めとする東南アジア等々の好景気によりまして、1670億程度でございます。それから輸入額ですが、輸入額も毎年5%から8%ぐらい増えてまいりまして、約915億に近い数字となっております。輸入の機種についてはいろいろあるわけでございますが、やはり低廉な価格を武器に輸入増と私たちは考えております。
さて、特定計量器ということになりますと、我々の業界企業がどのような機種を製造し、規制するかどうかを把握することは非常に悩ましいところですが、とりあえず会員の資本金・従業員数別構成をご説明します。資本金が1億円未満の企業は56%、資本金が1億円以上10億円未満のところは16%、それから資本金が10億円以上のところは28%となっています。資本金が10億円以上のところに関しましては必ずしも企業全体で特定計量計測器をつくっているわけではなくて、ほかの大きな金額のかかるものを製造しており、我々の業界のものはごく一部であるということが言えると思います。それから、従業員数ですが、従業員は100人未満が約40%と半分を占めておりまして、あとはここに示すとおりでございます。
そして我々の業界もいろいろ頑張っておりまして、国際競争力強化に向けた施策等をとっておりますので、ISO9000シリーズの認定を取得している会員企業は約74%程度でございますが、ほかの企業、団体と比較したことがなく優劣はわかっておりません。
〔 Power Point 7 〕
それでは、先ほど申し上げましたように、主として会員が製造している特定計量器ということについて御説明したいと思いますが、我々会員のつくっている特定計量器につきましては全部で16機種ございます。皆さんにすでになじみの機種が多々あると思いますが、左側にその種類、右側に主な使用分野を示してございます。タクシーメーター、それから非自動はかり、分銅、ガラス製温度計、ベックマン温度計、体温計。
〔 Power Point 8 〕
水道メーター・温水メーター、ガスメーター、燃料油メーター、それから液化石油ガスメーター、排ガス/積算体積計・流速計・流量計、排水/積算体積計・流速計・流量計。
〔 Power Point 9 〕
次のページに、血圧計以外のアネロイド型圧力計、それからアネロイド型血圧計、ボンベ型熱量計、ユンケルス式流水型熱量計、積算熱量計、密度浮ひょう、浮ひょう型比重計、酒精度浮ひょうというようなものが我々の会員業界でつくられているということです。
〔 Power Point 図 〕
皆さん、これを見ていただきまして、なじみのある製品と、それからなじみのない製品があろうかと思いますので、まず16番の密度浮ひょう、浮ひょう型比重計、酒精度浮ひょうにつきましては実物が用意されておりますので、見ていただきたいと思います。この図は皆さんの方には入っておりませんが、密度浮ひょうはこのような形でこの下に鉛が入っております。それを試料の液体の中に入れて、そして比重を測定するという装置だそうでございます。そして密度によりましてはいろいろ下にあります鉛の量を変化していくという装置と聞いております。
それから、左上にあります排水/流量計は、ちょっとわかりにくくて申しわけありませんが、水位計と流速計との積によりまして流量を計測するという装置でございまして、工場から出る排水量を計量するという装置で、総量規制になりますとこの計量器が必要になってくるということでございます。
それから、積算熱量計に関しましては、これはどちらかというと寒い地方で用いる計量器でして、そこに示してあります一番左のジャバラみたいな形でなっているところが部屋に相当して、入り口と出口の熱量をはかって、それを使用者にお金で精算するというような形の装置でございます。
いずれにいたしましても、我々計量業界が特定計量器としてつくっている装置に関しましては、いわゆる取引、あるいは計量証明等々に非常によく用いられている装置と理解しております。
〔 Power Point 10 〕
それでは、次に第1WGの方向性の骨子に対する意見・要望という形で本論に入っていきたいと思っております。
まず最初に規制の対象とすべき計量器の検討、それからI.2.(2)の具体的方針に対する意見・要望について御説明をさせていただきます。
〔 Power Point 11 〕
先ほど申し上げましたように、本会員が主として製造している特定計量器はさきに述べましたように多機種であり、またいずれも多品種・少量生産が多く、企業規模は中小企業規模から零細企業が混在しておりまして、当然のことながら企業格差があります。したがいまして、今回の計量法改正に当たりましては、使用実態とともに製造実態を勘案した規制対象計量器の見直しをお願いする次第でございます。
それでは、(1)の「技術的知見を有している者同士が使用する計量器などについては、原則として規制の対象外とする」とありますが、これにつきましては、計量器によってはこれに賛成のものもありますが、例に掲げられている機種のうちでなお書きにも意見がありますとおり、本会といたしましては、機械式並びに分銅おもり、ガラス製温度計、それから先ほど見ていただきました密度浮ひょう、浮ひょう型比重計につきましては引き続き規制の対象とすべきと考えておりまして、その理由を以下に申し上げます。
まず最初に機械式はかり(ばね式指示はかりを除く)及び、分銅おもりについてですが、資料11番に示してあるとおりの計量器がございます。この資料11には、皆さんすでに学校、あるいは病院等々で多く目に触れられているはかりでございます。例えば、左の一番上でございます手動天びんにつきましては、やや古い形かもしれませんが、薬局等における調剤用として利用され、皆さんも接していると思います。それから、上皿手動天びんにつきましても、薬局あるいは学校の教材用としてごらんになっていると思います。もう一つ右の分銅でございますが、この分銅もいわゆる天びんとペアの形で常に精度を出すという役割で使われているわけでございます。そのほか、さお式の上皿手動はかり、これはここに示してありますようにお菓子とかパン屋等の生地の計量に、又その右側は皆さん、テレビ等で魚市場等で見る、さお式の手動台はかりです。そして、そのさお式手動はかりに使用するのが、「増おもり」と呼ばれている分銅です。
このような機械式はかりにつきましては商取引等に非常によく使われているわけでして、今回、外すという意向が示されておりますので、ぜひ計工連といたしましては、この機械式はかり、分銅おもりを規制の対象としていただきたいと思っておる次第でございます。
〔 Power Point 12 〕
特に、機械式はかりにつきましては、港等の電源のない箇所、魚市場などの場所での取引に使用しているわけですし、そしてまた同一箇所で使用されている、これは特定計量器になっているわけですが、ばね式指示はかりが規制対象で、機械式はかりが規制対象外では合理性に欠けるということですので、ぜひこの際、機械式はかりを規制の対象に入れていただきたいと、強い要望が業界内でございます。
〔 Power Point 13 〕
次に、ガラス製温度計について御説明いたします。やはりこれも引き続き規制の対象にすべきという意見が強くありまして、ここに示してございますように、ガラス製温度計は他の種類の温度計の器差試験のために標準温度計として用いられるマザーツールであると言われております。この「他の温度計」というのは、例えば金属製温度計だとか、バイメタル式温度計などを指すわけですが、これらの温度校正用の基準器として使われているということです。また一方、これは皆さんに御説明するまでもないのですが、証明行為といたしましては、石油類の密度、あるいは沸点、引火点などの物性試験に関する温度測定、それから薬品の爆破物、危険物の温度に関する安全測定に用いられているというのは御承知のとおりでございます。
そのほか、薬品とか重油精製品等などの温度測定対象物の品質保証に重要な役割を果たしておりまして、高い精度で温度値の正確さが求められますが、使用者には提供される温度計の良否の判断が難しく、ここで一番重要なことですが、検定証印をよりどころにしており残していただきたいという一番大きな理由だと聞いております。
また、御存じのように国際整合性の面から見ますと、OIMLにガラス製温度計の技術基準が規定されており、これを踏まえまして、特定計量器の対象内として留めていただくよう、よろしくお願いしたい次第でございます。
〔 Power Point 14 〕
次に、密度浮ひょう、浮ひょう型比重計について御説明いたします。これは先ほど申し上げましたように、我々としては非常になじみのない計量器ですが、密度浮ひょうは関税定率法、揮発油税法、あるいは軽油取引税に係る密度、比重測定に使用されており、例えば関税定率法では、重油の取引におきまして温度15℃における比重の測定結果によりましてA重油、B重油、C重油と規定されております。使用実態は、徴税者側とそれから納税者側の立場の取引となりまして、これを使う方はどちらかというと納税者になるのだろうと思いますが、密度浮ひょうについての技術的な知見を有している者同士の取引ではないということでございます。
それから、酒精度浮ひょうにつきましては、これは特定計量器の濃度計の中に入っており、国税庁の所定分析法に規定されておりまして、酒税及び酒の品質を決めるためにアルコール濃度の測定、比重測定などに利用され、税法と非常に深い関係があるということでございます。
いずれにいたしましても、以上、3機種について特定計量器の対象内に留めていただくということで説明いたしました。よろしくお願いいたします。
〔 Power Point 15 〕
この資料はCNGメーターでございます。その前に、次に(2)の他の法令等の規制並びに(3)のJISマーク活用についてですが、例に挙げられている機種を含め、機種別に製造及び使用状況等々を勘案されて検討をお願いしたいと思います。
(3)に記述してございますキッチンスケールなど3機種につきましては、JISマークの活用によって、製品規格を作成すれば問題ないと考えております。
それでは、次に(4)の規制の検討要望についてですが、例に挙げましたのはCNGメーター(圧縮天然ガス充填機)です。まず結論から申し上げますと、規制対象として新たに加えていただきたい。
CNGメーターはこの資料15に示してあるとおりで、近年、環境政策、あるいはエネルギーの多様化政策などによりましてクリーンエネルギーの活用が提言されまして、天然ガスもその1つとして活用が強く求められているのは御存じのとおりでございます。現在、天然ガス自動車の普及台数は2万6000台に達しており、資料15に示してあるように充填するスタンドも300箇所に設置されていると聞いております。今後、低燃費、あるいは低排ガス自動車が大いに普及することが見込まれると予測されております。資料15に示してありますCNG車増加は、2010年に1000万台というのは、これはCNGだけではなくて、電気、ハイブリッド、メタノール車、それから低燃費等々の自動車を含めまして、予測した数字であります。
しかしながら、現状ではCNG充填機は規制の対象外であり、CNG計量はガソリンや、先ほど示しましたようにLPGと同様の取引形態であり、乗用車による一般消費者の直接購入は少ないものの、ここに示したように、バスだとかあるいはトラック、ごみ収集車、自治体の公用車などが利用いたしますので、間接的に一般消費者の費用負担にかかわるものとなっております。
また、同様の目的で使用されるガソリン、あるいはLPG計量器が規制の対象となっており、同じスタンド内で設置されているCNG計量器が規制対象外であるということは合理的な説明ができません。規制対象となった場合に、資料15に示してございますように各メーカーが個別に設けた基準による計量制度のばらつきの解消、あるいは販売所、ガソリンスタンドなどの意向でスタンド別に異なっているCNG充填機の販売量指示単位の統一が図られるなど計量の安全・安心を担保できることになります。以上、環境規制政策というものを考えますと、CNGメーターを規制対象計量器とすべく御検討をお願いしたい次第でございます。
〔 Power Point 16 〕
次に、自動はかりの規制について御説明いたします。現在、我が国にあります自動はかりは、資料16に示してありますようにコンベヤスケールを初めとした多機種があります。また、これらは鉄鋼、化学、食品、機械等の諸産業の製造工程管理として多く使われております。これら自動はかりも多くの場合に適正計量管理事務所を初めとする各製造・使用企業において適正に管理され、使用されております。また、自動はかりにつきましてはOIML勧告があることは存じております。したがいまして、自動はかりの規制につきましては国際整合性などを考慮いたしまして、将来、規制の対象とすることは必要なことと考えておりますが、現状では自動はかりの範囲が広く、規制対象とすべき自動はかりの絞り込みや、これからに対応した型式承認、あるいは検定・検査体制整備などの課題があると思われます。一方、対象機器や検査・検定内容が明確でない中で業界の対応も困難な状況にあると考えます。したがいまして、自動はかりにつきましては、次回改正時の課題といたしまして、今後、関係部門において規制対象範囲、型式承認・検査・検定体制、方法について検討することが望ましいのではないかと提案いたします。
〔 Power Point 17 〕
続きまして、IIの規制方法、2.(2)の「具体的方針」に対する意見・要望でございますが、まず計量器に対する規制方法につきましては、民間能力の活用が言われておりますが、これは賛成するところであります。また、ただし書きにありますように、新たな制度の導入に当たっては急速な変化により関係者に混乱を生じないように、あるいは製造、品質管理能力について製造事業者間に格差がある現状に照らしまして、これらの能力格差に十分対応した制度とすることとあります。計工連の団体におきましては、中小企業を主体としておりますことから、このただし書きにあるとおり、これらの留意点、配慮をお願いする次第でございます。
〔 Power Point 18 〕
(2)の「具体的方針」の(1)検査・検定における第三者認証制度の活用についてですが、製造事業者といたしましては、現行の計量法、検査・検定制度のある中で、JISマーク表示をどのように整合させていくかということに大変関心があるところであります。具体的な提案がない段階ですが、次のような課題も考えられますので、今後、慎重な審議、十分な御検討をお願いする次第でございます。
検査・検定における第三者認証制度の活用についての課題について申し上げます。計量法検査・検定制度では検定証印、基準適合証印を付した製品について一定期間経過後、再検査・検定及び修理した際の検査・検定があり、不合格品の場合、取引、あるいは証明に使用できなくなります。
一方、JISマーク表示制度ではJISマークを表示した製品について、ここが重要なことですが、再検査等の規制はなく、この違いをどう図っていくかということが非常に問題と思います。また、JISマーク表示と検定証印が混在することも考えられますので、ユーザーに混乱が生じる可能性があると考えられますので、そのあたりを御検討していただければと思っております。
〔 Power Point 19 〕
それでは、最後でございますけれども、(11)の「その他」の指定製造事業者制度の拡充に関連いたしまして、指定製造事業者の業務範囲の拡大につきまして御提案をさせていただきます。
まず、御承知のとおり、平成5年に導入されました指定製造事業者制度は一定の品質管理能力を保有する事業所に対しまして自主検定を認める制度でございまして、現在、120に近い事業者がこの指定を受けまして、それまで検定所が行っていました業務をかわって行っており、まさしく民間活力活用の成功例だと言えます。本制度をさらに維持発展させることが計量行政にかかわる規制改革、行政改革にとって重要と考えております。
そこで、主として初回検定に適用が限られている本制度を再検定品、修理品まで適用できるようにすれば、さらなる民間活力の活用へつながるものと考えております。今、考えられている対象となる計量器につきましては、ガスメーター、水道メーター等のユーティリティメーター、それから燃料油メーターであるガソリン計量器、非自動はかりなどであります。ぜひ本提案につきまして御採用くださいますようお願い申し上げます。
〔 Power Point 20 〕
それでは、資料20につきまして御説明いたします。資料20は現状の業務範囲について、燃料油メーター、いわゆるガソリンスタンドにある計量器及びガスメーター、水道メーターの例での説明であります。指定製造事業者に指定された事業所で基準適合証印を付した後、燃料油メーターが市場に出荷されまして、そしてガソリンスタンドに設置されます。ガソリンスタンドにある計量器は7年後の有効期間満了時や、あるいは現地での修理品を再検定するとき、都道府県の検定官が現在は行っております。また、水道メーター、ガスメーターにつきましても同様に有効期間満了時、あるいは修理品で工場に戻し、修理後の再検定を都道府県の検定官が実施しております。これが現段階の指定製造事業者制度でございます。これを本会、計工連といたしましては、次のような御提案をしたいと考えています。
〔 Power Point 21 〕
資料21が御提案の内容ですが、すなわち、再検定品、修理品の検定を都道府県の検定官に代わりまして、指定製造事業者が行えるような業務範囲の拡大をお願いする次第でございます。すなわち、指定製造事業者が初回検定品、再検定品、修理品の自主検査ができる制度とすることをお願いする次第です。当然のことながら、技術に関する担保、あるいは責任はすべて指定製造事業者が担うということになります。
最後に御提案を申し上げましたけれども、以上で計工連のプレゼンテーションを終わります。
御清聴、ありがとうございました。
○飯塚座長 ありがとうございました。
それでは、ただいまのプレゼンテーションにつきまして、委員の方々から御質問なり、あるいは御意見なりをちょうだいしたいと思いますので、いつものやり方でございますが、発言を御希望の方は名札を立てていただければと存じます。
それでは、三浦委員からお願いします。
○三浦委員 千葉市の三浦でございます。1つ御質問をさせていただきます。
指定製造事業者制度の拡充についてということで、燃料油メーターについて例として出されておりますけれども、燃料油メーターにつきましては、修理の大半が個々のガソリンスタンドになるかと思われます。そういった際に再検定ということを指定製造事業者が行うということですが、工場で行うものと違って、工場で行うものと同等の品質管理ができるのかという点と、それから現実的には修理した際に同じ方が検査までやってしまう可能性はないのか。そういったことをちょっと考えられているのか、御質問させていただきたいと思います。
以上です。
○伊藤専務理事(計工連) 今のことに関しまして、例えば燃料油メーターに関しましては、修理後一々工場へ引き取って検査をするというような機器ではなくて、非常に大型の機器ですので、そういうことがなかなか難しいということで、現場でやるということでございます。しかしながら、確かにおっしゃるように指定製造事業者が修理をする人に対しましてどこまできちんとした教育を施すかというようなところや、どういう規定でそういうことを実施していくかということに関しましてはこれからの検討課題であろうかと思います。いずれにいたしましても、お客様に迷惑をかけないということに関しましては、このような制度を進めていくべきだろうと思っております。
それから、指定製造事業者が一定の品質管理、ISO9000を取得するというような形の上でつくられる製品あるいは部品等につきましては、指定製造事業者が本当に責任を持って市場に提供する、そしてそれをきちんと資格のある修理者が指定製造業者から出されているマニュアル等に従い実施するということになろうかと思います。
それから、先ほど最後の修理した者がそのまま検定を行うかにつきましては、それができれば一番よろしいかなとは思いますが、そこら辺につきましては検討課題をつめる必要があろうと思っております。
以上です。
○飯塚座長 よろしいですか。
○三浦委員 ありがとうございます。
○飯塚座長 それでは、中野委員、お願いします。
○中野委員 大阪府計量検定所の中野です。2点ほどお伺いしたいと思うのです。
まず1点目ですが、新たに規制対象とする計量器、これは私、ひょっとしたら聞き漏らしているかもしれないのですが、自動はかりにつきましては検定方法がないということで、今回、新たな規制対象とするという問題提起にとどめられ、次回の改正時の課題として今後検討していく、そういうペンディングされているわけなのですが、このCNGメーターにつきましても、我々現場の者といたしましては、検定方法がないというふうに理解しております。この点、自動はかりは非常に明確に今後の考え方をお示しされたのですけれども、このCNGメーターについても同列なのでしょうか。あるいはCNGメーターは別途検討していくということなのでしょうか。これが1点目でございます。
○伊藤専務理事(計工連) 先ほど申し上げましたように、自動はかりについては非常に機種も多く、それからその範囲をどこまで広げるかというようなことについていろいろな人の意見をいただきましたが、まだ、例えばOIMLにもありますが、OIMLは自動はかりのすべてを網羅した勧告ではないという意見もございまして、まだ時期尚早ではないかということになりました。
それからCNGにつきましては、実は計工連の中ですでに委員会をつくりまして、そして計工連のいわゆる団体規格みたいなものをすでに作成しております。それからもう一つは、このCNGにつきましては先ほど申し上げましたように最終的に環境規制に非常に大きな貢献をするであろうと考えますと、やはりきちんとした計量器がユーザーにとっては必要ではないだろうかということで御提案し、特定計量器の規制対象として加えてほしいということで提案したわけでございます。
○中野委員 これは私どもの意向といたしましては、例えば排水、排ガスの流速計・流量計、これらについても環境問題と非常に関係する計量器でありますが、引続き規制対象計量器とするかどうか検討の俎上にあると理解しているのですが、やはりこの種の計量器についても技術基準がなく、検定方法がない。そういうことを引き合いにしましたら、CNGメーターについても同じような課題を抱えているのではないかというふうに理解しております。したがいまして、CNGメーターにつきまして規制対象にしていくということであるなら、やはりその検定手法が確立されることを見極めた上で検討していただくのが私は妥当ではないかなという感じを持ちました。これが1点目でございます。
それから、2点目でございます。指定修理事業者制度、これについて少しお聞きしたいのです。現行計量法には届出製造事業者、それから届出修理事業者、こういう制度がございます。指定製造事業者につきましては届出製造事業者の中で品質管理技術を持っておられて、品質管理の水準が非常に高いところ、そうして大量の計量器を製造しておられる、そういう事業者が指定されているというふうに考えております。今回、提案されております主旨なのですが、これは先ほど私が申し上げました届出修理事業者の延長として指定修理事業者制度を提案されているのか、あるいはひょっとすればという受け止め方を私はしているのですが、例えば指定製造事業者が自社の計量器を修理した場合に、そういうケースについて修理に対して指定修理事業者制度のようなものをかぶせていこうとされているのか、その点は御意向としていかがなものなのでしょうか。
○伊藤専務理事(計工連) 大変難しい質問でございまして、私が答える立場かなと一瞬躊躇していますが、いずれにいたしましても、指定修理事業者制度につきましては、実は計工連の中でさまざまな討議をいたしました。いろいろ議論があったところですが、時期的にはその制度を提案するのはまだ時期尚早であろうという形で結論が出ました。ただし、それをただ単にとどめおくだけではなくて、これからも指定修理事業者制度に関しまして地場産業、地場のはかり屋さんの意見を聞き、それら地場のはかり屋さんの御意向等を踏まえまして、きちんと検討していきたいと考えておりますが、計工連では今回は指定修理事業者制度につきましては提案をしないということに一応結論づけたわけでございます。
それからもう一つは、指定製造事業者制度でございますけれども、これは先ほども申し上げましたように、責任を取るところがきちっと決まっておるというところが非常に我々としては提案の大きな理由というふうに考えております。
○籔内計量行政室長 済みません。少々補足させていただきますが、今の中野委員の御質問に対してですが、中野委員の御質問は、現行の指定修理事業者制度、届出修理事業者制度と届出製造事業者制度について、それらを修理について自主検定をどこまで認めるのかどうかという御質問だったと思いますが、今、計工連さんからお話があったのは、はかりについてはいろいろと意見があるようだということでございますが、計工連の中には当然はかり以外にタクシーメーターだとかガソリンメーターだとかいろいろな機器がございます。それらについて修理の形態というのはさまざまでございます。したがいまして、計工連さんは計工連さんの中でいろいろと機器ごとに議論をされている最中でございますし、我々は我々で機器ごとにヒアリングを行って、まず修理の実態がどうなっているのか、そしてそれをどこまで、例えば修理について自主検定というのを認めることができるのかという、まさに議論している最中でございます。したがいまして、届出修理事業者が全部なるとか、届出製造事業者の中で品質管理大手、もしくは製品管理ができるところが指定製造になっているということ等を踏まえて、指定届出修理も同じようにするかどうかというのはまだ全然検討の途中でございます。したがって、まず我々は機器ごとに修理の実態がどうなっていて、どこまで自主検定を認めるべきかというのは、虚心坦懐に更地から議論している最中でございます。
以上です。
○飯塚座長 まだあるかもしれませんが、ほかの方もたくさん御発言を希望されていますので、武田委員、いいですか、お願いします。
○武田委員 一、二お伺いできればと思うのですが、資料を拝見していまして、製造事業者の立場としてやはり規制は必要、あるいは検定制度は必要、他方、自主検定と言いますか、それで製造事業者として保証することが望ましいとすれば、それで他方その間にあるような第三者認証制度というのは若干慎重な対応をすべきではないかという御提案があったように思うのですが、そこは国とか自分たちというか、製造事業者だったらいいけれども、第三者認証制度はなぜ慎重になるべきかというのが私はちょっと理解ができないので、その辺、教えていただければと思います。
それから2番目、若干細かくなりますが、例えばガラス製温度計のところを拝見していますといろいろな試験とかに使われるので大事だ、だから規制が必要だというふうに書いてあるのですが、ここに書いてあるように物性試験に係る基本的な温度測定とか品質保証等々を考えますと、もっとここは、確かにこれは重要なことだと思うのですが、精度管理は大事だと思うのですけれども、だとすれば、もっとトレーサビリティとか、そういうもので代替してしまった方がいいのではないか。17025とか、あるいはISO9000でも本来そうだと思うのですけれども、そういうもっときちんとしたトレーサビリティ体系、JCSS的なものでやるようなことにした方が、より精度と言いますか、信頼性が高まるのではないかというふうに思うのですが、その辺はいかがでしょうか。
それから3番目、指定製造事業者制度の関係なのですが、最後の絵を見て1つわからないのがあったのですが、むしろ事務局に伺った方がいいかもしれませんけれども、基準適合証印というものの性格と言いますか、よくわからない。マークがついていますが、これは工場が保証しているものなのか、あるいは行政機関が保証しているものかと、そういったその差というのは本当にあるのでしょうか。つまり検定所で検定したものは、それはある意味で行政機関としては保証しているということになると思うのですが、他方、このマークというのは基準適合証印ということですから、工場が保証しているということなのですか、それが区別されているのかどうか。さらに言えば、政府代行機関としてのみなし公務員制度とか、そういうものも含めて、製造事業者制度というのはそういう制度になっているのかどうかということについて、これは後でも結構ですが、教えていただければと思います。
○飯塚座長 よろしいですか、行政機関からの御返答の方が簡単であれば、最後の点は。
○籔内計量行政室長 ただいまの武田委員の指定製造ですが、要するに、指定製造というのは一定程度の品質管理工程を有していて、なおかつ製品管理もしっかりしている。そういうところに対して、そういうところでできた計量器については検査・検定を受けたのと同等の品質があるということで国が一応指定しているということになっております。
○飯塚座長 それでは、最初の質問は、なぜ、自分でやるのはいいけれども、第三者認証ではだめなのという、平たく言うとそういうような感じの御質問だったと思いますが。
○伊藤専務理事(計工連) 先ほども申し上げましたように、我々としては、現行の計量法の検査・検定制度のある中でJISマーク表示制度をどのように整合させていくかというのは、非常に関心のあるところでございますが、今、単純に考えますと、計量法の検査・検定制度では検定証印、あるいは基準適合証印を付した製品について、一定期間後再検査、再検定を行い、それから修理した際の検査・検定制度によって、不合格品の場合は取引証明に使えなくなるようなことがある一方で、JISマーク表示制度はそういう制度がないということで、非常に矛盾してくるのではないかということを現段階では意見として申し上げたわけでございます。それが本当に正しいかどうかということについてはまだ十分な検討はしておりません。したがいまして、課題という言い方で述べさせていただいたのはそこに理由があるわけです。
それから、ガラス製温度計につきましては、私は今その状況を把握している状況にございませんので、この意見を提出いたしました、ガラス製温度計につきまして御回答させていただきます。
○渡部特別顧問(東日本計量器工業協同組合) それでは、ガラス製温度計についてここに書いてございますような提案をした理由はですね。
○飯塚座長 お名前と立場をちょっとお話しください。
○渡部特別顧問(東日本計量器工業協同組合) 私は東日本計量器工業協同組合の顧問をいたしております渡部と申します。ガラス製温度計については古い経歴を持っております。
現実には、現在、検定制度の対象になっておりまして、ガラス製の温度計メーカーさんは主として非常に零細な方々が多いということで、先ほど言いました指定製造事業者制度に該当してそれぞれが取るという状態ではございません。したがって、できれば取引証明に使われる温度計、ここに書いてございますように、温度そのものが非常に重要な物性の測定のための器具でございますので、一般にそれを使う場合には温度計の精度そのものはわかりません。率直に言ってはかりのように分銅を乗せて大まかの精度をチェックするということができればまだよろしいのですが、温度計の場合は温槽を使って標準温度計と比較して初めてその正しさがわかるもので、したがって、ガラス製温度計で測定した値が正しいかどうかは第三者機関、あるいは検定という立場で証明されたものの証としての証印等があれば使用者は安心して使えるということが、安心・安全の計量維持をするために非常に重要な方策であるというふうに思います。
したがって、ぜひともこの制度は残していただいて、使用者が安心して使える、今まで築かれた秩序を保つようにお願いしたいと思います。
以上でございます。
○飯塚座長 まだいろいろ御意見があろうかと思いますが、ほかの発言者の方に移りたいと思います。
岩崎委員、お願いいたします。
○岩崎委員 NITE認定センターの岩崎でございます。
私、質問というよりも、私の理解を述べさせていただいて、間違っているのであればおっしゃっていただきたいということで、先ほどから話題に出ていますいわゆる第三者認証制度、JISマーク制度についてなのですが、ここに書かれている意味というのは、JISマーク表示制度そのものにこだわってのことではないというふうに私は理解をしております。いわゆる国際基準に基づいた製品認証制度というのを取り入れるべきで、その1つの例としてJISマーク表示制度というのがあるのではないか、私の考えというのは大体そういうものです。
ついでに申し上げますと、JISと同じくガイド65、国際基準ですけれども、65を採用しているものに電気用品安全法、それから消費生活用製品安全法、それから液化ガス適正法、ガス事業法というのがあるわけですが、いわゆる製品安全四法と呼ばれているものですけれども、これについてもいわゆる認証制度というものを取り入れております。これはJISは任意の制度ですけれども、この製品安全四法というのは計量法の検定制度と同じように強制法です。したがいまして、電気温水器とか乳幼児ベッドとか、いろいろ特定用品というので掲げられているわけですが、それらについては同じような認証制度の中で登録検査機関の検査を受けて合格するまでは販売できないというふうな制度になっています。ちなみに、マークとしてはPSマークというものを全数表示をして販売をしているということで、強制法の中でさえもこういう国際基準に基づいた認証制度というのを取り入れているということで、今回の検討の中でいわゆる検査・検定制度の中にもそういう認証制度を取り入れて、その制度の中に問題になっています再検査制度、あるいは全数検査制度というものを入れればいいわけでして、ですからそういう考え方でここに1つの例としてJISマーク制度が書かれているのではないかというふうに私は理解をしております。
ちなみに、先日問題になりましたMIDの中でもそういういろいろなモジュールを組み合わせて適用していくというふうな、品目ごとにそうなっているかと思うのですが、そういうふうにしていけるということですので、そういう認証制度をもう少し、JISマークそのものにこだわっているのではなくて、大きく考えていけるのではないかというふうに思います。
ちなみに、指定製造事業者制度もある意味の認証制度なわけでして、これについてもさっき話がありましたけれども、120の指定数、外国でも20以上指定されております。外国の企業が取っているということですから、これについても国際整合化した認証制度というふうにしてしっかりしたものにしていくべきではないかというふうに私は思います。
以上です。
○飯塚座長 どちらかと言えば御意見として伺っておくということでよろしゅうございますね。
○岩崎委員 はい。
○飯塚座長 それでは、次は山?委員、お願いします。あと全部でお三人ですが、それで打ち切らせていただきます。
○山?委員 質問というか、多少意見かがかったことを申し上げさせていただきたいと思います。
資料の16ページに「自動はかりの規制対象について」ということで、自動はかりの規制については時期尚早だから次回にという御趣旨だと思いますが、こういう結論を出されるのにどういうような検討をされたかということをお伺いしたいのです。対象は多少違いますが、燃料油メーター、ガソリンメーター、これについては今回は業務拡大という対象になっておりますが、御存じのように最近、セルフサービスのスタンドふえてきておりまして、そこで使われているガソリンメーターは自動的になっておりまして、ほとんど自動ばかりと同じような機能です。ただし、対象が質量ではなくて容積であるという違いがあるかと思いますが、原理的に、あるいは構造的にはほとんど同じものではないか。用途を含めて、非常に近いと思うのです。一方では、業務拡大の対象になっていて、我々の生活に密接な関係がある自動ばかりは非常にいろいろあるから整理するのが難しかろうというようなことで先延ばしになっているのですが、私としてはちょっと納得がいかないところがありまして、御意見を伺いたいと思います。
○飯塚座長 どうぞ。
○伊藤専務理事(計工連) 自動はかりにつきましては、当初からこの計量法改正につきましてはいろいろな方面から意見が出ておりました。我々も自動はかりの規制対象をどう考えるかという件に関しまして私たちの委員会の中のはかり部会というのがありまして、製造メーカーから地場の修理屋さんまで全部含めた形で参入しており、その中で意見交換をいたしました。確かに山?先生が、OIMLにあるではないかという御意見も踏まえまして、いろいろ検討したわけですが、やはりもう少し本当に自動はかりが今の体制できちんと技術基準のようなものができているかどうかということに関しまして審議をいたしましたが、余りにも幅広いし、それからユーザーそのものが自動はかりをどういう感覚で使っているかということもわからない現状で、もう少し調べた方がよろしいのではないかという意見が大勢を占め、今回は見送ることとなりました。ただし、見送ると言ってもただ見送るわけではなくて、やはり我々としては自動はかりも規制の対象にする、あるいは否かということについてはこれからも検討していかなければいけないということが結論として出たわけで、そのためにこのような提案をした次第です。
それから、確かに先ほどのCNGメーターにつきましては……。
○山?委員 燃料油メーターですね。
○伊藤専務理事(計工連) セルフは何でございましたか。
○山?委員 ガソリンスタンドでセルフスタンドというのがありますでしょう。あれなどはもう自動はかりと用途はもちろんのこと,機能的にも非常に近いものではないかと思いますが。
○伊藤専務理事(計工連) 燃料油メーターに、それは私より専門家の方がいいのでは。
○飯塚座長 ちょっと技術的な内容のことですので、詳しい方に、だれでもいいですから、小島さんがよくわかっている、じゃあ小島委員、簡単にお願いします。あと5分ぐらいでこの議論、次のプレゼンテーションの方に移りたいと思っておりますので、簡単にお願いします。
○小島委員 産総研の小島と申します。計量器を担当しておりますので、ちょっとコメントさせていただきます。
ここの絵に描いてありますのは、「燃料油メーター」ということで書いてございますが、燃料油メーターと、議論になっていますCNGメーターが基本的に違うのは液体を計るか気体をはかるかということでございます。一部に議論がありましたが、気体を計るCNGメーターは高圧下の天然ガスを計るということで、検定、検査が非常に難しく、規制対象にするか否かで議論があったというふうに私は理解しています。
それからガソリンスタンドのセルフ式メーターですが、これはセルフ式以外のものと機能的に全く変わりません。セルフ式はどなたでも使えるように、計量器全体的に制御をかけるようなシステムになっています。このシステムそのものは、ガソリンスタンドの操作者用のものと全く同じ機能です。
セルフ式ガソリン計量器と自動はかりが同じ構造のものではないかとの話がちょっとありましたが、構造上は先ほど御紹介したCNGのメーターと自動はかりが近いものです。検定、検査の実施においては技術的にはかなり難しい部分もありますが、国際機関では技術基準を定める作業を行っています。今後、日本の使用実態、技術動向を合わせて検討していただければというふうに思っております。
○飯塚座長 申しわけありませんが、次の山本委員の方に移らせていただけますか。できるだけ手短にお願いします。
○山本委員 はい。質問ではなくて一言コメントさせていただきます。
今までの議論のうち、規制対象に関しては実は第1回のときに一言発言させていただいたように、本来、原理構造で議論すべきではなくて、計量法の対象とするのはどのような使用目的、用途のものを、あるいはどういう使用実態のものを規制対象にするのかということで議論をすべきだというふうに思うのです。きょうの議論も含めて、どちらかというと原理構造別に議論しているわけです。したがいまして、日本の計量法の場合には非自動はかりは規制対象、自動はかりは規制対象外ということで大ざっぱに今まで来ましたけれども、きょうまでの議論、きょうの議論も含めて、例えば非自動はかりの中でも何は残そう、何は外そうかという議論をしているわけです。でも、その基本的なところで、ではどういうものを残し、どういうものを外すのかという一番基本的なところの議論がなされていないわけです。例えば追加の自動はかりにつきましても、先ほどから議論されていますけれども、大ざっぱに自動はかりと言っても多種多様なわけです。その中で国際基準のOIMLができているのはごく一部です。これは非自動はかり、自動はかりを問わずOIMLの国際規格ができているのは日本の計量法にあるなしにかかわらず、非自動はかりも一部であり、自動はかりも一部しかOIMLはできていないわけです。OIMLがどういう使用実態、どういう用途のものは法定計量器として規定するかという考え方でできているのに対して、日本は単純に非自動はかり、自動はかりでやっているので、だから混乱し、議論も分かれてくるのではないかと思うのです。
ですから、やはり用途、使用目的で議論すべきで、例えばCNG、これも今議論があり、小島委員から御指摘がありましたけれども、実はOIMLのTC8/SC7でCNGのメーターの国際規格ができつつあります。日本の場合にもしガソリン計量器が残るのであれば、CNGは先ほど小島委員から説明がありましたように同様の使われ方をするのですから、当然規制対象にすべきであります。となれば、技術基準ができるまで待つのではなくて、国際基準を日本も積極的に参画しながらつくっていって、それを日本の技術基準とすべきであって、他国でできるのを待つべきではない。いずれにしましても、何を規制対象にするのかという一番基本的なところの議論をしながら、この規制対象計量器については議論すべきではないかというふうに思います。
以上です。
○飯塚座長 ありがとうございました。
最後に河村委員、お願いいたします。
○河村委員 主婦連合会の河村です。
資料の中の主として会員が製造している特定計量器という表の中に体温計があるのですけれども、今回、このワーキングから出されている骨子案の中に体温計は規制の対象から外れるかもしれないという中に入っているので質問させていただきたいと思います。家庭で使うような体温計は都道府県の検査・検定所で不合格率が大変高いということを聞いていますし、私もこの目で見たと何度かこの場で申し上げてきたのですけれども、今まで行われていた検査・検定の場で不良品のチェックですとか、そういうような機能も含めてそこでなされていて、問題のあるものはそこではねられていたという実態があったと思います。今回、もし規制の対象から外れた場合、検査の制度から外れるわけですけれども、今まで品質管理ですとか不良品のチェックにコストをかけてこなかったというふうに考えられますので、検査、検定されるというシステムから外れたときに、それをコストをかけてやっていくというようなことが可能でしょうか。そういうことがきちんと行われると考えられますか。
○伊藤専務理事(計工連) これは内輪話になりますが、体温計につきましてはいろいろな議論が計工連内部で実はたくさんありました。いわゆる二重規制の問題につきましていろいろその方面からも議論をしたのですが、今、外すとか外さないとかという計工連の意見を言うのはまだ時期的には早いのではないかということで、今回はプレゼンテーションの中にも含めませんでした。というのは、やはり厚生労働省の関係と、それから経済産業省の二重規制に関しまして、意見が我々の業界の中では2つに割れているわけです。したがいまして、どのように割れているかについてはちょっと申し上げられませんが、そういう議論の中で、計工連としてプレゼンテーションをすることはできないであろうということで、もちろん消費者、あるいは一般国民に非常によく使われているということはわかりますが、それについては先ほど申し上げたような理由で、今回は意見を省きました。
以上です。
○飯塚座長 ちょっと御不満があるかもしれませんが、また個別に詳しいことを聞いていただいたらいかがかなと思いますけれども、いろいろと業界内部の事情もおありになるようですので、大変申しわけありません。また体温計の問題は別の機会に議論していただけると思いますので。
それでは、一応伊藤専務のプレゼンテーションはこれで終わらせていただきます。
伊藤専務、どうもありがとうございました。
○伊藤専務理事(計工連) どうもありがとうございました。
・日本電気計器検定所 池田義雄 理事
『「第1WGの方向性(骨子)」を踏まえた意見について』
○飯塚座長 引き続きまして、休憩なしで続けますが、日本電気計器検定所の池田理事からプレゼンテーションをお願いいたします。
○池田理事(日電検) ただいま御紹介にあずかりました日本電気計器検定所の池田でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、座らせていただいて説明させていただきます。
資料番号3でございますけれども、私ども電気計器の検定検査機関の立場というところでございますので、今回の第1WGの方向性(骨子)につきまして、その実現に向けて電気計器の適正計量を確保するために公平、公正な計量制度としてはどうあるべきか、技術面、それから運用面等に関します検証のポイントについてこれから述べさせていただきます。
お配りいたしました資料としては、資料番号3、『「第1WGの方向性(骨子)」を踏まえた意見について』、それと資料番号3(参考資料)でございます。これは当所が昨年8月に実施いたしました計量に関するアンケート結果の報告書の概要版でございます。この席では資料番号3に基づきまして意見を述べさせていただきますが、資料3の構成といたしまして、1.『「第1WGの方向性」を踏まえた制度全般に対する意見』、それと3ページ目に2といたしまして、「指定製造事業者制度を再検定品や修理品まで適用できるように拡充する方向性にかかわる検証について」、それから最後のページに参考でございますが、電気計器の検定・検査、それと製造・修理の現状につきまして、2と3というふうに取りまとめさせていただいております。ただ、この部分につきましての御説明はこの場では割愛させていただきますので、後ほどでもお目通しをいただければと存じます。
では、早速資料3の1ページの1.『「第1WGの方向性(骨子)」を踏まえた制度全般に対する意見』に入らせていただきますけれども、ここでは(1)といたしまして、「今後の計量制度全般に対する意見」、それから次に(2)として「国際的ルール等との整合性」の2点、これは3ページでございますが、この2点につきまして述べさせていただきます。
まず1の(1)の「今後の計量制度全般に対する意見」の中で、1)「適正計量に対する消費者等の一層の意識醸成」についてでございますけれども、一般的に申し上げますと、消費者の方々は取引において使用される計量器を自ら選択するということができません。また消費者自身が使われております計量器の正確性を確認できる技術を有しておりませんので、消費者に対する検査の透明性や中立性の確保というのが極めて重要でございます。
特に、電気計器は使用されております個数も多くて、適正な計量の実施を確保する上では、消費者等、多くの関係者の意識の向上、これが必要不可欠でございます。そのためにも消費者等に対して計量にかかわる疑問を解決する技術的な、あるいは制度的な情報の発信が必要でございます。
当所では、電気の計量に関します情報発信体制の整備を図ってございまして、昨年9月にはJEMICフォーラムといたしまして、海外より有識者を招聘いたしまして、国際的な技術課題に関する議論をしていただきました。また、11月には消費者を対象といたしました見学会、あるいは各地区の計量記念日の行事に参加しているところでございます。
次に、骨子の中で計器の使用者の不正を抑制するということが指摘されてございますが、電気計器につきましても、テナントビルの管理者など、計器の使用者が多様化する状況にございます。しかしながら、電力会社以外の計器使用者につきましては、計量法の認知に関しては必ずしも十分ではない、そういう懸念があるところでございます。電力の取引形態が多様化していくプロセスの中で、適正計量が確保されるように、関係機関への情報提供が必要であろうかと思ってございます。
1ページの下に四角い囲みがございますが、ここでは参考資料としてお配りいたしました「計量に関するアンケート調査結果」の中の、計量に関する消費者意識に関する部分を参考までに抜粋してございます。
最初に、計量法及び検定制度の認知度でございますけれども、現時点では共に約3割前後でございますが、自由回答のところでは「これからは計量に関心を持ち、意識するべきだと思った」などという意見が多数見られました。一方、「疑問点や不安もある」と回答している意見もありますので、今後、計量業界全体を通じて、より消費者への情報提供、意識啓蒙を図っていくことが必要であろうかと思います。
次のポイントで、社会における「正しい計量」についてというところでございますが、これについて「重要である」と「どちらかといえば重要である」という回答をされた方が合計で97%ございました。また「検定制度は必要である」と回答された方が97%と、大多数の方がこのような回答をされてございます。
以上、アンケート調査結果の中の計量に関します消費者意識に関する部分、これを参考までに紹介をさせていただきました。
次に、今後の計量制度全般に対する意見の2番目といたしまして、2ページ目の2)「民間活用と安心・安全確保の両立」について、御説明をさせていただきます。
「規制改革・民間開放推進3ヵ年計画」等での指摘等を踏まえますと、計量器に対する規制についても民間能力を活用しつつ、安心・安全に対する社会の要請の高まりに対応した事前規制、事後規制をバランスよく維持する制度が望ましいところでございます。
このため、骨子に示されておりますように、自治体等による事後規制の充実を基本とした対応が望まれるところでございますが、厳しい財政情勢等の影響が事前・事後規制を問わず適正な執行に悪影響が出ることがないような方策が必要でございます。
このため、具体的な方策といたしまして、次の4つの課題について検討してはいかがでしょうか。
(1)点といたしまして、民間能力の活用の観点から、現在、行政機関に限定されておりますサーベイランスにつきましても民間能力を極力活用していただきまして、その結果に対する法的な判断、これは自治体等が行う、そういう制度を構築すべきではないのか。
(2)点目といたしまして、自治体の体力格差を踏まえれば、検定・検査やサーベイランスについて、自治体等の運営状況に応じ柔軟に事業連携が行える仕組みが必要ではないか。
(3)点目でございます。事後規制を行うためには、計量器や品質管理に対する知識、それから検定・検査の実務の経験が必要でございます。そういうことで、その人材育成と能力維持のための仕組みの構築が必要ではないか。
最後、(4)点目でございますが、検定・検査の実費を勘案した手数料の設定につきまして、検定・検査を行う事業者の責任に対する相応の付加価値と、それから事業者の責任欠落に対する相応の制裁、これを一対にいたしまして、社会的に認識されるような仕組みの構築を目指すべきではないかということでございます。
2ページ目の下に四角の枠でアンケートの分析結果が入ってございます。これは検査機関と検定コストに関する消費者意識のところでございますけれども、公益メーターの検査実施機関として適切な機関は「公的機関」、これが過半数でトップでございました。次に、公的機関への信頼感が高い理由としては第三者性が挙げられると思われますけれども、供給者と検査実施機関の癒着等が心配という声も出ております。最後に、検定に関するコストについてでございますが、「妥当」が58%でトップでございました。また、コストを重視するよりも、正確性や信頼性の向上を望む方の方が多く、これは31%でございます。ただし、「コストは現状どおり、または下げて、かつ、信頼性も向上させてほしい」という意見も14%と多くございました。
次に3ページへ移らせていただきます。
第1WGの方向性(骨子)を踏まえた制度全般に対する意見の2番目といたしまして、(2)の「国際的ルール等との整合性」でございますけれども、経済のグローバル化が進む中で、計量器の流通も国境を越えた取引が行われつつございます。日本の電気計器の市場規模というのは世界的にも大きいということで、日本市場への参入を検討する海外事業者があるというふうに言われてございます。このような状況の中で、我が国におきましても、国際ルールとの整合性に配慮して、計量制度の信頼性の確保が必要不可欠でございます。
一方で、安心・安全に対する国民意識というのは、国や地域により異なりますので、計量制度として国内事情をどのように勘案するのか検討をしていただく必要があろうかと思います。国内におけます様々な検査制度が、最近、指定機関制度から第三者要件の基準を明確に定めた登録機関制度、そういう方へ移行しつつある中で、国民の納得が得られるような検査・検定機関の要件の在り方、これが検討課題になろうと思います。
以上が第1WGの検討(骨子)を踏まえた制度全般に対する意見でございます。
次に、2の「指定製造事業者制度を再検定品や修理品まで適用できるように拡充する方向性に係る検証について」でございますが、これにつきましては骨子のIIの2の(2)の「具体的方針」に沿う方向性が示されているところでございます。
現在の計量法につきましては、計量行政室さんが編集されました「新計量法の概要」という書籍、これが大変わかりやすく、今の計量法を解説されておりますけれども、この新計量法の概要の中で、現行の指定製造事業者制度創設の際に、修理品を含めなかった主な理由として、ここに掲げてございます2つの理由を書いてございます。
(1)が、「修理品の検定の合格率が製造品のそれよりも劣ることが多い」、(2)といたしまして、「修理の場合は対象物の品質に均一性が乏しく一定の性能を確保するには技術上の困難が伴う」、この2点でございますので、指定製造事業者制度を拡充する方向性の実現に際しましては、この2点について計量器ごとの検証が必要というふうに考えます。
まず1点目の、修理品の検定合格率が製造品のそれよりも劣ることが多いとされた問題点についてでございますけれども、電気計器につきましては検定不合格率が年々低下してきておりますことから、優れた品質管理努力が継続的に行われてきているというふうに考えられます。しかしながら、一般論として申し上げますと、計量器は製造品と修理品を比較した場合には、修理品の方が製造品より不合格率が高いケース、これが多いのではないでしょうか。
指定製造事業者制度の創設に際しまして、検定不合格率が問題とされましたところにつきましては、また「新計量法の概要」をここで引用させていただきますと、民間事業者が自己の判断で合格、不合格を判断する場合、品質管理が不十分であると自主検査で不合格が多数となり、不合格の故意の見過ごし、これが懸念されることから、適正計量器の供給の確保に万全を期すため、製造段階での不良発生をできる限り抑えることが必要であって、その状態を継続するために「品質管理の方法」が適切であることを規定した、このように記述されてございます。
検定不合格率の1つの例といたしまして、電気計器につきましては、製造品が0.03%、修理品が0.20%でございます。このデータは平成16年度におけます日電検の検定実績でございます。
このように製造品の不合格率に比べまして、修理品の不合格率は高いということから、修理品につきましては、なお一層適切な品質管理が必要でございますし、検定不合格率の状況につきまして、計量器ごとの検証というのが必要になろうかと思っております。
次の検証のポイントとして、2)の「修理品は、品質に均一性が乏しく一定の性能を確保するには技術上の困難が伴う」というふうにされた問題点に関してでございますけれども、検定に合格いたしまして、一定期間使用された計量器の中には、一部の部品等の劣化によりまして性能が落ちる蓋然性が高く、当面の検定に合格しても、検定有効期間の間に器差が大きくなる恐れの高いものがある。そういうために、計量法では再検定の前に、一部の計量器につきまして、計量器の修理を義務付けているところでございます。製造品が検定を受けた後に、我が国のいろいろな環境の中で使われまして、検定有効期間が満了し、修理に戻ってまいります。当然のことながら、個々の構成部品の劣化の進み具合が異なってございます。計量器ごとに修理の方法というのは異なると思いますけれども、例えば、戻ってまいりました計量器の部品の一部をそのまま再利用して修理をするというような方法をとりますと、修理された計量器の品質の均一性が製造品に比べて劣ってくるというのは、当然のことと言えるかと思います。
電気計器につきまして実態調査を行ってございますが、これによりますと、再検定品は初回検定品に比べ不良率が高くなってございまして、器差のばらつきも大きい結果というふうになってございます。修理品は、品質に均一性が乏しく、一定の性能を確保するには技術上の困難が伴うとされました問題点が、計量器ごとにどのようにクリアされているのかを検証していただく必要があろうかというふうに思ってございます。
次に、検証ポイントの3でございますけれども、「製造品の信頼性を担保するための考え方を修理品にそのまま適用できるのか」、4ページの3)でございます。指定製造事業者制度では製造品の信頼性を担保するために、まず(1)といたして、承認型式どおりに製造する義務を課して、(2)で品質管理の方法に適合する製造を行い、(3)で全数検査を義務付けております。
修理品につきましては、ただいま御説明してまいりましたこの1)、2)の事実から、修理における品質管理というのは製造に比べて技術的に難しいということがございます。修理品に対する品質管理基準の設定につきましては、製造品と同じ基準(lSO9001)とすることができるのかどうかを十分に検証する必要があろうかと思います。
(1)といたしまして、承認型式どおりに修理する義務を課すことができるのか。また(2)として、品質管理の方法に適合する修理の実施を課すことができるのか。こういった検証が必要と考えてございます。
以上につきまして、指定製造事業者制度を拡充する方向性の実現に際しましての検証のポイントとして御紹介をさせていただきました。
最後にアンケート調査結果の修理品に関する部分の分析結果を4ページの一番下にまた書かせていただいてございます。
計器については「積極的に再使用を行うべき」とした方が61%、「再使用せず新品を使用するべき」とした方が25%でした。
次に、修理後の検定でございますが、「不安を感じるので第三者が行うべき」とした方が68%、「一定レベルの品質管理能力があれば修理事業者が修理品を自主検査してもよい」とした方が30%いらっしゃいました。
最後、5ページでございますけれども、参考といたしまして、外国における電気計器の修理の検定制度を1で御説明してございます。イギリス、ドイツの制度について、その概要を書かせていただいてございますので、後ほどお目通しをいただければと存じます。
大分御説明を急ぎましたが、以上をもちまして、第1WGの方向性を踏まえた意見につきまして御説明を終わらせていただきます。
ありがとうございました。
○飯塚座長 ありがとうございました。
それでは、委員の皆様から御質問、あるいは御意見を賜りたいと思いますが、ちょっと最初に私から1つ質問があるのですけれども、2ページの2)「民間活用と安心・安全確保の両立」の(4)「検定・検査の実費を勘案した手数料の設定について、事業者の責任」という、この「事業者」というのはここでは何事業者を言っていらっしゃるのですか。
○池田理事(日電検) 検査を行う事業者でございます。
○飯塚座長 検査を行う事業者ということですね。
○池田理事(日電検) はい。
○飯塚座長 ありがとうございました。
どうぞ御意見、あるいは御質問等、よろしゅうございますか……。
では、続いて私から、さっきのことなのですが、4番のこういう社会的に認識されるような仕組みの構築、仕組みとしてどんなことを具体的にお考えなのかちょっと、もしお考えがあったらお願いします。
○池田理事(日電検) 私の方として具体的に皆様に御提案できるようなところはございませんで、こういうポイントにつきまして、委員の皆様の中で御議論いただければということで御提案申し上げたとこころでございます。
○飯塚座長 ありがとうございました。
それでは、三木委員からお願いします。
○三木委員 産総研の三木でございます。
電力メーターのことはよく知らないので、ちょっと質問させていただきます。3ページ目の「国際ルール等との整合性」というところで、日本市場への参入を検討する海外事業者があるというふうに言われていますけれども、これは実際には、外国製品というのは日本にどの程度入ってきているのでしょうか、というのが1つと、3ページの(2)の2番目の◎に「第三者要件の基準を明確に定めた登録機関制度へ移行しつつある中、国民の納得が得られるような検査・検定機関の要件の在り方について検討すべき」とありますが、具体的にどのようなことを考えておられるのか、もしありましたら教えていただきたいのですが。
○池田理事(日電検) まず外国の電気メーター、これが日本の市場へという話でございますが、今、取引証明用に使用されております特定計量器として外国のメーターはゼロでございます。近々、型式承認を取りたいという事業者があるような状況になってございます。
それから、2番目の御質問の第三者要件の基準を明確にというところでございますけれども、これにつきましては国内で百数十ある検査制度の中で指定機関制度から登録機関制度へ移行というところで、やはり公正中立性の基準を明確に定めるということで、具体的には人的な、資本的な関係がないことというようなところが入ってございますので、この登録機関制度の要件について慎重に扱っていく必要があるのではないかというふうに考えているところでございます。
○飯塚座長 武田委員、では、お願いします。
○武田委員 1点だけちょっと細かいところで教えていただければと思います。
3ページ目にあるものの一番下なのですが、検定不合格率の数字なのですけれども、製造品、新品の方が0.03%とありますが、この数字自体は日電検で検定されている部分だけですか、あるいは指定製造事業者ですか、そちらの中で検定されている部分は入っておられるのでしょうか。
○池田理事(日電検) ただいまの御質問でございますが、ここに書いてございますのは私どもが検定をしたその結果でございまして、指定製造事業者の方が自主検査をした際にはねた数字は入ってございません。私どもとしてはそういう数字がございませんので、そういうことで、検定の実績だけ書かせていただいてございます。ただし、製造品の中には指定製造事業者さんが製造されて、それを検定に出してこられた製造品というものも含まれた状態ではございます。
○武田委員 済みません。その最後の数字というのはある程度量的には多いわけですか。指定製造事業者さんのつくったものとそうではないものとの比率はどれぐらいの感じでございますか。
○池田理事(日電検) 申しわけございませんが、細かい製造品の数字をきょう持ち合わせてございませんが、指定製造事業者さんの製造個数としては170万台程度年間製造されて、自主検査されているかと思います。私どもの検定の製造品の台数としては60万ぐらいですか、そういうことで、検定の製造品の2倍が指定製造事業者さんが自主検査をして市場に出されている数字だというふうに思っております。
○飯塚座長 三浦委員、では、お願いします。
○三浦委員 アンケートをどうやってやったかちょっとお伺いしたいのですが、だれを対象にして、その中からどういうふうな形で抜き取ったのかということでちょっとお伺いしたいのですが。
○池田理事(日電検) それでは、資料3(参考資料)という番号がつきました資料をごらんいただきたいと存じますが、3ページ目にまず調査の方法が書いてございます。調査の方法といたしましては、インターネットリサーチ、Webアンケートでございますね。これを使いました。それから、回答者といたしまして、一般の消費者の方ですが、20代から60代までの男女、合計1,041名でございます。それで、この1,041名の性別でございますが、女性が49.9%、男性が50.1%というふうになってございまして、年齢構成が真ん中の右側に書いてございます。こういう年代別の比率ということで割り振ってございますけれども、基本的には国勢調査での年齢割り振りと言いますか、それをベースにしておるところでございます。また、同様に北海道地方から九州地方までにこの1,041名の方がどのように配分されておるかというのが一番下の丸いグラフ、それから職業別としてはこのような方たちでした。こんな形でアンケート調査をしてございます。
よろしゅうございますでしょうか。
○飯塚座長 よろしいですか。
○三浦委員 Web調査、アンケートというのがよくわからないのですが、例えばアンケート調査で分析するときに対象となる母集団があるわけですね。母集団の中から抽出をしてその結果ということになると思うのですが、Webアンケートというのは、例えばホームページ上に載せて、アンケートをくださいという形でアンケートをいただいた方の回答を出すのか、それとも個別にもうすでにわかっているところへ出すのか、ちょっとその辺をお伺いしたいのですが。
○池田理事(日電検) 実はアンケートの調査会社を私ども、利用いたしました。アンケートの調査会社では全国でかなりの回答される方が登録されているようでございまして、その中からここに書きましたような人たちを年代別に抽出して、そういう方たちにこのアンケート調査会社が直接アンケートを送ったということでございます。こういうやり方、最近、大変多くやっているようでございまして、例えば郵政民営化に関するアンケート、これでも大体2,000ぐらいのサンプルでやられているというふうに聞いております。
○飯塚座長 よろしいですか。
○三浦委員 わかりました。ありがとうございます。
○飯塚座長 こういう場合は、回答率などというのは普通はよく問題になるのだけれども、余りないのですか、そういうことは。これは100%回答が来た部分だけですか、千幾らというのは。
○池田理事(日電検) 1,041で切ってしまいました。
○飯塚座長 そうですか、要するに、回答があった分ということですね。
○池田理事(日電検) はい。回答があった分です。
○飯塚座長 そうですか。
ほかにプレゼンテーションについての御質問、御意見はございませんでしょうか……。
もしございませんようでしたら、あともうごくわずかの時間しかございませんが、全体的に何か言い忘れたこと等、伊藤専務の方も含めましてございましたらどうぞ。
では、横尾委員、お願いします。
○横尾委員 先ほど河村委員の方からと、それから前回の12月のときの会議の内容で私の方で若干漏れた部分、特に体温計の問題なのですが、東京都で出されている体温計は、私は担当もやっていたものですから一言その状況等について説明したいと思うのですけれども、国内のメーカーさんと比較しても確かに悪いという部分はあるのですが、コストをかけ過ぎているよという意見もちょっとあったように感じているのですけれども、現実には地方自治体は計量器の検定だけではなくて、やはり都内における企業を守るということも条件にありますし、なおかつ計量器を正しく安全に供給しなければいけない。その役割を担っているということがあります。
そしてもう一つ、東京に出されている体温計なのですけれども、東南アジアに多いと言ったのですが、現実にはそこの製品がどんなものであって、それから検定が悪ければ、やはり技術指導も行ってきているのですよ、現実の話。私も向こうの社長を呼んだり、技術者を東京に呼んで、こういうチェックをしなさい、工程の中にこういう部分を入れなさい、そういうことをやはり指導してきている。ですから、今、河村委員も多分見てきた状況ですと、まだ悪いという話ですけれども、まだよくなった方、私がやっていたときには30%合格すればいいぐらいだったのですね、一番最初に輸入されたときは。ですから、それが今の状況になっているということで、それを引き続きまだそういう技術指導も一緒にやっているだろうと思うのですね。
ですから、コストだけで物事を考えるべきではなくて、やはり安全性の問題も含めてその計量器をどういうふうに国内に提供していくのか。特にガラス製というものは技術的に見ても加工のしやすい、ですからほかの計量器と違って、現実にはガラス製の計量器というのは温度計もそうなのですけれども、一定の工程の中にどれだけチェック機能の工程を入れるかどうか、それによって相当違ってくる。それから部品をつくるのにも、毛細管と外管とガラスをどのようにチェックをして、でき上がったガラス管が均質性があるかどうか、そういうものをきちっとチェックすればそれなりにいいものができてくる。ただ、そういう技術がまだまだ国内の、先ほど東日本の計量器の顧問の渡部さんからもありましたけれども、やはり日本の企業はそういうものをきちっとやってきているという部分が、今まで安全性のある計量器を供給できてきたのだ。ですから、そういう意味ではやはりコストが高過ぎるから、そういうものをかけ過ぎてだめだということではなくて、安全性から考えてそういう計量器を守る、そういうようなことをやはり今後も続けていかなければいけない。そのためにはある程度の規制をせざるを得ないというのが今の現状だろうと思うのですね。
特に、こういう計量器はコストという問題と、それから値段が安いということもありまして、なかなかそういうものがほかの計量器、精度の高い、技術的な電気系統のもの等と比較しても、やはり劣悪な状況の中でつくられているということはありますので、そういうものを守っていく必要もあるだろう、そういうように私は思っています。
そういう部分では、この間から私もつけ加えるのを忘れていましたので、その分だけ発言にかえさせていただきたいと思います。
以上です。
○飯塚座長 ありがとうございました。
またそれについてもいろいろコメントはあり得ると思いますけれども、時間がちょうどになりましたので、もしほかに特に御発言がなければ本日の審議はこれで……。
岩崎さん、何か、済みません、気がつきませんで。それでは、手短にお願いします。これで最後とさせていただきますから。
○岩崎委員 済みません。プレゼンテーションとちょっと違ったのであれだったのですけれども、OIML、MAAにもし電力量計がのってきた場合、日電検さんとしてはどうされるつもりなのでしょうか。
○池田理事(日電検) まだ大分時間はかかるかとは思いますけれども、私どもとしては、やはり日本の中で電気のメーターの型式承認、検定に責任ある機関として参加していくという方向で検討をいたしたいと思っております。
○飯塚座長 よろしいですか。
○岩崎委員 はい。
議題3 そ の 他
○飯塚座長 それでは、次回以降の予定につきまして、事務局の方からお願いいたします。
○籔内計量行政室長 計工連さん、日電検さん、どうもいろいろとありがとうございました。
次回も引き続き計量法に関係の深い方々から御意見等をいただこうと考えております。
日程については来月を考えておりますが、具体的な日程は各委員の皆様の日程を伺いながら決めたいと思っております。
また、参考資料として配らせていただきました骨子につきましては、来週の21日に開催が予定されております小委員会で他のワーキンググループの骨子とともに御議論いただくことを予定しております。
以上でございます。
○飯塚座長 それでは、長時間御審議いただきまして、ありがとうございました。
これで終わらせていただきます。
3.閉会