1.日時:平成17年9月1日(木) 13:30〜15:30
2.場所:経済産業省別館10階1028会議室
3.出席者:今井座長、伊藤委員、梶原委員、河村委員、久保田委員、
桑委員、齋藤委員、芝田委員、杉山委員、瀬田委員、
田畑委員、中野委員、畠山委員、松本委員、三浦委員、
望月委員、山領委員、本多委員(欠席)
4.議題:1 第3WGの審議の進め方について
2 新しい計量行政の方向について
3 第3WGにおける検討の進め方等について
(1)話題提供
・NMIJにおける計量標準整備の現状と取り巻く
国際的動向
(2)検討の進め方について
・第3WGにおける検討事項
・その他(今後の進め方等)
4 その他
5.議事内容
○徳増課長 委員の先生方、おそろいでございますので、開会させていただきたいと思います。私、事務局を務めさせていただいております知的基盤課長・徳増でございます。よろしくお願いいたします。
それでは、まず、このワーキンググループの位置づけでございますけれども、計量行政審議会及び産業構造審議会産業技術分科会の合同小委員会であります計量制度検討小委員会に設置されているものでございます。
8月8日に第1回小委員会が開催されまして、その中で当ワーキンググループの設置及び座長が指名されておりますことをご報告させていただきます。
それでは、審議に入ります前に、きょうは第1回目でございますので、お手元の「委員名簿」に沿いまして、委員の先生方をご紹介させていただきたいと思います。
まず、独立行政法人製品評価技術基盤機構認定センター顧問であり、産業技術総合研究所の顧問でもあられます今井委員に座長をお願いしております。
○今井座長 今井でございます。よろしくお願いいたします。
○徳増課長 それでは、以下、名簿に沿いまして、アイウエオ順でございますが、ご紹介させていただきたいと思います。
(各委員のご紹介)
日本計量機器工業連合会専務理事・伊藤委員でございます。
三菱化学株式会社技術部長・執行役員であられます梶原委員でございます。
主婦連合会副常任委員の河村委員でございます。
東京理科大学で非常勤講師をされております久保田委員でございます。
筑波大学大学院助教授でございます桑委員でございます。
日本分析機器工業会環境技術委員会委員長であります齋藤委員でございます。
読売新聞編集局科学部次長・芝田委員でございます。
日本品質保証機構理事・杉山委員でございます。
製品評価技術基盤機構認定センター所長であります瀬田委員でございます。
日本環境測定分析協会顧問(名誉会長)であります田畑委員でございます。
産業技術総合研究所計量標準管理センター長・中野委員でございます。
日本電気計器検定所標準部長であります畠山委員でございます。
慶応義塾大学の情報工学科教授・本多委員でございますが、本日は欠席ということでございます。
化学物質評価研究機構化学標準部長であります松本委員でございます。
日本試薬協会規格委員会委員・三浦委員でございます。
日産自動車計量計測グループ主担の望月委員でございます。
日本計量振興協会認定事業者部会幹事の山領委員でございます。
それでは、今井座長からごあいさつをお願いいたしまして、審議に移らせていただきたいと思います。よろしくお願いします。
○今井座長 今井でございます。この委員会につきましては、経験豊かな方々が大勢いらっしゃいます。また、ほかの場でもおつき合いいただいている方が非常に多くいらっしゃいますので、少しは安心しておりますけれども、きょう、これから資料に従ってご説明いただいて、ご意見をいただくわけでございますが、計量制度検討小委員会と、その中の一つのワーキンググループとしての第3ワーキンググループの責任は非常に重大だと思っています。
ただ、幸いなことに、国の中でも、あるいは国際的にみましても、非常に大事な技術基盤、あるいは技術行政基盤であるということで、計量標準並びに標準物質への支援は非常に強いものがあると思います。
また、きょうは「防災の日」だそうでございますけれども、予知・予防、あるいは事前の準備にも、計測、基準となるものが非常に大事であることを改めて認識する必要があるのではないかと思います。
しかしながら、計量行政審議会の場でもご発言がございましたし、計量制度検討小委員会の第1回目が先日開かれましたけれども、その中でも、計量標準や標準物質は、一般の生活の中にまだまだ浸透していないのではないかという意見がございました。そういう意味でも、この場の議論だけではなくて、世の中全体にぜひ知っていただきたいという意味も含めて、限られた時間ではございますけれども、何回かの会議の中で、今後の計量標準、あるいは標準物質のあり方、特に供給について、どうあるべきかといったことについて忌憚のないご意見をいただきながらご議論いただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○徳増課長 それでは、会議の議事進行を今井座長にお願いいたします。よろしくお願いいたします。
○今井座長 それでは、きょうの2時間の会議、これから3時半まででございますけれども、要領よく進めていきたいと思っております。
ただいま徳増課長からもご説明がございましたように、この委員会そのものは、「新しい計量行政の方向について」ということで、経済産業大臣から計量行政審議会並びに産業構造審議会に諮問がありました件でございます。この中で、今のご説明のように、計量制度検討小委員会がつくられて、その中に3つのワーキンググループ、私どもの場合には第3ワーキンググループでございますけれども、その中で計量行政のあり方、特にこのワーキンググループでは、計量標準及び標準物質の供給のあり方はどうあるべきかといったことについて進めていきたいと思っています。
本日は第1回でございますので、今後の会議自体の進め方、そして、まとめ方等についてもいろいろなご意見をいただきたいと思っています。
なお、幾つか約束事がございまして、既に皆さん、ご存じと思いますけれども、審議会の公開に係る閣議決定がございまして、このワーキンググループのことも含めて、原則公開ということで進めていきたいと思っております。いずれにいたしましても、皆さんにご発言いただいた内容をご確認いただいてからということになると思いますけれども、原則として公開ということでございますので、ご承知おきいただきたいと思います。
それでは、第1回のワーキンググループの会合でございますので、初めに、経済産業省の松本審議官からごあいさつをいただきたいと思います。松本審議官、よろしくお願いいたします。
○松本審議官 基準認証担当の審議官をやっております松本でございます。きょう、お暑い中、こんなたくさんの方にお集まりいただきまして、ありがとうございます。
今、今井座長からもお話がありましたように、いよいよきょうからこのワーキンググループで審議が始まるわけですが、このワーキンググループ自体は、トレーサビリティの確保、計量標準の供給体制、独立行政法人産総研計量部門の今後のあり方等についてご審議いただくという形になっているわけでございます。
既に皆様、ご承知のように、計量標準等の分野においては大きな変化がいろいろございます。例えば、国民生活の安全・安心に直結いたします各種の技術規制分野におきます計量標準に対するニーズの高まりとか、国際面でみると、ことしの1月からですか、国家計量標準機関が各国同等性を認め合う国際認証の枠組みのワークをし始めた等々大きな変化があるわけでございます。私どもとすれば、こういった大きな変化といいますか、環境変化というか、その時代の新たなニーズに応じた体制、あるいは運用をぜひとも整備したいと考えているわけです。その意味合いから、ここにご列席の先生方からぜひとも忌憚のないご意見をいただきまして、その整備の実現に向けて努力していきたいと思いますので、ひとつよろしくお願いいたします。
○今井座長 松本審議官、どうもありがとうございました。
それでは、議事に移ります前に、資料の確認をさせていただきたいと思います。事務局から江口さん、お願いいたします。
○江口課長補佐 それでは、本日配付させていただいております資料を確認させていただきます。
本日の資料の全体につきましては、「配付資料一覧」で整理させていただいております。これに従いまして、大変恐縮でございますが、お手元の資料のご確認をお願いいたします。
○今井座長 どうもありがとうございました。
それでは、早速議事に入りたいと存じます。
まず、資料1でございますけれども、繰り返しになりますが、議事要旨、議事録、配付資料は原則公開。また、資料1の4番目に書いてありますけれども、「個別の事情に応じて、会議又は資料を非公開とするかどうかについての判断は、座長に一任するもの」となっておりますが、これでよろしゅうございましょうか。
では、資料1についてはご確認いただいたということにさせていただきます。ありがとうございます。
それでは、議事案に従いまして、議題1ということで、ワーキンググループの審議の進め方ということで、資料に基づいてご説明いただきたいと思います。
○江口課長補佐 それでは、お手元の資料2をごらんいただければと思います。「審議の進め方について(案)」というものでございます。
まず最初に、(第3ワーキンググループの位置付け)というのがございます。これは最初に徳増課長からご説明させていただきましたが、体系図にするとこのような形でございます。計量制度検討小委員会のもとに3つのワーキングが設置されて、当ワーキングは第3ワーキングということでございます。
(検討事項)ということで、第1、第2、第3とそれぞれミッションがございまして、私ども第3ワーキンググループにつきましては、環境計量証明事業者制度、計量標準供給とトレーサビリティの確保、NMIJ(国家計量標準機関)の一層の活躍のための環境整備を中心とした世界とのつながりを確保するための計量のあり方ということでございます。
こういうことをご検討いただくわけでございますが、以下、今後のスケジュールについて、簡単にご説明させていただきます。
きょう第1回としまして、各ワーキングにおきまして、それぞれ分野別に検討事項の検討を逐次開始いたします。年内をめどに、大ざっぱな基本的方向性をとりまとめていただきまして、計量行政審議会にご報告して、その上でさらに検討を深めていただきまして、計量行政審議会といたしましては、平成18年春をめどに、今後の方向性についてとりまとめていただく予定でございます。
ちなみに、当ワーキングのスケジュールでございますが、そういった観点から、年内に基本的方向をとりまとめ、年度内には方向性を最終的にとりまとめていただくというスケジュールを考えているところでございます。
また、年内の基本的方向性の第1次案をとりまとめるに当たりまして、指定校正機関、登録事業者、業界関係者の皆様から、この委員会としてヒアリングをさせていただきまして、そういったところを踏まえて、基本的方向性をとりまとめていただきたいと考えております。
簡単でございますが、以上でございます。
○今井座長 ありがとうございました。
ただいま、資料2に基づいてご説明していただいたわけですけれども、何かご質問、ご意見等ございますでしょうか。
WGが第1、第2、第3とあって、私どものは第3で、主に計量標準、トレーサビリティに関連したことでございます。もちろん、第1、第2ワーキンググループと連携をとりながら検討を進める必要があると思いますけれども、第3ワーキンググループの主たる目的は、標準供給、トレーサビリティに絡んだ内容ということでございます。
スケジュールについても、第3として、年内に基本的方向、また、必要に応じてヒアリング等を実施するという進め方が事務局から提案されておりますけれども、いかがでございますか。ご意見ございますでしょうか。
特にございませんようですので、事務局から提案された「第3WGの審議の進め方について」はご了承いただいたとさせていただきますが、よろしいでしょうか。
では、ご承認ということで、ありがとうございました。
続きまして、議題2に移りたいと思います。
計量行政審議会及び、3つのワーキンググループの親委員会とでも申します計量制度検討小委員会との関係も含めて、「新しい計量行政の方向について」ということでご説明いただきたいと思います。事務局から能登企画官、よろしくお願いいたします。
○能登企画官 (資料3,4,5に基づき説明)
○今井座長 能登企画官、どうもありがとうございました。資料3、4、5に基づいてご説明いただいたわけでございますが、計量行政審議会に出されました諮問の「新しい計量行政の方向について」ということで、そもそもの計量の位置づけから最近の課題、そして検討の方向性といったことでご説明いただいたと思います。非常に幅広い内容にわたっておりますけれども、要点をまとめていただいております。
ただいまの方向についてご説明いただいた内容について、何かご意見、ご質問がございましたらどうぞお願いいたします。
○芝田委員 「新しい計量行政の方向について」の背景となっています内閣の考え方といったものもあると思うのです。仮定の質問で恐縮なのですが、これは、9月11日の総選挙の結果が影響する可能性はあるのですか。実現性云々についてはわからないのですけれども、例えば、民主党がなった場合、多少見直しの必要があるといった可能性はあるのでしょうか。
○今井座長 非常にタイムリーなご質問かもしれませんけれども、そもそも標準は社会基盤であって、情勢が変化しても必ずなければならない、なくなっては困るというシステムもあると思います。これは私の座長としての見方ですけれども、事務局から何かご意見ございますか。
○松本審議官 今のご質問ですけれども、今、座長からもお話がありましたように、そもそも計量法は、社会の基礎というか、国家社会の基礎ということで、どういう政権であろうとも、その重要性は変わらないと思います。また、現実問題として、自民党、あるいは民主党、どちらが政権をとっても、例えば規制改革や行財政改革は両党とも主張している話でございます。まあ、それは影響があるかもしれませんが、このワーキンググループ、あるいは審議会では、当面、基本的には、そういうことは考慮に入れずにご審議いただければありがたいと思います。
○今井座長 ありがとうございました。
日本の国の中だけではなくて、国際的にみた場合でも、きょうのご説明の中にもありましたけれども、国際的なルールを尊重するといったことがございます。また、最近、日本の国際的な役割、位置づけも相当高まっていると思いますし、見方も非常に高くなっていると思いますので、全般的には、そういう影響は受けないはずであると希望したいと思いますけれども、芝田委員、よろしいでしょうか。
○芝田委員 はい。
○今井座長 ほかにいかがでしょうか。よろしいですか。次のご説明や、きょうの第1回目のワーキングで、このように進めていこうという後の方の議題とも共通すると思いますので、まとめてご意見をいただきたいと思います。
それでは、次の議題に移らせていただきたいと思います。
議題3として、「第3WGにおける検討の進め方等について」ということで、1つは、最近の情勢をご説明いただく「話題提供」、2番目として、具体的な第3ワーキンググループの検討の進め方ということで、分けてご説明いただきたいと思いますけれども、まず最初に、「NMIJにおける計量標準整備の現状と取り巻く国際的動向」ということで、資料は2つご用意いただいているようです。資料6と7で、委員の中野さんにご説明をお願いしたいと思います。では、中野さん、お願いいたします。
○中野委員 産総研の中野でございます。
それでは、「計量標準整備の現状」ということでご説明させていただきたいと思います。
お話は2つぐらいを考えております。1つは、「国家計量標準の整備」というところ、2番目は、整備した標準をどのように供給しているかということで、この2点についてご説明させていただきます。
まず初めに、「これまでの経緯」を簡単にまとめてみました。
1992年、今から10年以上前ですけれども、計量法の大きな改正がありまして、計量標準供給制度が創設された。振り返ってみますと、この当時はNMIJもそれほど社会ニーズに対する感度がよくなかった気がします。
その後、1999年ですが、これは非常に重要な年でして、1つは、CIPM/MRAが締結されました。このMRAについては、後ほどまたお話をさせていただきたいと思います。
もう一つ重要なことは、産業技術審議会と日本工業標準調査会の合同会議、知的基盤整備特別委員会の中で中間報告が出まして、計量標準の整備の目標として、ここの赤にありますように、物理系の計量標準およそ
250種類、標準物質およそ
250種類を整備するという形で、数字として整備の目標が具体的に示されたということです。数字で整備の数を示すことは非常にインパクトがありまして、この後の年からこれが国の目標、我々の目標になったわけです。
以下、2000年、2001年では、このような状況を含めまして閣議決定がされまして、2010年までに、世界トップレベルの米国のNIST並みの標準整備を行うという目標が国の目標として定められたという経緯でございます。
「計量標準を取り巻く状況」といたしましては、先ほどのような経緯があったわけですけれども、今現在も、先ほど申し上げたような状況はますます高まっているわけでして、状況として、3つぐらいに分けてみております。
1つは、水平的な拡大ということで、世界的・地域的といいますか、国家計量標準相互承認を始めまして、ワンストップテスティングを実現するための非常に大きな技術的なバックボーンとして、これが期待されている。
2番目は、垂直的といっておりますが、国内においては、現場レベルまで計量標準のトレーサビリティが求められるようになった。1つには、校正機関や試験所の認定制度が充実してきた。ユーザーにとっては、トレーサビリティを求めることが非常に重要になってきたということがあります。
最後の軸ですけれども、技術分野自身も非常に拡大しております。従来の物理的な標準から化学的な標準、さらに、化学的な標準の中でも、環境、次には医療、食品、バイオという形で、計量標準そのものが拡大してきた。
つまり、今の現状は、この3軸すべてが拡大しつつある状況にあるといえると思います。
以上のような国家的な目標、状況を踏まえまして、計量標準を整備することは、主にNMIJが担っているわけですけれども、我々の整備のスタイルとしましては、計量標準整備計画がございます。この整備計画は、恐らく我が国固有のスタイルではないかなと思います。どの国のNMIもそれぞれの計画をもっているとは思うのですが、我が国の場合は、国から明確な標準供給の目標が与えられた。それを実現するために、整備計画を年度で展開してつくりまして、いついつまでにどれだけのものをつくりますということを計画し、それを社会に公表していく。そのような形で着実な整備を実現させてきたといえると思います。
右側の図は、これまでのNMIJの標準整備の累計を示したものです。 250・
250に対して、我々は今のところ、2009年までにNMIJだけでこの量を実現しようと計画しています。長期目標を1年前倒しで実現できるのではないかと考えているところです。
先ほどの整備計画ですけれども、この整備計画自身は、先ほどの 250・
250を設定した知的基盤整備特別委員会でオーソライズするという仕組みになっています。ただし、実際にオーソライズする前に、整備計画のニーズを集めるメカニズムが必要です。この図は、そのニーズを集めるメカニズムを簡単に図示したものです。我々が従来もっているものとしては、アンケート調査や関連業界との意見交換ということで整備計画のニーズを集めて、知的基盤整備特別委員会で審議していただくという形になっています。
最近思っているのは(3)番目でございまして、計測クラブをことしの7月に立ち上げました。これは、各分野ごとにクラブをつくって、その下に関連するユーザーに集まってもらう。今、まだ計画中なのですけれども、このクラブをうまく利用しまして、計量標準整備計画の意見集約の範囲を広げ、さらに、分野ごとに深堀して整備計画を検討してみたい、ニーズを集めてみたいと考えているところです。従来ある(1)番、(2)番のデバイスに加えて、それを補完する意味で、こういうクラブを利用しながら、整備計画のニーズを調査することを考えております。
実際に今まで行いました標準整備の状況を簡単に図にまとめたものがこのグラフでございます。2000年の段階では約
140種類。これはNMIJだけが供給している標準をあらわしているのですけれども、
140種類ぐらいの標準を供給しました。それが2004年末の段階では 360ですから、倍増させたということでございます。
各標準の分野にそれぞれの出口のイメージを書いておりますので、そのような標準がどういう分野で利用されているかというのをごらんいただけると、直観的にはおわかりいただけるのではないかと思います。
「標準物質」とざくっと書いてありますけれども、ここの構造を次のスライドでもう少しご説明させていただきたいと思います。
標準物質については、ここでは便宜上、基盤、先端、環境、食品、医療・健康と5つぐらいで整理してあります。
この図をみて、食品、医療・健康の部分が抜けているのがおわかりいただけると思います。これは後ほどの国際的な動向のところでもお話をいたしますけれども、この分野は、ここ数年、極めて急激にニーズが高まっているところでございまして、我々自身、対応が十分ではないということがこの図に正直にあらわれていると思います。
一方において、右側のところは、安全・安心な国民生活の実現に向けた社会トレンドとして、この分野の今のトレンドをあらわしているわけでして、いずれも認定制度や規制の強化ということで、この分野については、最近、ニーズが非常に高まっている。そういうトレンドにあります。繰り返しになりますけれども、残念ながら、安全・安心についての対応は、今のところ、まだ十分ではないという図になってございます。
次に、我々の供給の特徴ですけれども、2点ほどあろうかなと思います。
1つは、「供給する標準の品質は世界最高レベルを目指す」ということでして、これは、我々自身が、他国によらずに、みずから標準を組み上げることによって可能となっています。ここに幾つか例がございます。我が国の産業界が強いということもあるのでしょうけれども、特に実用的な標準については、非常に高いレベルのものができつつあります。
もう一つは、ポテンシャルの高い第1階層の認定事業者が存在しています。ここに三角形の図があります。我々NMIJは一番上にあるわけでけれども、そのすぐ下に認定事業者という校正を行っている民間の事業者がいるわけです。他国に比較してポテンシャルは圧倒的に高いわけで、ある意味で他国の国研レベルの方々が集まっているのかなと思っています。したがいまして、我々としては、このポテンシャルの高い人たちを十分に活用するというか、連携していくことによって、NMIJが戦略的な特化した標準を供給する。ここを一体として動かしていく。そのような戦略で供給しているところでございます。
供給のところをもう少し細かくみてみますと、我々、2つぐらいの供給をやっています。1つは、法律による供給、JCSSの校正です。もう一つは、依頼試験の校正です。いずれも重要なものなのですが、特徴的には、依頼試験の方は産総研のサービスとして行っています。認定事業者が成立しないところ、成立しにくいところ、しかもビジネスになりにくいようなところでは、直接ユーザーに対して供給を行う。そのようなシステムになっております。
右側の図をみていただきますと、これはドイツのPTBとの比較でございます。我々の研究者数は 244で、PTBは
500。圧倒的に違うのは校正の件数ですね。 356、
8,500。これは何かといいますと、PTBの研究者の数は倍程度なのですけれども、常勤職員の数は明らかにPTBが多い。要するに、PTBは、校正を専らとするテクニシャンみたいな人たちをたくさん抱えている。先ほど申し上げましたように、NMIJの場合はほとんど研究者でございますので、我々が実際供給する数はそれほど多くありません。むしろ小さな供給なのですけれども、下位の階層の認定事業者の方々、民間の活力を利用することによって、実際にはPTBと同じような効果を得ているということでございます。
直観的な図がここにあります。質量について、NMIJの校正は年間70件しか出さないのですが、認定事業者が校正するのは
6,000件に膨れ、その
6,000件の校正を使って、実際には現場でもっとたくさんの校正が行われている。我々の校正の数の大小によって、NMIとしての能力が決まるわけでは決してなくて、社会システムとして、どのように判断すべきかということではなかろうかと思います。密度も同じような例になってございます。
これは、NISTと比較した国家計量標準供給の例でございます。2010年にどのようなイメージになるかというのをNISTと比較したわけでございまして、図の見方としましては、例えば電磁波があります。この図はあくまでNISTの供給をベースにしていますので、電磁波の部分ではNISTは
130ぐらいの供給をしているというのがまずあります。
次に、2010年、我々は、NISTの
130に対して、どの程度追いつくかという問題の設定です。青の部分は、我々、既に供給しています。黄色の部分は、今後2010年までに供給すると思われます。水色の部分は、我々は供給しないのですが、先ほど申し上げたように、能力のある校正事業者が供給している、もしくは供給するであろうと思われる部分です。グリーンの部分は、まだ検討中でございまして、今後、我々自身、供給するかどうかというところでございます。いずれにいたしましても、水色の部分を含めますと、NISTの供給に対して、ほぼコアなところは、2010年で我が国が供給できるのではないかと思っています。
それはあくまで物理系の標準の場合でございまして、物理系の標準の場合には、階層性を十分に活用した校正事業者と連携することによって、水色の部分を含めた供給体系をとることによって、NISTとほぼ匹敵するような供給イメージができるのではないかと考えています。
一方、化学系の標準については、この図の中に整理できていないわけです。それは、1つには、急速に拡大するニーズがあります。多種多様な標準物質の必要性があります。さらに、こういう階層性を利用した種類の拡大はそれほど容易ではありません。そういう意味では、化学系について、2010年、一体どのような絵を描くかというのはこれからの課題であると思っております。
これはまとめの図なのですけれども、先ほど、我々、 250・
250の国家計量標準の整備を2010年までにいたしますと申しました。それはこの部分でございまして、これは2010年までに整備するわけですけれども、一方において、最近では、急速に拡大する計量標準のニーズがこの枠外にございます。したがいまして、急速に拡大する部分については、我々だけのリソースで対応することは非常に考えにくくて、現状のリソースの移し替えだけで対応すると、今の標準整備計画が実現できなくなります。枠の外にあるこの部分は、あらたに追加された分野としてしっかりやっていきたい。ですから、この部分については、新たなプレーヤーといいますか、我々以外のプレーヤーが参入して行うことが非常に重要なことではないかと考えています。この拡大する計量標準の必要性等々については、この次の国家計量標準、国際動向のところでご説明させていただきたいと思います。
引き続きまして、「計量標準を取り巻く国際的動向」ということで、トピックスとして2つほどご紹介させていただきます。1つは、「国際相互承認の現状」、もう1つは、先ほど来申し上げている「広がる計量標準への対応」です。
「国際相互承認の枠組み」については、今までも何回かご説明させていただいておりますけれども、もう一度、簡単にお話ししますと、一番ベースのところに、技術障壁のない自由な取引を保証された取引のシステムがございます。通商のシステムがございます。この通商のシステム、円滑な通商を担保するために、それぞれの顧客がお互いの試験結果を評価するのは非常に大変なことなので、ここの正当性は、それぞれの校正証明書をたどっていき、一番上の計量標準機関がそれぞれに同等性を証明し、また校正証明書におろしていくというパスをつくって、この下の大きな繋がりを保証しているというシステムになっています。したがいまして、ここの通商の繋がりを支える上の方にもう一つの繋がりが存在するということです。ここの繋がりのことを「計量標準の国際相互承認」と呼んでおるわけです。これが発効したのは1999年でして、メートル条約が1875年に公布されまして、それ以降、
100年後ぐらいに当たるのですけれども、メートル条約の世界の非常に大きな業績ではなかろうかと思っております。
この青の繋がりを実際支えているのは、これは技術でございまして、国際比較になります。いろいろな標準を各国標準圏の中に回しまして、お互いの能力を確認し合うということになります。確認し合った結果、アウトプットは一体何かというと、これはCMC(校正・測定能力)リストといわれるものです。国際整合性が確認された標準のリストでございます。これを公開することによって、ユーザーは、どこの国の標準はどのように整合化がとられているかが一目瞭然でわかるものになっています。
次に、このCMCリストについてご説明させていただきます。
これはCMCリストの登録の状況です。こちらの図をみていただきますと、NMIJ、NIST、PTBという代表的な3機関について、それぞれどのようなリストの登録状況にあるかというのがかかれています。
CMCリストの状況そのものは、2004年12月、昨年の12月に暫定期間が終了しまして、ことしの1月から正式に発効しています。今現在、正式な手続を踏んだCMC(校正・測定能力)リストの登録がまだ行われていまして、この図そのものもこれからまた変わるとは思うのですが、この図の中から幾つかいえることがございます。
1つは、左側の電磁気関連の標準をみていただきますと、NMIJ、NIST、PTBとあるわけですが、NMIJは電磁気関係で14ぐらいのサブカテゴリーといいますか、CMCのカテゴリーの中に登録してあります。この図で青い点がありますけれども、この部分は、実はNMIJが供給しているわけではなくて、NMIJの国家計量標準を用いて民間の機関が供給している部分でございます。したがいまして、その実態として、CMC、国際整合性という観点からは、日本は、青点を含めてこれぐらいのものは国際整合化ができていると考えていいのではないかと思います。
一方において、PTBはかなり多くのものが国際整合化しているのですけれども、この中身については、いわゆる基本的な標準からの組立量で、日本では、民間の校正事業者が組立で行ってもいいのではないかなというものがございまして、CMC登録する量の整理についても、これからの検討課題であろうかと思います。それでも、今のところ、我々は、物理に関しては、コアな部分といいますか、各分野で整合性をとっておかなければならない部分の整備について、2010年までにほぼ終わるだろうなというイメージをもっております。
一方において、物質量がございます。標準物質に関してはなかなか難しくて、ここについては圧倒的に量が足りなくて、多分我々だけでは無理で、先ほど申し上げたように、新しいプレーヤー、新しい参加者にこのシステムの中に参入してもらわないと、MRAを利用した国際整合化は、多様な標準物質については図れないのではなかろうかというイメージをもっているところであります。
標準物質のところですけれども、各国とも同じような問題を抱えていまして、今、国際的にも非常に活発に動いているところです。
国際度量衡委員会の活動として、ここに3つぐらい挙げているわけですけれども、まず、バイオについて、バイオアナリシスワーキングをつくりました。これは、バイオについて、例えばDNAの定量評価を今、一生懸命やっております。臨床関係については、JCTLMをつくりました。これはIFCC、ILACとの共通のコミッティーでして、この部分についても国際整合化を非常に活発にやっています。食品分野についても、ニーズが高いということで、ワークショップを開いて、これから国際整合化をどうするかといったことについて議論が深まっているところでございます。
こういう新しい分野についての我が国の対応はといいますと、NMIJを中心にしまして、先ほど申し上げた国際的な動向に対して、我が国の国内のリエゾンとして、国計連等々の場を設けて関係省庁と議論している。さらに、我々自身もバイオ・メディカル標準研究室なるものをつくりまして、こういう部分に対応しようとはしています。ただし、先ほど来申し上げているように、量、範囲が非常に多種多様であるものですから、我々だけではとても対応できないだろうと思っております。そういう意味では、他省庁の関係機関とも密接に連携をとって、情報交換をして、こういう分野に新たなプレーヤーとして入ってきていただくことを期待しつつ行っているところであります。
1点、2005年のところですが、研究開発という形でNEDOの委託費をとりまして、我々もこういう分野をこれから重点化しようと考えているところでございます。
簡単ですけれども、以上でご説明を終わらせていただきます。
○今井座長 中野委員、どうもありがとうございました。2つの資料を用いて、まず、国内の計量標準の整備の現状を詳しくご説明いただき、最後の方に、時間の関係で詳しくご説明いただけなかったのですけれども、図がきれいに出ておりまして、次世代の産業基盤、いわゆる基礎的なところだけではなくて、先端技術にもこのようにつながりますよというところを含めてご説明いただいて、それは国際的にはどういう位置づけになっていて、特に最近の国際情勢として、どういう分野に新たに標準をつくらなければいけないか。それも、一つの国、あるいは一国の中の一つの組織だけではなかなか賄い切れないというところも含めて、共同で進めていこうではないかというご説明であったと思います。
ご説明の中で、特に国際的な課題になりますとたくさんの略語が出てきて、なかなかおわかりになりにくいかと思いますけれども、技術的な能力を示すという意味でのCMCとご理解いただければと思います。
それでは、ただいまの中野委員のご説明、ご紹介に関して、何かご意見、ご質問等がございましたらお願いいたします。
○河村委員 主婦連合会の河村です。すごく基本的なことを伺わせてください。
「計量標準整備の現状」のところで、最初のところで 250・
250とおっしゃいましたけれども、すごく基本的な質問なのですが、これは数が示されたと考えてよろしいのですか。
○中野委員 そうですね。整備の数という形です。
○河村委員 その後に、整備計画の策定というところで、何を整備するかを決めていったというご説明をしていただいたと考えてよろしいのですか。
○中野委員 まず、どういうものを整備しなければいけないかというのは、NIST等との比較で調査があって、それでイニシャルの整備計画は大体
250・250
だなというのが決まってきます。後でお話をしたのは、そういうイニシャルの整備計画が決まるのだけれども、時代の流れとともに、どういう整備計画を変えていった方がいいよねというお話はきっとあるだろうということで、アンケート調査等々やって変えていますといったイメージです。ですから、数がいきなり
250・
250あったのではなくて、ある程度の調査に基づいて、それなりの分野でどの程度になりますというイニシャルがあったのですけれども、それを時間の流れとともに倍増していきますといったイメージでございます。
○河村委員 何で伺ったかといいますと、8ページのところで、医療と食品のところの数が大変少ない。最近のトレンドがそうなってきたからというご説明がありましたけれども、それにしても余りにも少ない。今、現状でいろいろ変えていくとおっしゃいましたけれども、これをみると、2010年までにどれだけと決まっているようなので、まず最初、素朴な疑問として、どうしてこんなに環境のところが突出していて、食品と医療のところが少ないのだろうと。しかもこの数は不十分であるとおっしゃいましたので、トレンドが急激だったのかなと考えたのと、先ほど、NMIJだけでは拡大するニーズに追いつかないとおっしゃったことも印象的だったので伺ったのです。
○中野委員 そこがすごい悩ましかったのですね。今、医療、食品のところは確かに低いのです。そこを強化するために、例えば環境なり先端なり横の部分がありますけれども、そこのリソースを引き離して、医療、食品の分野に展開する選択があるのですが、そうしてしまうと、もともとの
250・ 250という設計のところが実現できなくなります。重要である250・
250は今のままでやります。新たに出てきた医療、食品等の部分については、繰り返しになって恐縮なのですけれども、我々だけでは対応できませんので、それは日本全体として連携して、そういうニーズにこたえていくようなシステム設計がぜひ必要であるというイメージでございます。
○今井座長 ちょっと補足させていただければ、資料7の「新分野での国際動向」のバイオや臨床検査、食品のところは、2001年から国際的にもこういう動きになってきて、従来の物理標準、あるいは化学の分野の主な標準物質だけではなくて、標準はもっと幅広い分野で必要だろうということが国際的に認識されてきて、メートル条約の中での協力関係をほかの国際組織、例えばIFCCやILACといったところに求めて、分担していきましょうということだと思うのですね。本当はNMIJはもっとやりたいけれども、人や資源などで追いつかない。ここだけはやりましょうということで控え目に書いてあるのかもしれませんけれども、実際にはNMIJだけではなくて、ほかの国内の有力な機関と連携して、もっともっと広げていくということで、オールジャパンとしてはもっと広がるのだと思います。中野さん、そういう理解でよろしいですか。
○中野委員 8ページについてはちょっと誤解があるかもしれません。今現在の整備計画の絵姿としては、食品、医療・健康のところが未整備の予定になっています。今後、社会の中で連携がうまく動き始め、さらにリソースがこの部分についていけば、食品、医療・健康はどんどん増やしていく。もちろん、そういうことで考えております。
○梶原委員 三菱化学の梶原と申します。その関連なのですけれども、いろいろ計量標準を整備していく。特に化学物質に対しておくれているということで、標準物質等、これからどんどん充実させていく必要を感じるのですけれども、VOCとか規制がどんどん発生してきているという実態と、今お話があった新規分野といいますか、技術の革新・発展に伴って、整備すべき対象がどんどん広がっていることに関してお話がございました。今、
250・
250というお話がございましたけれども、こういった標準物質を整備する対象、優先順位といったものの方向性を決めていくのはNMIJさんがなさるのですか。行政がやるべきという気がしますが。
○今井座長 次の議題に入りそうな気配ですけれども、河村委員と梶原委員、非常に連携のいいご質問だったと思います。事務局からお答えいただきたいと思います。
○徳増課長 まさにその辺が、このワーキンググループで方向性を出していただきたい部分と思っておりまして、次の議題の中に今後の検討事項として整理させていただいて、その中でさらに議論を深めていただきたいなと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
○今井座長 河村委員と梶原委員、よろしいでしょうか。
○河村・梶原委員 はい。
○今井座長 ほかの委員の方、何かご質問ございますか。
特にございませんようでしたら、まさに次の議題とも関係いたしますので、次の議題に移らせていただきたいと思います。中野委員、ありがとうございました。
議題3の(2)の「検討の進め方等について」ということで、資料8に基づいてご説明いただきたいと思います。ご説明は、事務局・徳増課長からお願いいたします。どうぞよろしく。
○徳増課長 中野委員から現状をご紹介していただいて、こういったことを前提といたしまして、このワーキンググループで今後検討していく事項について、簡単な項目の整理をさせていただきました。忌憚のないご意見をいただきたいと思います。
まず、第3ワーキンググループの検討事項として、大きく2つに分けて書かせていただきました。1つが「計量標準供給とトレーサビリティの確保」ということ、2つ目が、資料8の2ページ目になりますけれども、「環境計量証明事業」ということで、大きく2つに分けて議論していくのかなと考えております。
まず、1つ目の「計量標準供給とトレーサビリティの確保」ということでございますが、先ほど来ご質問していただいておりますけれども、社会的ニーズが飛躍的に高まっている。これまでの専門家の間で使われる非常に専門的な標準という概念から、国民の生活に非常に密着した社会的なさまざまな課題に対応して供給・整備が必要だということになったときに、(1)でございますけれども、社会的ニーズが飛躍的に高まる中で、計量標準の整備計画の策定のあり方について、いま一度検討することが必要ではないか。先ほど中野委員からご紹介いただきましたとおり、知的基盤整備特別委員会という経済産業省の諮問委員会の中で、海外の動向を踏まえながら整備計画を作成し、関係者の意見を用いて微修正しているというのがこれまでの整備の仕方であったわけですが、社会的ニーズがここまで高まっている中で、その策定のあり方について考えるべきではないかということ。
(2)にございますのは、その際に、さまざまな関係府省の方々からの意見をどういう形で集約し、反映させることが適当なのだろうかということ。
(3)にございますのは、先ほど能登企画官からご紹介させていただきましたけれども、産総研が国の機関から独立行政法人という形になった中で、独立した計画づくりが求められるわけですけれども、そういった目標、計画づくりにどのように反映していくのかということ。
こういった点を検討することが必要ではないかということでございます。
(2)に書いておりますのは、「国家計量標準、国家計量標準機関について」ということでございます。国の大もと、さらには国家の相互承認の基本になる標準、あるいは、それを供給している標準機関についてのことでございますが、国際的な日本の代表機関として位置づけられている国家計量機関が供給する標準の位置づけをもう一度、国際化が進展している中で、明確に見直して、議論していくべきではないかというのが1つ目。
2つ目は、国家計量機関なるものが、国際社会、国際相互承認の中で信頼を確立していくために具備すべき要件、あるいは果たすべき責務について、もう一度、議論を整理するべきではないかということ。
それが、国の代表たる標準、あるいは機関についての検討項目でございます。
3つ目は、既存の法律の中においても位置づけられておりますが、国家の計量標準機関を補完して、国として標準供給を進めていく組織として、計量法上に指定校正機関という位置づけがございます。この「校正」という言葉は、ほかの校正システムと紛らわしいのですけれども、実態的にいいますと、指定計量標準機関といった方がわかりやすいかもしれません。これは、国の産総研(NMIJ)を補完して、計量標準を供給する機関ということで、現在、3つの機関が指定されておりまして、産総研が供給できない、あるいはリソースをもっていない分野について、補完して供給するという仕組みがございます。こういった部分が今後重要になってくることを考えますと、こういった機関の果たすべき役割の明確化、あるいは、そういったところと産総研との円滑な連携の確保ということを検討する必要があるのではないかということ。
この際、そういった機関が補完するにしても、国際的な信頼性を確保することが必要でございますので、そのような機関が具備すべき要件、あるいは果たすべき責務を明確にする必要があるのではないかということでございます。
4つ目は、主として化学系の標準物質に必要なことで、技術的な話ではございますが、今現在、大変多くの種類が使われているわけですけれども、その化学的な整合性を国際的にとるのは必ずしも容易なことではありません。非常に多様な標準物質について、国際的に整合性をとっていくということでございますが、そこにございますように、必ずしも一度に国際整合性を必要とせず、国内の中で、例えば、(1)のところにございますのは、業界や学会等の関係者間の合意ということで、国内におけるニーズに対応可能なもの、あるいは、(2)のところにございますが、国際整合性をとるのに時間は要するけれども、新しい分野、国内の認定・認証、先端の研究開発、技術的な法規制等において、とりあえず当面必要となる国家標準として供給していくことについても、これまでにないニーズとしてとらえて、そのようなことに対応する体制を考える必要があるのではないかということを4つ目として整理させていただいております。
以上が「計量標準供給とトレーサビリティの確保」ということで、今後検討を深めていくことが必要ではないかということで、事務局の方で議論のために整理させていただいた項目でございます。
1ページめくっていただきますと、「環境計量証明事業」ということで、(検討中)と書いてございますけれども、この部分については、このワーキンググループのみの議論ということではなくて、ここで用いられるハードウエアの機器等については、計量法の他の部分での検討における検査・検定といったところと連携して、考え方を整理していく必要があるということで、大きくは(検討中)ということで置かせていただいております。今後、そちらの議論と並行して、この辺を充実させていきたいと思っております。
ただ、その中に含まれております特定計量証明事業は、先ほど能登企画官からも紹介がございましたけれども、ダイオキシンの極微量計量に対応しまして整備された制度でございまして、これについては、制定後5年後に、ちゃんと機能しているかどうかということで見直しを行うという規定がございまして、その規定に基づいて見直すことが必要であるということで、ここに整理させていただいております。
その際の視点でございますけれども、法制度制定時に付されております附帯決議の観点から、大きく4つの項目で見直しの視点が整理されております。
1つは、地方分権化の推進ということで、都道府県の活用を随時進めるこということが入っております。
2番目にございますのは、民間活力の活用を見直すべきであると。見直しに当たっては、こういう視点で見直すことということが入っております。
3番目は、極微量物質のダイオキシンの測定・計測に不可欠な標準物質は、この法制定当時、国として供給できていないという事情がございまして、その開発等に積極的に取り組むということ。
4番目は、アジア地域を初めとした諸外国に対する協力を積極的に推進するということ。
この4つのことが、5年後の見直しに当たっての視点として、附帯決議に盛られている事項でございまして、この辺の視点に沿って見直すことが必要になっております。
「その他」と書いておりますのは、国際的な情勢のもとで、今回の審議に当たって、見直す必要があるだろうという項目でございますが、こういった極微量の計量証明事業における国際整合性がこの分野でも必要になってきていることを背景に置きまして、こういった業を行う、あるいは測定結果の信頼性を付与することにおいて、国際整合化が非常に重要になっているのではないかという視点でございます。
議論のためということではございますが、検討すべき項目を大変大ざっぱに整理させていただきまして、ご紹介させていただきましたので、忌憚のないご意見等をいただければと思います。よろしくお願いします。
○今井座長 徳増課長、どうもありがとうございました。
資料8で、2ページにわたっておりますけれども、主として第3ワーキンググループで検討すべき標準供給とトレーサビリティの確保ということで、4つに分けて整理していただいております。また、他のワーキンググループともかかわることですけれども、特に標準物質の開発、あるいは国際整合性という観点からは、私どもの第3ワーキンググループでもきちっと検討を進めておくべきではないかということでご説明いただいたと思います。したがいまして、このワーキンググループでは、この資料8の考え方に基づいて検討事項を整理していって、意見交換をしていってはどうかという事務局のご提案でございますけれども、この件に関しまして、ご意見、ご質問等ございましたらどうぞお願いいたします。委員の方々、忌憚のないご意見をお願いいたします。
先ほど梶原委員からご質問いただいた件ですけれども、このような形で進めていってはどうかということでございますが、梶原委員、何かお気づきの点がございましたらお願いいたします。いかがでしょうか。
○梶原委員 (2)の(2)のNMIJが果たすべき責務の中に多分入っていると思うのですけれども、いろいろなニーズというか、必要性の発掘から、そういったものに対するアクションプログラムをつくって、実行までするということすべてがNMIJさんの責務になっていいのかなということなのですが、そういう議論もこの中でされると考えてよろしいのですか。
○今井座長 差し当たってできることと将来的に検討すべき課題と両方あると思いますけれども、限られた時間の中で全部できるわけではございませんので、方向性としてマイルストーンみたいなものをつくっていただいて、ここまでは早い時期にやろうとかということになってくると思います。これは私の見解でございますけれども、事務局からお答えいただきたいと思います。
○徳増課長 今まさに梶原委員からお話がありましたように、NMIJとして、どこまで責任の範囲を担うべきかといったところについてもぜひご議論いただければと思います。
ただ、行政機関として、国としての責務が当然あるわけでございまして、計量法は、経済産業大臣が全体の責務を担っているわけでございます。その中で、国家計量標準機関として担うべき責務をどういう形で明確に定義するのか、また、責任の所在を明らかにするということで、そういった議論も必要だろうと思っております。
○今井座長 よろしいでしょうか。
○梶原委員 わかりました。
○今井座長 先ほどご紹介いただいた計量行政審議会、また、計量制度検討小委員会の本委員会の場でも出されたご意見の中にもございましたけれども、国としての行政府の役割、NMIJの役割、この分野を取り巻く産業界の役割といったことも含めて議論していってはどうかということになると思います。
ほかにご質問、あるいはご意見等ございませんでしょうか。
○瀬田委員 先ほどの中野委員の説明と指定校正機関という部分との兼ね合いで、今、特に大きな穴があって、今後ニーズが高まる医療、食品といったところは、厚労省の推奨というところの独立行政法人もしくは財団法人が相当協力してくれないと、NMIJ自身でやるには確かに大変だと思います。そのように省庁間の協議となると、この委員会の中で勝手に決めるわけにいかないので、現在、連携はどの程度できているのかという点について伺いたいのです。
○今井座長 ただいまのご質問に関しては、委員で出ていらっしゃいますし、説明もしていただいた中野委員の資料の中に国計連(国際計量研究連絡委員会)の話がちょっと出ていましたけれども、行政的につながっているかどうかというと、ちょっと疑問なところがございます。技術的にはかなり協力関係があって、情報交換等していただいて、国際会議等にも他省庁の方々に出ていただいていると私は把握しておりますけれども、中野委員からお答えいただけますか。よろしくお願いします。
○中野委員 今ご紹介いただきましたように、国計連に、厚労省、環境省等の担当の方に出ていただいて、去年の8月ぐらいからは、正規の委員として、厚労省の担当の方にご参加いただくという形になっていまして、各省庁へのご説明という形では、国計連を使いながらやっていくということかなと思っております。
一方において、各省庁の研究所に関しては、研究者のレベルで情報交換を進めておりまして、例えば食総研や環境研については、研究所、研究者間での現状のニーズを含めて状況の情報交換は頻繁にやっているわけです。ただし、このような連携を具体的な成果を生み出す社会的のシステムとして、どのように実現するかについては、我々もまだ暗中模索というところでございまして、社会システムとしてうまく回していく、うまく連携がとれるようなことをぜひ考えていただければなと思っておるところです。
○今井座長 資料8の冒頭、1.の(1)のところ、「その際に、関係府省の意見をどのような形で」ということとも関係すると思いますので、ご意見として承って、今後、このワーキンググループの中で議論を継続していきたいと思いますけれども、とりあえずはご提言ということでよろしいですか。
○瀬田委員 はい。
○今井座長 事務局・徳増課長からお答えいただけるようです。どうぞ。
○徳増課長 親審議会の場でも、省庁間の連携等について、十分な配慮が必要ではないかといったご指摘をいただいておりますし、非常に多様な分野に関係していくということでございますので、今後、こういった場での議論を踏まえまして、さまざまな関係するところとご相談させていただきたいと思っております。
○今井座長 瀬田委員、よろしいでしょうか。
○瀬田委員 はい。
○桑委員 筑波大学の桑ですが、医療関係に関連しまして、資料8の下の(4)項について質問させていただきます。
ちょっと細かな話になりますが、今、国際整合性はないにしても、国内で各学協団体がつくっているような標準物質がそれなりにあるわけです。(4)項では、そういうものは国際整合性がないということを前提に書いているわけですけれども、逆に、国際整合性をどうやってもたせるかということのやり方を別に考える必要があるのではないかということと、特に医療の領域ですと、我々、国内にないから、国外である団体がつくったものを導入して使うということがあるのですが、そういうものも国として吸い上げられるような形がある程度ないと機能しないのではないかと思っています。その辺はいかがでしょうか。
○今井座長 では、事務局・徳増課長からお願いいたします。
○徳増課長 まさにそういうことだろうと思います。先ほど附帯決議の中でご紹介させていただきましたけれども、ダイオキシンの計測について、標準物質の開発を進めるべしという附帯決議がついております。ただ、ご承知のとおり、大変な毒性等あり、ダイオキシンを製造するところは国内にはなかか見当たりません。したがいまして、国際的なものを受け入れるという枠組みが不可欠になってくるわけでございます。しかし、これまでの国家計量標準の考え方は、先ほど中野委員からご紹介いたしましたとおり、国として、国際整合性をもった超一流のものを供給することが主眼になっておりまして、そういうところからのものを受け入れるという枠組みはなかった。ところが、国際相互承認という枠組みが整い、その信頼性が確保されて、しかもそれが国内において重要な役割を担う。このようなことをいかに受け入れるのかということも、今後の計量法の見直しの中では議論すべきだし、まさに桑委員からご説明いただいたとおり、だからといって、では、整合性がとれないままほうっておいていいのかというとそうでもなくて、そのようなものの国際整合性をとる努力を継続しながら、現状のニーズにこたえていくことをあわせもった仕組みを考えることが必要ではないかと思っております。
現在、さまざまなやり方を検討すべきでございますけれども、ダイオキシンの例でご紹介させていただきますと、従前、ダイオキシンの測定においては、トレーサビリティが確保された標準物質を用いることが必要であるということではございますが、直接的な規定は余りなくて、可能な限り、トレーサビリティをとりましょうという努力目標であったわけでございます。しかし、国際的にも整合性をとる必要があるということで、本年、JISにおきます測定方法を改正いたしまして、国家計量標準にトレーサブルまたは国家計量標準機関が認めた標準物質を用いるということに明確に改正いたしました。この中で国家計量標準機関が認めたということは、国家計量標準機関が、国内において利用可能かどうかということについて判断を示すということで、国内における信頼性の確保と利用を進めようという一例でございます。これはまだまだ試行段階でございますけれども、こういった形で国内における社会のニーズを満たし、かつ、その信頼性を国家計量機関として担保していく仕組みを考え、それを計量法の中でも利用可能にしていくことが必要ではないかという問題意識でございまして、さまざまな場における実態を今後お伺いしながら、好ましい形をぜひご審議いただきたいなと考えております。
○今井座長 ありがとうございました。桑委員、よろしいでしょうか。
○桑委員 はい。
○久保田委員 1点、先ほど瀬田委員がおっしゃったことにもう少し補足してお願いしたい点がございます。環境、臨床、食品、いろいろな分野がそうですが、各省庁が社会的ニーズを反映させながら基準をつくられる。具体的にいいますと、例えば環境ホルモン物質や農薬のようなものは、新しい物質を次々規制せざるを得なくなってきていて、基準値を決めざるを得ないという状況にあるわけですけれども、決まってから、その段階で標準が実際には存在しないということがしばしばあるものですから、標準のユーザーである測定側が非常に困るということになるわけです。NMIJを初めとして、関係団体がそれから標準の開発にとりかかっても、どうしても2、3年のタイムラグが出てしまう。その間、外国のものを導入したりするということで一時しのぎをするのですが、その場合、その標準物質なり標準となるものの信頼性が我が国で十分に確認されているわけではない。また、試薬メーカー等が販売している試薬等を代わりに使わざるを得ないという状況が2、3年生じてしまうという現実がございます。したがって、「関係府省の意見をどのような形で集約し、」というところで、技術者レベル、研究者レベルでは意見交換が十分あるものの、行政サイドも十分に関与していただき、基準等を決めるときに、分析法の検討のみならず、その標準としてどういうものが必要か、現実に存在するのか、日本に存在していない場合に、どのくらいの期間でそれが開発できるのかいったことも含めて、うまく並行的に進められれば、環境の測定なり、食品の測定においても、ユーザーサイドに立った信頼できる値が出せるのではないかと考えますので、そのあたりはぜひご考慮いただけたらと思います。
○今井座長 大変いい視点からご意見をいただいたと思います。ありがとうございます。
○伊藤委員 計工連の伊藤です。先ほどの中野委員のご説明の中で、日本がとっている計量標準供給は、民間、階層性を利用した方法で、他国に比べて日本も計量標準供給が相当なされているということでございますので、我々の業界といたしましても、上位の計量標準は認めるわけでございますけれども、これから現場に適した階層性を検討の中に加えていただきたいと思っています。
○今井座長 ご意見、ありがとうございます。
○瀬田委員 今の階層性が十分に普及していなくて、JCSSが広がっていないということについて、認定機関として、私どもも責任を相当感じておりますので、我々自身としても、この点は、来期の目標の中で1個出したい点だなと考えています。
といいますのは、JCSSを立ち上げるときに、そもそもまず上から立ち上がったという経緯がございまして、我々も技術面は産総研のNMIJがカバーできる部分から始めたということがございます。その後、各界の協力を得まして、量によっては相当下位の方まで階層化が進んだなと思われる例があります。1つ例をいえば、長さなどは、関係者の協力を得まして、現場レベルまでトレーサビリティが完全につながったといっていい状態が多分できていると思います。ただ、多くのものについて、まだそうなっていないという現実がございまして、これは、我々自身が技術分科会等で、そういうところの技術の専門家の方々を集めて組織することを含めまして努力していきたいと考えております。その際に、伊藤さんの方もよろしくご協力くださいとなりますが。
○今井座長 ありがとうございました。
ほかにご意見、ご質問等ございませんでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、資料8に具体的に書いてあることも含めて、具体的にどう進めていくかという方向性は、この委員会の中の議論だけでは必ずしも十分みきわめられないと思いますし、まさに今、伊藤委員からご発言いただいたように、現場での状況を踏まえる必要があると思いますので、その辺も含めて、今後、具体的にどのように進めていくかという方向性を、事務局として徳増課長から幾つか示していただけるかと思いますので、お願いいたします。
○徳増課長 それでは、今後の議論の進め方について、2つ報告させていただきたいと思います。
1つは、この場でさまざまな議論をしていただく上で、海外の状況について、しかるべく段階でご報告する必要があるだろうと思っておりまして、現在、海外調査の準備を進めております。具体的な調査の進め方そのものについては、皆さん方にメール等で現在考えている案等を送らせていただきます。その中で、調査項目、対象国、進め方といったことに対して、またご意見をいただければと思います。
現在考えておりますのは、主要な国といたしまして、先ほど中野委員からもご紹介がありましたが、アメリカ、ドイツ、イギリス、計量の先進国でありますオランダ、この分野への取り組みが大変進んでおりますオーストラリア、隣国であります韓国といったところの状況を詳細に調査いたしまして、この委員会にご報告させていただきたいと思っております。それが1点です。
もう一点は、先ほどの進め方のところにも出ておりましたけれども、国内の関係組織の方々から、さまざまな現状及び今後の進め方について、ご意見を伺う機会をつくりたいと考えております。大変多様な関係の方々がおられるわけですけれども、現状に対する考え方と現場からある今後の方向性に対するご示唆は非常に貴重かと思っております。幾つかのグループに分けながらヒアリングの機会を設けたいと思っております。
まず、きょう産総研からご紹介いただきましたが、あのような形で、現状と今後の方向性について、ご意見をいただければと思っておりまして、最初に、計量標準を供給する側でございます、先ほどご紹介しました指定校正機関、あるいは、経済産業大臣と並びで供給の責務を担っていただいております日本電気計器検定所といったグループと、具体的な標準の供給、あるいはユーザーとしての業界団体でございます試薬協会、分析機器工業会といったところから話を聞かせていただければどうかと思っております。以下、計量法、トレーサビリティシステムの認定機関であります製品評価技術基盤機構さん、具体的な校正事業者の中核的存在でございます日本品質保証機構、日本計量振興協会、あるいは、非常に広い分野に関係しているということで、医療、環境、食品といった分野の研究機関の方から順次話を聞かせていただいたらどうかと考えております。
ただ、委員の方々全員に集まっていただいてヒアリングを実施するということになりますと日にちも大変限られ、また、時間も大変かかるということでございますので、座長と相談させていただいて、まず、ヒアリングの計画をつくらせていただいて、その中で委員の方々が参加できる部分、あるいは興味のある部分に参加いただいて、後でそれを全体で共有するという形で進めさせていただければと思っております。いずれにしましても、進め方については座長とご相談させていただいて、その結果を委員の方々にご連絡させていただくという形で進めさせていただきたいと思います。
なお、その際に、ヒアリングという性格もございますし、各組織の忌憚のないご意見を伺うといったこともこれあり、公開・非公開については、ヒアリングをしていただく方とご相談させていただいて、座長と相談して決めさせていただきたいと考えております。
海外調査を実施しますということで、その実施方法については、また別途ご連絡させていただき、意見をいただきながら調査して、その結果をこの場でご報告させていただくということと、関係機関の方からのヒアリングを進めさせていただきたいということ、この2点について、今後、こういう形で進めさせていただこうと考えております。ご紹介させていただきました。
○今井座長 ありがとうございました。海外調査と関係者のヒアリングということで進めていきたいということでございます。具体的には、メールベースでご意見を伺うこともあると思います。特に海外調査に関しては、技術的な面だけではなくて、先ほど何人かの委員の方々からご意見をいただきましたように、行政的にどのような考え方をして、どのような決め事をしているかということも含めて調査していただければと思います。また、関係者のヒアリングに関しましては、委員の方々、あるいはご関係の方々に直接プレゼンテーションをしていただくこともあるかと思いますので、その節はよろしくご協力いただきたいと思います。いずれにいたしましても、メールベースでご意見を伺う機会を設けたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
ただいまの具体的な進め方、海外調査と関係者ヒアリングに関しまして、何かご意見、ご要望等がございましたらどうぞお願いいたします。
よろしいでしょうか。
それでは、先ほどの資料8の第3ワーキンググループの検討事項は(案)になっておりますけれども、この(案)をとってよろしいかどうかということと、ただいまの具体的な検討の進め方ということで、海外調査と関係者ヒアリングということで進めさせていただきたいという事務局提案でございますが、それでよろしいでしょうか。ご意見ございませんでしょうか。
特にご異議ございませんようでしたら、こういうことで進めさせていただきますが、よろしいですか。
ご承認いただいたということにさせていただきます。どうもありがとうございました。
今もご説明いたしましたように、また全員の方にお集まりいただくのは難しいと思いますし、専門分野にわたる個別のこともあると思いますので、具体的な検討の進め方については、事務局と相談して、座長に一任させていただきたいと思います。日程等も含めて、そういうことでお願いしたいと思います。
また、繰り返しになりますけれども、全体の中で公開すべきことと公開できないことが出てくると思いますけれども、その判断についても事務局と座長にご一任させていただいてよろしいでしょうか。
ありがとうございます。それでは、いろいろなことでご連絡申し上げることがあると思いますけれども、ぜひご協力いただきたいと思います。
きょう、非常に限られた時間でございますけれども、状況説明、バックグラウンド、今後の進め方の具体化ということでご説明いただいて、それぞれ事務局ベースでの進め方についてご承認いただいたと思います。
きょうの議事録については、これでよろしいでしょうかということを伺わせていただきますけれども、原則的には公開ということでご承知おきいただきたいと思います。
きょうは第1回でございますけれども、状況説明等の資料を大変わかりやすく用意していただいて、また、プレゼンテーションもほとんど予定どおりの時間で進めていただきまして、本当にどうもありがとうございました。
第2回については、海外調査、あるいは関係者ヒアリングの日程等の詰めもございますので、具体的にきょうお示しできないかと思いますけれども、これも皆さんのご都合を伺いながら、第2回をいつにするかということを決めていきたいと思いますが、事務局として何かご連絡することございますか。よろしいですか。
○江口課長補佐 はい。
○今井座長 きょうは、本当に暑い中、また、月が改まった最初の日にお集まりいただきまして、貴重なご意見をたくさんいただきました。今後ともこのようなペースで進めてまいりたいと思いますので、ぜひ忌憚のないご意見をたくさんお寄せいただきたいと思います。また、事務局からメールベースでご連絡を差し上げると思いますので、よろしくお願いいたします。
本日はどうもありがとうございました。これにて閉会といたします。
――了――
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