1.日時:平成17年10月6日(木)15:00〜16:55
2.場所:経済産業省別館11階1120会議室
3.出席者:今井座長、伊藤委員、桑委員、齋藤委員、芝田委員、杉山委員、瀬田委員、田畑委員、中野委員、畠山委員、松本委員、三浦委員、望月委員、山領委員
4.議題:1 計量制度検討小委員会第3WG第2回会合議事録について
2 関係者ヒアリング((独)製品評価技術基盤機構、(財)日本品質保証機構、(社)日本計量振興協会認定事業者部会)
3 その他
5.議事要旨:
事務局からの委員紹介の後、座長から、今回開催の趣旨及びWGの公開についての説明がなされた。
議題1 計量制度検討小委員会第3WG第2回会合議事録について
第2回会合の議事録(案)の内容について御確認頂きたい旨連絡がなされた。
議題2 関係者ヒアリング
○認定機関として、独立行政法人製品評価技術基盤機構認定センター所長 瀬田
勝男委員から、試験所認定の現状と可能性について、プレゼンテーションがなされた。
主な質疑等は以下のとおり。
・ 計量標準供給制度全体を広めていく上では、NITEとJABと併せて行っていくことが必要と思うが、両者の間で棲み分けはなされているのか。
→計量法の校正事業においては、現在のところNITEの認定が圧倒的に多いので、今のところ特に調整はしていない。校正事業以外については、民業圧迫とならないよう調整しているところ。
→適合性評価全体については、国内の認定機関の相互の共通理解・協力等について、日本工業標準調査会適合性部会で報告書が出されており、現在認定機関連絡協議会を作る方向で動いているところ。
・ JCSS制度の問題点としては、新分野や組み立て量等で対応できないということがある。これは、国家計量標準そのものの品揃えが足りないということ、また、民間事業者が多種多様な計量標準を柔軟に組み立てていくということがあり、NITEとしては、民間事業者が柔軟性をもって組み立てていくことに関し深く関係すると思うが、これについて御意見はあるか。
→何らかの新分野や組み立て量といったJCSSリストに載っていないような場合、ASNITEを使い認定せざるを得ないが、ブランド力は圧倒的に弱く、組み立て量について、法的な規格まで遡らなくても立ち上げられることがJCSS制度でできればありがたいと感じている。
・ 標準供給機関として日本は米・独と比べ規模は小さいと聞いているが、認定機関についてはどうか。また、計量法の改善希望とは。
→世界バラバラであるが、多数の認定機関を抱えているという点では、米・独・日は似ている。また、認定されている校正機関については、日本は世界的に相当高いレベルまで校正出来る校正機関が多い。
改善希望については、JCSS制度の校正認定の対象となる量について、新技術等に対応できるようなフレキシビリティが欲しいことや、JCSSの認定対象は校正のみであり、計測機器の性能全般まで対象となるようにして欲しい。こうすれば、基準器検査の代替が可能。また、できれば、JCSSをとった以上完全に国際相互承認の枠の中に入るような規定になるとありがたい。
・ MLAPについて、相互承認の方向性についてはどうなっていくのか。
→現在、要望としてはISO17025+技術基準の形の認定制度に移行して欲しい。また、サーベイランス周期を2年以内にするとありがたい。これによりMLAPをとると国際相互承認の対象となる。
・ JCSSの階層化が大幅に認められた点についてのメリット・デメリットについて、認定機関としての考えは何か。
→メリットとしては、相当実用的な現場レベルの校正まで認定できるようになり、また、校正事業者にとっても産総研の高価な校正を受けるほどの精度を必要としないが、トレーサビリティを確保したいような場合にメリットが大きかったのではないか。デメリットとしては、制度面での階層化は良かったが、例えば化学標準については混合標準物質の対応がいくらでもできるはずなのに、未だに認定に至っていないことについて、NMIJやNITEの努力が足りていないといったことが考えられる。
・ 認定事業者のところで、NMIJからの標準の範囲を拡張したり組み立てたりした場合に、NMIJでは実用的な部分では知見が無いことから、その内容を誰が認めるのかといったことが問題として考えられる。
→国として幅広く全体をウオッチしながら、例えば委員会レベルで決めるような場が必要かと思われる。
○認定事業者として、(財)日本品質保証機構理事 杉山
喬委員から、・現状における認定(登録)事業者の校正業務の実施概要と社会的要請、・認定(登録)事業者から見た今後の標準供給、国際整合性及び国内トレーサビリティ体制のあり方に関しプレゼンテーションがなされた。
主な質疑等は以下のとおり。
・ 2004年度においてJCSSよりもA2LAの証明書発行件数が多いが、内容的には、JCSSで扱っているところとかなりオーバーラップしているところがあるのか。その場合は申請者の要望に応じてどちらにするのかということになるのか。
→長さ分野については約80%ぐらいはオーバーラップしている。また、どちらにするかといった希望があれば、そのように対応している。むしろ、JCSSとA2LAが混在した証明書よりも、どちらかに統一してくれといった要望が強い。
・ オシロスコープのA2LA校正について、オシロスコープの標準器を用いて校正しているのか、それとも電圧と時間による校正をしているのか。
→標準器があるわけではなく、組み立て量という考えで、それぞれ国家標準とトレーサブルだということで、A2LAより認定をいただいている。
・ JCSS認定事業者140社は増加しているのか。またそれぞれ事業の拡張を希望しているのか。
→本業界に参加する者や事業拡張する者は毎年増えている。その背景としては、産総研から供給出来る国家計量標準が急激に増加してきていることがある。なお、JQAとして認定がとれるものについては積極的に対応している。
・ ロゴ無し証明書がかなり出ており、これは必ずしもロゴが無くても現場で技術の確認が出来れば良いというレベルであろうと思われるが、どこまで必要かといったことを啓発し、使い分けて頂く必要があると思う。
→企業の方のJCSS、A2LAの重みに対する理解がまだまだ不足している。しかしJQAとしては依頼を受ける際、ロゴマーク付き証明書を発行することによりISO9000等の外部の審査に通用するといったことを情報提供し、普及促進の一助としている。
・ JCSS制度の立ち上げ時には、指定校正機関となっていたが、これは相当の負担になっていたのか。それとも認定業務に集中する方がやり易いということなのか。
→指定校正機関として技術が身に付くのでありがたいところではあるが、業務として採算を考えるとかなり重荷になっていたところ。
○認定事業者として、(社)日本計量振興協会認定事業者部会幹事 山領
泰行委員 から、・校正業務の実施概要と社会的要請、・認定事業者から見た標準供給・国際整合性及び国内トレーサビリティ体制のあり方について、プレゼンテーションがなされた。
主な質疑等は以下のとおり。
・ 海外の標準の採用について、海外の標準研究機関(NIST、NPL等)の標準を認めるということと、その海外の校正機関の標準を認めるということと意味が2つあると思うが、ユーザーはどちらを意図しているのか。
→標準物質に関しては、海外の標準をJCSS制度の特定標準物質として受け入れれば、標準の供給が出来るのではないかとの話し有り。これがNMIなのかあるいはその下の認定機関から出された標準なのか限定されていないが、特定標準物質ということからは、NMIから出されたものを意図しているのではないか。
・ 基準器検査制度とJCSS制度について、双方の長所を生かした制度の検討とあるが、具体的なイメージは何か。
→具体的なイメージはないが、今の基準器検査制度にどうやってJCSS制度をうまく取り入れていくかということを意図している。
→基準器検査で求めている精度は厳しいものではなく、制度そのものの流れが異なるが、国家標準としては基準器検査制度であってもJCSS制度であっても一つでなければおかしい。ただし、計量法だけでなく国際条約であるOIMLの中でも型式承認を含めて、法的な機器に関するトレーサビリティの流れとしては、器差という言葉を使用しており、器差とJCSS制度の流れである不確かさとは必ずしも一致していない。法的な縛り、あるいは慣習的なことにより、両制度が同じ標準に辿り着くということが明確になっていないところであり、第1WGでも議論されるところ。
議題3 その他
事務局から、第3WGの今後の開催スケジュール(次回10月26日等)について説明を行った。
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