1.日時:平成17年11月15日(火)
13:30〜16:00
2.場所:経済産業省別館9階944会議室
3.出席者:今井座長、伊藤委員、梶原委員、河村委員、齋藤委員、芝田委員、杉山委員、田畑委員、中野委員、畠山委員、本多委員、松本委員、三浦委員、望月委員、山領委員
4.議題:1 関係者ヒアリング
((社)日本環境測定分析協会、東京都環境科学研究所、鰹Z化分析センター、神奈川県環境農政部)
2 その他
5.議事要旨:
事務局から委員の出欠について報告の後、座長から、今回開催の趣旨及びWGの公開についての説明がなされた。
議題1 関係者ヒアリング
○環境計量証明事業関係者として、(社)日本環境測定分析協会 田畑 日出男
委員から、環境計量証明事業に関する現状と社会的要請、今後のあり方、期待することについて、プレゼンテーションがなされた。
主な質疑等は以下のとおり。
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県に登録することとなっている環境計量制度について、有効期限を設けるべきではないか、また、MLAPについてISO17025を導入すべきとの話しがあるがこれについてどう考えるか。
→環境計量証明事業については、更新のための立入検査等を行うことにより、精度管理を行った方が良い。また、環境計量士も同様に更新制度を導入することにより、一層の精度管理が図られるのではないかと思う。また、17025についてはMLAPとほとんどオーバーラップしていることから、MLAP制度に導入し相互認証とすることを期待している。なお、17025の取得には項目毎に大変厳しいことから、環境計量事業者が積極的に取得出来るようなことを考えて頂くとありがたい。
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環境計量士の資質向上について、技術士については、CPDプログラム等により日々自己研鑽するシステムを作ろうとしているが、環境計量士については、更新制度により確保しようということか。
→何らかの方法を考えていくことが必要であるが、登録要件を満たしているかどうかといった更新方法もあるが、事業所に対する講習ということでチェックしていくこともあるのではないかと思う。また計量証明事業者は計量士とリンクしていることから、計量士にも更新制度、講習制度を導入して頂きたい。
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不確かさについて、今後益々導入していかなければならないと考えているか。特に化学については機器という面では高感度分析をしなければならないことから、本当にこの部分に不確かさを導入できるのか。
→標準物質に対するトレーサビリティとともに考えていくことが必要。測定機器の構造についてはほとんど無知であることから、日環協でも機器研修を行っているところ。これと一体となってやっていかなければならない。不確かさについては、化学分析には必要となるが、環境測定からは、採取した試料についていかに精密に測定したとしても、サンプリングの状態とか測定地点の選定とかの要素の方が最終的な値に与える影響が大きい。このため、サンプリングポイント選定とサンプリング時期・時間の問題を踏まえて検討した方が、環境を評価する上では重要と考えている。
○環境計量証明事業関係者として、東京都環境科学研究所 佐々木 裕子
分析研究部長から、環境測定分析の精度管理−課題と期待−についてプレゼンテーションがなされた。
主な質疑等は以下のとおり。
・ トレーサビリティの確保のために国外の標準をどれくらい使っているのか。
→標準ガスについては当初はかなり海外の標準を使用していた。最近は国内の標準で対応している。
・ 海外の標準でも十分信頼性があると考えているのか。
→本当に正しい物かどうかは環境分析者には確認ができない。
・ 環境標準試料の関連で、特に標準物質の整備が今後求められるということであるが、その視点はどういうことか。
→新たな分析法ができているが、従来測られていたようなフッ素やホウ素等といった物質についての測定法が、土壌であるにもかかわらず、溶質試験法等は水のものをかなり持ってきており、妥当性を調べていくと、まだまだ公定法であっても問題があるものがあるのではないかと感じている。それが本当に大丈夫かどうかを検証するには、環境標準試料が重要となってくる。また、技術の維持・継承の観点から、様々な物質について環境標準試料が整備されていることが求められる。
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分析受託機関の5%ぐらいを抜き取りチェックしているとのことだが、その結果、どれくらい問題のあるものが見つかるのか。また、自治体でのチェックは効率的か、あるいは第三者機関による肩代わりはできないか。
→MLAPや環境省受注資格を取得していても、毎年再分析してもらう所が出ており、MLAP取得機関であっても東京都で入札資格を止めている所もある。また、環境局で委託する物は様々であり、これらを第三者機関でチェックしてくれれば効率的ではあるが、なかなか今現在ではそのような状況にない。なお、全国自治体は全国環境研協議会を構成しており、外部精度管理への参加であるとか、意見交換をしているところ。
・ 再分析が必要となる所は、結果を報告されてわかるのか、それとも現場への立入検査によりわかるのか。
→両方である。
・ 研究所の中での人材育成については、オンザジョブトレーニングか、それともマニュアルで対応しているのか。
→マニュアルを作っている。環境省の所沢研修所への参加や学会に出席をさせている。
○環境計量証明事業関係者として、鰹Z化分析センター 高橋 稔
事業企画室技術担当部長から、環境計量証明事業の現状と問題点について、プレゼンテーションがなされた。
主な質疑等は以下のとおり。
・ 社会的なニーズに対応した新しい手法や機器の採用等があるが、具体的に規格の中で新しい方法を採用していくべきとのことか。
→そうである。
・ 新しい分析技術の開発及び提案として、JISやISOの委員に参画する場合もあるのか。
→社内に技術センターという部門を有しており、新しい技術の開発等を行っているところ。
・ MLAPのISO17025への完全整合化の意味は。
→今後の国際化を踏まえると、ビジネスがやりやすくなることから、国内だけの基準だけでなく海外にも通じるようにすべき。
・ 環境省の受注資格審査の場合は、国際的対応も考慮されているのか。
→ISO17025に準拠しているわけではない。
・ MLAPの分析コストと受託料金の格差について、どのように解決されているのか。
→この分野ではほとんど利益がでない赤字の状況であり、ちゃんとした精度管理をやらないということではなく、他の事業部門でなんとか吸収しているのが実態。競合他社が非常に多いということと入札制度の影響により受注価格が低下しており、精度管理も含めた適正な料金というものを認めてもらえるようにしていくことが必要。業界としては苦しい対応を迫られている。
○環境計量証明事業関係者として、神奈川県環境農政部 鳥井 重雄
環境農政課主幹から、環境計量証明事業(MLAPを含む)に関する現状(実施概要)、社会的要請、環境計量証明事業の今後のあり方、期待することについて、プレゼンテーションがなされた。
主な質疑等は以下のとおり。
・ 異常値をどう発見するのか。
→毎年定期的に測定しているものについては過去のデータもあることから、これとの比較や、値が変化した場合等総合的に判断している。
・ 今後も自らが運用しているISO17025のような対応をするのか。それとも第三者認証にするのか。
→ISO17025やMLAPがあれば何も心配がないというわけではない。
→MLAP等の絶対値の基準を満たせばどんな企業も参入し自由競争することができ、一方で、発注者が自己責任で業者を確認していくことが今の政府の規制改革の方向。
・ 利害関係のない第3者が検証することが必要。これにより安く請け負い、いい加減な結果を出すことが損をするというようなことになれば良い。
→最近の傾向としては第3者証明が当たり前の流れとなっている。
議題3 その他
事務局から、第3WGの今後の開催スケジュール(次回12月2日(金))について説明を行った。
以上
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