|
基盤技術もとに新たなアプリを開発(株)エー・アンド・デイ 古川陽社長に聞く 聞き手は横田俊英論説員 vol.2 |
日本計量新報 2015年1月1日 (3039号)第2部4-5面掲載
標準化と製造移管でコスト低減4年かけて実施車関係の仕事は数は出ますが、標準化をして製造移管をしないとコストを下げることができません。そこで標準化と製造移管を4年かけてやり、その目処がだいたいついてきました。 ベトナムに製造拠点を新設まずは家庭用血圧計等の製造から現在当社は、中国では部品の製造から最終アッセンブリまでをやっていますが、中国では人件費が上がってきていますので生産コストも高くなっています。そこで、部品の製造部隊だけを中国に残して、最終アッセンブリはベトナムへ移します。 ーー中国では人件費はどのくらい上がっていますか。 当社が中国へ進出した頃と比べて3〜4倍ほどになっています。ただ、中国から完全に撤退するということではなくて、最終アッセンブリの工程を移すということです。部品は機械がつくりますから、その生産性を上げればよいのです。 基盤技術とアプリケーションリーマンショク以降、エー・アンド・デイも業績の停滞がありましたが、これまで述べたような新しい局面がいろいろ出てきていますので、それが起爆剤になると思っています。 海外60%、日本40%になっていく生産、販売とも約50%は海外ーー貴社における海外の比重はどのくらいですか。 売上、生産とも約50%は海外になっています。この流れはどんどん進んでいきます。 ハイテク製品は日本で生産ただすべての製造が海外に移転するわけではありません。日本に残るものもあります。たとえば、生産においても技術力が要求されるもの、いわゆるハイテク製品は日本で生産していくことになります。 自動車関連の先端技術でも優位性ーー貴社の他の事業についてはいかがでしょうか。 航空・宇宙関係も継続強化航空・宇宙関係は、売上はまだ多くありませんが継続して強化していきます。国には、次世代のロケット計画がありますが、それに当社も関わっていきたいと考えています。なかなか継続的な商売にならないところが頭が痛いところです。 バッテリーやモーター関係で引き合い燃料電池車や電気自動車などの自動車関連の先端技術に関しても、エー・アンド・デイは優位性を持っていると思います。エンジン技術のなかには、ヨーロッパやアメリカの航空・宇宙産業で培われたものがあります。この面では、日本は10年ぐらいの遅れがありましたが、先端分野ではスタートが海外メーカーと同一ですから非常にやりやすいですね。バッテリーやモーター関係の引き合いがきています。 −−自動車の将来はどうなりますか。 私は従来のレシプロエンジンは残っていくと思います。少なくともここ10年ではなくならないですね。もともと自動車の駆動に関しては、誕生時点からエンジンとモーターの戦いでした。それで現在はエンジンの方が効率がよいので主流になっています。 メディカル関係にも力入れるメディカル関係にも力を入れています。現在は血圧計を中心になっていますが、まだまだ不十分ですので、医療関係の分野はぜひ広げていきたいと考えています。 技術を活かすーー経済の現状をどのように見られていますか。 産業構造の転換期われわれを取り巻く市場の景気はなかなかよくなりません。さらにそれに輪をかけて、日本企業の家電や通信が、世界との競争で後れを取りましたね。しかし、逆に、これまで逆境にあった重厚長大といわれた分野はよみがえってきています。重厚長大はコピーしようとしても難しいのですよ。わたしは、現在は日本の産業構造の転換期だと認識しています。 人材の確保人材も重視しています。エー・アンド・デイは、苦しいときでも毎年かならず採用しています。創業以来、採用ゼロの年はありません。 病院や食品メーカーで粘度計の需要が高齢化社会への適応も大事です。当社が医療用機器に力を入れているのもその一環ですが、技術を活かすということで1つ例をあげます。。 ーーエー・アンド・デイの売上目標をお聞かせください。 創立40周年には売上500億円めざすエー・アンド・デイは2017年に創立40周年を迎えます。創立40周年には売上500億円を達成しようということでがんばっています。 −−ありがとうございました。 |