「変革対応」で、世界一の企業めざす石田隆英氏 (株)イシダ 社長 vol.1 |
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石田隆英 代表取締役社長 1970年2月24日生、京都府出身 【学歴】 |
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日本計量新報 2012年1月1日 (2899号)2部4-5面掲載
アジア市場の伸びに対応
−−世界の経済情勢をどうご覧になりますか。欧州では債務危機が深刻ですが。 欧州債務危機を不安視欧州債務危機は、そもそもの発端はリーマンショックから始まっています。現在は、ギリシャだけではなく、スペイン、イタリア、そしてフランスにまで波及拡大しています。ギリシャ、イタリアなど政権が交代する国も出て、国自体の信頼性が揺らいでいる状況で不安視しています。何かのきっかけで世界恐慌という事態も考えられます。 イシダへの影響は小さいイシダも、リーマンショックの後 2年くらいは、国内では業績が落ち込みました。しかし、食品関連の投資は堅調で大幅な落ち込みはありませんでした。 実体経済は悪くない世界的に見ても、BRICsを中心に、新興国の経済は引き続き伸びています。人口が増えている国が国力を増しているとも言えます。つまり、人口が増えるということは“胃袋”の数が増えることになりますから、食品関係の需要も増え投資も増える状況です。実体経済は伸びており、力強いものを感じています。 アジア経済は伸びているイシダの売上も、アジア市場で伸びてきています。中国は対前年比で150%、インドで200%になっています。アジアでは若年層の人口が増えており、中国やシンガポールの経済は、GDPの伸びが高水準を維持しております。われわれもアジアでのさらなる経済の伸びを期待しています。 ベトナム、インドネシア市場の伸びに期待イシダは、アジア市場の伸びを見込んで、2010年2月ベトナムに駐在員事務所を、2011年6月にはインドネシアに駐在員事務所を開設しました。 3つの円高対策円高による為替差損で利益に影響が出て、円高対策には本腰を入れて取り組まなければならない非常に厳しい状況です。 イシダは3つの対応をしています。1つ目は、「輸出と輸入のオフセット(相殺)」です。ただ、輸出よりもどうしても輸入が少なくなるので、部品などを海外から買うなど輸入を増やして、輸出における為替差損を相殺するようにしています。2つ目は、当社製品の現地生産の拡大です。現在、中国、韓国、イギリス、ブラジル、に生産拠点があり、この海外生産拠点での生産を拡大しています。3つ目は、ヨーロッパを中心に、優良な会社に対するM&A(企業の合併や買収)の可能性を探っています。 復興へ向けて−−日本の津波・地震被害が経済に及ぼす影響、イシダの事業への影響はどうでしょうか。 復旧へ向け製品が必要とされたまず、東日本大震災により被災された皆様には心よりお見舞い申し上げます。かつて経験したことのないほどの悲惨な状況を目の当たりにし、心が引き裂かれる想いです。我々に何が出来るのかと考えますと、被災した人々へ食料供給のライフラインを絶やさない、つまり食品スーパーや食品工場の生産を止めないことが我々が一番できることです。本来の仕事をしっかりと、きちんとやって行くことこそが使命であると感じております。イシダはお客さまの一日も早い復旧・復興に向けて全力をあげて取り組んでいるところです。 |
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