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安全・安心と持続可能な社会づくりに貢献

鎌長製衡(株) 鎌田長明社長インタビュー

聞き手は高松宏之編集部長

vol.2

日本計量新報 2012年8月5日 (2928号)4-5面掲載

鎌長製衡は何をめざすのか

鎌長製衡とは何をする会社なのか

私が社長になるにあたって、鎌長製衡の企業ドメインをしっかり定める必要があると感じました。
 当社では、毎年、社員が参加して経営発表大会を開催しています。参加者全員が立てた目標を発表しています。社員全員が目標を持って仕事に取り組んでいこうというのが目的なのですが、私はこの場で、鎌長製衡とは何をする会社なのかということを提起しました。

安全・安心を提供する製品を提供

それは、安全・安心と持続可能な社会づくりに貢献する製品・サービスを提供する会社であるということです。
 はかりというのは、取引の安全・安心を提供する製品です。今後はこれを一歩進めて、たとえば三次元重心測定トラックスケールのように、取引の安全・安心だけではなく、交通の安全であるとか人の安全を守るような機器を開発・提供をしていきます。また、放射能測定機器のような安全・安心に貢献する測定機器などへも事業展開していきたいと考えています。

持続可能な社会づくりに貢献する製品を提供

持続可能な社会づくりでいえば、当社の環境リサイクル機器は、持続可能な社会づくりに貢献する製品です。それを推し進めた、より圧縮効率、分別効率が高い製品を開発していくことはもちろんですが、単に機器の開発というだけではなく、リサイクルの流れをつくっていける製品を開発・提供していきます。
 たとえば、石膏ボードの分別機です。現在は、リサイクルの用途がなく捨てているのが現状です。石膏ボードは、石膏と紙でできています。これを分離して石膏だけにすれば、利用価値が高まります。そしてそれを乾燥させたりしていくようにすれば、リサイクルの流れというものを提供できるようになります。

リサイクル全体をサポートする企業に

こういうふうにリサイクルの流れが構築できれば、単なる機器ではなくリサイクル全体をサポートするシステムになります。
 プラントエンジニアリングで、リサイクル全体をサポートできる企業に成長していきたいと思っています。

セーフティーステーションを提供

−−放射能測定へのサポートは、具体的にはどのようなものを考えられていますか。

たとえば現在、産廃事業などで必要になるハンディー型の測定機器を販売しています。また、トラックスケールに設置して、質量の測定と同時に、偏荷重や重心位置、そして放射線量なども測定できるようにして、ワンストップでさまざまな測定ができるものを提供していきたいと考えています。当社ではこれをセーフティーステーションといっています。

プラントエンジニアリングで安全・安心を提供する

−−プラントエンジニアリングとは、具体的にはどのようなものですか。

現在当社が手がけているのはリサイクル施設で、施設の建物から内装、設置する装置、機械類まですべて統一して設計・設備します。リサイクル施設に限ったものではなく、配合施設などさまざまなものに適用できます。
 これもはかりなど単品の機器を使っていただくということだけではなく、全体をまとめさせていただいて、施設全体の安全・安心を提供するということになります。

コア製品があってこそできる

これもコアになる製品があってこそできることです。当社でいえば、トラックスケール、ホッパースケール・パッカースケールなどの自動包装システム、環境リサイクル機器などで、これらのコアとなる製品の実績や経験などの積み重ねがないと、プラントエンジニアリングはやることができません。
 工場のなかではかりが果たしている役割は重要です。質量を測定することにより、品質や生産量が管理されています。したがって、はかりがプラントのなかでどう機能していくのかということ、ラインのどこで計るのか、どう計るのかということが、プラント全体を左右することになります。当社はここに豊富な経験がありますので、最適なプラント構築が可能になります。

営業と設計開発に力入れる

機械、電気、ソフトが全部できるのが強み

−−技術開発に力を入れられていますね。

当社の強みは、トラックスケールに代表されるように、鋼材を組んでつくる機構部から計量結果を表示する指示計やデータの処理まで、要は、機械も、電気も、ソフトウエアも全部、しかもバランスよくできるということです。自動機器に関しても同じです。
 営業マンに関しても、この3つをバランスよく教育しています。

社員の半数強が営業と設計開発

当社の社員は約150名ですが、うち約40名が営業マン、そしてほぼ同数が設計・ソフト開発に携わっています。営業および設計開発に力を入れている会社ということができます。
 やり方も、一点突破というよりも、営業マンが顧客のニーズをくみ取って、それを設計部門が図面化し、協力会社にお願いして部品をつくり、それを組み上げて製品に具現化していくことになります。これが私どもの強みです。

老舗の強み

このあたりが老舗の強みといいますか、長年のノウハウの積み重ねがありますし、会社自体もいくつもの苦難を乗り越えてきて現在がありますから、そのなかでさまざまなやり方が淘汰されて、現在の形が形成されてきました。
 私は海外へ行ったときにつくづく感じるのですが、これは日本ならではの形だともいえます。当社はさまざまな協力会社に部品・製品の製造などをお願いしていますから、その分野が全体として優れた技術レベル、品質レベルにないと、当社のような会社は成り立たないのです。

メンテナンスの向上はかる

−−メンテナンスはどうなっていますか。

鎌長製衡の製品を扱っていただく販売店が全国に40数カ所ありますので、それをベースにメンテナンスを実施しています。
 年に数回、勉強会を開催して、私どもだけではなく、販売店といっしょになって顧客によいサービスを提供していけるように、レベルの向上をはかっています。

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