|
流れに価値を加える(株)オーバル 谷本淳社長に聞く 聞き手は高松宏之編集部長 vol.2 |
日本計量新報 2014年1月1日 (2993号)第2部8-9面掲載
特徴的な製品ーー紹介いただいた製品の他に、特徴的な製品はありますか。 LNGタンク液密度測定装置液体密度計があります。大きな地下式のLNGタンクがありますね。このLNGタンク内に、いろいろな産地から密度の異なるLNGを受入れると、これらのLNGが十分に混合されずに層状化することがあります。その後急激に層が消滅すると、大量のBOG(ボイルオフガス)が発生する可能性が知られています。この現象をロールオーバーといいます。ロールオーバーが発生した場合、タンク内圧が急上昇し、場合によってはタンクが破損するような極めて危険な状態が引き起こされます。 小型汎用ボイラー用流量計小型の汎用ボイラー用天然ガス流量計も製造しています。前年比5割で伸びています。 省エネ管理用流量計省エネ管理用流量計にも力を入れています。 グローバル展開が進展ーー売上などはどのような状況ですか。 2013年3月期売上高は120億円2013年3月期実績は、売上高119億9900万円、営業利益3億3600万円、経常利益4億6900万円、当期純利益2億2600万円でした。 比率はセンサ56.4%製品部門別の売上比率は、センサ56.4%、システム23.7%、サービス19.7%になります。 大規模な流量計測・校正システムを受注最近、大規模な受注がありました。韓国の大手エンジニアリング会社GSEngineering & Construction(ジーエスエンジニアリングアンドコンストラクション、GSE&C社)から10億円を超える大規模な流量計測校正システムを受注しました。 中国でも流量標準の整備すすむ中国でも動きがあります。中国もインフラ整備を進めていますが、そのなかで、計量のトレーサビリティ体制の構築も進められています。各省庁で流量標準の整備が進展していますので、当社の標準、精度管理の技術を活かすことができます。 売上は石油分野の比率が高い2012年度の業種別の売上比率をみますと、もともと当社のオーバル流量計は石油精製や石油取引など石油関係で多く使われてきた関係で、化学や電気・輸送機械、電力・ガス、石油分野の比率が高くなっています。 輸出は58.2%増特徴としては、電力・ガス分野は前年度比41.7%増になりました。天然ガス関係が伸びたものです。また、輸出は前年度比58.2%増加しました。過去5年間の業種別売上の推移をみてみますと、やはり電力・ガス分野と輸出が伸びていることが特徴です。 企業価値を向上させるーーオーバルの今後の展望をお聞かせください。 オーバルフェニックスプラン2015オーバルは、中期経営計画「オーバルフェニックスプラン2015」を掲げて、体質改善に取り組んでいます。成長性の向上と、収益性の向上で、企業価値を向上させるということですが、現状の進捗状況も含めて検討し、計画を練り直しながら進めていきます。 設備投資の状況に左右されるわれわれは機器の性格上、製造業の設備投資の状況に売上が左右されます。その点で、アベノミクスの成長戦略やオリンピック招致に関連したインフラ整備が追い風になると思っています。 天然ガス関連の売上が伸びるしかし、こういう厳しい状況のなかでも天然ガス関連の売上は伸びています。天然ガスは、工場間の取引やガス会社が海外のタンカーから受入れるなど、いわばBtoBの関係になります。 |