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「日本発、世界へ」で飛躍はかる

新光電子(株)安西正光社長インタビュー

聞き手は横田俊英論説員

vol.1

日本計量新報 2014年8月24日 (3022号)2面掲載

売上は前期比で108%

−−新光電子の業績はどのようになっていますか。
安西正光社長

次の50年への第1歩

今年の3月で第51期が終わりました。会社設立以来50年が過ぎて、次の50年へ向けての第1歩の年が終わったことになります。

売上は27億7000万円

その意味でも気合いを入れてこの1年を過ごしてきました。その結果、売上では前期比で108%、27億7000万円になりました。これでもリーマンショック前の売上の約9割までの回復でですので、まだこれからだと感じています。それでも増収増益で第51期を終わることができましたことは、関係者の皆さまのおかげと感謝しているところです。

海外市場の伸びが大きい

売上は、国内市場も海外市場でも増加しました。海外の伸びが特に大きくて、前期比114%という結果でした。これは円高是正の影響もありますが、実際の出荷高も増えています。一方の国内市場は、前期比106%でした。ですから、国内も海外もともに製品がよく売れたということになります。

アジア市場が好調

海外市場では、特にアジア地域が好調でした。国別では、中国、インドネシア、ベトナムなど新興国で売上が伸びました。特に中国ではジュエリー市場などで金の需要が活発となって、ジュエリーショップでネックレスやリングの取引に使われる天びんが大変好調でした。この市場は得意とするところで、高精度の天びんが必要とされますので、今後とも期待しているところです。

物流計測機器の売上が伸びた

国内市場では、全体的に売れましたが、特に物流計測機器の売上が前年に比べて大きく増えたことが目立ちました。

めざすは計量業界のポルシェ!(1)

−−会社設立50周年の関連で実施されたことなどありましたら。

50周年記念イベントを実施

昨年(2013年)の6月が会社設立からちょうど50周年でしたので、会社として50周年の記念イベントを実施しました。
 1つめは、社員の海外旅行を実施したこと、2つめは、記念誌を発行したこと、3つめは50周年の記念品として、音叉式センサの実物が入った盾を制作しました。

社員旅行でモチベーションアップ

社員の海外旅行は、ハワイ島のすばる望遠鏡見学ツアー、オーストラリアのシドニーへの旅行、北海道旅行の3コースで実施しました。
 社員それぞれが都合に合わせて選べるようコースを設定しましたので、非常に参加率が高くて、パート従業員も含めて9割以上の社員が参加しました。特に、ハワイ島のすばる望遠鏡の見学は、若手技術者に好評だったようです。
 また、創立50周年記念誌は「新光電子のあゆみ」と題した社員による手作りですが、参加した編集委員は会社への思い入れが強くなったと聞いています。
 これらはすごく社員のモチベーションアップにつながったと思いますね。記念イベントをやって良かったと改めて思っています。

−−マスコミに取り上げられることが増えていますね。

マスコミで取り上げられた

そうですね。一昨年、昨年と、多くのマスコミに取り上げていただきました。1つは新聞で取り上げてもらったことです。朝日新聞全国版夕刊の「うちにおいでよ成長企業(就活欄)」で「すばるの目支える超高精度」として、日経産業新聞の「技あり中小強さの秘密」では「世界で唯一、総合力で勝負」として、新光電子と音叉式センサを取り上げてくれました。日刊工業新聞でも記事が掲載されました。
 2つめは、書籍で新光電子を取り上げていただきました。
 宇宙とIT技術をささえる町工場(メイド・イン・ジャパン世界にほこる日本の町工場5)いくつか紹介しますと、まずエディターズ・キャンプ著『世界が認める優良企業「知られざる日本の実力」』(エディターズ・キャンプ、2013年)で、オンリーワン技術で活躍している会社を紹介したものです。
 新光電子は、「ニッポンのお家芸、精密機器関連」の分野で、「世界のはかりのなかでナンバーワン評価の信頼性」ということで、4ページにわたって紹介されました。めざすは「計量業界のポルシェ」です。
 もう1つは、日本の町工場シリーズ編集委員会『宇宙とIT技術をささえる町工場(メイド・イン・ジャパン世界にほこる日本の町工場5)』(文溪堂、2014年)です。学校の図書館などに備えてある子供向けの、厚い表紙の大型の本ですが、技術大国日本を支える小規模な町工場の製品や技術に携わる人を紹介するシリーズです。
 「音叉式電子天びんをつくれるのは世界でこの会社だけ」というタイトルで、10ページにわたって、音叉式センサのしくみや、工場で電子天びんができるまでの工程などが紹介されました。

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