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創意工夫で、何としても勝ち抜く


福山 匡

(株)田中衡機 代表取締役社長

vol.3

日本計量新報 2009年4月5日 (2769号)2面掲載

新年度は心機一転でとりくむ

企業はトップで決まる

−−北米市場では、計量器産業も自動車や家電と同じように2割あるいは3割ほど今は売り上げを減らしているようです。輸出企業だけが大変なのだけではなく皆が大変というのが今の経済環境下でのビジネスです。大変に負けない気構えこそが大事であるように思います。何としても勝ち抜く気概を持つこと、それをバネに創意工夫をしていくことです。その意味では企業はやはりトップで決まりますね。

福山匡 そうです。クシュンとしてもダメですし、空威張りしてもダメです。
 うちは先に新年度を迎えるにあたって総決起集会をやりました。社員には「不況だからといって誰も助けてはくれないのだから、自分たちでやらなければいけない」という話をしています。
 どうやって売るのかという具体案をこれからあれこれと幾つも出していくことになります。09年は高額の設備の動きは減るでしょうから、そうした設備を何とか受注することとあわせて、小口といいますか、何万何千個という商品だけではなく何百個という商品の開発とあわせて販売にもしっかりと目を向けて、事業として育てていくようにします。高額な製品の受注決定までには時間がかかりますから、低額の商品をある数やるように切り替えていこうということです。

新年度は再チャレンジの年


−−新年度の方針をお聞かせください。

福山匡今年度は、前年度売上高をクリアできない状況になりました。11月、12月で売り上げがちょっと落ちましたから。前年割れは、私が社長になって初めてのことです。
 来年度の売り上げ目標は、今年度と同じです。再チャレンジします。
 ハカリ関係企業ではまだ、首を切るという話はないでしょう。
 こういう状況になる前に受注したものがありますから、年初は少し息がつけます。

低額の商品にも力入れる

福山匡 新年度の方針は、先ほど申し上げたように、一品ものの高額の設備ではない、数十万の金額のものを数やろうということです。今までやっていた物の数を増やしていきます。そちらの方に力を入れていこうということで、やっていきます。
 これをどういう業種を対象に、どういうふうに進めていくかということを、これからコンサルをかけながら順次決めていきます。
 おかげさまで、生産調整をしなければならないほどには、受注が減っていません。残業は減らしていますが。

新規の顧客を開拓する

−−新年度は心機一転ということでしょうか。

福山匡 気持ちの切り替えが必要です。去年のままの気持ちではダメですね。今まで良しとされていたものも、改めて吟味していく必要があります。対象とする業界をチェンジしないとダメでしょうね。これまでの鉄や化学から、新規の顧客を開拓しないとダメです。

新製品を開発

新製品を開発して、旧来のマーケットでもシェアを取っていく必要があります。これまで工具関係のマーケットがよくて、この3、4年はぐっと伸びてきました。それがここへきてがっくりきています。そうすると、売っている品物が工具屋さんに合っていない、需要に合っていないということです。
 ですから、彼らの需要に合う別のものを供給できればまたうまくいくわけです。そのときに、単価が低く数が出るものを見つけなければダメかなと思っています。彼らも、ものを売らないわけにはいきませんから。

販売経路を増やす

売り子を増やすという作戦もあります。通販やホームセンターなどですね。ホームセンターごとにハカリ企業は縁があって入りやすいところがあるようです。ホームセンターの仕切りは厳しいですよ。ヘルスメーターなどは、販売店がメーカーから卸してもらうより、量販店から買ってきた方が安いというのですから。  また新規に入ろうと思ったら、今まであるコーナーの商品を買い取らなくてはいけません。切り替えるにはそういうことをしなくてはなりません。お店のセールスに社員を派遣したりもしなくてはなりません。

人と体制の強化図る

−−電子技術などの方面について、体制を強化していますか。

福山匡 だいぶ自前で開発する体制に切り替えてきました。新製品もかなり出していますし、新入社員もかなり採用しました。こういうのがパワーになってくれればと思っています。人と体制ということです。
 昨年の当社の社員の平均年齢は全体で40歳ちょっとです。技術関連の社員の平均年齢は35、36歳くらいです。若返りを図っています。
 おかげさまで、定着率はよいですね。
 これからの10年は長いなと思いますが、過ぎた10年は早いですよ。田中衡機がこの場所に移って11月で丸5年になります。

−−ありがとうございました。

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