日本計量新報 2014年5月18日 (3010号)2面掲載
「グローバルニッチトップ企業100選」に選定
−−東日製作所は「グローバルニッチトップ企業100選」に選ばれました。おめでとうございます。
「グローバル展開」が評価された
ありがとうございます。「グローバルニッチトップ企業100選」は、経済産業省がグローバル展開に優秀と認められる実績がある企業を「グローバルニッチトップ企業(GNT企業)」として顕彰するとともに、こうした企業の経験値を一般化して、GNT企業をめざす企業に対する経営の羅針盤を示すことを目的として設けられました。
当社は「グローバル展開」をめざして事業を展開してきていますので、そこを評価していただいたことは、率直にうれしく思っています。社員の励みにもなります。また、選定された企業の事例が冊子にもなりますので、海外展開をめざしている企業の参考になればと思っています。
2006年には「元気なモノ作り中小企業300社」にも選定
東日製作所はまた2006年に、経済産業省の第1回目の「元気なモノ作り中小企業300社」にも選ばれています。これは全国各地で活躍する、独自の高い技術を持つ中小企業を300社選定したものです。300社を紹介した冊子では、当社は「ネジの締め付け管理の重要性にいち早く着目し、国産初のトルクレンチ(ネジ締め工具)を製品化。モノ作りに不可欠な工具として広く普及。国内シェアは70%に及ぶ」と紹介されました。
各種マスメディアからの取材も増えましたね。
リーマンショック以前の売上を回復
−−業績などをお教えください。
ほぼ2008年の水準を回復
リーマンショックで売上が落ち込みましたが、回復も早く、昨年の売上では過去最高を記録した2008年の売上高にほぼ戻りました。
海外で売上の伸びが大きい
海外での売上が伸びています。国内での売上は、現在リーマンショク時の約9割くらいですが、海外ではそれを補う勢いで売上が増加しています。
−−海外市場ではどこが好調ですか。
アジア、アメリカの伸張が大きい
海外市場ではどこも売上が伸びています。ヨーロッパ市場はあまり急激な伸びはありませんが、アメリカやアジア諸国の市場では、売上がかなり伸びています。
アメリカ市場は、北米だけでなく、メキシコやブラジルなどでも順調に伸びています。アメリカ市場の伸びしろはまだまだあると考えています。
アジア市場は全般的に売上が伸びています。韓国、タイ、中国、インドネシアなど、順調です。
−−どの分野が伸びていますか。
海外では輸送機器関連の比重が高い
海外に関しては、自動車業界関連の代理店が多いので、アジアを中心に、自動車など輸送機器関連分野のボリュームが大きくなります。
北南米市場に関しても、メインは自動車産業になります。
トルクレンチが一番多く使われているのは輸送機器関連業界であるという事情は日本でも同じです。しかし、日本においては輸送機器関連は当社が供給するトルクレンチの約半分くらいです。一般産業や一般機械関連の業界にも数多く販売しています。
トルク管理の普及に期待
この違いの背景には、海外では輸送機器関連業界以外ではトルク管理をしようという機運がまだ十分には根付いていないという事情もあります。
国内の整備工場でもトルクレンチの需要は増えています。
海外でも、インドネシアなどではメーカー主導で、すべての修理工場にトルクレンチを配布するなどの動きが起きています。
テクニカルセンターをオープン(1)
−−テクニカルセンターをオープンされますね。
試験、解析、校正等を集約
5月に、甲府に「テクニカルセンター」をオープンさせます。実稼働は5月末から6月初めくらいになります。
これは、製品試験設備、解析装置、トルク基準器等を甲府テクニカルセンターへ集約させ、65年間にわたって培ってきたトルク機器製造のノウハウをさらに堅固なものとすることが目的です。
トルクレンチの耐久試験機
東日製作所では、製品の安全性を確保するためにトルクレンチの耐久試験を重視して実施しています。製品の型式認定試験でトルクレンチを実際にフルトルクで100万回動作させています。この試験装置の台数を増やして、お客様にもオープンできるようにします。
JCSSも設備を更新
東日製作所は、JCSS校正事業者登録制度において、第2次階層のJCSS認定登録を取得しています。ISO17025(試験所及び校正機関の能力に関する一般要求事項)に則った事業者としてJCSS校正を実施していますが、校正室も新しい設備にして登録し、外から見えるように作り替えます。
品質面での信頼性向上めざす
このテクニカルセンターは、当社の甲府工場に別棟として建設しています。これにより、当社の品質面でのさらなる信頼性向上をめざしています。
テクニカルセンターに、これまで独立してあった校正室、測定室、製品試験室を一つにまとめて配置することにより、効率化とレベルのアップを図っています。
今年、東日製作所は創立65周年です。テクニカルセンター建設は65周年事業の一つでもあります。
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