新光電子(株)(岡崎稔社長)は、世界初の「音叉式分析天びん」を開発し、2007年11月21日から「音叉式分析天びんHTRシリーズ」として販売を開始した。ハワイにあるすばる天文台で利用されている世界唯一の「音叉式センサ技術」の活用によって、従来の電磁力平衡方式なみの220万分の1という高精度を保ちつつ、50%の軽量化、60%の省電力化を達成。また1台13万円台からという低価格化を実現した。研究機関、病院・薬舗など高精度天びんが必要な事業所向けに、年間1000台の販売を目指す。
◇特徴
(1)220万分の1の計量性能(分解能)を実現=220万分の1の計量性能(分解能)は、すべて電磁力平衡方式による電子天びんに限られていた。そこに、世界で唯一「音叉式センサ技術」の開発を持つ同社技術陣の研究と努力の結果、世界で初めて、電磁力平衡方式以外のセンサを搭載し220万分の1の計量性能(分解能)を実現した。※220万分の1の計量性能(分解能)とは、最大220gから最小1万分の1g(0.1mg)までの試料を量れるという意味
(2)超軽量化、総重量を約50%減量=「音叉式センサ技術」では、荷重は直接デジタル量である振動数の変化として検出されるためA/D変換器が不要で、電磁力平衡方式に比べ軽くなる。同社ではさらに、ガラス製風防を、帯電防止樹脂製風防に換えることにより軽量化を実現した。※A/D変容器とはアナログ信号をデジタル信号に変換するコンバータのこと
(3)コンパクト化、約10%サイズ縮小=「音叉式センサ技術」では、電磁力平衡方式のような複雑な機構部を持たないため、研究・分析に必要なスペース(フラスコ等の使用)を最大限に確保しつつ、それ以外のスペースをカットし最小限にした。
(4)省エネ化、消費電力60%カット=電磁力平衡方式では電磁場形成のために大量の電力が必要だが、「音叉式センサ技術」では不要。分析天びんでは初めて電池駆動を実現した。ニッケル水素充電池4本で約10時間駆動(バックライトオフ時)が可能となった。
(5)起動後すぐに使える、ウォーミングアップ時間を大幅短縮=電磁力平衡方式では電磁場が安定化するまでウォーミングアップ時間が必要になるため、電源を切らず24時間365日間、電源を入れ放しで使うのが常識となっている。しかし、「音叉式センサ技術」で予熱時間が大幅に短縮され、起動後すぐに使える。環境に優しい分析天びん。
(6)同クラスで最も低価格=分析天びんの同機能のクラスにおいて、13万8千円〜16万5千円(税別)という国内で最低価格帯。すべての機能、条件を満足した上に、さらに低価格を実現した。
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