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(2931号/2012年9月2日掲載)
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特集記事 製品紹介

工業用はかりは346億円
11年度生産額642億円
対前年度比101.6%、工業用はかりは106.3%

(一社)日本計量機器工業連合会がまとめた2011年度のはかりの生産出荷状況は、生産金額642億9百万円(対前年度比101.6%)、生産数量が373万9千台(同117.8%)となった。工業用はかりは対前年度比106.3%の345億94百万円。全体としては増加傾向にある。ただ、最近の経済指標はやや陰りが見え始めているのが懸念材料。


  はかり全機種の総生産金額は、642億9百万円(対前年度比101.6%)。過去の推移を見ると(グラフ参照)、96年度に900億円台を突破した後、97年度851億円、98年度768億円、99年度739億円と3年連続して減少。2000年度は780億円と増加したが、01年度、02年度と続けて対前年比減となった。その後は、ほぼ横ばいを続け、07年度は生産金額が735億24百万円(対前年比103.4%)だった。08年度は、678億93百万円(同92.3%)と減に転じ、09年度も同85.3%。10年度は同109.1%で持ち直し傾向、11年度も微増となった。12年度の4〜8月は同96.2%で微減であり、経済指標の陰りなど懸念材料もある。

工業用はかり、6.3%増

生産金額で53.9%(11年度)を占める工業用はかりは、1999年度が343億円で、2年続けて約10%ほど減少。2001年以降は緩やかに回復していたが、08年度は生産額368億5百万円(対前年度比90.7%)、09年度305億88百万円(同83.1%)と連続して減少し、10年度は325億43百万円(同106.4%)と持ち直し、11年度も345億94百万円(106.3%)と増加している。

経済指標の陰りが懸念材料

工業用はかりは、はかり全体の生産金額の動向に与える影響が大きい。工業用はかりは生産設備として機能しており、このはかりを導入することにより省力化・合理化が推進され、また品質向上にも寄与している。一方で、景気動向の影響も強く受ける。
 8月28日公表の8月月例報告は、景気の基調判断を下方修正した。生産や輸出の不振を反映したもので、判断の引き下げは、昨年10月以来、10カ月ぶり。一連の債務危機が波及する形で欧州や中国、新興国の経済減速が顕著となり、日本からの輸出が減少。鉱工業生産指数も6月までで3カ月連続で低下した。
 内閣府が8月9日に発表した6月の機械受注統計によると、設備投資の先行指標である船舶・電力を除いた民需の受注額(季節調整値)は、4─6月に2四半期ぶりに前期比減少に転じた後、7─9月も減少が続く見通しとなり、企業の設備投資計画の変化を感じさせる内容といえる。
 財務省の財総研が8月27日発表した「ディスカッション・ペーパー〈近年の円高が我が国製造業の設備投資に及ぼした効果〉」は次のように記している。
「第1に、輸出比率が高い企業ほど円高に対して設備投資を減少させる輸出を通じた効果が見られる一方で、輸入を通じた効果は認められなかった。また、第2に、輸出比率が同じであれば、市場支配力が弱い企業は市場支配力が強い企業と比べて、円高に対してより弾力的に設備投資を減少させた。第3に、輸出比率が同じであれば、資金制約が厳しい企業は資金制約が緩い企業と比べて、円高に対してより弾力的に設備投資を減少させた」。

好材料も

しかし、好材料もある。日本政策投資銀行が8月1日発表した大企業の設備投資計画調査(6月時点)によると、2012(平成24)年度の全産業の海外設備投資計画は11(平成23)年度実績比31.5%増の3兆8997億円で、3年連続で2桁増の見通しになった。自動車や資源関連の投資増加が主な要因。
 12(平成24)年度の全産業の国内設備投資計画は11(平成23)年度実績比12.2%増の15兆9853億円で、5年ぶりにプラスに転じる見通し。これは抑制していた投資を再開する動きに加え、老朽化した設備の維持・補修が増えるため。

機種別の動向

天びんは14.1%減

機種別では、天びんは生産金額が79億15百万円で対前年度比は85.9%である。生産数量も約11万8千台(同92.7%)と減少している。生産金額に占める電子式の割合は99.3%。生産数量では95.7%で、電子式が圧倒的多数を占めている。天びんの生産金額が全体に占める割合は12.3%である。

台はかりは10.5%増

台はかりは、生産金額が66億9百万円で対前年度比110.5%。生産数量は約13万5千台(同102.1%)と増加した。台はかりも電子化が進んでおり、電子式のはかりが生産金額で台はかりの97.3%、生産数量では96.9%と、ほとんどが電子式はかりになってきた。台はかりの生産金額が全体に占める割合は10.3%である。

商業用はかりは90億31百万円

商業用はかりは、生産金額が90億31百万円で対前年度比112.1%。生産数量は約24万台で同92.9%。価格単価が上昇している。電子式の比率は、生産金額では93.5%だが、生産数量ではまだ42.1%に留まる。商業用はかりの生産金額が全体に占める割合は14.1%。

家庭用はかりは19.9%減

家庭用はかりは生産金額が54億30百万円で対前年度比80.1%。生産数量は約310万1千台(同127.9%)である。数量は増加したが、金額は減少した。価格単価が下落している。家庭用はかりの電子化率は、生産金額で96.2%、生産数量で83.3%である。家庭用はかりの生産額が全体に占める割合は8.5%だが、生産数量では82.9%を占める。家庭用はかりには、電子式ヘルスメーター、電子式の家庭用上皿自動はかりなどがある。
 その他のはかりは、6億30百万円(対前年度比102.4%)、生産数量約13万1千台(同69.3%)。

工業用はかりは6.3%増

工業用はかりは、生産金額は345億94百万円で対前年度比106.3%、生産数量は約1万5千台で対前年度比104.4%と生産金額、数量とも増加している。
 工業用はかりの生産金額の37.0%を占めるのが組合せはかりで、127億96百万円(対前年度比111.3%)。生産数量が約2千台(同111.4%)である。
 その他の主な工業用はかりは、チェッカー66億7百万円(同99.6%)、トラックスケール40億2百万円(同132.0%)、ホッパースケール24億90百万円(同87.1%)、コンスタントフィードウェア18億23百万円(同117.5%)、袋・缶・びん詰め用18億19百万円(同74.5%)など。
 コンベヤスケール、大型台はかり、フレキシブルコンテナスケール、クレーンスケールは、併せて19億73百万円になる。対前年比はコンベヤスケール、大型台はかりが増加し、フレキシブルコンテナスケール、クレーンスケールは減少した。
 その他の工業用はかりは、30億82百万円(同109.2%)。

11年は輸出入とも増

輸出は1.7%増

貿易統計で2011年(暦年)のはかり輸出入実績を見てみると、輸出は190億58百万円(対前年比101.7%)と増加した。
 輸出で対前年比増になっているのは、コンベヤスケール20億16百万円(対前年比103.4%)、ホッパースケール等の定量はかり91億70百万円(同107.2%)、分銅およびはかり部分品39億71百万円(同101.3%)。
 対前年比減は、体重測定機器および家庭用はかり1億76百万円(同95.5%)、重量測定機器(30kg以下)9億60百万円(同97.7%)、重量測定機器(30kgを超え5千kg以下)4億88百万円(同90.3%)、重量測定機器(5千kg以上)1億23百万円(同32.0%)、はかり(感量50mg以内のもの)およびその部分品・付属品21億53百万円(同96.6%)である。

輸入は6.1%増

輸入金額は94億31百万円(同106.1%)。輸入は重量測定機器(30kg以下)を除くすべての機種が対前年比増になっている。
 内訳は、体重測定機及び家庭用はかり28億74百万円(同103.2%)、コンベヤスケール1億45百万円(同353.8%)、ホッパースケールなどの定量はかり3億66百万円(同239.5%)、重量測定機器(30kg以下)18億89百万円(同77.9%)、重量測定機器(30kgを超え5千kg以下)8億76百万円(同105.0%)、重量測定機器(5千kg以上)1億86百万円(同233.0%)、分銅およびはかり部分品19億45百万円(同114.1%)、はかり(感量50mg以内のもの)およびその部分品・付属品11億49百万円(同132.6%)。

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