No.03 加賀の白山で70年ぶりに雷鳥が確認された
氷河の落とし子の日本雷鳥
 


 

 写真は雷鳥。オスの写真とメスの写真。立山周辺の雷鳥沢で撮影したもの。

 雷鳥にいちばん手軽にあえる場所は富山の室堂平である。富山側と長野側の二つの基点からの交通手段を通じて室堂に行くことができて、そこに広がる室堂平には雷鳥(らいちょう、ライチョウ)がいる。

 石川県白山自然保護センターでは2009年6月2日と10月10日に雷鳥(らいちょう)を確認し、10月10日には動画映像を記録していて、同センターのホームページで公開している。2010年に白山に登山したときには山頂直下の石川県が運営主体となっている室堂の山小屋で雷鳥の目撃情報を集めていた。白山での雷鳥の目撃とその確認は70年ぶりとのことである。雷鳥は氷河の落とし子であり、日本には北海道にいる蝦夷雷鳥と本州にいる日本雷鳥とにわけられる。氷河期に北に逃れそこなって高山に棲んでいるのが日本の雷鳥である。シベリア方面にいくと雷鳥は平地で暮らしている。

 日本では2005年の調査によって新潟県頸城山塊の火打山と新潟焼山に約25羽、北アルプス朝日岳から穂高岳にかけて約2000羽、乗鞍岳に約100羽、御嶽山に約100羽、南アルプス甲斐駒ヶ岳から光岳にかけて約700羽が生息しているということになっている。日本国内では合わせて約3000羽程度が生息していると推測されている。

 私は立山登山のおりに黒部ダムの上空を針木岳方面から雄山に向かって飛んでいるのを目撃して、雷鳥がよく飛ぶ鳥であることを知って驚いた。その気になればよく飛ぶ雷鳥であるから、あまり背丈が高くならないハイマツ(這松)帯が広がっているところは生息可能域であるように思う。富士山のハイマツは背が高くなる。ナナカマドでも高山帯に生えているものは大して背は伸びないが、旭川市ではナナカマドが街路樹になっていてイチョウやケヤキとまではいかないが相当に立派な背丈になって堂々としてる。

 夏でも雪が残る高山帯域に交通網の接近したために、人がふえ物音も激しくなっている。霧がでるような気象条件になると雷鳥はハイマツ帯から岩場などにでてくる。雷が鳴るようなときに姿をみせるから雷鳥の名が付けられたということであるから、雷鳥は人も嫌いだし、空飛ぶ猛禽類もイタチやテンなどの動物も嫌いである。登山道を縦横につくらないことなどは雷鳥の生息への配慮として大事である。