since 7/7/2002
横田 俊英
美味しいコシヒカリを栃尾市でも産出します
3月31日にまたしても霜が降りバケツの水が凍りました
これで終わりだと思っていた霜降でしたが3月27日に続いて31日いも霜が降り、バケツの水が凍りました。私の住まいは冬には頻繁に氷点下6℃になります。家族のものはサーミスターのセンサーを室外に出したデジタル式の室内外温度計を見ては今日もマイナス6℃だといって喜ぶ様子を見せます。居間に暖房を入れないでおくと冬場は冷蔵庫と変わりない状態ができあがるのです。
もう大丈夫と思っていた霜が降ったのに驚いたのですが、畑を耕す人の感覚と寒いと言って喜んでいる人との感覚はまるで違います。気候を作物の生長と抱き合わせて考えているのが農家です。漁業も同じです。田園風景をみて単純に美しいと思うのは、消費する側の牧歌的な見方です。海を見て美しいと思うのも同じです。猟師にとって海は美しいに越したことはありませんが、その海で漁獲があがらないのでは海としての意味がないのです。美味しいコシヒカリを栃尾市でも産出します
芥川賞作家の近藤啓太郎は戦後間もないころに鴨川の海でにわか猟師をしましたが、戦中には海に出るべき猟師が戦地にいたので海の魚が減らなかったので豊漁が続いたそうです。海の魚はほどほどに獲るべきことを物語っていると思います。
畑はどうでしょうか。農業のその多くは採算にのらないのです。農業従事者の多くは60歳以上です。一年間一生懸命働いてもその所得は大したものにはなりません。農業をする人の子孫が農業をするための経済的環境が良くないからです。
海の豊漁は海の生産力と魚を獲る人とのバランスで決まります。畑をやるといいましても、作物と気候、そして土壌との関係は抜きにできません。魚沼産のコシヒカリのお味の良さ、美味しさといったらこの上ありません。このような表現は常套句ですが、魚沼産コシヒカリと同等のお米が栃尾市周辺でも穫れるのです。魚沼産コシヒカリは大変に美味しいのですが、同じように美味しいコシヒカリを栃尾市でも産出します。食べ比べてみて分かりました。どちら美味いのです。私の畑仕事も肥料その他の手間と金のことを考えたら割があいません
日本の畑は休み無しに働かされます。肥料が絶えず投入され、土壌もアルカリ成分をくわえるなどして使われ続けます。それほどまでに使っても農業従事者は、この農業で潤うことがあまりできないのです。私の畑仕事も肥料その他の手間と金のことを考えたら割があいません。しかし3月31日には気が向いたので畑の草むしりをしました。今年は雑草をやっつけるぞという決意の表明でもあります。伸びる前にに抜いてしまうという気持ちが今のうちはありますが、真夏になったらめげてしまうでしょう。午前6時になると畑に出るのは嫌になるほどの日差しと暑さになるからです。
ビニールシートを掛ければ熟したイチゴを野鳥がついばむことができない
そのような弱虫の私とは対照的に道路向こうの畑の平井さんと敷地の南隣の榎本さんは頻繁に畑に出ております。榎本さんが植えたイチゴはビニールシートがかぶせられて以後白い花を次々に付けるようになりました。ビニールシートを付けると雨の日に茎などに多くの水分が含まれなくなります。シート内の日中の気温は車の中と同じになるはずです。ビニールシートがあれば赤く熟した状態のイチゴを野鳥がついばむことができません。ビニールシートは中に繊維が折り込まれた補強付きのものです。
いつかの初夏、私の家の庭のサクランボは赤く実って明日にも食べようと思っていた矢先、ヒヨドリに食べ尽くされてしまいました。榎本さんのイチゴ畑のビニールシートの果たす役割の一つは野鳥にイチゴを食べられないようにという防御です。外敵はヒヨドリです。ヒヨドリという野鳥はなかなか手強いのです。ウグイスの初鳴きが遅れているようです
昼と夜の長さが同じになる3月23日の春分の日はポカポカ陽気になったのでモンシロチョウが飛ぶのを見ました。同じようにポカポカになった3月30日には黒い色をしたチョウが飛びました。やはり春なのです。確実に春がやってきていると思いました。道ばたの水仙の花を咲かせそうです。飼料用のキビ畑には青い小さな花が咲き乱れています。この畑でヒバリが鳴くのはもうじきです。
1週間ほど前から姿を見せなくなっていたジョウビタキはその後も姿を見せていません。もうこの地を離れて北に向かったのでしょう。アカハラがうるさく鳴くのはもう少し先のことですが、道ばたの茂みに隠れるのを見ました。この鳥は真冬でも姿を見せます鳴きません。ウグイスは北側の杉林の下藪にずっとおりましたが、ウンともスンとも言いません。でももうそろそろ「ホーホケキョ」と挨拶をしてくれるでしょう。ウグイスの初鳴きが遅れているのです。東京の桜の花の開花の気象庁発表は3月31日でした。靖国かどこかの桜の花が何輪かほころんだのでしょう。