since 7/7/2002
横田 俊英
子犬は生後1週間で体重は190g増え倍近くなり、偶然ですが
生後52日になる1頭の紀州犬のメスが仲間に加わりました生後1週間で体重は190g増え倍近くなりました
生後10時間後の体重が210gであり、通常よりも100gほどは軽く産まれた紀州犬・メスの子犬は生後1週間に次のように体重が増えました。
4月4日誕生の日210g(誕生から10時間後の測定)、4月5日220g、4月6日230g、4月7日240g、4月8日朝270g・夜295g、4月9日朝320g・夜340g、4月10日夜380g、4月11日朝400g。
子犬は1頭だけ産まれ、母犬は小犬に健気(けなげ)に授乳しておりますから、もう大丈夫でしょう。体重は順調に増えております。生後1週間で体重は190g増え倍近くなりました。母犬は子犬を抱きかかえるようにして最初の1週間を過ごしました
ほかの犬と離して居間にバリケンネルのプラスチックの大きなケージを産室としてしようしております。小犬は母犬の乳首のしがみつき、母犬は子犬を抱きかかえるようにして最初の1週間を過ごしました。
子犬の目はまだ開きません。クークー、ピーピー、ときにキューと鳴いて母犬の母性をくすぐります。飼い主が母犬をケージの外に出して、子犬の体重を計ろうとすると、キューと鳴きますので、母犬は子犬を取り返そうと高く掲げた子犬の所までジャンプします。「ごめんごめん」といってそそくさと体重を計ってケージに返すと、母犬は直ぐにケージに戻って子犬をくわえて飼い主の目から子犬を隠すように体で包んでしまいます。生後1週間ほどで赤かった鼻の周囲が少しだけ黒くなってきました
子犬の目は生後1週間ではまだ開いておりません。耳もまだ穴が開いていません。栓をしたままです。白い体に耳の地肌が黒い見えるのがこのころの紀州犬の子犬です。口の周りの白い毛が生後6日頃から乳やけで赤くなってきます。生後1週間ほどで赤かった(肌色)鼻の周囲が少しだけ黒くなってきました。唇やお腹の地肌は肌色のままです。足の裏も未だ肌色のままです。
この子犬が生後1週間になった日に紀州犬の生後52日になる白のメス犬がこの家にやってきました。この子犬は鼻が黒くなっていますし唇も黒です。お腹の肌色は茶褐色にです。お尻の穴も黒い色をしております。お尻の黒い紀州犬はめずらしいのですが、成長の過程で肌色に変わっていくかも知れません。生後6カ月ほどの白毛の紀州犬で肛門の地肌が真っ黒な紀州犬を2週間ほど前に見てうらやましく思ったものです。
生後52日の子犬の足の裏はほとんど真っ黒です。八王子に行ったオスの子犬の肉球はメス以上に真っ黒でした。お尻の穴もそうです。こうした子犬たちを色素の濃い良い犬といいます。白毛の紀州犬の爪は白いのが普通です。有色紀州犬の爪の色は黒が多いのですが何本かは白い爪が混じり合っております。子犬の目の色は青い
生後1週間の子犬は目が未だ開きませんが、目が開いたころの子犬は青い眼をしております。灰色と言っても良いかも知れません。生後52日の紀州犬の子犬も青い眼をしております。目を日差しにかざしたとき何となく青みが薄いと成長するに従って黒いことが望まれる目が茶色や金色になっていくのです。子犬の目を日にかざして黄色がちに見えるのは駄目というような議論をこの子犬を題材にして紀州犬と四国犬の繁殖歴40年のベテランに教えて貰いました。一昔前の紀州犬は生後52日の子犬のときにでも鼻の色(鼻鏡)は良くて茶褐色であり、肌色をしているものが多かったといいます。その意味で尻の穴が黒いほどのこの子犬は貴重です。
いまは子犬のときに耳は大きめの方が良いということのようです
生後52日でこの家にやってきた紀州犬メス犬の耳はほとんど立っておりますが、八王子に行ったオスの子犬は耳は垂れたままです。総じて大きな耳の子犬は耳が立つのが遅くなるようです。現代の紀州犬の子犬は耳が立つのが遅いくらいの方が大きな耳になり、成長したときに頭部とのバランスが良くなるようです。かつては耳は小さい方が良いということでしたが、いまは子犬のときに耳は大きめの方が良いということに変わってきております。
生後1週間の子犬の耳は穴はふさがれたままです。白い毛が生えておりますが地肌が黒いので黒く見えます。そして三角形をしていてチョコンと付いており、このころには立っております。耳が大きくなるに従って垂れて、さらに成長して立つのです。生後1年が過ぎても耳が立たない犬がいますが、こうした犬は耳が袋状に形成されていないことが多いものです。有色紀州犬の黒マスクは生後1年では消えないのが普通
目の色、目の形、頭部のつくり、吻出し、唇のしまり、耳の形と、犬の首から上のことだけでも要求すると切りがありません。紀州犬には有色のものがおりますが、有色紀州犬の吻の回りの黒い毛は遅いものでは生後5年ほどは消えないことがあります。生後1年では黒いマスクをしたままです。私の所で飼っている黒胡麻の毛色をした紀州犬のメスも生後1年になりますが、顔の先の黒い毛が残ったままで黒マスクをしたような状態です。
柴犬の場合には赤毛の場合には生後6カ月には黒マスクはほとんど消えます。中には生後1歳半頃まで残っているのもいます。赤毛の柴犬では産まれたときから黒マスクのないのもいます。黒毛の柴犬では鼻筋の黒い線を残したマスクが取れなくてはいけないのですが、生後6カ月で残ったままの場合が多いようです。子犬の飼育は悩みの連続でもあります
子犬は成長した犬の完全な縮小版ではないのです。子犬も前足はがに股気味になっているので飼い主は大いに心配になりますが、成長するに従って真っ直ぐになっていくものです。子犬から犬を飼った経験が長い人であっても10頭の子犬を成長するまで飼った人は少ないことでしょう。かりに5頭を親犬になるまで飼った経験があったとしても古いことは忘れてしまいますから、都度胴だったかなと面食らうことが多いものです。
まして初めて子犬を育てることになる人はとまどいの連続といってもいいでしょう。深く考えるととまどいになりますし、考えなさすぎると子犬の病気に気付かないという事態も発生します。
人が赤ちゃんの体形から大人の体形に変化していくように、犬も子犬は成犬のミニチュア判ではないのです。ここがとまどいの発生源です。紀州犬の子犬などは子犬のころは目がくぼんだ状態でついております。小さな目であるという印象を受けるかも知れません。チワワなど小型になった犬は目だけは小さくならないので出目のようになりがちです。紀州犬など日本犬をテレビなどで見るチワワの目形を基本にして考えたら、目が引っ込んでいて小さいと思うことでしょう。程度にもよりますが日本犬の目は親指で押してへこませたくらいになっているのが良いのです。
飼い始めた子犬を見てこれで良いのだろうかと、何度も疑問を持つのは当たり前のことです。子犬が可愛いと思い良い犬に成長してくれと願うほどに疑問はわいてくるものです。それに応える手段を持たないのも現実です。ですから子犬の飼育は悩みの連続でもあります。ケージに入れたままなので母犬の排泄は日に2度です
母犬は産んだ子犬が1頭だけだったこともあって余裕の子育てです。乳を与えては抱き、お尻の付近をなめてやっては排泄を促してオシッコとねばねばしたウンチをなめて処理します。居間に置いたケージに入れたままなので母犬の排泄は日に2度です。2度のうち1度は3kmから6kmのランニングをします。母犬の体はこのままコンテストに出られる状態です。飼い主は狭いケージで一日中、子犬を抱いているのだからせめてものご褒美に走りたいだけ走らせてやろうと考えて、それを実行しているのです。これが間違いかどうか知りません。少し無理があるようにも思いますが、母犬の健康な体を見るとそのくらいはしてやろうと思ってしまうのです。
母犬はドライフードよりも挽肉とレバーを煮た食事の方を好みます
母犬は外に出ると所定の場所で大量の尿をします。ジャーという感じで排泄します。糞はその場ですることもありますし、少し場所を移動してすることもあります。糞は豚の挽肉とレバーを煮てドライフードに掛けて与えているものですから、粘りけが多いものです。挽肉とレバーの煮たのだけを与えると、胎盤を食べた後の糞と同じような状態で排泄されます。ドライフードはそのままケージに入れておきますが、挽肉とレバーを煮た食事の方を好みますので、それを中心に与えます。野菜をこれにくわえて煮ることもあります。母犬には人用のカルシュームの錠剤を5粒ほど食事のたびに口に入れてやります。
生後52日になる1頭の紀州犬のメスが仲間に加わりました
この家で産まれた紀州犬の子犬が生後1週間を迎えようとするころに、生後52日になる1頭の紀州犬のメスが仲間に加わりました。この子犬は飼い主の所のオス犬の子供で、仲間のメス犬が産んだものです。白の紀州犬のメス犬ですが、名前はまだ付けられていません。
この子犬は東京都の板橋区で産まれました。母犬は5歳になりますが初産の子です。何度交配しても産まれなかったので待望の子犬です。オスが3頭、メスが1頭産まれました。そのうちのメスが私の所にやってきたのです。オスの1頭は母犬の持つ主の父親のいる三重県に行きました。もう1頭は福岡県に行きました。ひとり暮らしの青年に飼われるのです。もう1頭は東京都八王子市に行きました。男子中学生が飼うのです。メス犬は昔から紀州犬を飼ってきた人の所に行くことが決まっていたのですが、70歳を過ぎていることや、飼い主の体力が低下していることなどを理由に奥さんの猛烈な反対で生後40日ほどのときに取りやめになったのです。そうしたことからこのメスの子犬が私の所にやってきたのです。ウオーンという泣き声を2度発してからは子犬は泣かなくなりました
生後52日の紀州犬の子犬は昨日まで母親のもとで4頭の仲間と一緒に生活しておりました。賑やかな生活です。子犬同士で大変な遊技をして過ごしていたのです。それが一転、子犬は一人ぼっちにされたのです。
八王子で飼われることになったオス犬は庭に放されるとすぐ飼い主の男子中学生に駆け寄って遊び始めました。私の所にきたメス犬は庭に放されると物陰に隠れてなかなか人のそばに寄ってきませんでした。オスの子犬は一人気ままに遊んでいるような犬でしたから、新しい飼い主と直ぐに遊び始めたのには驚きました。私の所にきたメスの子犬は直ぐに人のそばによってきていたのでしたが、人見知りをするようです。
メスの子犬は居間から対面して見える庭の犬舎に入れられて夜を過ごしました。母犬たちの所で使っていたシーツを小さくたたんで床に敷いておきましたらその上に寝ころんで朝まで静かにしておりました。夜が明けて人の物音がするようになってからクーン、クーンという大きな泣き声を2時間ほど出し続けておりました。
その後。オオカミの遠吠えのようなウオーンという泣き声を2度発して子犬は泣くのを止めました。子犬は小屋のシーツに正面を見据えてじっとしたままです。子犬は母と別れ、兄弟たちと分かれたことを知ったのでしょうか。まるでこの家は子犬の幼稚園であり学校です
この家で産まれた子犬よりも45日前に産まれた子犬を仲間にくわえられました。1頭だけであ産まれた子犬の遊び相手にしようという考えがあるからです。1頭だけで育つ犬というのが気に入らないということもあります。この家には生後6カ月になる黒毛のメスの柴犬で非常に気だてのいいやつがおります。この柴犬を紀州犬の遊び相手にしようとも考えております。黒毛のメスの柴犬はとても犬にも人にも親しむ「名犬」です。子犬の教育係として生後2カ月になる柴犬の子犬の遊び相手にもなっています。生後2カ月の柴犬は生後6カ月になる黒柴の教育によって、性格の良い犬にするために私の所であずかっているのです。
子犬同士をできるだけ一緒に遊ばせて、その中で良い性格をつくっていこうというのが飼い主の考えです。犬は性格が良いのが一番です。そして健康です。
生後1週間になる紀州犬のメス犬、生後52日になる紀州犬のメス犬、そして生後2カ月になる柴犬のメス犬と生後6カ月になる柴犬のメスがいます。まるでこの家は子犬の幼稚園であり、学校です。犬が犬と遊べること、そして犬が人と仲良くできることこそ大事です
生後52日でこの家にやってきた紀州犬の白のメスの子犬はほかの犬と対面して1日を過ごしました。翌日には紀州犬オスなどの反応を見て庭に放してやりました。家にいるオス犬たちの反応を注意深く観察して、噛むことはないだろうと判断して子犬を庭に放したのです。それに続いて、生後6カ月になる黒柴のメスを一緒に庭に放しました。想像どおりに紀州犬の子犬と黒柴のメスは仲良く遊技を始めました。この黒柴のメスは教育係として優秀です。メダカの学校のようです。だれが生徒で先生かわかりません。一緒に仲良く遊んでいるのです。この遊びこそが犬の性質を良くさせます。
まだ名を付けられていない紀州犬の白のメスの生後52日の子犬と、柴犬の黒毛のメスで生後6カ月の「ミッキー」はもう良いコンビとなっております。ミッキーと紀州犬の子犬は遊技の途中に飼い主が居間のガラス戸をトントンとたたくと一目散に駆け寄ってきます。前足でガラス戸をガリガリと引っ掻いて嬉しそうな仕草で応じます。ガラス戸を開いてやりますとむしゃぶりついてきます。尾は高い周波数で左右に振られます。千切れんばかりということでしょう。
子犬たちの遊技は学校そのものです。飼い主のしゃちほこばったシツケなど問題になりません。犬が犬と遊べること、そして犬が人と仲良くできることこそ大事です。