Vol.05 2006年は犬の年──十二支にまつわる小話


 
 昨年の酉年からバトンタッチして、今年は戌年ですね。
 特に意味はなくても愛犬家の方には嬉しい年ではないでしょうか。
 一方、猫好きの中には
「なぜ十二支には猫がいないんだ!」
と思われる向きもいらっしゃるかもしれません。
 十二支に猫がいないワケを説明する物語は割と有名ですね。
 神様が動物たちに、
「元旦に挨拶に来た順に、1年間動物の王にしてやろう」
 と言ったのですが、日にちを忘れてしまった猫がネズミに尋ねたところ、ネズミが嘘をついて2日と答えたために間に合わなかった、というお話です。
 しかし、実は国によって猫年のある国もあるのです。
 たとえば、チベットとタイ。兎年の変わりに猫年があります(ちなみに猪は豚になっています)。
 また、ベトナムは、猫・豚の変化に加えて、牛が水牛になっていたり羊が山羊になっていたりします。
 十二支にもお国柄が出ているようで面白いですね。

 肝心の今年の十二支、犬のお話ですが、本当は犬は猿の次に神様の元に到着したのだそうです。しかし、犬と猿を隣り合わせにするとケンカするから、という理由で間に鶏を挟んだとのこと。昔から仲が悪かったんですね。
 ところで猿、鶏、犬…。
 このコンビ、何かを思い出しませんか?
 そう、鶏をキジに変えれば、桃太郎の家来になった動物たちです。
 十二支は年・時間と共に方位も表しますが、北東の方位、丑寅はいわゆる鬼門(=鬼)とされています。だから、鬼は牛のような角を生やし、虎のパンツをはいているのです。
 そしてその反対、南西の方位は申酉戌。鬼退治に連れて行く家来にはもってこいというわけですね。
 ただ、正確には南西の方位は未=ヒツジが入るはず。
 なのに鬼退治の家来に選ばれなかったのはなぜでしょう。
 いかにもぼーっとして弱そうだからでしょうか。それとも桃太郎がジンギスカンを嫌いだったのでしょうか。
 よく分かりませんが、いずれにせよ、十二支とは離れてしまいましたね。
 皆様にとって戌年がよい一年になりますように!



  もっと詳しく知りたい方はこちらへ

  世界の十二支(干支情報サイト)
  十二支(フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)
  トラの皮パンツと桃太郎(住環境風水研究会)