日本計量新報 2015年9月27日 (3074号)8面掲載
第8回品質工学技術戦略研究発表大会 品質工学の果たすべき役割を探る −ここまで拡大した品質工学−
応用化学研究所(株) 矢野宏 |
<概要>
【主催】品質工学会
【日時】2015年11月20日(金)、10時〜17時(受付は9時30分から)
【場所】星陵會舘ホール(東京都千代田区永田町2−16−2)
【参加費】▽会員=1万円▽非会員=2万円
■プログラム
品質工学の本来の役割を必要としているのは本当は企業の経営であり、企業のマネージャーたちなのです。しかしこのような品質工学の考え方を理解する前に、いわゆるタグチメソッドとして方法論が先行してしまい、その難しさのゆえに敬遠されてしまいました。このようなことから秋の大会は本来の品質工学の必要性を明らかにしようとする試みなのです。
まず、招待講演は経済産菓省に在職中に品質工学への理解を深めたうえでの講演です。
◇招待講演「日本式インダストリー4.0と品質工学−日本流のスマートエ場と新しいモノづくり−」安永裕幸産業技術総合研究所理事
◇発表1「日本企業の企業業績における単位空間と業績診断 第3報」吉原均(NMS研究会)、矢野宏(応用計測研究所)
実は日本の企業は、世界的にみて40%の企業が100年以上続いていることの強さの秘密を明らかにします。
◇発表2「品質工学誌『視点』に観る経営者の要求分析と課題設定」齊藤潔(富士ゼロックス)、吉澤正孝(QDS)、中島建夫(東京電機大学)、近岡淳(近岡技術経営研究所)
企業経営者のマネージャー自体が、品質工学の立場から経営の課題を明らかにします。
◇発表3「つくば地区における各地大地震の予測性」早川幸弘ほか(富山高等専門学校)、矢野宏ほか(応用計測研究所)
特定の地域に限って、一日前の地震の予測を可能にしたものです。一日前に予測可能ならば、企業は対策を立てられるはずです。日本には約1000台の地震計が配置されていますが、予測には無力です。つくば地区では2011年の宮城沖地震も、その前の新潟沖地震も予測されています。
◇発表4「MT systemで読み解く医療の現状」中島尚登(東京慈恵会医科大学)、矢野耕也(日本大学)、上竹慎一郎、伊藤周二、松平浩(東京慈恵会医科大学)
東京慈恵医大における品質工学の研究実績をもとに、世界的にも平均寿命の長い日本の医療費の現状の解析です。
◇発表5「裁判事例の分析による職場のパワハラの判断基準の検討」佐藤誠(厚生労働省)、矢野宏(応用計測研究所)
企業のパワーハラスメントの裁判を調べたものです。背後に上司と部下の複雑な人間関係があること、対策は容易でない理由を明らかにします。
◇発表6「技展におけるリーダシップの発揮の研究−松浦機械製作所にみられるリーダシップの研究−」吉澤正孝(QDS)
技術開発の過程におけるリーダシップのあり方を研究したものです。
◇記念講演「松浦機械製作所における品質工学活動の総括−中間管理職から見た活動の反省と教訓、今後10年間を見据えた展望−」前田敏男、武澤泰則、天谷浩一、松浦勝俊(松浦機械製作所)
ノーベル賞なみに困難といわれる田口賞を、10年ぶりに受賞した松浦機械製作所の技術担当者が、活動の積み上げについて報告するものです。
充実した発表に期待してください。参加をお待ちしております。 |