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「第7回現場の計測管理の現状と課題」座談会

「計測管理の目的と進め方」

座談会出席者(敬称略・五十音順)
阿久津 光 三菱重工業(株) 防衛・宇宙ドメイン 飛昇体事業部 品質保証部 係長(計量士)
阿知波 正之 (司会)阿知波計量士事務所 計量士
石川 昌人 三菱重工業(株) 名古屋航空宇宙システム製作所 民間機品質保証部 計量士
伊藤 佳宏 伊藤計量士事務所 計量士
植手 稔 電気機器製造会社 計量士
小屋松 隆一 (株)UACJ 品質保証部試験課
榊原 淳生 自動車関連製造会社 計量士
高井 哲哉 中央精機(株) 生技開発部 主担当
林 貴雄 (株)東海理化 品質保証部 企画管理室 計量士
松山 辰夫 松山計量士事務所 計量士
本庄 健一 本庄計量士事務所 計量士
渡辺 雪宣 イノアックコーポレーション(株) 自動車関連事業本部 品質保証部
目次
1.計測管理の原点 2.計測管理についての経営者・管理者の理解 3.現場の計測課題の支援が大切
4.校正結果の活用 5.組織としての活動が重要 6.全員参加の計測管理
7.計測管理をいかに広げるか 8.計測マネジメントの人材育成 9.測定現場とのコミュニケーションが大切
10.ISO/JIS Q 10012の教育普及活動 11.測定の不確かさの活用  
                                  
計測管理の原点
阿知波正之(司会) 第7回となる現場の計測管理座談会を開始したい。前回は製造事業所における計測管理の活動を進める上で、計測管理の成果の見える化、計測管理に関わる人材育成などを中心に討論した。
 生産企業のなかで計測管理を担当されている方と過去担当されていたOBの方に参加いただき、今回は「計測管理の目的と進め方」をテーマとして、計測管理の成果の現状と課題について討論を進めたいと思う。最初に植手さんからお願いする。

初心は『計測管理必携』の理念

植手稔 私は現在、会社では計測管理の実務から離れているが、最初に計測管理の目的について、文献『計測管理必携』に記載された(社)計量管理協会発足当時(1951〔昭和26〕年)の趣意書の抜粋を紹介する。それによると、「生産を合理化して卓越した品質の生産物を造り出すことは企業においてその死活を制する問題であるのみならず、輸出貿易を伸長して我が国経済の全般的発展に資する上で揺るがせにできない重要問題であるが、加工・製造または採取の過程において、物理的、科学的変化はすべて量によって把握されるものであるから、生産面における一切の企業合理化の究極的基盤は計量の合理的管理に帰着する。企業内部における工程管理の1方式として計量の合理化を実現するためには、生産の各工程内部において、最も適当な箇所、最も効率的な方法、および最も適切な精度で計量すること並びに計量結果を迅速、且つ的確に確認し、それに基づいて直ちに調節を行うような設備を施し、計量結果を高度に利用することが何よりも肝要である」と記されている。
 古い文献ではあるが、私は、その理念とか意味するところは全く古さを感じない。むしろ、計測管理の現状を思えば、「初心忘れるべからず」との思いを強く持った。計測管理の現状は、計測器の校正が主体となっているが、この趣旨書には計測器の校正をしなさいとはどこにも書いていない。本文中の「最も適切な精度で計量すること」が、計測器の校正と解釈できるかもしれないが、現状の計測管理≒計測器の校正の構図からすると、意味付けがかなり違うと思う。
阿知波正之(司会) そのような理念から、現状の計測管理を見たとき、具体的な課題はあるか。

校正作業以外の活動が見えない

植手稔 企業の計量管理の活動において、計測器の校正作業以外の活動が見えないことが一番の課題ではないかと思う。

計測管理についての経営者・管理者の理解

人材育成が重要

渡辺雪宣 今の話から経営者自身が計測管理をどのような思っているかがベースであって、経営者も現場の担当者も品質管理の一部程度と思っている。企業のなかで理解を進めるには人材育成が欠かせない。特にトップの考え方で大きく変わる。本部長が変わった途端、品質管理の基本指導をしっかりやってほしいとのことで、定年を延長し、勉強会を土曜日におこなっている。計測管理まで至ってはいないが、トップの理解を含めて、人材育成が重要である。

発信する機会を増やしていく必要

石川昌人 現場に近い上司は、現状の理解があるが、トップに近いマネジメント層にとっては、計測管理は基本的にできていてあたり前で、いわゆる空気のような存在。それはある意味しかたがないことであり、それよりも計測管理部門として、貢献できることを発信し、存在価値をいかにアピールしていくかが重要ではないかと思っている。
 従来の計測機器の管理から、その先のISO 10012による計測プロセスの管理を関連部門に理解してもらうため、発信する機会を増やしていく必要がある。
■試験装置の校正方法の問題
 計測管理の関連部門として、製造部門と試験研究部門があるが、製造部門は量産化にともない、測定レスが進みGo-NoGoゲージで良否を判定する方向になっている。一方で試験研究の現場では、たとえば信頼性を証明するための試験評価がおこなわれているが、そこで使用される試験装置の校正方法について相談を受けることがある。基本的には装置を構成している個々の計量器が校正されていれば、計量器管理としては良しとしているが、それでは不十分のケースがある。たとえば精密な試験装置の場合、システム内の導線ケーブルを変えただけでも出力値に影響を与えてしまう。本来ならば、それら導線ケーブルも含め、試験装置のすべての構成品を固定した形で計測装置として校正評価すべきであるが、実際はそのような試験装置は、汎用的に試験の目的により組み合わせを変えて使用されており、都度再現性確認をおこなうことで、信頼性を評価しているケースも多い。不確かさによる信頼性評価の方法が普及すれば、もっと効率的になると思う。

正しくて当たり前との受け止め

阿知波正之(司会) 経営者の計測についての理解で、技術屋として誤った測定結果で失敗した人は計測の重要性を認めてくれているが、そうでない人は空気のように、正しくて当たり前というように受け止められ、そのための仕事をしていることは知っていても計測が果たしている重みが理解されない。石川さんからあったように、正しいことを証明できるまですることが理想ですね。

現場の計測課題の支援が大切

計測技術で現場の力になる

林貴雄 校正部門としては、正しいことを証明するのが当たり前で、そのことで喜ばれることはない。最近あったことでは、新しい試験装置を導入したとき、アウトプット保証するにはどこを肝として、点検・校正すればよいか、設備導入部門ではわからない。そのようなときに、どのよう要素をどのような間隔で、どのような方法で、点検・校正すれば、アウトプットが保証できるとするようなことが望まれている。そのようなことがISO 10012にもつながっている。
 製造部門から、突然測定結果が変化したため、その計測器を確認してほしいと持ってこられるとき、計測器を点検・校正するのではなくて、その測定しているものを持ってきてもらい、その形状、測定方法を聞き、測定値の不具合が起きた原因と処置を説明してあげると感謝される。校正はわれわれが身につける技術の1つであって、最終的に求めるものはそこからでてくる現場に対するアドバイスとか、補助とか、それに対応できる計測技術である。日々現場ではそのようなことが起きていて、それにわれわれが力になれるかではないかと思う。

EPMAによる分析を例に

阿久津光 具体的事例として、EPMA(電子線マイクロアナライザ)による分析をあげたいと思う。EPMAはどのような元素がどれだけ含まれているか分析する装置であるため、計測器の一種としてその装置の計測トレーサビリティについて検討した。
 まず、その装置は純物質を基準として未知の物質を分析結果から、各元素が何%含まれるか測定することから、純物質を標準としてトレーサビリティが取れるのではないかと考えた。しかしながら、メーカーに聞いても純物質の証明書が出せないということであった。また、産総研((国研)産業技術総合研究所)にも問い合わせをしたが、標準はないということで、純物質によるトレーサビリティ整備はできなかった。
 社内規定では、計測器の計測トレーサビリティの確立は必須なため、他の手段を検討することとした。次に検討したのは、値付けされた資料を何個か用意して、その値を標準として測定結果を比較して同じような結果が得られればトレーサビリティが取れるという手法であり、結果的にこの方法で落ち着いた。
■問題に具体的アドバイスできれば
 計量管理というと校正部門ができていればよいように見られている。最近は計測器のトレーサビリティは理解されているが、事例のように計測器の使用者から、計測トレーサビリティをどのように確立するかという問題提起に対して、具体的方法をアドバイスできれば、相手方も喜んでくれるし、校正しようという気になるのではないかと思う。

標準物質がない

阿知波正之(司会) JCSSには標準物質もあるが、ないものがありますか。
阿久津光 たとえばアルミ純物質の場合、完全に100%の物質を作成することは不可能で、いくらかの不純物が含まれるが、その物質の種類と比率のトレーサビリティを証明することが難しいと言われた。また、産総研のEPMA向け標準物質は合金で純物質はないとのことであった。

EPMAで未知の物質の定量分析は難しい

松山辰夫 私の経験ではEPMAの場合、元素どうしの干渉が起き、未知の物質の定量分析は難しい。一方、組成範囲が決まっている場合にはきわめて有効なので、金属合金の品質管理に、よく利用されている。標準とする合金をトレーサビリティの証明ができるところ(環境計量事業所等)で化学組成を分析し、それを標準とするのが、一般的だ。

環境条件の違いで差が生じる

小屋松隆一 EPMA分析は分析した元素の比率は表すことはできるが、その絶対値を保証することは難しい。言われるような方法は妥当と思われる。具体的な事例で、温度測定に使用する熱電対の場合、メーカーの校正結果と、社内で校正する場合の挿入位置の違いで、差が生じる。さらに現場の炉の位置が違うので、炉に取り付けた状態で校正すると、炉の温度分布の影響もあり、難しい。設備部と調整して決めているが、試験部門としては、何を基準に判断するのか難しく、悩ましい問題がある。

校正結果の活用

計測器の使われ方を知っておくことが大事

高井哲哉 最近あった事例では、製品の良否を判定するゲージをつくって校正して現場に渡しているが、校正担当者はゲージの使われ方を知らないで、ゲージ図面の公差だけで合否判定しており、使い方を知らないのはマズいのではないかと考え、ゲージを使って、どのような製品を測るのか、ゲージがNGとなったら製品の判定にどのように影響するのか、その特性を満足できない製品が市場に流出したらどうなるのかといった教育をおこなっている。
 なぜ校正するのかを知っていることが重要だと思う。ゲージの使われ方を知っていれば、測定ポイント等の妥当性も評価できる。最近報道されている問題についても、検査や試験をしている人がそのデータの結果から何が起きるかを知っていれば問題は防げたのではないか。またデータを見る人も今日のデータ、明日のデータと個々のデータしか見ていない。木を見て森を見ずとよくいうが、母集団としてデータを見ていれば、規格のミニマムに山があって、正規分布になっていないことが予想され、管理というか、やり方のマズさを感じる。
伊藤佳宏 計測についてトップの強い関心があるようになってきたのは、計測管理担当者でもある高井さんの数々のすばらしいレポートに見られるような活動の成果であると思います。
高井哲哉 飛行機のエンジンは当然であるが、われわれの生産しているホイールも重要保安部品であり、トップの計測についての関心は高い。

使用部門の相談に応えられることが重要

阿知波正之(司会) 今までの話題からわかることは、校正部門の人は決められた計測器の校正をおこなうだけでは不十分で、その結果がどのように活かされているかを知って、使用部門の新しい課題について相談に乗ってくれるか、応えてくれるかが、重要だね。

プラスアルファの付加価値を付ける

高井哲哉 決められた校正をするだけであれば、コストによりどんどんアウトソーシングされ、社内での存在価値がなくなる。プラスアルファの付加価値を付けられるかどうかが大切だと思うし、それができる人材を育成することがわれわれの使命でもある。

計測管理部門での人材育成が重要

伊藤佳宏 私は事業所に入社した当初から長く計測管理部門にいて、途中から品質保証の管理部門の仕事に職場は変わっても、計測管理のまとめ的な業務は自分についてきた。したがって、社内の各部門から計測管理や測定方法などの相談に対応する機会があった。
 最近は、特に計測管理担当者の人的、コスト的にも余裕がなくなってきて社内の各部門から計測管理や測定方法などの相談に対応したり、試験部門から相談されたとき、誰が対応するか明確になっていない。また、計測管理、計測技術の専門家の人材取得の面からも難しく、計測管理部門での人材育成が重要になる。ISO 10012の取得が人材育成のきっかけにならないか。

ISO 10012導入等で標準化できれば

石川昌人 ISO 10012の認証取得自体が目的となるとうまくいかないが、評価方法等の表し方で悩んでいる人たちに、このようなやり方があると教えてあげると受け入れられる。そのような悩みは、試験研究部門でのニーズが高いと感じる。部門や担当者により、試験結果の信頼性評価の表し方やレポートの書式がまちまちなところがあり、ISO 10012導入等をきっかけに標準化できれば、試験結果のレポート作成作業も効率的になると期待できる。特に欧州の顧客からは、試験装置の信頼性評価の結果だけでなく、評価方法の考え方、プランの提示も求められる傾向が強いため、今後ニーズがさらに高まると思われる。ISO 10012導入のきっかけを思案している。

組織としての活動が重要

どこまで関わるかをはっきりさせる必要が

本庄健一 私は電機メーカーで、35年間ものづくりの現場に、その後6年間は計測器の校正部門にいて、双方の経験から、校正部門は計測器のハードを維持しており、一方使用部門ではその計測器が正しいものとしてつくった製品を評価していた。
 石川さんがいわれたように、量産製品はゲージでGo-NoGoを判断しているが、新製品の評価の場合は精度とか不確かさが問題となってくる。計量士として計量管理を考えてみると、たとえば薬局の計量器の検査に行ったときに、高精度の計量器があっても、使う人は水平かどうかとか、エアコンの風の影響とかに無頓着の場合があり、使われる環境で検査しようとすると、不合格となるが、エアコンを止めて検査をすれば合格になる。使用者に計測器の使用環境を含めた使い方の話をするが、製造メーカーの人と違って関心が低い。
 市場のはかりの使い方はさまざまで、検査・校正に加え、使い方まで関わるのは難しく、計測管理としてどこまで関わるかの立場をはっきりしないと難しい。計測管理の目的といっても、使う側か、校正する側か立場によって変わるので、立場をはっきりさせないといけない。

現場任せの改善ではむずかしい

阿知波正之(司会) エアコン風の影響で測定結果が安定しないとき、現場でも測定結果が変化し、困っていることが多い。検査の立場からは難しいが、計測管理としてみると、使用部門の問題として現場任せの改善では計測の専門家ではないので難しいことも多い。

計量器の使用状態のパトロールの活動

小屋松隆一 私の会社では、計量器の検査担当者に使用状態についてパトロールの活動を時間を設けてやりなさいと指示している。計測管理の担当者が使用者に「計量器の調子はどうか」聞き込みもさせている。大型計量器ほど必要と感じており、調整が必要か、ケーブルが断線しかかっているなどして出力が不安定になっていないか、処置が必要かなど、変化点を捕まえて、早期に発見するように努めさせている。それをやらないと、24時間稼働しており、問題が発生すると突然の呼び出しがある。夜中に呼び出しされるより、昼に予防処置する方がよいのは担当者でもわかる。

是正処置、予防処置が必要

伊藤佳宏 不具合の是正までしないと計量管理にはならない。検査で不合格と判断するだけでは管理ではない。現場でどんな使い方をされていても、規格に入っているか判定するだけでは、計量管理としては不十分で、是正処置、予防処置が必要だ。

早期発見、早期処置が重要

小屋松隆一 是正処置としても、不合格となったとき、それまで生産したものの是正が数カ月単位となって大きな問題となるので、早期発見、早期処置が重要になる。たとえばゼロ点がフラフラしていると聞いたらすぐに行って、原因を捕まえて処置しないと解決しない。「私載せる人、あなた測る人」とやっているとなかなかうまくいかない。

計測管理が本当に重要だと思ってもらえる必要が

植手稔 トータル的に計測管理をマネジメントできる人がいればよいが、そういう人はなかなかいない。計測管理の本来のあるべき姿は、「品質の安定した良い商品をつくりましょう」がスタートで、そのためにお客さんの要求を計測のパラメーターに変換して、どこの工程でどのような代用特性を監視するのか、どんな計測器を使ってどんな規格にするのかといった一連の計測のプロセスを確立した上で、じゃあそこで使う計測器は本当に正しいのかわからないので校正をしないとねという話がでてくるのが本筋だと思います。
 校正は一連の計測のプロセスの中で重要なファクターではありますが、決して主体ではありません。現状はこのような計測のプロセスの設計は決まった人がいなくて、なんとなく生産技術とか現場の責任者がやっている。計測管理部門は校正だけやっていては将来立場が危うくなってくる。社内でなかなか計測管理が理解されないのは、計測管理部門自身が校正係の立場に甘んじていることと、それ以上のことをしているならばその見える化ができていないことだ。
 私自身の経験では計測管理のその時々の上司である中間管理職の理解しだいで計測管理の立ち位置が大きく変わったことがある。企業のなかで計測管理のポジションが不変で本当に重要だと思ってもらえる必要がある。

計測管理の効果が認められる必要が

本庄健一 計測管理の効果が認められる必要がある。品質管理であれば品質が良くなった、悪くなったとわかるが、極端な話、計測管理は要るのかと言われてしまう。計測管理の効果が表しにくいことがある。

全員参加の計測管理

入り口から出口まで計測管理を皆が理解していることが大事

松山辰夫 別の視点でいうと、計測管理の部門とか担当者は存在していないと思う。計測管理が、計測コントロールから計測マネジメントに進化してきている。それは全社的な活動で、設計から出荷までの全員が計測管理の担当者であって、校正をやっている人はその一部を担当しているにすぎない。ものづくりの入り口から出口まで一貫して計測管理を皆が理解していることが大事で、計測管理室をつくるだけでは、計測システムは機能しない。
 つまり組織的に設計部門とか、生産部門が計測管理室の配下になることはあり得ないわけで、計測管理の担当者が「言っても、各部署で、なかなか聞いてもらえない」のが実態だ。計測管理室の役割は、計測システムの担い手である各部署への啓発、サポート、コンサルティングになると思うが、その成果が見えないので、価値を認めてもらうのが難しい。
伊藤佳宏 それは全員参加の計測管理であり、それがスタートになる。

全員参加でないと計測管理はうまく回らない

植手稔 全員参加でないと、計測管理はうまく回らない。計測器の校正から現場をパトロールして使い方を指導するレベルが現状で、さらにその上があるのではないか。
 ISO 10012は計測管理の国際規格で、製品のプロセス全体の計測管理をしっかりやりましょうということが入っているのではないか。

わかってもらうことが課題

伊藤佳宏 ISO 10012は計測機能をつくれと要求している。経営資源を計測管理に投入しろと言っている。それをわかってもらうのが課題である。全員参加の計測管理は昔からいわれていたのではないか。

全員参加の計測管理を導入

阿知波正之(司会) 1970年代の後半からトヨタグループの計測管理研修会で、情報交換が盛んにおこなわれていて、当時のトヨタ自動車工業(株)の計測管理部門は人材が豊富で、計測器を集中管理により、正しい計測器に整備し、使用部門はいつも正しいものが用意されており、使うことに専念する方式であった。私の所属していた日本電装(株)の計測管理部門は人員が少数であったので、使用部門は使う前に、正しいことを確かめてから使用する、全員参加の計測管理を導入し、計測教育を推進していた。
■計測設計の標準化が難しかった
 またISO 10012の計測設計の考え方は、私が計測管理を担当する前の1960年代から、標準化され、生産技術部門で導入されていた。ただし、設計・開発部門は常に測定対象が変わるということで、標準化は難しかった。

計測管理をいかに広げるか

測定の不確かさを浸透させる活動を推進

榊原淳生 私は事業所の計量士を担当しているが、計測器の校正は現状では、他の組織で担当している。そこで、計量士として計量管理について学ぶなかで、会社にどのように貢献できるか考えたとき、工程管理として4Mに測定と環境を加えた5M1Eを管理して良いものつくろうとしてきた。そこで、測定について何が改善できるかを考えたとき、測定の不確かさにより、間違って製品を不合格にしたり、合格にしたりすることが起きていて、それを改善することによって、会社に貢献できることがわかってきた。そういったことから計測管理の活動として、われわれの顧客である事業部に測定の不確かさを浸透させる活動を進めている。
■現場の人は計測結果は正しいと思っている
 私は入社した当時は設計を担当していて、計測器を使って測定したときその結果は正しいものとして仕事していた。ある時期に電気部品の品質保証を担当することになり、当時QS9000に関わり、トレーサビリティとか計測器の管理が重要だとわかってきて指導していた。そこで、ノギスとかはかりの測定結果は問題ないが、分析機器とか鍍金の膜厚を測るとき毎回測定値が変化して、こんなにばらつくのかとは感じていたが、その時は「測定の不確かさ」は知らなかった。現実的には何回も測って平均値を求めたり、人によっては何回か測って、1回でも規格に入れば良しとしたり、何回も測って、良い結果をそのデータとすることもある。それは測定の不確かさから起きていることがわからないのだと思う。また、計測管理を担当する人が伝えていなかったのだと思う。
■基本を正しく指導しないといけない
 現場の人は計測器で測った結果は正しいと思っており、ゼロ点とか、マスターチェックとか正しくしないと誤った結果となる、基本を正しく指導しないといけないと思っている。現在事業部に新しい情報と横並び展開する立場で、以前、社内の発表会で、不確かさの改善事例が発表されたが、不確かさの意味とかその活動の良さがわかってもらえなかったのが残念で、伝え方を考えないといけない。

「品質管理の宣教師」活動を実践中

渡辺雪宣 その活動はまさに宣教師活動であり、私は現在「品質管理の宣教師」活動をしていて、良いとこ取りでそれをいかに普及させるかです。

測定プロセスの標準化が重要

高井哲哉 今の工程はそれほど悪いものはできない工程になっているが、その中でも規格に外れることがある。その原因として、測定が悪いことがあって、言ってしまえば不確かさの影響で、その測定のばらつきについて現場の担当者の理解はある。その時、このように測れば良いとしてそのつど処置はされているが、標準化され、伝えられてないところが弱い。そこで、測定のプロセスを標準化しておかないといけない。それは海外展開するとき重要になる。

ノウハウが未確立の測定がある

阿知波正之(司会) 榊原さんの話にあったように、ノギスとかはかりのように汎用的で技術の蓄積があるものは良いが、そうでない鍍金の厚みとか高井さんがやられた塗装の厚みとか阿久津さんの言われた物質量のようにノウハウの確立されていない測定がある。

「不確かさ」の浸透度合いは?

阿知波正之(司会) 先ほどの測定の不確かさについて「不確かさ」の言葉の浸透はどうか。

一般には理解が難しい

松山辰夫 馴染みのない言葉で、一般には理解が難しい。ばらつきの方が伝わりやすい。

「計測管理」も難しい

高井哲哉 不確かさの言葉より「計測管理」も難しい。管理というと決められたことをやればよいと誤解されやすいが、そうではない。
林貴雄 管理というと何をすればよいかわからない。管理という言葉を気安く使うなと、上司から指摘されたことがある。
植手稔 計測管理とは、JIS Z 8103計測用語では「計測活動の体系を管理すること」とあるが、計測活動の体系とは何なのかという議論になり難しい。
伊藤佳宏 品質管理が品質マネジメントと変化したように、ISO 10012では計測管理が計測マネジメントになってきた。
榊原淳生 管理はコントロールとマネジメントとあるが、先の用語からはコントロールの意味が強い。

計測マネジメントの人材育成
阿知波正之(司会) マネジメントとなると、人・もの・金の管理となる。そのような観点で討論を進めてほしい。まず人としての人材育成はどうか。

原点に戻って、再教育を進めている

渡辺雪宣 技術部門も派遣社員が多く、ISO 9000も基本的なルールが伝わっていないことがあり、現在、原点に戻って再教育を進めている。

基本教育とエキスパート育成の両方必要

林貴雄 当社では現場の技能者を対象とした計測の道場があり、基礎的な教育の場として使っていてエキスパートを育てるまでには至っていない。基本的な教育はパワーをかければできるが、もっとコアな困りごとを解決できるエキスパートの人材を育てるには時間がかかり、ローテーションすると難しいし、手順書でも解決しない。両方必要だと思う。

基礎教育は根幹だ

高井哲哉 文化を根付かせるには道場のようなベースが有効ではないか。基礎教育は根幹だと思う。エキスパートも基礎ができていなければ育たない。会社のカリキュラムとして道場で計測の基礎を学べるしくみがあるのはすばらしいことだと感じる。
林貴雄 私が入社したころはプロ集団に囲まれて仕事を通して指導を受けていたが、時代が変わり今はそのような環境ではない。ベースはできたがその上の人材育成は難しい。

測定者の意図で、測定結果は変わることがある

植手稔 そのようなエキスパートはセンスが必要で、そのような人材は少ない。細かい計測の悪さはいくらでもある。三次元測定機による測定でも測定者の意図によりその測定結果は変わることがあるが、気が付かない。
渡辺雪宣 そういった事象が重なると大きな問題につながることがある。
林貴雄 現場の計測結果に問題があると、まず現場では同じような計測器や検査装置で再測定する。その原因を調べるまではいかないことが多い。そのようなケースを調べてみると、その計測器とか検査装置をベストな状態に調整すれば使えるが、使用状態での不確かさが大きくて、誤判定が起きる場合もある。実際にあった事例では計測器を校正したあと、製品を判定したら、誤判定が発生し、よく調べたら、電源ON後の暖気時間の不足が原因だった。現場は電源ONして測定できるようになれば、すぐに使うのが実態である。

測定現場とのコミュニケーションが大切

作業者に必ず声をかける

渡辺雪宣 小屋松さんの現場のパトロールの手順はどのように進められたか。
小屋松隆一 手順として現場には日常点検を指示してあり、その実施状況を確認すると同時に作業者に必ず声をかけるように指示している。そうすると作業者が声をかけやすくなり、現場とのコミュニケーションが良くなる。

相手の思いを聞き出す

石川昌人 現場とのコミュニケーションで大切なことは、現場で困っていることは何かを知ることに重点を置くべきだと思う。こちらの考えを一方的に伝えるだけでは、押しつけであり、現場は受け入れてくれないので、まずは相手の思っていることを聞き出すことが大切だと思う。

コミュニケーションは重要

榊原淳生 現場とのコミュニケーションは重要で、たとえば圧力計が突然振れ出しても最初対応しないと、その圧力計の変化を見なくなってしまう。
植手稔 計測器の異常を発見するとISO 9000では妥当性の評価を求められる。いつから異常か、とその間の妥当性を求められると手間がかかるので、情報が上がってこないことがある。
小屋松隆一 1年に1回の定期検査で問題が発見されると、処置が大変なことになる。
渡辺雪宣 何でもすぐに打ち明けるというコミュニケーションが大切だ。

不具合の真因の追及と対策が重要

阿知波正之(司会) それと、不具合の真因の追及と対策が重要で、これは流通業であった事例で、商品量目不足の原因として、「作業者の容器の風袋引き忘れが原因で、注意します」という報告があった。真因の追及と始発防止の不足を感じた。

なぜ、なぜの教育が重要

渡辺雪宣 まさに現象対策だけでなく、品質管理のなぜ、なぜの教育が重要で、関心が高く希望者は多い。

「トラブルで日曜日、夜間の呼び出しをなくすには」の課題から

伊藤佳宏 現場のコミュニケーションとか、パトロールの活動の時間はどのように設けられているのでしょうか。
小屋松隆一 週間計画の中で決めていて、実施している、そうするとそれが習慣となってくる。
伊藤佳宏 それはどのような動機で計画されたのでしょうか。
小屋松隆一 それは、トラブルで日曜日とか夜間の呼び出しをなくすには何をすればよいかという課題から生まれた。

良いことは褒め、改善事項を提案

林貴雄 当社の場合、内部監査の機会に校正の担当者が同行して、計測の点検をしている。現場に行って、良いことは褒め、改善事項を提案して、現場とのコミュニケーションを取っている。

評価ができる人材の育成が重要

阿久津光 現場をパトロールする人材が難しい。校正のリーダクラスは現場とのコミュニケーションを取りながら、校正の手順書をつくってきて、現場からの疑問にも対応できるが、校正の担当者クラスではすでに作成された手順書に基づく作業を主におこなってきていることもあり、パトロールに出ても対応できないことがあるように見受けられる。
石川昌人 昨今の製造現場では、従来の職人的なエキスパート作業者に頼った品質保証から、経験の浅い作業者でも安定した品質を確保できるよう、徹底した作業の標準化が進められており、その結果、職人的な作業者は育ちにくい環境となっている。作業の標準化の究極はロボット等による自動化となるが、そうなるとロボットがおこなう作業が正しいかどうかをモニターし、評価ができる人材の育成が重要になってくる。校正でいえば、手順書がつくれる人材の育成が重要になる。

マネジメントの問題

阿知波正之(司会) 伊藤さんは校正部門では使用現場のパトロールする時間をつくるのは難しい。一方、小屋松さんからは校正部門の業務の改善のためには使用現場とのコミュニケーションが必要があるという話がありました。校正作業においても使用目的と関係なく無駄な校正をしたり、必要な校正をするためにも使用状態を知ることは重要だと思うが、いかがでしょうか。
伊藤佳宏 使用目的に合った校正をするために、社内で標準化してきて、そのような人材を育成し、それを財産としてきた。
阿知波正之(司会) その体制を維持するのがマネジメントの問題ですね。
伊藤佳宏 所属事業所では校正作業者としての人材育成はあるが、校正、計測管理スタッフとしての人材育成、確保が難しい状況がある。
石川昌人 他事業所の例では、校正手順書を社員が作成し、校正作業は社内請負にしている。そのようにして、スタッフを育成している。
小屋松隆一 パトロールについて、当社では若い人を派遣している。若い人の方が時間的に余裕があるし、担当させることにより、成長する。

ISO/JIS Q 10012の教育普及活動

繰り返しで理解が進んだ

本庄健一 適正計量管理事業所としては、計量士による教育指導を規定しており、月1回計測器の使用部門ごとにテーマを決めて講義をおこなうとともに、校正部門としてパトロールの結果を報告することをルーチン化して実施した。その時、ISO 10012とか測定の不確かさの話をしていて、最初は現場との乖離があったが、繰り返し実施するうちに理解が進んできた。しかし効果を上げるにはトップ力を使って働きかけたときに効果があった。

現場の事例で説明しないと伝わらない

阿久津光 教育していても、しっくりこないというかなかなか理解されないことも多い。具体的な現場の事例を直接的に示して、説明しないと伝わらないのではないか。
渡辺雪宣 説明するときは現場の事例が一番で、さらにたとえば食事の話とかニースで取り上げられた話題を基に説明してやると、真剣に考える。
伊藤佳宏 教える側のトレーニングが必要だね。
阿久津光 ISO 10012の導入についても、計測管理状況が見えてくるといっても、現状に照らして、何が足りていなくて、それを解決するために、何をしなければいけないかのツールの1つとして10012がある、というような話の持っていき方をしないといけないのではないか。
 計測管理部門として、現場の計測管理がなんとなくできていないと思っていても、具体的に何がどれくらいできていないかを知っているかというと、知らないと思う。そういうところも事前に調べておかないといけないのではないか。

取得への環境づくりが大切

本庄健一 以前社内でISO 10012を説明してもらったとき、使用部門の品質保証の課長からその認証を受けるのか質問があり、会社として受ける方針になっていれば真剣に聞くが、決まっていなければ話として聞くがわざわざ余分なことはしたくないという感じがした。したがって会社として、工場としていかにして認証を取らせる雰囲気をつくっていく環境づくりが大切だと思う。

10012と同じ考え方でやっている

伊藤佳宏 ISO 10012の計量確認と関連するが、航空機の関連規格でJIS Q 9100では「初品確認」が重視されており、そのなかで計量確認が導入されている。たとえば三次元測定機で製品を測定するとき、その目的とする測定ができているか検証している。製品が量産に移行した時、その製品が図面どおりにできているか、測定方法が品質保証に適合しているかも含めて、「初品確認」の段階で検証している。それは10012と同じ考え方だ。

具体的な事例を示す必要が

阿知波正之(司会) ISO 10012を導入していないために起きた問題や、無駄があるとか、導入によってこんな良いことがあるというような、具体的な事例を示す必要がある。

計測設計を標準化することが効果的

林貴雄 生産技術部門が設備を導入するとき、新人は前に書かれた仕様書どおりに注文を出せば設備ができて使えると考えているが、ベテランは仕様書どおりにつくられても目的とする検査ができないとか、不具合が起きることがわかっているので処置している。そのような差をなくすようにするには、ISO 10012の考え方を導入し、計測設計を標準化することが効果的だと思う。

なかなかパワーがない

伊藤佳宏 計測方法、計測設計の標準化、計測に関する問題解決等それを誰が発信するかが難しい。計測管理部門は生産技術を動かせるか、なかなかパワーがない。

実効性のあるシステムにしたい

石川昌人 即座に動かせる力はないかもしれないが、まめに発信することで、向かせたい方向に仕向けることはできると思う、いろんなところで種を蒔くことで、必要としている人に気付いてもらうことができる。
 明確な顧客要求があれば手っ取り早く導入が進むと思うが、その場合、取得が目的となって、実際の業務に沿わない形だけのシステムとならないよう、実効性のある活きたシステムとしたい。

計測システムの見直し効果も

植手稔 ISO 10012の導入取得を推進することで、計測システムの見直しがされる効果が期待できる。

計測管理の重要性を発信し続ける

阿知波正之(司会) ISO 9000も2015年に改正されるが(編集部注…2015年9月15日にISO 9001:2015が発行)、当初の導入時はシステムをつくることが主体であったがその後、改善が重視され、今度はリスク管理が重点と変遷しているが、変わらないことをしっかり守っていくことも重要。計測管理は重要だと発信し続けねばならない。また現場のパトロールやコミュニケーションなど、校正に加える活動を進めるのは管理者のマネジメントによることになる。

組織で動かないと

本庄健一 個人に頼ってしまって組織で動かないと、特定の管理者の個性とか、知識とか、管理能力に左右され、長続きしないのではないか。
小屋松隆一 それは管理者の管理記録として、引き継ぎができるようにしてもらう。

リスク管理に逆行しているのが現実

松山辰夫 計測器が進歩して良くなったので、なにもしなくても常に正しい結果が得られていると思っている管理者が多い。そこで、計測管理の担当者が裏方としてコツコツ校正等の管理しているが、コストダウンのために、その管理業務を削減できないかという話がでてくる。トラブルが発生しないように地道に維持管理しているからトラブルが発生していないのに、トラブルが発生していないからその管理業務が無駄であると勘違いする。ISO 9001が求めているリスク管理に、明らかに逆行しているのが現実だ。

測定の不確かさの活用
阿知波正之(司会) 不確かさの活用についてはどうか。

測定の改善が必要な例が多い

高井哲哉 悪いデータがでたときはかなりの確率で測定が悪い。現場は測定が悪いとは思わず、製品を良くしようと、ラインを止めて設備を調整して、ラインの稼働率を下げてしまうことがある。当然、なぜ製品が悪いのか、原因もわからない。
 その測定を正しくすれば、必ず是正されるはずで、実際にそのようになっており、改善効果を目に見える金額で示せる。特に破壊試験とか、成分分析とかの測定は問題が多い。
 私は現場の測定、信頼性試験、外観検査、計測器の校正、社外クレーム処理などを経て、現在生産技術を担当してきた経験から測定の大切を感じており、ここ数年測定の不確かさに取り組んでみて、改善が必要な例が多くある。

不確かさ手法の活用を拡大したい

伊藤佳宏 最近、試験部門において新しい試験装置をつくったとき、その性能を証明する手段として、不確かさの手法を活用して、試験性能の不確かさを最適にし、試験機の製作コストを低減するとともに顧客の承認を円滑に得た例がある。さらに、この事例を他の担当者、他部署、他部門へ拡大したいと考えている。
阿知波正之(司会) その過程で、測定の改善の効果を示されるとよい。

損失は常にでているという意識を

高井哲哉 検査とか試験の場合、測定の不確かさの改善効果により合否に影響しないと、改善効果に気づきにくいが、製造の方は不確かさの改善効果が表しやすい。
 計測をやることで防げるであろう損失は、目に見えないので理解してもらうのは難しい。しかし、問題が起こってからでは遅い。計測の重要性を今後も発信していきたい。
 また、未だに製品が規格のなかにあれば損失はゼロであるという考えが強い。そうではなく、損失は常にでているという意識を持ってもらうことが重要である。そうすれば、測定の不確かさの重要性もわかってもらえる。

測定の不確かさの改善活動は必ず成果に結びつく

阿知波正之(司会) 測定の不確かさの改善効果は品質工学での損失関数で表すことができる。高井さんは測定の不確かさの簡易的な求め方を示され、不確かさの改善を展開されている。
 測定の不確かさの言語の理解の問題はあるが、この改善活動は必ず成果に結びつくので、広く普及することを期待して、今回の結びとしたいと思う。
 ご参加の皆様、ありがとうございました。
(おわり)

計量計測データバンク「日本計量新報」特集記事>「第7回現場の計測管理の現状と課題」座談会
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