2000年12月17日(2381号)

■11月は全国で計量記念日関連行事を実施
  −北海道計量協会は「すばる望遠鏡と電子天びん」講演会を開催−

 11月は1日の計量記念日を中心に全国各地で計量記念日行事が実施され、計量への関心を高める努力がなされた。各地の実施計画等を本紙でも順次紹介しているが、(社)北海道計量協会は北海道計量管理協会の協賛のもと11月8日(水)午後1時半から3時半まで、札幌市の北海道厚生年金会館3階清流の間で「世界最大すばる望遠鏡と電子天びん」大講演会を開催した。

 講演会は(社)北海道計量協会会長山本諭氏の挨拶のあと講師の新光電子且ミ長岡崎稔氏ならびに同社技術顧問藤岡宇太郎氏を紹介、この後両氏が分担して講演を行った。

 岡崎社長は「世界最大すばる望遠鏡の近況とキーテクノロジー」(キーテクノロジーである音叉式センサアクチュエータの開発の苦労談)、藤岡技術顧問は「音叉式重量検出方式の原理とその応用及び音叉式電子天びんの特徴と実演」の演題で講演をした。

 ハワイのマウナケア山頂に設置されている日本の文部省の、すばる望遠鏡は世界最大の口径を誇る反射望遠鏡であるが、望遠鏡の反射鏡を鏡としてきっちりと作動させるためには背後から支えなくてはならず、その支柱には音叉式力検出装置を主体とした技術が織り込まれている。そうしたアクチュエータに用いられる力センサとして最適であったのが音叉式力センサであった。このセンサは精密である上に長期安定性に優れており、故障らしい故障を起こさないことで定評がある。
 岡崎社長はすばる望遠鏡の開発企画段階から、最終的な据え付けとその後の宇宙観測までを質量・力計測の視点から話した。

 また藤岡技術顧問は、音叉式電子天びんや電子はかりの構造と特徴を説明した。その内容は@はかり技術の変遷と当社の沿革、A各種はかりの測定原理、B音叉式はかりと測定原理、C音叉式はかりの構造、D音叉式はかりの応用、Eまとめ。

 講演では岡崎社長が宇宙に関する基礎知識をかいつまんで話したことが好評で出席者は「改めて宇宙の壮大さを思い、また地球の重力の影響について興味をもった」と感想を述べている。

 講演会の聴講者は主催団体、共済団体の会員のほか北海道および札幌市の計量行政職員など86名であった。


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